People = Shit 作:はせがわ
やぁ兄弟、元気してたか?
おぉそっかそっか、そら何よりだ。
というか、本当に久しいな。聞いた話じゃ、お前結婚しやがったらしいじゃないか?
まさかお前に出し抜かれるとは思ってもみなかった。
仲間内の誰が結婚しようとも、お前だけは絶対に最後まで残るって、俺はそう踏んでたんだけどな。予想を外したよ。
この一年……あぁまだたったの一年だったか……。随分長い事経ったような気がしてたよ。
まぁお互い、
会えて嬉しいよ兄弟。
またお前の馬鹿ヅラが見れて、本当に。心から。
……さて、とりあえず座ろうか兄弟。
白状すると、俺は今朝から何も食ってない。俺の腹の虫は暴動を起こし、足だの脳だのがストライキ寸前だ。
久しぶりだっていうのにすまないんだが、とりあえずは何か食いながらでお願いしたいもんだ。
そうでないと、ロクに話も出来そうにない。倒れる自信がある。
お前も久々に会う友人とのトークを、救急車や病室の中でしたくはないだろう?
とりあえずは酒と、飯と……まぁ適当に頼んでくれ。別にパーティと見紛うような豪華さにしてくれても構わない。
せっかくの夜だ。派手に行こう。
……というか、お前少しデカくなったんじゃないか?
たった一年見ない間に、随分とベルトの穴が増えたんじゃないか? そいつが世に言う“幸せ太り“ってヤツなのか。羨ましい事だよ。
俺の方は……どうなのかな? 自分では少し痩せたって感じがしてるよ。
別に
……でもまぁ、散々あちこち行かされたし、毎日動き回ったからな。あのムシムシとクソ熱い所で、勤勉に。
ま、ほどよくダイエットして来たってトコだよ。無駄に筋肉も付いたし、これで少しはモテるようになってたら嬉しいがね。
お、そんじゃ酒も来た事だし……とりあえずは乾杯といこう。グラスは持ったか?
では、再会に。
そして“友人との夜に“――――
………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
おー、そっかそっか。式に出てやれなくてすまなかったなぁ。
俺が居さえすれば、我が生涯の友の為、もっともっと盛り上げてやれたんだが。
そらもう神父が泡吹いて倒れるくらい、キリストの十字架がクルッと逆さになるくらいに“愉快な“結婚式にしてやれたのにな。
……ん? やらんでいい? 居なくて良かった?
なんだ、水臭いじゃないか兄弟。遠慮しなくていいぞ?
もし次があれば是非呼んでくれ。今の俺は、こと火薬の扱いに関しては街で一番だぞ? きっとド派手な忘れられない式にしてやれる。
まぁ“次“なんて無いのが一番なんだろうけど……。せいぜい嫁さんと仲良くやってくれ。
そうすれば俺も“ランボー 炎のチャペル“なんてタイトルの自主制作映画を撮らずにすむ。
神父も壁や雨漏りの修繕をせずにすむってもんだよ。
あーっ、良い気分だ。こんな愉快な心地は、本当に久しぶりだよ。
酒があって、美味い飯があって、お前が居る。……正直な所、またこんな風に誰かと過ごせるとは思っていなかった。
俺にまたこんな夜が来るなんて……本当に、本当に思っていなかったんだよ。
……なぁ兄弟? お前は良いヤツだ。
いきなり何を言ってんだって思うかもしれないが……、言わせてくれ。お前は本当に良いヤツだよ。自慢のダチだ。
俺にとってお前は、いわゆる“掛け替えのない“ってヤツさ。
誇りに思ってる。ホントさ。
だってお前は、
もう酒も入って随分経つっていうのに……、それでもお前は、俺に何も訊く事をしなかっただろう? 他の連中とは違うよ。
訊きたい事もあったろう、言いたい事だって沢山あるハズだ。今あれだけ世間で騒がれているんだからな。
……でもお前は、訊かずにいてくれるんだな。
俺が自分から話し出すまで、俺の心の準備が整うまで……お前は何よりも俺を気遣い、辛抱強く待っててくれたんだ。
感謝してるよ兄弟、ありがとう。
だが大丈夫、もう整理はついてる。だから何でも訊いてくれて構わないよ。
それにさっきから、お前が酒瓶片手に
もう訊きたくって訊きたくって仕方ない、知りたくて仕方ないってそんな顔してる。
だから心優しいこの俺が、今からそのウズウズを止め、お前さんを救ってやろう。サービスだ。
それじゃあ訊いてくれよ兄弟、「戦争はどうだった?」って。
この一年、あっちでどんな風にやってたんだって、俺に訊いてみてくれないか。
………………………………………………
さて、親愛なる我が友人のご質問に答えるなら……とりあえず言えるのは、
地獄なんてそんな高尚なモンじゃない。クソだのハエだの蛆虫だの……、そういうのを煮込んでこさえたシチューみたいな場所だよ。あの国は。
……別にあの国のヤツらがそうだって言ってるんじゃない。
敵も味方も、白いのも黄色いのも……俺達みんなであの国を“そういう場所“にしてるって事だ。
あの茹だるような熱さと、不快な熱気……。それで腐ってハエが集り、ウジが沸いた死体。
それが放つ悪臭こそが、“あの国の匂い“だ。
たとえどこにいても、あの匂いからは決して逃れられないのさ。
もういっその事、あれを国旗でもすれば良いのに。そうは思わないか?
……まぁ腐った死体をデザインした国旗なんて、オリンピックで金メダル獲った時に困っちまうだろうけども。気色悪くて掲げてられんわな。
とりあえず、俺のあの戦地の印象としては、一言で言えばそんなトコだ。
どこもかしこも腐った匂い。空も土も生き物も、みんなみんな腐ってるんだよ、あの場所では。
まさに“クソで出来た世界“さ。
……ん? なんだいその顔は?
なんでそんな所に好き好んで行ったんだって? 戦争なんかにって?
まぁ俺は、志願して行ったからな……。召集されるかどうかをビクビクして待つより、もう自分から志願して行っちまえーって、そんな風だったから。自業自得ってヤツだよ。
でもね兄弟? 今見てる感じ……恐らくお前は勘違いをしてる。
今の話を聞いて、きっとお前は「まぁ可哀想に」と思ったんじゃないか?
映画みたいに銃弾飛び交う戦場で、敵も味方もバタバタと死ぬ。神に祈りながら大儀と祖国を想って死ぬ。……そんな光景を思い描いているんじゃないか?
そんな過酷でこの世の地獄みたいな戦争を戦ってきた俺に、同情でもしてくれてるんじゃないか?
……はい、不正解だ兄弟。リゾート宿泊券の獲得ならずだな。
申し訳ないが、俺が行ってきた戦場ってのは……いま俺達がやってる戦争ってのは、そういうのじゃないぜ?
国を守る為、命や平和や大儀を守る為……そういうんでも無い。
国の威信と平和を賭けて敵国と戦ったんじゃない。俺達はただただ意味も無く“あの国のヤツらを殺してきた“。
それだけなんだよ、俺達がやってきた事ってのは。
………………………………………………
家族や恋人、そんな愛する故郷の人々に迎えられて帰国する。
よくやった、よく帰って来たって抱きしめてもらえる。誇りに想って貰える。
……俺は経験が無いし、想像するしか無いから恐らくなんだが……、きっと他国の帰還兵ってのは、そうやって空港で迎えられるモンなんじゃないか?
