「どうしたんだ霊夢!?」
叫び声が聞こえた露天風呂に私は急いで向かう。
「魔理沙今来ちゃだめ! あんたの彼氏が覗きをしてるのよ!」
「それは勘違いだって! 理由を聞いてくれ!」
「何が勘違いよ! 素っ裸で女湯にいたら立派な覗き、いや変態よ!」
「だ、大丈夫か霊夢!?」
「だから今来ちゃ───」
勢いよく私が露天風呂へ乗り込むとそこには素っ裸の霊夢と華扇と蓮、あと湯船でひっくり返ってる小次郎がいた。
「な、なんで蓮がここにいるんだ!?」
「さっき言ったでしょ! だから来ちゃダメなのよ!」
「ち、違うんだ魔理沙! これにはわけがあってだな」
「蓮のはだ、はだ、裸……」
裸を見るのは2回目なのだが一回目と違ってとても恥ずかしい。
蓮のことを異性として強く認識しているからだろう。
「ま、まあなにかの間違いだろうし許してやろうぜ霊夢」
「魔理沙ありがとう……!」
「感激する前に早く隠しなさいよ! あと魔理沙! あんたも隠して!」
「私も……? ──!」
よく考えればわかったことなのだが私は室内から露天風呂に向かおうとしていた途中であった。
つまり風呂から風呂へ移動していたのだ。
それと風呂にはタオルなどを湯船につけないというマナーがある、体に巻き付けたまま湯船に浸かるなど言語道断だ。
つまり何が言いたいかというと私は今体を隠すものが何も無い、素っ裸なのだ。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
私は急いで手で体を隠してうずくまる。
前に見られた時には何も感じなかったが今はとても恥ずかしい。顔から火が出そうだ。
「今まで気がついてなかったっていうの!?」
「だってぇ……」
「あと華扇も突っ立ってないでなんかしなさいよ!」
「私は観察をですね」
「いいから早く!」
「はいはい、じゃあ煙幕でも出しますよ」
ボンッ! といった音がして当たり一体が煙に包まれた。
「バカ! これじゃ何も見えなくなって危ないでしょうが!」
「そんなこと言ったって私はどうにもできません」
「俺が何とかするよ」
蓮がそういうと煙が移動していき体を隠すように覆った。
「いつも思うけど便利だけど使いどころがよくわかんない能力よね、それ」
「いやいや、焚き火とかご飯作る時に便利だからな」
「はいはい、そういうことにしときましょ」
「一体何が起きたんだ……?」
私は何が起きたか全くわからなかった。
煙が急に移動して体を覆ったのだ。
「ああ、魔理沙は初めて見るのか。これは俺の能力なんだよ」
「そうよ、こいつは『煙を操る程度の能力』の持ち主なのよ」
「へぇ、それを使って煙で隠したっていうわけか」
「まあ、そういうことだな」
「今度私の家に来て実験を手伝ってくれないか? いっつも煙で実験どころじゃないんだぜ!」
「魔理沙の頼みなら断れないな」
「ありがとな!」
「んっんん! あんたたちがイチャつくのはいいんだけど一応まだ裸のままだからね」
「「あ……!」」
霊夢にそう言われ2人とも顔が赤くなる。
「はぁ……バカップルね。ところでなんで女湯に来たのか説明してもらえる?」
「そういやなんでいたんだ?」
「きっと覗くためね」
「蓮はそんなことしないぜ!」
いや、もしかして本当に覗きに来たのだろうか……そんなことはないと信じたいが蓮だって健全な男なのだ、もしかしてがあるかもしれない。
「なんでって、そもそも露天風呂は混浴だぞ」
「ここ混浴だったの……?」
「全然知らなかったぜ……」
「私は知っていましたよ」
「じゃあなんで教えてくれないのよ!」
「博麗の巫女ともあろうお方が気づいてないはずがないと思いまして」
「あんたわざと教えないで反応見て楽しんでたでしょ」
「さあ、どうでしょうね」
ああは言っているが確実にイタズラだろう。
だって目が泳ぎまくってるし。
「とりあえず俺はあそこでひっくり返ってる小次郎を連れて中に戻ってるな」
「あんた後で説明しなさいよ!」
「わかってるって」
そう言って蓮は男湯の方へ帰っていった。
「なんか大変だったな」
「ほんとよ、まったく……」
「とりあえず中に入って湯船に浸かりませんか? このままだと風邪をひいてしまいますよ」
「そうね、戻りましょ」
私たちが戻るとアリスたちが駆け寄ってきた。
「一体何があったの!? いきなり走っていったって思ったら爆発して煙が出てくるし……」
「実はな──」
何が起こったかアリスたちに説明すると何故か呆れられた。
「そこの扉に『露天風呂は混浴なので注意されたし』って書いてあるじゃない……」
「あ、ほんとだ」
「それはそれとしてあいつらは混浴とわかってたのに入ってきたのよ! 下心があったに違いないわ! 後でとっちめてやるんだから!」
「霊夢は元気だな」
その後はしっかり湯船に浸かり温まった。
しかし霊夢と蓮が言い合いしてるのを思い出すと何故か胸の奥がチクリと痛んだ。
もうエンドは決まってるんで年内には完結させたいですね
誤字報告ありがとうございます。
やっぱり気づかないもんですね、誤字って。