STRIKEWITCHES 04 THE GREAT GAME 作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将
「どうして?」
「ヒーローってのはヒーロー自身が味方した者しか救えないんだ。皆を救う英雄なんて、人間にできる業ではない。そんなこと、とっくの昔から知っていた筈なのに・・・ごめんよ杏佳。こんな不甲斐ない父親で。」
「・・・でも私は、そんなお父さんが大好き!なんだかんだ言い訳しながら結局はお母さんやおばさん達“家族”の為に皆の為に、世界の為に頑張ってきたんだから。不甲斐なくても、格好悪くても、頑張ってきたお父さんは大好きだよ!」
「・・・あぁ ありがとう。」
「お父さんがなれなかった英雄に私はなりたい。お父さんができなかったヒーローには私が代わりになってあげる。心配しないで。」
「だがその道の不毛さは・・・その果ては、僕自身よく知っている。娘の意思に邪魔立てしたくはないが、また同じ道を君に歩んで欲しくはないんだ。君の道の途中で何があろうと、杏佳が正気でいられるか、自分を見失ったりしないか、僕は心配なんだ。」
「お父さんの夢は終わらないよ。それが私の夢だから。任せて!」
「あぁ ありがとう“相棒”・・・ふう・・・ああ 安心した・・・。」
「杏佳は、どんな大人になりたいんですか?僕はお母様のような柔らかい大人になりたいです。」
「皐月お姉ちゃんは醇子伯母さんみたいになりたいんだね?・・・私は・・・正義の味方になりたい!」
「正義の味方?」
「お父さんの代わりになってあげたい!お父さんの夢は私の夢だから!」
「大真面目に“正義の味方”になりたいって抜かすか・・・案外父ちゃんの正統な後継者は杏佳なのかもな。父ちゃん、あんたの夢は終わらねえよ。これからも続いてく・・・人の夢は、終わらねえ。」
U.C.0020 宮藤杏佳、竹井皐月、マリア・サラス・ララサーバルの三者問答より
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「また・・・交通事故で死ぬのか・・・喜劇もいいところだ・・・千歌さん、僕の最後の言葉を・・・皆に・・・伝えて・・・下さい・・・『僕はここまでだ。ヴァルハラから大神オーディンと共に君達を見守っている。皆の“家族”であって光栄だった。』と・・・あぁ、良き人生だった・・・。杏佳・・・我が娘・・・夢を継いでくれてありがとう・・・でも同じ路は・・・辿るな・・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
U.C.0011 9月6日 ルウム宙域 地球連邦宇宙軍 第3艦隊 旗艦“エンデュランス”艦橋
「哨戒艦から報告。艦隊前方300に我が連邦宇宙軍のIFFに反応しない艦隊の布陣を確認。艦数は10。付近を漂う岩石になんかしらの工作を行っている模様です。」
「参謀長、おどれはどう考える?」
「コリニー予備役大将が大陸戦争後期に我々に言っていたことがあります。『アイツ』の秘密計画“人類補完計画”が本格的に発動するのはU.C.0011からだと。ただしあの言い方だとコリニー大将もそれ以上は知らなかったと思われます。ですがそれより少し後に彼はアドバイスを言ってくれたことがあります。『アイツ』がどう動くにせよまずは囮から始めるだろうと。目の前の艦隊が囮であることは明白です。北極研究所も恐らく囮・・・。」
「あれが囮かそれとも本命なのかはわしにとってはどうでもいい。目の前の艦隊が正義に反する奴等であることは明らかじゃ。徹底的な正義の名のもとに撃ち滅ぼしてくれる。」
「はっ。ではMS隊を出しますか?」
「小細工は無用。有効射程に入り次第主砲統制射撃3連で終わらせる。コンディションレッドを発令!総員持ち場につくんじゃ!」
「はっ!コンディションレッド発令!コンディションレッド発令!戦闘ブリッジへ移動!急げ!」
アンノウン艦隊side
「来たか。よし、引き上げるぞ!ビーム攪乱膜展開、最大戦速で帰るぞ。あの艦隊はどこの部隊だ?」
「IFF確認、第3艦隊です。旗艦“エンデュランス”を確認。」
「雁淵大将か。捕まると厄介だ。さっさと逃げるぞ。」
「駄目です雁淵大将、敵艦隊を見失いました・・・。」
「ぬぅ・・・見張り員、ライブラリと照合できたか?」
「確認しました。クルーゼ・エレクトロニクス社の計画止まりの宇宙巡洋艦、コードネーム“ムサカ”と特徴が一致。」
「・・・参謀長、各艦隊と宇宙軍統帥本部に知らせるんじゃ。」
「はっ。」
「敵の意思が読めん。確かにわしはニュータイプとして未熟じゃがここまで読めんのは初めてじゃ。どうなっちょる・・・。」
「地球連邦政府、並びに全ての地球人に告ぐ。我々は、宇宙国家、ジオン。地球連邦政府は、数多くの空前絶後の功績をあげるという光をもたらした。だが、その眩しい光にも当然影があった。私は影の体現者、シャア・アズナブルである。我らジオンは、地球連邦政府に対し、宣戦を布告する!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「私が“本当に”死んだ時、世界は新たな時代へと向かい始める。例えそれが暗黒の時代であっても、諦めないで進んで欲しい。闇を照らす炎が必ず現れる。それが消えぬ限り、この道は続くだろう。」
送信元不明のメッセージが届いております。再生しますか?
YES ←
NO
『我が友アンジェラ。この僕の言葉を聞いているなら、僕はもう死んでいるだろう。終始わがままで良き夫ではなかった僕を許してほしい、本当にすまなかった。こんなことを言える立場ではないが、本当にありがとう。君の夫であれて幸せだった。これからはヴァルハラで君を見守っている・・・相棒、生きろよ。僕がついている。』