でも俺が国に帰った時……、そこにいたのは家族や故郷の人々じゃない。
“No War“と書かれた横断幕を掲げた、見知らぬ大勢のヤツらだったよ。
そらそうだ。無理もない。だって俺がむこうに居る間に、あんなニュースがTVで流れてたって言うんだから。
お前だって当時観てたんだろう? “あの村“のニュースを。
俺達の軍があの村を襲い、そこに住む600人の民間人を皆殺しにした事件を――――
……そりゃそんなモンがTVで流れたら、デカい大弾幕も作るってもんさ。
自分の国の兵士が戦争中、よそ様の国の民間人を大量虐殺してたんだ。村ごと焼き払い、この上なく残酷な方法で嬲り殺しにしたって言うんだ。
そりゃあ「我が国の兵士は何をやっているんだ!」「祖国の恥だ!」と騒ぎ立てもするさ。
逆の立場なら、俺だってそうするよ。
お前はダチだからと俺を気遣い、何も言わないでいてくれたな?
……だがこの街に帰って来てからの1週間、俺は会うヤツ会うヤツ皆に「人殺し」と呼ばれたよ。
近所のババアも、担任だった教師も、幼馴染も……、俺を「国の恥だ」と言った。
奴らが言うには、“この世はラヴ&ピース“なんだそうだ。戦争なんて無駄なんだとさ。
おい……そんな顔するなって。別にどうもしちゃいないよ俺は。
お前が怒っても仕方がないだろう?
……まぁ正直、安全な所に居たヤツが何を言ってやがると、思わないでもない。
身体の弱かったお前はともかく、何の意志も持たずにのうのうとお気楽にやってた連中に言われるのは、どうもしっくり来ないよ。
ただ、ヤツらの言う事は一理ある。
「何をやってるんだ」「祖国の恥だ」、これは全くその通りだと思うぜ?
俺達は、国のヤツらが言う通りの“恥“。クソそのものだよ。
……まぁ聞けよ。だってさ?
俺達が殺し、犯し、焼き払ったのは、なにも
あの村の事件は、たまたまやり手のジャーナリストにすっぱ抜かれ、お偉いさんがその隠ぺいに失敗しただけの物に過ぎない。
600人の民間人? ハハッ! とんでもないジョークだ! そんなちゃちなモンじゃない!
俺達はあの村でやったのと同じ事を、
この戦争が始まり、そして今に至るまでのこの数年間、ずっと。
――――端数だよ、たかが600なんて。
桁が3つか4つは違うんじゃないか?
………………………
ところで話は変わるが……なぁ兄弟、お前“グーク“って知ってるか?
聞いた事ないか? そらそうか。これは俺達兵士の間で使われてる隠語の類だからね。
はい残念ながら、またリゾート宿泊券はお預け。正解は“アジア人“の事だ。
このグークってのは、俺達があの国のヤツらを呼ぶ時に使う、いわゆる蔑称ってヤツだな。
軍隊では、俺達はみんなあの国のヤツらをグークとか、あと釣り目とかキツネ目とかそんな風に呼ぶんだ。
決して“なになに人“というようには呼んだりしない。そんな人間っぽくは呼ばない。必ずグークみたいに別の呼び方を使う。
……何故かって? そりゃあお前、
今から殺すぞ、殺さなきゃいけないぞって相手が、自分と同じ“人間“だと困るだろう? 簡単な話さ。
むしろ兵学校の時点で、俺達は「ヤツらを人のように呼ぶな」と徹底的に叩きこまれる。もし戦場でヤツをなんたら人とでも呼ぼうもんなら、その場で上官に鉄拳制裁だな。
我らの神は“汝隣人を愛せよ“と仰られた。博愛を是としておられる。だから我らは人間を殺してはならない。
……だが、相手が
――――だからグークと呼ぶ。あの国のヤツらを。
「こいつらは我々とは違い、人間以下の存在だ。獣にも等しい下等な存在だ」
だから殺しても大丈夫なんだぞっていう意味を込めて、俺達はヤツらをグークと呼ぶのさ。
我らの神の教えでは、獣などの人間以外の生物というのは、その全てが人間の為に存在している物なんだそうだ。
だから俺達は動物を食っても構わないし、殺しても構わない。罪には問われない。そんな人間様に都合の良い風に出来てるんだ、主の教えっていうのは。
そして俺達の言うグークは人間ではなく“畜生だから“、例え殺しても問題無い。
自由、平和、愛を掲げる我々が、この“グーク“を殺す事には何の矛盾も無い。
これは我らの神がしっかりと太鼓判を押して下さっている、という寸法さ。
これを俺達の軍では、司令官も上官も同期も、みんな
……どうだ? 痺れたかい? 心にグッと来たかい?
お前は無神論者らしいが、いっちょこの機会に神を信仰してみたらどうだ? お堅そうに見えて、結構融通が効くみたいだよ。
……………………
さて、話を戻そうか。
俺達兵士が、あの国でいったいどんな風に戦ったのか、だったな。
ではまず、この戦争の始まりについてだが……これはお利口なお前の事だ。説明するのはブッダに説法ってヤツなんだけど……。
ようはいま北側と南側の二つに分かれて戦っている“あの国“に、俺達の国がちょっかいを出してる、ってのがこの戦争なワケだ。
もし共産主義国家である北側が勝って、南側まで共産化しちまったら非常に困る。
だから俺達の国は南側の国に付き、裏から戦争に介入していたんだけど……。
残念な事に、この南側である“あの国“の国民達は……もうやる気なんて全く無かった。
南側の最初の大統領ってのは、これがとんでもない独裁者だった。
国民の生活など顧みない、うちの国からの援助金は横領する、そんで挙句の果てにクーデター起こされて暗殺されるっていう、そんなどうしようもないヤツだった。
そいつが死んでからも何人かトップは変わったが、それでもクーデターは収まらない。政府は決して国民を顧みず、援助してもらってる俺達の国に“ズブズブ“だ。
だからあの国の連中は皆、もう北との戦争にやる気なんて無かった。むしろ「政府なんて大嫌いだ! 北側の国とくっつきたいよう」と思っている。
国中の男連中はこぞってゲリラとなり、政府打倒を目指して自国の軍隊に牙を剥いている。その数は10万や20万じゃない。膨大な数だ。
そして南側の政府は自分ではにっちもさっちも行かなくなり、自分の喧嘩に“親“を呼んだ。
そうして俺達の出動とあいなったのが、“この度の戦争“ってワケだ。
……これはお前も知っている事ばかりだろうけど、一応ね。
――――だが、利口なお前さんに、ひとつだけ。
お前を含めた国の連中は、恐らくだが……俺達兵士が自由と共産主義打倒の為に、死力を尽くして北側の兵士と戦っている、とでも思っているんじゃないか?
