……胸がモヤモヤする。
さっき翠に「蓮さんはあなたのこと気になってますよ」なんて言われてからずっとこうだ。
(私のことが気になってるか……)
思えば私は色恋沙汰なんて縁がなかった 、もちろん気になった男はいた。いたが、そいつらはみんな私を女として見てくれなかった。
だけどみんな良い奴だったから恨む気にもなれなかった。
(そういえば1回だけ告白されたことがあったなぁ……)
だけどそれは女友達のアリスだった。
こんな私を好きになってくれたことは嬉しかったが、私にその気はなかったから断った。
(今思えばあれが最初で最後の告白だったなぁ……)
だから今回も気になってるというのは女としてでは無く私という人物に興味があるんだろう。
(あれこれ考えてても仕方ないな)
でもやはり翠が言った言葉が気になる。
「なあ翠、さっき蓮は女を家にあげたことがなかったって言ってたけどどういう意味だ?」
「蓮さんなぜだか知らないですけど女の人絶対に家に連れてこないんですよ、女の人が苦手なんですかねぇ?」
と言われやっぱり私は女として見られていないことを痛感した。
実のところ魔法の森であいつを助けたのは一目見てあいつのことが気になったからだった。
そして話していくうちにどんどん気になっていった。
だけどあいつは女が苦手かもしれないと聞き、やっぱり私は色恋沙汰には無縁なんだなと感じた。
「なあ翠、店にはまだ着かないのか?」
気を紛らわすために翠に話を振った。
「もうそろそろ……あ、あの店です」
と言われ前を見ると1軒の店があった。
「結構繁盛してるんだな」
「そうですね、皐月さんのご飯美味しいですから」
そう言って店に入った、すると
パンパンパン
と音がして色とりどりの神の紐と共に
「「「翠ちゃん誕生日おめでとう!!!」」」
と言う声が聞こえてきた。
「な、なんですかみんな揃って」
「いやぁ翠ちゃん誕生日だろだから蓮くんが盛大にって言うもんだからおっちゃんたちみんなで待ってたのさ」
「そうよぉ翠ちゃん今年で13歳だから皐月さんも張り切って料理作ってたのよ」
「は、恥ずかしいです……」
翠は顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに言った。
「あ、翠顔真っ赤っかだー」
「う、うるさいです!」
翠と同じくらいの歳の子にからかわれ怒っていると。
「翠こっちだ」
と蓮が呼んできた。
そして蓮の方へ歩いていく途中に
「ん? この嬢ちゃんは誰だ?」
と1人の男が言った。
「この子はね蓮くんが迷ってるとこを助けたんだよ」
と皐月さんが説明してくれた。
「ほぉーにしても綺麗な嬢ちゃんだなぁ」
「き、綺麗だなんて照れるぜ……」
「おっちゃん魔理沙が困ってるだろその辺にしてやってくれ」
「あいよ」
そして蓮の元へ歩いていく途中
「にしても蓮くんもやっといい女の子見つけたんだなぁ」
「だな、蓮くんが女の子を食事に誘うなんて前代未聞だな」
何か聞こえた気がしたが上手く聞き取れなかった。
「ところで蓮、今日はどんな料理を食べさせてくれるんだ?」
「まあ慌てるなよもうすぐくるから」
「楽しみだぜ」
しばらく待っていると
「はい、お待ちどうさま。皐月さん特製フルコースだよ」
「こ 、これは……」
すごい豪勢な食事が出てきた。
色とりどりの野菜に揚げ物それに上等なお肉どれを見ても美味しそうだった。
「さあ食べようか」
蓮がそう言い私達は食事を始めた。
そして翠の誕生ケーキを食べたりしていたらもうすっかり辺りが暗くなっていた。
「おっ、もうこんな時間か。魔理沙今日はもう遅いからうちに泊まっていくといい」
「おっ、いいのか?」
「ああ、もちろん」
と蓮が言うと
パリン
と皿が割れる音がした。
「皐月さんどうかしたのか?」
私がそう聞くと
「手が滑っちゃっただけだよ」
と返された。
「じゃあそろそろ帰ろうか」
そう言って蓮達と一緒に店を出たら店の方が一気に騒がしく待った。
(なんかあったのか?)
疑問に思いつつも私は家へ向かった。
「さて、俺は仕事の続きをするから翠魔理沙にお風呂の準備をしておいてくれ」
「わかりました」
「何から何まで悪いな」
「そんなこと別にいいんだよ」
と言って蓮は仕事をしに部屋に入った。
しばらくして
「魔理沙さんお風呂の準備ができたので入ってください」
と翠に言われ私はお風呂へ向かった。
「おお……これは立派な風呂だな」
檜造りの風呂なんて初めて入った。
「いい湯加減だぜ」
風呂に浸かりながらぼーっとしていると、なぜだか蓮の顔が浮かんで恥ずかしくなった。
お泊まり、お風呂、男、女…何も起きないはずがなく…