「この可愛い霊夢様を差し置いてイチャつきやがってぇ〜!」
「霊夢、見苦しいからおやめなさい」
「あー……美人が台無しだぜ、霊夢」
「幸せそうな顔したあんたにだけは言われたくない!」
普段見れない霊夢の嫉妬に狂った顔はこの世の終わりを告げるようなものだった。
「おい、幽香俺あんな顔見たことないぞ」
「私もよ、これじゃあ神社に人が寄り付かなくなるのも納得ね」
小次郎と幽香、それはないだろう。
しかし恐ろしい、幻想郷の危機でも来たのだろうか。
「アハハ! 嫉妬に狂ったおばさんは見苦しいですね〜」
「な、なんですって!?」
翠が余計なことを口走る。
「私と魔理沙は一生独り身を約束したのよ! それを裏切られたの!」
「その約束ってマラソン大会の一緒にゴールしようって約束並みに信用出来ないやつですよ」
「霊夢、悪かったな。きっとお前もいいひと見つかるはずだぜ!」
「魔理沙言われるとは……屈辱の極みね……」
しかしなぜ霊夢には恋人ができないのだろうか、容姿も性格も恋人ができてもおかしく無いはずだが。
「はぁ……もういいわ。あなたたちが幸せなら文句はないわよ」
「幸せって……えへへ」
「で、でも恋人になってキスしたらその……こ、子供ができるんでしょう? 魔理沙にそんな覚悟あるのかしら?」
『へ? 』
前言撤回なぜ出来ないかが分かった。
霊夢は純粋すぎるというか異性との交際の知識が皆無に等しいのだ。
「……霊夢、帰ったら私が恋人との付き合い方を教えてあげます」
「華扇……いいの?」
「このままじゃ変な男に捕まりそうですからね……」
「そうしてやってくれ……」
魔理沙と華扇は呆れたように言うが霊夢はよくわかってないようだ。
「……? それよりご飯どうしようかしら……」
「確かにもう食える状況じゃないぜ」
さっきのドタバタがあって食堂では掃除が始まっていた。
「あー……まあ一応俺らが原因だから後でなんか奢るよ」
あまりにも霊夢たちが可哀想なのでなのか食べ物を買ってやることにした。
「それならいいわ。で、これからどうするの?」
「どうしようか……」
俺らが話し合っていると小次郎が話しかけてきた。
「俺さっきぶっ飛ばされた時にかなり汚れたから風呂行きたいねんけど」
「そうか……なら風呂の後になんか奢るよ」
「風呂も奢りなさいよ」
「はいはい……」
こんな時にでも堂々と言ってくるあたりさすがは霊夢といったところか。
「じゃあいこうか」
「ちょっと、蓮といったかしら」
俺たちが風呂へ行こうとするとアリスが話しかけてきた。
「どうしたんだ?」
「聞きたいことがあるの」
アリスの顔つきは真剣でとてもふざけた話をするようには見えない。
「……一体なんだ?」
「あなた魔理沙と付き合ってるのよね」
「そうだけど……」
「それは真剣に好きだと思って付き合ってるのよね」
「え……?」
なぜアリスがそんなことを聞くかは俺にはわかる。
彼女は魔理沙のことが好きなのだ。
もちろん友人ではなく愛しているといった意味でだ。
これはかなり有名な噂だ。
ならば彼女は魔理沙を諦め切れないからこんなことを聞くのだろうか。
違うに決まっている、愛した人が愛した者への覚悟を聞いているのだ。
それで自分の気持ちに踏ん切りをつけようとしているのだ。
俺だって魔理沙がほかのやつを好きになったら聞くだろう。
ならば答えは決まっている。
「もちろんだ」
「……」
「こんなに好きでずっと一緒に居たいと思っているのは家族以外で魔理沙だけだ」
「……わかったわ。魔理沙、あなたはどうなの」
「わ、私は……」
アリスの表情が険しくなる。
「私はこんな気持ち今までなかった。恋をして好きな人で世界がいっぱいになるなんて夢みたいっだんだぜ……でも今は夢じゃない、蓮が夢を叶えてくれて私を幸せにしてくれてるんだぜ!」
改めて聞いた魔理沙の告白のセリフは恥ずかしかったがそれよりも嬉しかった。
「あなたたちの気持ちはわかったわ。改めて祝福するわ、私の大切な友達の魔理沙……」
「アリス……ありがとな」
アリスの顔はとても穏やかで心から喜んでいるようだった。
「2人の結婚式には私が1番の服を作ってあげるわね」
「「え?」」
今結婚式って言いましたか?
「それじゃあ先にお風呂に行ってるわね〜」
「ア、アリス!? 結婚式はいくらなんでも気が早すぎるんだぜ!」
アリスを追うように魔理沙が風呂場へ行き、俺たちはそれに続くように風呂場へ向かった。
旅館でお風呂イベント……つまりはそういうことです。