残念、確かに敵である北側には爆弾だの枯葉剤だのを散々落としているが、俺達兵士が戦ったのは、決して敵である北側の兵士だけは無いよ。
――――南側だ。
むしろ俺達は主に、あの国に行ったほとんどの兵士が、
敵国の兵士と国力の粋を競い、航空機だの砲弾だのを交わし合い、熾烈に戦っていたワケじゃない。
そんなB級の戦争映画みたいな絵はどこにも無い。
俺達は“味方“である南側の……ゲリラという名の“民間人“を相手に戦っているんだよ。
最新兵器を持つ世界最強の我が軍が、まるで億万長者のように湯水の如く軍事費を投入しながら、ロクな武器も持たないヤツらを殺しているのさ。
畑を戦車で潰し、何百万トンの爆撃で森を殺し、何千発もの艦砲射撃で地形を変えながらね。
……………………………………
さてさて、めでたくお前さんの勘違いを正せた所でお待ちかね、“俺達の戦い方“についてだ。
これは一般的な普通の戦争ではなく、兵士と民兵の戦いだっていうのは今言った通りなんだが……これがちょっと困ったモンでね?
正直な話、俺達はもう“ロクな戦い“というのが、出来ないんだよ。
アイツらはゲリラ、対して俺達は世界最強の軍隊だ。その人数はともかくとして……もう装備から何から全てが違う。
アイツらは航空機も持ってなければ、戦車も軍艦も持ってない。しかし如何にゲリラとはいえ、ヤツらも決して馬鹿では無い。
だからそんな大国の軍隊とはもう、
あって、散発的な撃ち合い。だがそれも非常に稀な事だ。
アイツらは常に隠れ潜み、トラップや奇襲を駆使して俺達を襲う。そして少し撃ったらスタコラ逃げ、ひたすらにこれを延々と繰り返す。
そんなロクに戦いもしない、どこにいるのかも分からない敵相手には、いくら軍艦や戦闘機があろうとも仕方ない。
出来る事と言えば、適当な場所を砲撃したり、虱潰しにそこらじゅう絨毯爆撃したりする事だけだ。
……どれだけ兵器があろうとも、宝の持ち腐れでしかない。だって戦う相手が居ないんだから。どこにも敵の姿が見えないんだから。
だから俺達がしなくちゃいけないのは、ゲリラを見つけ出す事。
サーチアンド・デストロイ……聞いた事あるか? 俺達のこの戦争での任務は、もう“ゲリラを見つけ出して殺す事“。
本当に、その一言に尽きる。これが俺達がこの戦争で行っている事の、全てなんだ。
……ただ、ゲリラってのは“武器を持った民間人“の事だ。日中は何食わぬ顔で畑を耕し、夜になってから活動するような連中の事なんだよ。
当然、ゲリラと民間人の見分けなんぞ付かない。どれが良いグークで、どれが悪いグークなのは俺達には分からない。
いつも俺達は撃たれてから、弾が飛んで来て味方が死んでから「敵だった」と分かる。
ジュネーブ条約は知ってるよな?
俺は詳しい方では無いけど……ようは「汝、民間人を殺すなかれ」「捕虜を虐待するなかれ」っていう戦時の取り決めみたいなモンらしい。
これに盛大に違反したからこそ、俺達がやった例の“あの村での虐殺事件“が盛大にニュースになったんだ。祖国の恥だってね。
……だが何度も言うけど、俺達には
普通の戦争なら良い。ただ航空機なり船なりに乗せられ、指定された戦地に行って目の前の敵と戦えば良い。
だがこの戦争は……この戦地はそうじゃなかった。敵の姿はどこにも見えない。隠れ潜んでいるんだから。
民間人殺すなかれ。ではどうする? 2000万人ほどいるあの国の住人ひとりひとりに「貴方はゲリラですか?」「ゲリラはいませんか?」と訊いてまわるかい?
たとえ訊いたとて、はたしてそいつは正直に「私はゲリラです」と話してくれるかい?
今のほほんと畑を耕してる女子供が、いきなり果物の篭から手榴弾を取り出してこっちにブン投げてくるかもしれない。
のほほんと風呂に入っている所を、使用人の男が突然AKで撃ってくるかもしれない。
……そんな中で地道に、そして確実にゲリラと民間人の区別をしていく。
自国の若者たちの命を危険に晒しながら、頑なにジュネーブ条約を守り、“人道“の為に膨大な労力と時間をかける。
……もしそれが出来るなら最高だけど、俺にはとても現実的とは思えないな。
さて、ここからが本題だ――――
ゲリラとの戦いを強いられ、苦戦を強いられる我が軍。いったいどうしたと思う?
敵は兵士ではなく民間人。しかも“味方側“の、本来我が軍が守るべき存在だ。
そして周りを見渡せば、誰が敵だかそうでないかも分からない状況。お前ならどうする? 俺達はいったいどうやって戦っていると思う?
シンキングタイム、スタート。
…………思いつかない? 分からないか?
まぁ仕方ない。このクイズは正直、少しばかりお前さんには荷が重いかもしれない。……優しいお前さんには。
では残念ですがタイムアップ。CMも開けて回答のお時間。
正解は――――「あの国のヤツらを皆殺しにする」でした。
我が国の兵達は現在、ゲリラも民間人も区別する無く、疑わしき全ての者を殺し尽くす事により敵の殲滅を図っています。只今それを実行中です。
残念だな、兄弟。
バカンス旅行には、また次の機会に挑戦を。
………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
どうした、口をあんぐり開けて。
まるで便所の紙が切れてるのに気付いた時みたいな顔して。
なに? 信じられない?
我が国の人間が、そんな事をする訳が無い?
ほぅ。ベイビーベイビー、俺もそう思うよ兄弟。
最優の国であり、自由と平和を愛するする我が国の人間が、虐殺だなんてそんな酷い事をするワケが無い! とてもとても出来るワケがないよね。
……だけどね兄弟? 憶えているか?
俺はしたよな。お前に“グーク“の話を。
……確かに、もし仮に
同じ人間に対して、そんな酷い事は出来ないよね。
だけど兄弟、グークなんだよ。俺達が戦ってるのは人間様ではなく“ただのグーク“なのさ。
家畜や獣に慈悲をかける事が無いように、俺達はグークに慈悲をかけない。それはとても“おかしい事“だからだ。
神の愛は獣にではなく、人間に対してのみ向けられているんだ。
俺達の軍の間で使われる言葉にな? “たかがグークのならわし“というのがある。
これは「グークにならば何をしてもかまわない」という意味だ。
たとえ民間人を殺してしまおうが、ヤツらの住処を焼き払おうが別にかまわない。「やつらは所詮グークなのだから」という意味なんだ。
そしてこの“たかがグークのならわし“は、我が軍全体における
あの国で今行われてる作戦、戦闘の全てが、この方針に従って実行されているんだよ。
…………というかお前、ちゃんとニュースで観ただろう? 我が国の軍隊が、あの村で600人の民間人を虐殺したって。
女も子供も老人も、この上なく残酷な仕打ちで殺したって。
やっているじゃないか。立派に。いったい何が「そんな事をする訳が無い」なんだ?
問題は、それが600人なのか数百万人なのかって事だけじゃないのか?
