少し変わった一般人のGrand Order   作:ボートマン

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お久しぶりです皆さん。
少し間が空きましたが、これから少しずつ更新していく予定ですのでどうかよろしくお願いします。


第5節

キャスターの道案内の元、一行は大聖杯の所へ向かっていた。

 

そんな中、マシュは一人だけ何か落ち込んでいた。

 

「所長」

 

「何、九条葵?」

 

「どうしてマシュはあんなに落ち込んでいるんですか?」

 

とりあえず葵はオルガマリーに尋ねてみた。

 

「少し前までは多少の戦闘は経験したけど、まだ宝具を上手く使う事が出来てないのよ」

 

「そうなんだ」

 

宝具とはその英霊を象徴と言っても過言ではないもので、奥の手や切り札と呼べる代物である。

 

「ケイローンは宝具を問題なく使えるのか?」

 

「はい。宝具とは英霊と同じですぐに扱える物です」

 

「まあ嬢ちゃんの場合は本来なら使えるはずだがな。多分魔力が詰まってしまって使えないだけだ。なんつーか、気合?とにかく、大声で叫ぶ練習をしてねえだけだぞ?」

 

「そうなんですか!?そーうーなーんーでーすーか!?」

 

キャスターの言葉を真に受けたマシュが大声で叫びだした。

 

「フォーーーーー!?」

 

「ちょっと、いきなり大声上げないでよ!本気で鼓膜が破れるかと思ったわよ!」

 

マシュの大声にフォウが驚き、危うく鼓膜が破れそうになったオルガマリーが怒鳴った。

 

「も、申し訳ありません所長。でも、大声で叫べばいいとキャスターさんが……」

 

「いや、物のたとえのつもりだったんだが……。まあ、やる気があるのは結構だ」

 

まさか本当に叫ぶとは思ってもいなかったキャスターも驚いていた。

 

「というわけだ立香。少し寄り道しても構わねえか?」

 

「寄り道って何するの?」

 

「何、ただの特訓だ。そんなに時間はかからねえからすぐに終わる。今の俺はキャスターだから治療なら問題ねえよ」

 

そこで葵はあることを思った。

 

「でも、そういうことならケイローンの方がうってつけじゃない。色んな英霊たちを教え導いたんだし」

 

その言葉に皆が確かにと頷いていた。

 

「マスター、ここはキャスターに任せるべきでしょう」

 

「いいのか?」

 

「ええ、今は時間が惜しい状況です。ここは彼に任せるべきでしょう」

 

そうしてマシュの特訓することを決めると、キャスターはオルガマリーのコートにルーンを刻み始めた。

 

「え、ちょっと?何で私のコートにルーンを刻んでるの?」

 

「そこの坊主に刻もうと思ったんだけどな、あの様子じゃ無理そうでな。何、すぐ気にする必要はなくなるぜ。ほら、来たぜ」

 

当初は葵に刻むつもりだったようだが、大量出血によるせいで死にかけの状態であるためオルガマリーが選ばれたそうだ。

 

そして、スケルトンが大量に現われると、一目散にオルガマリーだけを狙っていた。

 

「しょ、所長は私の後ろに!先輩、戦闘指示をお願いします!」

 

「わ、わかった!」

 

マシュはオルガマリーの前に立ち、その後ろでは立香がマシュに指示を出してスケルトンとの戦闘を開始した。

 

「まあこれだけ集まれば十分だろ。つまるところ、宝具は英霊の本能だ。理性がある分宝具は出にくいんだよ」

 

葵の隣でキャスターはそう説明し、葵は瓦礫に腰掛けながらその様子を見ていた。

 

「だから、嬢ちゃんにはあいつ等と戦って精も根も尽き果てもらうって寸法さ。冴えてるだろ、俺?」

 

「馬鹿じゃないの―!?」

 

笑いながら説明するキャスターに対して、聞こえていたのか立香が叫んでいた。

 

そうして大量のスケルトンを相手する中、葵は隣に立つケイローンに尋ねた。

 

「なあ、これって本当に大丈夫なのか?」

 

「ええ、やり方はあれですが大丈夫ですよ。今回のようにあまり時間がない場合に対してのこういった荒療治は仕方ありません」

 

「そうなん・・・だ」

 

「大丈夫ですか、マスター?」

 

