「金がない...」
ムコウ撃破から数週間後、サイタマは金に困っていた。いつもギリギリの生活を送っていたサイタマだが、今回はかなりのピンチである。
「どっすっかなぁ...とりあえずA市にいって、自販機の下を漁るしかないな。こんなことはしたくないけど...これを機に職場でも探すか?」
サイタマは行く道のりの途中、職場について考えていた。
ーーA市
「A市に到着...」
とその時、突如として巨大な爆発が起きた。サイタマは音がした方向に向かうと、ある怪人が街を破壊していた。怪人の目の前にいた少女が殺されかけていた。サイタマは駆けて、少女を抱えて安全なところに避難させた。
「お前は何者だ?」
「俺は趣味でヒーローをやってる者だ。」
「...なんだその適当な設定は...まぁいい。私は人間どもが環境汚染を繰り返すことで生まれたワクチンマンだ!地球は一個の生命体...それを貴様ら人間どもが地球の命を蝕んでいる!謂わば私は地球の意思によって生み出されたのだ!地球の使徒である私に、趣味でヒーローをしているやつに負けるわけがない!覚悟し...」
「はいはい、言いたいことは二十字以内で簡潔にな。」
「ぐっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
サイタマはワンパンで倒した。
「怪人倒しても、金は増えないしなぁ...怪人倒して金を稼げる職業ってないかなぁ...とりあえず家に帰ろう...」
サイタマは早足でZ市に戻った。
ーーZ市
「で、なんで家の前にいるんだ?」
「あの時のお礼と、仕事に困っていそうだから、仕事の話を持って来たわ。」
サイタマが家に帰ってきた時、家の外にはタツマキがいた。サイタマは困惑した。教えてもいない家の住所を知っていたからだ。
「なんで家の場所を知ってんだよ...?」
「こんなのヒーロー協会に頼めば簡単に特定出来るわよ。それより、これ、この前のお礼ね。」
「お、おう...ありがとな。」
そういって、タツマキは白菜などの鍋料理御用達の具材をサイタマに渡した。
「今日は鍋にするか。...それで、仕事の話ってなに?」
「サイタマ。あんた、ヒーロー名簿には登録してるの?」
「いやしてないけど。てかなにそれ。」
「はぁ!?知らないの!?」
「初耳なんだけど。」
「はぁ...いい?ヒーロー名簿っていうのは...」
「あ、二十字以内で簡潔に頼むぜ。」
「...要するに稼げるヒーローになれるのよ。」
「おお!それはすげぇ話だな!早速登録するぜ!」
「そう言うと思って、早速ヒーロー協会に推薦しておいたわ。もちろん、試験なんかはブッ飛ばして登録出来るわよ。」
「お前、そんな偉いやつだったのか...」
「一応、私はS級ヒーローよ!この前のはたまたまよたまたま!」
「そうだったのか...ところで、S級とか、階級は何段階あるんだ?」
「C級、B級、A級、そしてS級の4段階よ。S級はよっぽどのことじゃないと選ばれないけどね。」
「へぇ。それで、俺は何級からなんだ?」
「...S級よ。」
「うっそだろお前!?」
「というのは冗談で、B級からよ。」
「よかった...いきなりS級だったら怪しまれるからなぁ...」
(本当は一緒にS級で活動をしたかったんだけどね...)
S級2位のタツマキと言えど、そこまでの無茶は出来なかった。ヒーロー協会の上層部が無能なのもあるが...経歴もないサイタマをいきなりS級に上げるのはヒーロー協会の評判が悪くなるからだ。しかし、タツマキはある一人に本当のことを伝えたのだ。それがシッチという幹部の一人だ。彼は人より強い正義感を持っている。なので、タツマキが推薦するほどの実力者をヒーロー名簿に登録しないわけがない。今頃、シッチは上層部を説得しているのだろうと、タツマキは考えていた。
(まぁでも、シッチには本当のことを伝えたから、サイタマがS級に上がるのも時間の問題ね。)
「あ、一応面接をするから、明日ヒーロー協会まで来てくれる?大丈夫よ、あくまで軽い面接だから。」
「わかった。じゃあまた明日な。」
「ええ、じゃあ私は帰るわ。」
「今日はありがとな、タツマキ。」
「///べっ、別にいいわよ!」
(何で照れてるんだ?)
明日、サイタマのヒーロー活動が始まる!
少し早いヒーロー登録。
タツマキにどうやってサイタマに告白させよう...とか考えてたりします。