……そもそも俺達の国は、先の大戦で原爆を使っているじゃないか。
あの髭の独裁者が居た国では無く……、黄色い猿が住むあの島国に
同じ人間に対して原爆を使うなど出来はしない。そんな恐ろしい非人道的な事が、出来てたまる物か。
だが相手が人間じゃなく
やるさ。俺達は“グーク“を殺す。
良心の呵責に苛まれる事無く、躊躇無く嬉々として皆殺しにする。実際している。いま俺達がのほほんと話してるこの瞬間もだ。
お前は今更、何を言っているんだ?
………………………………………
おい、そんなショックを受けるなよ。
悪かったって。言い過ぎた。別にお前を悪く言うつもりはなかったんだ。機嫌を直してくれ。
……まぁ俺も、お前の言っている事は分からないでもないんだ。
むしろ俺も、この戦争の前までは……お前とまったく同じ事を考えていたから。
だから分かる。お前の善性が――――
人として正しくあろうとするその心が、とても尊い物だと感じるんだ。だからいい加減こっちを向いてくれないか……。
実際の所な? お前や俺と同じように考えてるヤツらも、同期には沢山いたんだよ。
正義の為に、人道の為にって。そして自由と平和の為にって。
暴力なんかとんでもない! 人殺しなんて大嫌いだってヤツらだって沢山いたのさ。
……ただまぁ、それは兵学校に入るまでの話……だけどね。
あの兵学校を出て、戦地に赴く頃には……俺やお前みたいな事を言うヤツは、ひとりも居なくなってたよ。
……あそこはね? 別に兵士になる為に、身体を鍛えに行く場所じゃない。
優しいヤツ、善良なヤツ、慈悲深いヤツ……そんな個々の掛け替えのない人間性を
“兵士“として生まれ変わらせる、その為の場所なんだよ。
一日17時間、血反吐を吐くまで走らされれば。
眠らずの状態で連日しごかれ、絶望し、罵倒され、人格を否定され続ければ。
……そんな頭が真っ白になった状態で四六時中「殺せ!」「グークを殺せ!」と教育、すり込まれれば……誰だって今の俺みたいになるよ。
人を殺せるようになる。だってあそこは“そういう“場所だから――――
特に元々真面目なヤツ、正義感の強い優しいヤツほど、良い兵士になれるよ。
そいつは国と仲間の為だと言い、情熱を持って積極的に殺していくから。
お前は身体が弱く、兵役には着けなかった。だから今能力を生かした仕事に着き、愛する家族の為に頑張ってる。心から尊敬してるよ。
……だけど俺は、もし仮にお前が戦争に行っていたら、きっとさぞ優秀な兵士になれたんじゃないかって、そう思うんだ。
お前は真面目で、責任感がある。優しくて正義感に溢れたヤツさ。
そんなお前はきっと、俺なんかよりずっとずっと――――沢山殺してたと思う。
………………………………………………
あの戦地に行ったヤツで、人を殺さなかったヤツはいるのかね?
まぁ居ない事は無いんだろうけど……だが俺が見た所、たとえ後方支援の連中でも嬉々として殺してたからなぁ。
ある日、ウチの上官が基地にグークを引っ張ってきて……ゲリラか民間人かは知らないよ。引っ張られて来た時点で
……とにかく上官がグークを連れてきて「誰かこのグークを殺したい者はいるか?!」と俺達に大声で言ったんだよ。
すると通信手のヤツが二人ばかり手を挙げて、嬉々としてグークを裏に連れて行った。その後すぐに銃声が聞こえたよ。
言うまでもない事だけど――――俺も沢山殺した。
……ごめんな兄弟。こんな事お前に言いたくは無いんだが、こればっかりはもう言い訳の仕様が無い。
あの戦争に赴いた時点で、殺さずに帰ってくる事なんて出来っこないんだよ。
きっとお前は今日、俺が
戦場に行ったアイツは、今も俺の知ってるアイツのままなのか? 変わってしまってはいないかって。
だけどもう……こればっかりはな……。俺からはもう何とも言えないよ。
せめてお前への誠意として、今日はお前の訊きたい事を訊いてくれたら良い。何でも話すさ。
それを聞いて、お前自身が判断してくれたら良いと思ってる。
とりあえず、俺達がどんな風に戦ってたかを話すけど……俺はさっき「民間人も区別なく皆殺しにした」と言ったな?
まぁこれは、流石に言葉通りの事では無いよ。
限りなくそれに近いけど……一応は“体裁“という物もあればジュネーブ条約もあるんだ。
俺達は、あの国に核を落としたりはしていないだろう? そんな一気に皆殺しなんて事は流石に出来ないのさ。
ただまぁ……「我が軍は、核以外の全ての兵器をあの国に使った」なんて言ってたお偉いさんはいたけどね。
俺達の任務は、ゲリラを探し出して殺す事。
だから毎日毎日、ヘリだのジープだのに乗ってあの国を見て回り、ゲリラとおぼしきヤツを見つけ出して殺す。これが“基本“だね。
だけどまぁ……これがとんでもなく地味でしんどい作業でね? 正直やってられないんだよ。
さっきも言ったけど、これが普通の戦争だったら良かった。砦だの基地だの飛行場だのといった攻撃目標を攻めればそれでOKなんだから。
でもこの戦争には、そんな分かりやすい敵は居やしない。もし真面目にやるのなら、これは途方も無く地味な作業になるんだよ。
考えてもみてくれ。こんなちまちました戦場で、いったいどうやったら“戦果を上げられる“と思う?
将官は出世の為に、沢山の戦果を上げなきゃいけないよな? 功績を上げなきゃ出世が出来ないよな?
でもどうやって戦果を上げるんだろう? この戦地には破壊すべき基地も飛行場も、何も見当たらないというのに。
答えは簡単。それは“ボディカウント“(殺害数)だ。
殺す事。より多くのゲリラを、ひとりでも多くを殺す事。それこそがこの戦争における唯一、そして絶対の指針なんだよ。
むしろこれが全てだと言って良いんだ。これをよく覚えておいてくれ。
さて、さぁこの戦争の指針は決まったぞ! ゲリラを殺そう! より多くのゲリラを殺して戦果を上げなくては!
でもさっきも言ったけど……それってとんでもなくしんどい作業だよね? いちいち「ゲリラはいませんか?」と探し出してはいられない。
地味だし危険だし、とてもじゃないが割に合わないんだ。でもゲリラを殺さないと戦果を上げられない。出世が出来ない。
だからまぁ、俺達があの国でやってる事を、平たく言うと……。
「じゃあそこらにいる民間人を殺して、戦果としようぜ」って事なんだ。
畑や集落なんかに行けば、民間人が沢山いるよね? 探す手間も無く。
じゃあそいつら民間人を皆殺しにして、後で「ゲリラを殺りました。戦果を上げました」と上に報告すれば良いじゃん。出世できるじゃん。って事なんだ。
もうハッキリと言うけど……、俺達は南側の人々の為になんて戦ってないよ。
俺達はあの国で
“ボディカウント“を増やす為、戦果を上げる為に、
いちいちゲリラを探し出して殺すより、よっぽど簡単に“戦果“を上げられるだろう?