貧血によるせいか一瞬ふらっとしていた葵をケイローンは心配そうに尋ねる。

 

「あ~まだ大丈夫。ここで倒れるわけにいかないからね」

 

この特異点をどうにかするまでは倒れるわけにはいかず、気力を振り絞って意識を保つ。

 

「はぁ・・・はぁ・・・限界、です。これ以上の・・・戦闘、続行は・・・すみません、キャスター・・・さん」

 

全てのスケルトンを殲滅したマシュは疲労困憊といった様子でキャスターに話しかける。

 

「こういった根性論では無く、きちんと理屈に沿った教授、を・・・」

 

「はぁ・・・分かってねえな。こいつは見込み違いか」

 

そんなマシュの言葉にキャスターは少しがっかりしていた。

 

「まあいい、丁度いい相手が来たみたいだな」

 

そう言って視線を別方向に移すと、そこには一振りの薙刀を持ち背中には籠を背負う男が立っていた。

 

その籠には日本刀や槍と思わしき武器が入れられていた。

 

「先程ハ不覚ヲ取ッタガ次ハソウハイカヌ!」

 

『この反応はサーヴァントだ!しかもこの反応は消えたサーヴァントと一緒にいたサーヴァントと同じ反応だ!』

 

「あの時のサーヴァントですか」

 

ロマニとケイローンの言葉から立香達を襲おうとして、ケイローンによって倒されたサーヴァントと一緒にいたサーヴァントのようだ。

 

「行クゾ!」

 

シャドウサーヴァントは薙刀を構えると、立香に向かって斬りかかる。

 

「先輩!」

 

そこへマシュが楯を構えて薙刀を受け止める。

 

「ケイローン今すぐ援護を!」

 

「おっと待ちな」

 

援護の指示を出そうとすると、キャスターが待ったをかけてきた。

 

「すまないが手を出さないでもらえるか」

 

「だが今のマシュでは!」

 

「マスター、私からもお願いします」

 

「ケイローン!?」

 

まさかのケイローンもキャスターに賛同しての懇願に葵は驚いていた。

 

「ここで宝具を出せなければセイバーを倒す事は出来ねえ。そのためにも嬢ちゃんにはこの状況を乗り切ってもらう」

 

キャスターの言うことに理解は出来るが、葵としては今のマシュの状態で宝具を出せるかわからないため心配なのだ。

 

「・・・わかった。でももしもの時は」

 

「わかってる。俺としても死なれちゃ困るんでな」

 

そうして葵達はマシュとサーヴァントとの戦いを見守ることにした。

 

「くっ!」

 

「ハハハハハハコノ程度カ!」

 

マシュはサーヴァントの攻撃を楯でどうにか防いでいるが、先程のスケルトンとの戦闘で疲労しており、徐々に押されている状況であった。

 

そして、ついに均衡は崩れた。

 

サーヴァントの強い一撃によってマシュが一瞬怯んでしまった。

 

その隙をサーヴァントは見逃さず、後ろにいた立香を標的にする。

 

薙刀を振り上げ、立香を両断しようと振り下げようとする。

 

流石に危ないと判断したケイローンとキャスターが矢を射ろうと、ルーン文字で止めようとする。

 

そんな中、マシュには立香に向かってに薙刀がゆっくりと振り下ろされるように見えた。

 

「(このままじゃ先輩が・・・守らないと、出さないと、先輩が死ぬ。偽物でも何でもいい、今でだけでいい)」

 

徐々に立香へと薙刀が振り下ろされようとしていた。

 

「(私が、私がちゃんと使えないと先輩が死んでしまう――!)ああ、ああぁあああ――!」

 

マシュの立香を守りたいという強い思いが表したのか、無意識に楯を地面に突き立てる。

 

すると立香の前に守護結界が発生した。

 

そして、守護結界により振り下ろされた薙刀は止められ、サーヴァントに矢が突き刺さり火球が叩き込まれた。

 

「オオオ、コノヨウナ所で終ワルトハ・・・」

 

その言葉を最後にサーヴァントは消滅した。

 

「あれ・・・今のは・・・私が、宝具を展開できた・・・んですか?」

 

一方、マシュは宝具を展開することはできたが、あまり実感出来ていない様子だった。

 

とはいえ、当初の目的であった宝具を展開することに成功したのであった。

 

 

 

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