ただの気まぐれだった。
ただ、今日の晩に山菜を食べようと思っただけだった。どうせなら珍しいものを食べたいと思い、いつもと違う森に行こうと思った。そして魔法の森に入ったのが間違いだった。
山菜は見つかった、だけど帰れなくなった。
「どうしようか……」
もう日もだいぶ落ちてしまい、どこから来たのかなんてもうわからなくなってしまっている。
「だめだ……もう動けない……」
ずっと森の中を歩き回っていたせいで足が棒のようになり動かなくなってしまった。
「今日はここで野宿かぁ」
幸い山菜がたくさんあるので食べるものには困らないのだが、水が無い。
「はやくここを脱出しないと大変なことになるな」
そして山菜を少し食べその日は眠りに落ちた。
次の日の朝起きてみると最悪なことがおきていた。
「え……」
山菜がすべて野生の動物に食べられていた。
「なんとしてでも今日中にここを脱出しないと」
水も無い、食べるものも無い。そんな中人間はどれくらい生きられるのだろう。そんなことを考えてまた1日中歩き回ったが出口は見つからなかった。
「もう……だめだ……」
体の疲労感はピークに達し意識が朦朧としだした。
「くそ……もう限界だ……」
どんどん意識が遠のいていく。ああ、自分はもう死ぬんだな 。と思いながら意識を手放した。
目が覚めると見慣れない天井が見えた。
「ここ、どこだ」
確か自分は魔法の森で死にかけて気を失ったはず。そんなことを考えていると部屋に誰かが入ってきた。
「お、起きたみたいだな」
そこに居たのは金髪の少女だった。
「いやぁびっくりしたぜ、朝森でキノコ採ってたら人が倒れてるんだもんな」
どうやら自分はこの少女に助けられたらしい。
「しっかしなんでお前あんなとこにいたんだ? 普通人間はあんな所まで入ってこないはずなんだがなぁ」
「あ、いや一昨日に山菜を採りにきて道に迷って死にかけてて……」
「呆れたぜ、でもお前相当運が良かったんだな」
「この森の中で2日も生き延びられるなんてなかなかないことだぜ」
「そうなのか?」
「そうだぜ、まあここ2日間ほとんど妖怪やら猛獣は見かけてないから本当に運が良かったんだな」
「そういえばここはどこなんだ?」
「ここか? ここは私の家だぜ」
この少女の家ということは人里には帰れたらしい。
「そうか、助けてくれてありがとう」
「別にいいんだぜ、困ったときはお互い様だからな」
「じゃあ俺は家に帰るよ、また会ったらお礼させてくれ」
「帰るってどうやって帰るんだ?」
「え?」
「だってこの家魔法の森の中にあるんだぜ」
「え? そうなの?」
「そうだぜ」
こんな少女がこんな森に住んでいるなんて思ってもいなかった。
それを聞いた後にふと気になったことがあったので聞いてみた。
「さっきから人の気配がしないけど他の家族はどこにいるんだ?」
「いないぜ、私はこの家に1人で住んでいるんだぜ」
「……」
自分が驚きのあまり言葉を発せずにいると。
「まあそう焦るなって、また後で私が人里まで送ってやるからさ」
「それにもう昼だしご飯作ってやるから一緒に食べようぜ」
「あ……ああ、わかった」
「じゃあ早速作ってくるぜ、そいえばお前名前はなんて言うんだ?」
「俺は橘 蓮だ……」
「そうか、私は霧雨 魔理沙だぜ、普通の魔法使いだぜ」
これが自分と魔理沙の出会いだった。
不定期ながらも更新はさせていただきます