「ちょっ、ちょっとまてって! 私は泥棒じゃないぜ!」
「問答無用! 蓮さんが居ない今この店を守るのは私の仕事です!」
そう言って少女は槍を構えた。
「やめろってそんな物騒なもの持って近づくな!」
「泥棒に物騒なんて言われたくありません! それに今あなたが手に持ってるのはうちの商品じゃないですか!」
「これは蓮が好きに見ていいって言ったから見てただけだぜ」
「蓮さんが……? はっ! あなた蓮さんを誘拐した犯人ですね!」
「違うって! 魔法の森であいつが迷ってたから―」
「そこで誘拐したんですね! 許せないです!」
「だから誘拐私はなんてしてないぜ!」
「泥棒の言うことなんて信じられません! あなたを倒して蓮さんを取り返します!」
「だーかーらー私は泥棒でも誘拐犯でもないぜ!」
「でも蓮さんの情報を知ってるならとっ捕まえて情報を吐かせるまでです!」
そうして押し問答していると
―ガチャ
と音がして扉が開いた。
「おい翠、何騒いでるんだ」
「え……? 蓮さん……?」
「おい蓮! こいつに私が泥棒でも誘拐犯でもないって言ってくれ」
「……どういうことだ?」
「蓮さんいつ帰って来てたんですか!?」
「ああ、そうかそういえば翠に帰ってきたことを言ってなかったな」
「言ってなかったってお前それで私大変なことになりかけたんだぜ!」
「いやぁすっかり忘れてたなぁ」
はっはっはっと言いながら蓮は笑っていた。
「笑ってる場合じゃない「です!」「ぜ!」」
「全く……蓮さんはいつもこうですね」
「いやぁすまんすまん」
「なんか魔法の森で迷ってたのも納得だぜ」
「はぁ……そういえば魔法の森で迷ってたって言ってましたけどどうして迷ってたんですか?」
「いやな、山菜取りに行ったら迷ったんだ」
「はぁ……そうですか」
呆れた顔で翠は溜息をつきながら言った。
「でも翠は悲しいし怒ってます」
「迷って帰ってこなかったこと心配してくれてたのか?」
「それもありますけど違います」
「じゃあなんなんだ?」
蓮はなんのことだか分からないといった顔で言った。
「……蓮さん昨日はなんの日ですか?」
「昨日?」
蓮はしばらく考え、しまったという顔をしながら冷や汗を流していた。
「昨日……お前の誕生日だ……」
「そうです」
「いや、もちろん覚えてたぞだから早めに帰ろうとだな―」
「蓮さん今考えてましたよね」
「う……」
翠の言葉に蓮は何も言い返せなくなった。
「ま、まあこいつも森で倒れて死ぬ手前だったんだから多めに見てやれよ。ええと、翠だっけか」
私は蓮がどんどん小さくなっていくのを見かねて助け舟を出した。
「そうですか、ところで蓮さんこの人は誰ですか?」
「あ、ああこの子は霧雨魔理沙っていって俺が迷って倒れてるところを助けてくれたんだ」
「そうなんですね、魔理沙さんありがとうございました」
「いいんだぜ」
話がそれ蓮も安心できると思いきや。
「ところで私の誕生パーティーはどうするんですか?」
とまた翠が聞いてきた。
「そ、それは……」
「蓮さん言ってましたよね、今年は翠が上の学校にいく年だから皐月さんのところで盛大に祝おうって」
「お前そんなこと言ってたのに迷ってたのか……」
これはさすがに私でもフォローできない。
「俺が悪かった!」
と言って蓮は地面に額をつけた。
「そんなことしなくていいんですよ蓮さん」
そう翠が言って蓮の顔が明るくなったと思えば。
「翠ずっと拗ねますから」
と言われまた顔が暗くなった。
「あー ……ほら蓮今日私にご飯を食べさせてくれるんだろ、その時に一緒にすればいいぜ」
「ほんとか!?」
「ああ別に私はいいぜ」
「……翠もそれでいいか?」
「仕方ないですね」
「翠、魔理沙本当にありがとう! じゃあ俺皐月さんのとこ行ってパーティーするって言ってくる!」
そう言って疾風のごとく蓮は家から出ていった。
「翠、お前も大変だな」
「いいんですいつものことですから」
蓮がいなくなった家で私たちはそんな話をした。
翠ちゃんのことは次回書きます。すいませんでした。
本当ですよ?