そしてこれもハッキリ言うが……、俺達の軍はあそこにいる全ての部隊で、全ての地域で、そして全ての期間で
そう思ってくれて、差支えない。
一切の誇張なく、俺達はそういう事をしている。お前が受け入れられるかどうかは知らないが、そう理解してくれ。
さっき俺は、「ゲリラを探し出して殺すのが基本だ」と言ったよな? だがそれはあくまで“基本“なんだ。あくまで「そういう事になってる」って事さ。
実際は俺達、ゲリラなんてロクに殺してないんだ。民間人を殺して周ってる。
大丈夫。殺した後でその死体の傍に、敵から押収した手榴弾をひとつ置いておくんだ。それで全て“問題無い“。
そうやって「ゲリラを殺しました」と、上に報告する事。
それが俺達が日々やっている作戦の、全てだよ。
………………………………………………
毎日のように殺したなぁ。
あの国にいた一年ほどは、死体を見るのはもう日常になってた。
酷いと思うか? 俺達がそんな事をしていたなんて、信じられない?
けれど事実だよ兄弟。俺達は上から下まで“たかがグークのならわし“に従って行動してたんだ。
……まぁ実際の所、俺もこのやり方はどうなのかとは思わないでもない。
だってそうだろう? 非戦闘員のヤツを「敵だ」と言って報告し、戦果に数えているんだ。実際は敵を減らしてもいないのに。
そして司令部のヤツらはその数字を元に、戦況を判断するワケだろう? 今後の作戦を立てているんだろう?
そんな事をしていて、まともに戦えるワケがない。
この戦争がズルズルと長引いて……いやもう泥沼化しているのって、この“ボディカウント“や“たかがグークのならわし“のせいなんじゃないかって思うよ。ワリと本気で。
……まぁこれは「作戦としてどうか」という話で、お前が言ってる「人道がどうこう」とは違うかもしれないが。
一応だけど、いくら俺達とはいえ、何も最初から民間人キリングのマシーンだったワケじゃないよ?
兵学校で“クリーニング“されたとはいえ、最初は皆まじめにゲリラ探しをやってたさ。人道に配慮し、地道に努力してたさ。
けれどな、
あの国にいる内、任務を重ねていく内に、慣れてくる。
もう何でもやれるようになってくるんだよ。
最初は俺達の部隊も、人を見つけたら呼び止めて尋問し、そのまま帰してやった。
そのうち人を呼び止めたら、その中の老人ひとりをぶちのめしてから、解放するようになった。
やがて呼び止めたら、散々老人をぶちのめしてから射殺するのが当たり前になっていった。
そして最後は、とうとう村を襲って皆殺しにするようになった。
そんな風に、だんだんと慣れてくる。
誰もが日を追うごとに、少しずつ殺せるようになってくるんだ。
……だが、確か“きっかけ“みたいな物はあったと思う。
殺す事というより、部隊の連中が真の意味で「コイツらは人間ではなくグーク」として扱うようになったきっかけが。
ある日な? 部隊の仲間が敵のトラップにかかって死んだんだ。他にも二人が重傷を負って搬送された。あの国じゃあよくある話さ。
……だがその事をきっかけに、俺達はヤツらを憎み、グークとみなすようになったように思う。今思えばね。
仲間がやられた報復に、俺達はいくつかの集落を襲った。
狼藉の限りを尽くしたよ。男を袋叩きにし、子供を蹴り飛ばし、女を襲った。
俺の仲間は、女を気の済むまで蹴りつけて殺した後、弾倉が空になるまで彼女の頭を打ち続けてたな。
そして最後は、集落にいるヤツら全員を一列に並べてから、M16で一掃した。
グークが一斉にバタバタ倒れていくのを見て、スカッとするんだろうな。
終わった後、全員にこやかに笑ってたよ。満面の笑みだ。
………………………………………………
何度も言うけど、お前も観たニュースであったような事は、あの国じゃあもう毎日のように起こってる。
俺達もやったし、他の連中もやった。我が国がこの戦争に参戦してから、今に至るまでずっと。あの国の全ての地域においてだ。
思えば……たかが18かそこらのガキ共に銃を持たせているんだもんな。
トラップに怯え、目の前で仲間を殺され、怒り狂う彼らに物の分別なんてつく訳が無い。
アサルトライフルの先にいる者に、慈悲なんてかけると思うかい?
それ以外、村を襲う事以外にも……俺達は色々とやったよ。
何と言うかな……もう「グークを殺す為なら何でもやった」というか……そんな感じだったと思う。
――――例えばだが、目の前にひとりグークの男があらわれたとしよう。
そいつは見た感じ何も持っていなくて、ただこっちを見てぼけっと突っ立っている様子だったとしよう。
そして俺は、とりあえずそいつの身体スレスレに、いきなり銃弾をぶっ放すんだ。
その時、男はどうすると思う? 当然ビックリして逃げ出すよな? 殺されると思って。
だから男は必死こいて逃げる。兵士である俺の前から一目散に逃げ出すワケだ。
……だが残念な事に、そのグークの男が取った行動は
男が逃げ出したのを確認した瞬間、俺はなんの躊躇もなく引き金を引き、男をブチ殺せる。
誰にはばかる事も無く、安心してグークの男を撃ち殺す事が出来たんだ。
ちなみにだが、後で確認した所、その男は何の武器も所持していなかった。ゲリラではなくただの民間人だったんだ。
だが俺は決して上官に叱られる事も、軍事裁判にかけられる事も無い。
民間人の男を撃ち殺したというのに、お咎めを受ける事は無い。……何故だか分かるかい?
正解は「男が逃げたから」だ――――
男が兵士である俺に対して、逃げるという“敵対行動“を取ってしまったからなんだ。
男は突然銃をぶっ放され、命惜しさに俺から逃げ出した。
だがその行動こそが敵対行動と取られ、男は俺に“ゲリラ“と認定され、殺されてしまったというワケだ。
よぉ兄弟、どう思う? なかなかイカした話だろう?
だが残念な事に、今いった事は決しておかしな話じゃない。
あの戦場では、こういった理屈が
今のはたとえ話だけど、これはあの戦地にいる兵士たちが、日常的にやっている事だよ。
実際に俺は上官に「逃げたら撃って良い事になっている」と、そう教えられた。
これは空挺部隊にいた友人に聞いた話なんだが、ある日ヘリで畑の上を飛んでたら、そこに農作業をしているグーク達を見つけたそうだ。
それを見た彼はおもむろに、上手い事グーク達に当たらないように、ヘリからドアガン(機関銃)を乱射した。
グーク達は当然、蜘蛛の子を散らすようにその場から逃げ出した。
そして彼はにこやかな表情を浮かべ、改めてグーク達に向かってドアガンを打ち込み、皆殺しにした。
全てが終わった後、そいつはヘリに同乗していた通信手に「ゲリラを8人やった」と報告し、無事に戦果としてカウントされたそうな。
またある日の事、そいつは農村部でグークの姿を見つけたそうだ。
そいつはヘリの操縦手に指示を出し、グークのすぐ上でヘリをホバリングさせるように言った。ヘリはグークの3メートル頭上で、何もせずにただホバリングし続けた。
しかしそのグークは賢かったのか……、決して逃げようとしなかった。
どれだけヘリの強風に晒されようとも、決してその場を動こうとしなかったんだ。きっと逃げれば殺されてしまう事を知っていたんだな。
……それを見たそいつは、操縦手に“サイレン“を鳴らすように指示した。
やかましい音が辺りに響き渡り、それを聴いたグークが何事かと驚いて、ようやくその場から逃げ出してくれた。
その後、めでたくそいつはグークにドアガンを叩きこむ事が出来、通信手に「ゲリラをやった」と報告した。
もちろん、無事戦果としたカウントされたそうだよ。
お前ならどうだ? ヘリから機関銃を乱射されても、逃げずにいられるか?
