第1節
「誰か・・・誰か彼女を止めてくれー!」
カルデアの食堂で叫ぶ1人の男、マスターである九条葵の視線の先には黒い甲冑の少女が大量のハンバーガーを食べていた。
「オルタぁ、頼むから食べるのをやめてくれ。今月はピンチなんだ」
アルトリア・オルタは華奢な体つきであまり食べなさそうだが、まったくの反対で大食漢だった。
そして、今食べている大量のハンバーガーはタダではない。
全て葵のポケットマネーから支払われているのだ。
「ふむ、そうか。おい、ハンバーガー20個追加だ」
「オルタぁぁぁぁ!」
葵は叫び崩れてしまった。
「あ、あははは・・・。大変だね葵くん」
その様子を見ていたもう1人のマスターである藤丸立香は苦笑していた。
「・・・そう思うなら止めてくれ」
「えっと、そこはほら葵くんのサーヴァントなんだし」
「・・・ちくしょう」
また崩れてしまった葵に誰もが哀れんでる中、ロマ二が食堂に入ってきた。
「ああ、いたいた!二人とも今すぐ管制室に来てくれ」
「・・・わかりました!いくぞオルタ!」
「待てマスター、まだハンバ・・・」
ロマ二の言葉に葵は素早く立ち上がると、アルトリア・オルタの腕を引っ張って食堂を飛び出した。
「えっと、どうしたんだい葵くん?」
あまりの葵の行動にロマ二は呆然としていた。
「あははは・・・」
そうしてロマ二と共に立香は管制室に入る。
中では葵とマシュにオルガマリーとサーヴァント全員が集まっていた。
「来たわね立香。それじゃあブリーフィングを始めるわよ」
立香が来たことを確認したオルガマリーはブリーフィングを始める。
今回向かう第一特異点はフランス。
そこでの目的は特異点の異変の原因の調査及び解決。
もう1つは聖杯の探索及び回収である。
「レイシフトしたらまず霊脈を探しなさい。そこを基点にマシュの盾を設置すればこちらから補給物資を送ることができるわ。話は以上だけど何か質問はあるかしら?」
「年代はいつぐらいですか?」
「そうね。年代は1431年、聖女であるジャンヌ・ダルクが火炙りの刑に処された年よ」
「ジャンヌ・ダルクか・・・」
ジャンヌ・ダルクとは祖国のために戦っていたが、裏切れてしまい処刑されてしまった少女。
「何か可哀想だよね」
国のために戦っていたの裏切られたことに立香は悲しそうにしていた。
「今回の原因はおそらくジャンヌ・ダルクが関係していると思われるわ」
特異点は本来の歴史の中でもしこうなっていたらというifがによって、本来の歴史からかけ離れてしまうことで発生してしまう。
今回の特異点はジャンヌ・ダルクに関連した何かが原因のはずであると思われている。
「他に質問はないわね。それじゃあ早速始めるわよ」
こうして葵と立香はフランスへレイシフトするためにコフィンへ入る。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか」
こうして葵達の二度目の特異点探索の幕が開くのであった。