Girls und Panzer雄型外伝~Our Panzer~ 作: Friedrich
試合直前、どこか行っていた校長が戻ってきた。
多分、親父のとこだろう。校長は親父と仲が良いから。
とにかく、試合に集中しよう。
ヘルメットを被ると、戦車に乗り込んだ。
「「「よろしくお願いします!!!」」」試合が始まった。
ブロロロ・・・エンジン音とともにT−34は発進した。
今日の作戦は、昨日の紅白戦同様、小隊を組んで、伏兵を各個撃破していく戦法だ。
・・・もっとも、僕は昨日伏兵の役だったけど。
全国大会1回戦と同じ12VS12のフラッグ戦で、
相手は、公式戦同様の布陣。こっちが経験が少ないとしても 容赦はしないだろう。
うちもT−34/85やISU−152だから、火力負けはしないはずだ。
スターリンもISU−152の榴弾でなら、ホプキンソン効果(榴弾による衝撃波で敵戦車の内壁を剥離させたり、機械を故障させる効果)で撃破できる。
こちらは、4両ずつに分けた小隊をそれぞれ
石原君、上坂さんと中須賀さんのコンビ、そして僕が指揮を執る。
僕の小隊はISU−152が2両、T−34が2両。
スターリンとか重戦車と撃ち合って勝つ役割だ。
5分ほど動き回っているとフラッグ車に出くわした。
ISU−152の射程距離内だ。
多分、サラミ戦法かキルゾーン防御だ。
守りの弱い所、不注意なことをする車両には、注意だ。
「こちら、ジューコフ小隊、フラッグ車を発見。」
コマンダーの東條君に無線で知らせた。
「深追いはするな。出来れば、1発で仕留めろ。」そう東條君が指示を出した。
分かりきったことだが、大事な事だ。
「12号車、フラッグ車を撃て。一発で仕留めろ。」
「OK。下波、仕留めろ。」
「了解。」
ドーン!
「プラウダ高校フラッグ車撃破!!よって育英館高校の勝利!!!」という審判の声を聞いた。
誰もが驚いたに違いない。
実際、僕も驚いた。
下波君が射撃が上手いとは言え、動いている目標に一発で当てる
なんて芸当は最新のMBTでないとできないぐらい難易度が高い。
よっぽどの偶然としか思えない。
驚嘆するしかない。
確かに一発で仕留めろ。とは言った。
しかし、実際にできると思っていなかった。
指示を出したら、すぐに追いかけていこうとした。
「おい、今のは、本当か?」
東條が無線で聞いてきた。
「本当さ。現にフラッグ車が白旗を上がっている。僕も、信じられないが。」
下波君はそう答えた。
試合時間は、5分ちょっと。
偶然とは言え、こんなに早く終わる試合は初めてだ。
結局、予定を変えて第二試合をすることになった。
結果は、敗北。
今度は、相手が真っ向から突っ込んできた。
意表を突かれ、押されそうだったが、的確な征爾の指示もあり、
反撃し出すと、すぐに巻き返し、優勢になった。
しかし、IS−2からフラッグ車を狙撃されて負けた。
しかも、約1.7㎞という距離から。
世界大会に出るノンナさんが撃ったらしい。
試合終了後
整備をしていると、
カチューシャさんとノンナさん、サーシャさんがやってきた。
意外とカチューシャさんは小柄だった。
というか年上とは思えなかった。
そんな「可愛らしい」カチューシャさん曰く
「練度も作戦も中々じゃない。あの『馬鹿』がフラッグ車を囮にさせなければ、面白い試合だったのに。今度は圧倒してやるんだから。」
ノンナさんも
「あんなに射撃の上手い人は見たことはありません。誰がフラッグ車を撃破しましたか。」
下波が名乗り出ると、
ノンナさんに「あんな見事な射撃は初めてです。」と褒められて、
少し浮かれていた。
反省会では、
フラッグ車とその護衛の行動をもっと考えるように言われた。
最初の試合の戦犯はダンコーです。
大洗戦の失敗を生かせなかったようです。
ちなみに試合後、ダンコーは監督のジューコフ(父)に日付が変わるまで説教されたとか。