やっぱり夏は暑いですけどいい季節ですね。
「〜♪」
私は上機嫌で蓮の店へと向かっていた。なんて言ったって生まれて初めてのデートなのだ。
「着替えも大丈夫だし財布も持ってきた。それと……」
そう言いながら私はカバンの中を見た。
そこには可愛らしい下着、いわゆる勝負下着が入っていた。
「霊夢と華扇が前に「もし恋人ができたときのために」って言って買わされたけどさすがに今日は使わないよな……」
まだ付き合って間もないのにそこまでいくのは早すぎると思いつつ結局持ってきてしまったのだ。
「ま、まあいつかは使うだろうし着ておいて損はないだろ」
そう自分に言い聞かせて蓮の店へと向かっていった。
そしてしばらくして蓮の店へと着いたがなにか蓮の様子がおかしかった。
「……おはよう 、魔理沙」
「おはようございます、魔理沙さん」
「おう、おはよう。連に翠」
蓮は何故か目の下に隈ができていた。
「どうしたんだ蓮? なんか眠そうだな」
「あ、いや……ちょっと昨日の考え事してて眠れなかっただけだよ」
「そうか、何考えてたんだ?」
「いや、し、仕事とのことだよ」
「? 大変だな、蓮は」
何故か目をそらすように蓮はそう言った。
「はぁ……全く……」
「どうしたんだ? 翠」
「なんでもありません」
翠は呆れた様子で私たちを見ていた。
「そろそろ小次郎たちも来ると思うから待ってようか」
「わかったぜ」
そして私たちは小次郎と幽香を待った。
しばらくすると
「お、そろとるな」
「おはよう、魔理沙」
小次郎と幽香が2人揃って来た。
「おはよう、小次郎。幽香と2人で来たんだな」
「こいつが俺の家に居座って帰らんかってん」
「あら? 愛し合う2人が一緒にいるのは普通じゃないかしら?」
幽香がとぼけたように言う。
「愛し合う? 2人が? アホちゃうか、どこが愛し合っとんねん」
「何言ってるのよ、昨日はあんなに激しかったのに」
幽香が顔を赤くしながら言う。
「え?」
まさか2人の関係がそこまでだったとは思ってなかったので私は驚いた。
「小次郎……お前……」
「小次郎さん……」
蓮と翠も同じように驚いていた。
「ちゃうからな!? あいつが一緒に寝る言うて聞かんから深夜まで寝場所決めるために格闘しとっただけやからな!?」
小次郎が慌てて事情を説明する。
「なんだ、そうだったのか……てっきり俺は幽香とあんなことやこんなことしてたのかと」
「翠もそう思ってました。小次郎さんが幽香さんに睡眠薬を使って睡眠姦してるものだとばっかり」
「「「「え?」」」」
翠がとんでもないことを言ってきた。
「す、翠? どこでそんなこと覚えてきたんだ?」
「せ、せやで翠ちゃん13歳の女の子が言ってええ言葉ちゃうで、それ」
「え? 小次郎さんの部屋でそんな感じの本を見かけただけですけど……翠はてっきり小次郎さんがそういうの好きなんだと思ってたました」
「「「え!?」」」
「あ……」
翠の言葉で場の空気が凍りついた。
「おい、小次郎」
蓮指を鳴らしながら小次郎を睨む。
「小次郎……」
私は蓮の後ろへ後ずさる。
「どういうことかしら? 小次郎」
幽香が笑顔で、しかしものすごい殺気を放ちながら小次郎を見る。
「知らん! 俺はなんも知らん!」
小次郎は必死に言い逃れようとした、が
「え? でも他にも「幼なじみを催眠姦」とか「年上彼女と甘い午後」とか他にも―」
翠が小次郎の部屋にあったいかがわしい本の題名を言い出した。すると
「わぁぁぁ!! だぁぁぁ!!」
と小次郎が叫び出した。
「翠ちゃ〜んなんか欲しいもんあるかぁ? 俺なんでもこうたんぞ?」
小次郎が翠に口止めしようとしたが
「え? 欲しいものですか? うーん……じゃあ小次郎さんの部屋の本で見た「超快感! 電動マッサージ機〜これで貴方も絶頂へ〜」て言うマッサージ機が欲しいです。最近翠肩凝っちゃってて」
「のぉぉぉん!!」
翠が小次郎にトドメを刺した。
「小次郎……あなた……」
「ちゃうんや幽香! た、たまたま友達の本があっただけ―」
「そんなにしたいなら本なんかじゃなくて私に言ってよ!」
「は?」
「もう、小次郎ったら気を使わなくてもいいのに♪」
「アホッ! なに言うとんねん! 蓮、助けてくれ!」
小次郎は蓮に助けを求めるが
「いいか、翠。小次郎の部屋にあったのはエッチなやつだから友達に話しちゃダメだぞ。そういうのはもう少し大人になってからな」
「わかりました! 蓮さん」
「よし、いい子だな翠は。今度肩揉んでやるからな」
「ほんとですか!? やったー♪」
蓮は翠にいろいろ説明していた。
「蓮! 助けてくれ!」
蓮は小次郎の方を見ると
「……死ね」
とだけ言った。
「さあ、小次郎どういうのがいいかしら? 私は縛っても縛られてもいいわよ♪」
「いややー!」
こうして私たちの前途多難な温泉旅行は幕を開けた。
やっぱりこういうほのぼのした感じの小説を書いてるとテンションが上がりますね。