馬鹿でかい音でサイレンを鳴らされて、何も思わずその場に留まっていられるか?
俺は……少しばかり自信がないな。
ただこの「逃げたらゲリラ」っていうのは基本だとしても……。別に何でも良いんだよ。
理由さえあれば良い。反抗的だったとか、我々の歩く道を遮ったとか、もう何でも良い。
あの空挺部隊の友人は、「ヘリを見上げたらゲリラだ」なんて事を大真面目に言っていたしね。
それさえあれば、たとえ殺してもゲリラだとして、後で報告出来る。
大手を振って民間人を殺せるんだ。あの国においてはね。
本当に何でもやったよ。
道端でグークを見つけたら、とりあえず「どうやったら殺せるだろう?」って。「どうやったら殺しても良い事になるだろうって」って考えた。
殺すのを正当化する理由は、いくらでも考え付く事が出来たよ。
例えば……「弾むような足取りだったから」とか。
農民というのはすり足で歩くものです。だから奴はゲリラだと判断しました!……とかね。
……あと聞いた話じゃ、ゴミ捨て場に群がってた子供たちにM16をぶっ放したヤツがいたな。
食う物が無く、俺達の基地近くのゴミ捨て場に群がってたガリガリの子供たちを見つけて、即座に皆殺しにしたんだそうだ。
後で偉いさんに尋問を受けた時、そいつは平然とこう答えたそうだよ。「ゴミ捨て場を守る為にやりました」と。
それと私達が捨てたゴミの中に、何か危険な物でも混ざっているかもしれない。だからそれを子供たちが触ってしまわないよう、追っ払う為に撃ちました。守ってやる為に撃ちました。だってさ。
……俺には分からないんだけれど、飢えた子供らに向かってアサルトを乱射するのが、彼らを救う事になるのかい?
追っ払うどころか、しっかり当てて皆殺しにしているじゃないか。
なにやらよく分からない話ではあったけど……とりあえずそいつは無事“お咎め無し“で済んだみたいだ。
ちゃんと殺された子供たちも、ゲリラとして戦果にカウントされたそうだよ。
いつも、適当な理由をつけて殺した。
殺した後、上官に「ゲリラをやりました」と報告した。いつも上官はとても喜んでくれたよ。
あ、娼婦にフラれた腹いせに「ゲリラだ」と言い張って殺したヤツもいたっけな?
まぁ、そんな事を繰り返してた、一年間だったよ。
………………………………………………
いま言った事が、俺が実際に“軍の作戦として“戦地で行ってきた事だよ。
いま俺達の国は、よそ様の国の民間人に、そういう事をしている。これが俺達がやっている戦争その物だ。
……軽蔑したか? 同じ人間のする事とは思えないか?
まぁ例の“たかがグークのならわし“は別としても……、実は俺個人としては「人間のする事とは思えない」なんて、そんな風に思わなかったりするよ。
……こんな事を言えば、ますますお前に嫌われてしまうかもしれないけれど……。
俺が思うにね? 今あの国にいるヤツらには“法“が無いみたいな状態なんだと思う。
もうこの戦争には、ちゃんとした方針とか指針とかが無いに等しいから……、それぞれが好き勝手に、とりあえず沢山グークをぶっ殺す事だけを考えてやってる感じなんだ。
なぁ、俺達が住む国には“法“があるよな? 言わばこれは「みんなが幸せに過ごす為の取り決め」だ。
私は貴方から奪いません。私は貴方を傷つけません。だから貴方もそれをしないで下さい。みんなで健やかに過ごそうじゃありませんか――――
まぁ俺の解釈ですまないんだが……大体はこのような理由である物なんだろうと思ってる。
……だが今あの国には、その法ってヤツが無いんだよ。“何をしても良い“みたいになってる。
私はグークを殺して良い。貴方はグークを犯しても良い。だってそれを咎める者がここには居ないのだから。みんな好き勝手に過ごそうじゃありませんか――――
……言ってしまえば、まさにそんな状態にあるんだ。俺たちの国の兵士たちは。
例えば、あるグークの女がウチの兵士達に輪されたとしよう――――
女はそのおぞましい行為を耐え忍んだ後、泣きながら然るべき所へ駆け込み、事の一部始終を必死に訴える。
するとその女は
これは、実際に沢山ある事だよ。
だから女の方も、そもそも犯された事を、誰にも言ったりしないんだよ。
あの国の政府は、ウチの国にズブズブなんだ。
ウチの兵士が何をしようと、自国民がどうなろうと――――たとえ皆殺しにされようとも、もう知った事じゃない。
大事な大事なスポンサー様の機嫌を損ねる事なんて、出来はしないのさ。……そんなんだから政府は国民に嫌われ、ゲリラ活動なんてされているんだろうけど。
まぁ今言ったように、ウチの兵士は何をしても許される……そう言っても過言じゃない状況に居る。
悪い事をしても、適当に言い訳しさえすれば簡単に許される。
悪事を告発した国民は、逆にゲリラのレッテルを張られて殺される。
罰が与えられない以上、俺たちはあの国じゃ、やりたい放題だ。
まさに殺そうが、奪おうが、犯そうが許される。好き放題に出来る状況なんだよ。
……もしそんな状況に放り込まれたら、今自分がいる世界に法が無かったら……もう大多数の人間が、己の欲望には
きっとほとんどの人間が、自分の好きなように振る舞う。そうは思わないか?
なんたって、人種差別は我が国の“伝統“だ。
たかがグークのならわし、なんておあつらえな物まであって……それに逆らうヤツなんていったい何人いるのかな?
それに……さっきまで俺は“作戦としての“理不尽な殺しを延々と説明していたけれど、別にそんなの関係なく、俺たちの国の兵士は沢山グークを殺している。
戦果の為に仕方なく、じゃない。
ただ、たまたまそこに居たから。
なんかムシャクシャしてたから。面白そうだから。殺したかったから。
……そんな風にいま俺たちは、日常的にグークを殺しているんだ。道を歩いてる年寄りを見かけただけで、そいつを撃つ。
まさに、たかがグークだと言って――――
………………………………………………
“グークホッケー“って分かるか? これは俺たち兵士の間で流行っている遊びなんだが。
仲間とトラックで町を走り、「誰があの子供を撥ね殺せるか?」と賭けをするんだ。
……ようはグークをホッケーのパックに見立ててする遊びだな。みんな嬉々として子供を追い回し、撥ね殺した後にイエーイとハイタッチするんだよ。
今あの国じゃ、グークホッケーが大流行だ。
あとトラックの窓から手を出して、自転車で走っている女の帽子をグイッと引っ張って転ばせたりな。
当然ながら、その女は投げ出されて死ぬ。ゴロゴロ転がってピクリとも動かなくなった女を見て、ゲラゲラ笑うのさ。
走行中の窓から物を投げるのも、凄く楽しいらしい。
石やビンや缶詰、あと着火した発煙筒なんかを投げるのもCOOLだ。催涙弾投げるヤツもいるな。
ただ単純に、窓から銃を乱射してみるのも良いだろう。
たまたまそこに立ってたヤツ、たまたま通りかかったヤツに向けて、車上から銃を乱射するんだ。
人の住んでる家に対して乱射するのも、凄くエキサイティングだと思うよ。
以前俺の仲間は、道端で乞食をしてる子供を見つけた時、おもむろに思いっきり缶詰をブン投げた。
それが頭に当たって、その子は死んだよ。
もの凄い音が鳴ってその子が地面に倒れた後、乗ってた別の仲間が即座に「ストライク!」って叫んで、一緒に笑ってた。
あ、ちなみにここで殺したグーク達は、戦果に加えたりしないようだ。いちいちトラックから降りて細工をするのも面倒だからな。
だた
レイプも良くあったよ。
ある日、俺は村を巡視してる時、部隊の仲間が突然ひとりの少女をひっつかまえて、小屋に引きずり込んでいくのを見かけたんだ。
俺はただただボケッと突っ立ってたんだが……この時から俺はレイプがあると、遠くから音や声で分かるようになったんだよ。
それから俺が帰国するまでの間……平均したら3日に一度は、そういう声や音を聞いていたように思う。
やがて俺の部隊は、若い女を性奴隷目的で誘拐するようになった。
……俺たち用の慰安所はちゃんとあるハズなんだが、どうやら連中、それだけでは満足出来なかったらしい。
ウチの指揮官の軍曹はハッキリこう言ったよ。「我々は
軍曹は自分の宣言通りにした。
……でも女はウチのメンバーに代わる代わる犯された後、翌日には殺されてたけどな。
知り合いの所の指揮官は、強姦罪で運悪くしょっ引かれた時「彼女が20台前半と推定された事から、ゲリラと判断して拘束した」とキッパリ言ってのけたよ。
その指揮官は部隊を率いて村に押し入り、そこらの家を燃やし、家畜を殺して周った後、女が暮らす小屋へと入った。
女を見るなり胸を鷲掴み、ブラウスを脱がそうとするも、その女は自分の子供を胸に抱いて逃れた。
するとヤツはナイフを取り出し、喉を搔き切るぞと脅して子供を取り上げ、自らのズボンを膝の下まで降ろした。
自分の子供の前で散々
一部始終を見てたヤツの話によれば、女は終始、恐怖で震えていたらしい。
しかし、たとえそんな事件が頻発しようとも……偉いさん方も愛すべき部下達を有罪にはしたくないみたいでね?
事件を調査する指揮官の中には、なんとかグークの女達が“自ら進んで身を任せた“事にしようと頑張っている、そんな大佐殿もいるらしい。
「この地では、若い女性の方が男性の数よりもはるかに多い」(男達はみんなゲリラに行ってる)
「だから村の女たちは、我が兵士たちの目にとまる事を『長らくご無沙汰していた欲望充足のチャンスだ』と見て、歓迎しているに違いない」
「ゆえにそういう状況なので、我が国の兵士と村の女たちの性行為が、強姦であったとは考えにくい」
実際に彼はそう結論し、判断を下しているよ。
……ただ、重傷を負って「水を下さい」と助けを求めたにも関わらず服を引き裂かれ、乳房を銃剣で刺され、足を無理やり広げられてソーダのビンを“突っ込まれた“女に対しても、同じ事が言えるのかね?
あの国では大勢の女が、小型のスコップだのM16だのを“突っ込まれて“いるんだぞ?
俺としては、彼の意見はちょっとどうかと思わざるを得ないな。
若い母親から赤ん坊を取り上げ、目の前で地面に叩きつけて殺す――――
そして泣きわくその女もさんざん犯した後、頭を撃ち抜いて殺す――――
そんな事がもう、あの国ではもうありふれた光景のように毎日起こっているけど……、俺にはそれが、とても人間に対してする事とは思えない。
――――まさに“たかがグークのならわし“だな。
「神の愛は“我ら人間“にだけ向けられている」、というワケだ。
………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
なぁ、どう思う?
やっぱり俺たちの国の人間は、クソなんだと思うか?
俺もさ、正直自分達の事をクソだと思ってる。俺たちは救いようのないクソ共だって、心底思ってる。
だけどさ? 確かにそれは間違い無い事なんだろうが……果たしてそれは“俺たちが特別“なのかな?
よその国のヤツと違い、この国のヤツだけが特別にクソ、なのかな?
……別に自分達を正当化したいワケじゃない。俺たちはまごう事無くクソの集まりだよ。
だがさっきも言ったように……、もしあの国に放り込まれ、俺たちと同じ状況に陥ったら、もしかしたら皆同じ事をするんじゃないかって、そんな気がしてるんだ。
どんな国のヤツだって関係ない。
肌が白くても、黒くても、黄色くても関係ない。誰だって俺たちと同じように殺し、奪い、犯すんじゃないか? そんな気がしてるんだ。
俺たちは“王様“だった。
あの国にいる時、俺たち兵士は何でも思い通りに、好き勝手にする出来たから。
だけどあの髭の独裁者も、戦争とはまったく関係なく“民族浄化“だと言ってユダヤ人を皆殺しにしようとしたじゃないか。
そこと戦ってた共産主義の独裁者も、自分がトップに着いた途端に何百万人という目のくらむような数の自国民を“粛清“したじゃないか。
肌が黒かろうが、黄色かろうが関係ない。どこの国でも王になったヤツは、敵のヤツらを一族郎党皆殺しにするじゃないか。
誰だって、俺たちと同じことを、あの国でするんじゃないのか?
なぁ、お前ゲームは好きだよな? ゲームは楽しいよな?
お前だって遊びとして、釣りや鴨撃ちに行く事くらいあるだろう?
俺たちの場合、その標的が魚や鴨ではなく
ゲームだって、仲間と楽しもうぜって言って、アイツらを撃ち殺してるんだ。
普通に考えたらマトモじゃない。ただそれが、あの場所では
魚や鴨を殺す事が普通なように、それがあの場所では普通の遊びとされているんだ。
誰も咎めない。むしろ推奨される。それをしろと言われる。
しかも楽しい。それが常識なんだ。
……ならあの国へ行けば、誰だってその“常識“の通り、ゲームを楽しむんじゃないのか?
慣れなんだ。
何度も言ってるけど“慣れ“の問題なんだ。
最初は恐れるだろう。誰だって嫌悪感を抱くような事だろう。……だがもう慣れてしまえば、それが普通ってヤツになるんだよ。
初めて魚釣りをした時、釣った魚の口から針を外すのが怖くなかったか? だが何度もやって慣れてしまえば、もうどうって事なくなっただろう?
何度もやって、慣れて、それを楽しいと感じてきたのなら……誰だって普通にその“ゲーム“をする。毎日のように。
言ってしまえば、俺たち兵士がしているのって……ただそれだけの事なんじゃないかって、思う事があるんだ。
お前は人を殺さない。それはお前が良識を重んじ、ルールを守って生きているからだ。
けれどその良識という物が存在しなければ。
そもそもルールという物が存在しないという場所ならば……どうだ?
いま目の前にいるのは“たかが“という枕詞が付く、魚や鴨と大差のない下等な生き物だ。
もしそれを咎める者が居ないなら。
したらいけない理由が無いのなら。
そしてお前はそれをしたくて、それを欲しいと望み、楽しいと感じたのなら――――
どうだ? お前は“それ“をするか?
………………………………………………
俺はあの国にいる時、そして帰国した今になっても「あぁ何て俺達はクソなんだろう」と散々思っていたよ。
だが、違うんだと思う。
別に俺たちの国のヤツが特別にクソだったんじゃない。どの国の人間だって他者を殺し、そして戦争をしている。
他者から奪い、殺し、凌辱する。それが許される環境で“普通の事“ならば、誰だってそうするんだ。
ただ単に、今はそいつを縛る良識やルールがあって、
もし許されるのなら、咎められないのなら、それが正しいとされているなら……。
俺たちは誰でも“悪“を成す。
それはとてもお得で、楽しくて、すごく気持ちの良い事だからだ。
結局の所な? 俺は
別に戦争をするからクソ、なんて考えてるワケじゃない。
戦争なんてものはようは経済活動の一種で、やってる事は大なり小なり、ただの殺しで略奪だ。
俺が思うのは、もしそれが許される状況なら、人間ってのは“喜んで悪を成す“生き物なんだなって事だ。
自分以外の者を、嬉々として殺し、奪い、凌辱する。
俺はそれをあの国で心底思い知り、それをクソだと思ったワケなんだ。
……まぁ俺たちの言う“悪“っていうのも、ようはただ「他人にとって都合の悪い行為」ってだけのモンの総称なんだろうが。
この議論は、今は止めにしよう。いくら時間があっても足らなくなるからな。
俺の中にある“良識“ってヤツに当てはめると……もうどう考えても「人間ってヤツは救いようのないクソだ」と、そう思わざるを得ない。
良いヤツも、優しいヤツも、慈悲深いヤツも、ただ
ゆえに「悪い事をしてはいけません!」という俺の中の良識に従えば……ピープル=シットだ。
あの横断幕を掲げてた空港の連中は、勘違いをしている。
戦争が駄目なんじゃない、
No Warではなく、そう書くべきだ。
俺たちはみんな、クソで出来てる――――
違うのは自分が加害者なのか、被害者なのかだけだ。
………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
なぁ、お前は“良識“ってどう思う?
別にそれが宗教でも慈愛でも武士道でも、なんでも良い。そういう物ってお前はどう思う?
俺はな? それは本当にかけがえのない物だって、そう思うんだよ――――
……いつか聞いた話なんだが、あの紅茶の国には、住んでるヤツが卑怯者ばかりだったからこそ“騎士道“って物が生まれたんだそうだ。
グーク達が大陸と呼ぶあの国は、そこに住んでるのがズル賢いヤツばかりだったからこそ“儒教“が生まれたし……。
俺たちが原爆落としたあの島国は、臆病者だらけだったからこそ“武士道“ってヤツが生まれたんだそうだ。
なぁ、これってどう思う? 俺はこの話を聞いた時、かなりグッと来たんだが………。
ようはな? やっぱ必要なんだよ、善とか良識ってヤツは。
きっと俺達は……それが無いと、とてもじゃないけど生きていけないんだよ。
きっと絶対に、必要な事なんだよ。
俺たちはクソだ。ピープル=シットだ。
だけどクソはクソなりに……なんか心に一本芯を通して、生きてかなくちゃいけないんだよ。
そうでないと……きっとどうにもならない。
たとえ好き勝手やって得をしようが、楽しかろうが、気持ちよかろうが……きっとそんなの、“生きてたって仕方ない“んだと思う。
そんな生に、意味なんて無いんだと思うんだよ。
まさに“クソのような人生“だ。
だから俺は、お前の事が好きだよ。
真っすぐで、真面目で、情が深い。そんなお前の事が大好きだよ。
お前と友達になれた事、本当に誇りに想ってるんだ。毎日だよ。
別に全ての人間がお前と同じである必要は無いんだろうが……正直な所、もう少しなんとかならないモンかって、そう思うね。
みんな、お前みたいなヤツだったら良かったのに――――
そうすればきっと“あの国は生まれない“。
生まれないから……俺たちがあそこに行く事は無い。……誰も彼も、クソにならずに済む。
別に俺はジョン・レノンじゃないし、そんな事は望めないって、ちゃんと知ってるよ。
だけどまぁ……そうだったら良かったのになって、たまに思わない事もない――――
さって! じゃあそろそろ帰るよ兄弟。もう夜も更けて来たしな。
今日は付き合ってくれてありがとう。久しぶりにお前と会えて、本当に嬉しかった。
……出来たらまたいつかお前に会いたいモンだが、今日の事を思うと少し自信が無い。
それに俺は、次にいつお前に連絡を取れるのか、正直分からない感じだからな。
それじゃあな兄弟。実はこっそり抜け出して来てたんだ。
俺は今、国が帰還兵の為にあつらえた施設に居る。いわゆる“精神病院“ってヤツか?
医者にはなんか“PTSD“だのなんだのと言われたが……難しそうだったから、正直よく聞いてない。
分かってるのは、俺がもう
国に帰って来てからすぐ、俺はお袋の首を絞めた――――
別に何があったからってワケじゃない。ただお袋は俺の後ろに立ち、軽くポンッと肩を叩いただけ。
だがそれだけで、俺はお袋の首を絞めたんだ。
何を思うより先に俺の身体は動き……、気が付いた時にはお袋にマウントを決めて、そのまま力いっぱい首を絞めていたよ。
あの時のお袋の目が、今も目に焼き付いている。
咄嗟に我に帰ってから、その日の内にすぐ家を出たよ。
まだ家に帰って来てから、1週間と経って無かったんだけどな……。だがお袋とは再び
俺はここには居られない――――
もう皆と一緒の場所には居られなくなったって、ハッキリそう分かったよ。
もう何をするか、分かったもんじゃないからな。
……怖いよ。他人じゃなくて、自分が。
「俺が何をしでかすか」が、怖くて仕方ないんだ。
ん? そんな状態なのにここに来たのかって?
……それは正直、スマンと思っている。まぁ他ならぬ親友の頼みだ。今回だけ多めに見てくれないか。
お前のおかげで、なんか病気がマシになったような心地がする。
これってほら、すごい事なんじゃないか? お前も嬉しいだろ?
じゃあな、兄弟。
お前に幸多からん事を、心から祈ってる。
――――あばよクソ野郎! 達者でなぁ!
ん? なんだよ、クソだって言ったろ? 俺たちは全員、まごう事無くクソで出来てるんだよ!
だが安心しろよ、クソ野郎。
俺がおもうに……お前は比較的、