カースド・プリズン・ブレイカーL~呪われた牢獄、神殺しに挑まんとす~   作:ターニャ・オルタ

4 / 9
前回を飛ばした方向けの状況説明:クロックファイアの義眼を毟り取った。


ガンギマリ妖精(ティンクルピクシー)

払暁の山中。

 

人里離れた早朝の清澄な空気が、少女が吐き出す煙によって煙らせられる。

よれた煙草のようなものをつまむ指は細く華奢で、少女というよりは幼女と呼ぶべきなのかもしれない。そんな可憐な容姿の幼女が紫煙を燻らせる光景は

 

「っふぅー……見た目の犯罪臭が半端ないよなぁこれ……」

 

ひとりごちて、疲労に濁った瞳をどこへともなく彷徨わせながら喫煙を続ける幼女の名はティンクルピクシー。

この世界とは次元のズレた世界「妖精郷」で生まれ、妖精(ピクシー)の名に相応しい可憐な少女はしかし、愛用のティンクル☆ワンドを片手に妖精郷を守るべく戦うヒーローなのである。

そんなヒーローたる彼女が、幼女がタバコをふかしているという絵面的に完全にアウトな光景を繰り広げているわけだが、実際には彼女が吸っているのはタバコではない。彼女が吸っているのは回復アイテムなのだ。これぞ妖精郷でのみ獲れる極めて疲労回復効果の高いハーブを紙巻にして吸い込むことで急速回復するという『ティンクル☆ハーブ』である。故に体に有害なニコチンもタールもゼロの極めて安全でオーガニックな代物なのだ。だから合法、いいね?

 

とは言え、ティンクルピクシー自身も自覚しているように、正直言ってパッと見が犯罪であるから彼女は人前ではティンクル☆ハーブを使用しない……こそこそ吸っているのが余計に犯罪臭を増しているのではあるが。しかし、見た目の問題以上に、このハーブを見つからないようにしている最大の理由は

 

「こんなの()あるって知れたら、余計に妖精郷が狙われるようになっちゃうもんな……」

 

そう、そんな忌避すべき秘密の回復手段を使わざるを得ないほど、ティンクルピクシーは疲れ切っていた。その原因は、彼女もまた武器として使用するティンクルパウダーにある。

妖精郷で生まれた者だけが生成できる謎の物質であるティンクルパウダーは、一定以上のエネルギー的活動をする物質に触れると「何か」の反応を起こしてその動きを封じてしまう。その性質を利用したい、謎の反応の原理を解き明かしたいヴィランたちの手で妖精郷の者はしばしば捕えられるため、同郷の者を助け出すために戦うヒーロー、それがティンクルピクシーだった。

 

……と、いうのが少し前までの話。今ではティンクルピクシーは、ヴィランだけでなくヒーローさえ敵に回した戦いを強いられていた。その元凶もまたやはりティンクルパウダーであった。妖精郷の者が望まなくともティンクルパウダーについての研究は進んでしまい、ついにある性質が発見されてしまう。ティンクルパウダーは、現実世界の物質を妖精郷に適応できるように進化させる作用を持っているだったのだ。つまり、ティンクルパウダーを使えば人体改造が出来る、ということに他ならない。この性質が知られてしまって以来、妖精郷の者へのヴィランによる追求は苛烈を極め、のみならずヒーローたちからすら狙われるようになってしまった。ある者はさらなる強さを求めティンクルパウダーを欲し、またある者は人体を改造するような物質を悪と断じて根絶やしにすべく襲い来る。その全てとティンクルピクシーは戦わざるを得ない。

 

そうして今、ヒーローやヴィランの追及を逃れた彼女はこの山中で身を休めていた。ただでさえ多方面から狙われている状況で、妖精郷のみに産する高効率で回復効果のあるハーブの存在など、さらなる争いの火種になるばかりだ。故に彼女はハーブの存在をも秘して滅多に使うことはないのだが、度重なる連戦の疲労から、やむなく使用しているという訳である。

 

「何とかリキシオンさんが、対策を見つけてくれているといいんだけど」

 

現在ティンクルピクシーが山中に分け入っていたのは、追手を躱しながらリキリオンを訪ねるためであった。リキシオンは驚くべきことにティンクルパウダーを使用せずとも己が調合したサイバー漢方によって妖精郷を訪なうことが可能なのだ。なんたるサイバー漢方によりブーストされたニンジャ精神力の神秘か!

故にリキシオンはティンクルピクシーを追いかけるどころか、逆にヒーロー・ヴィランに狙われていた彼女に救いの手をさしのべてさえくれたのである。人格者としてヒーローだけでなくヴィランからも一目おかれるリキシオンの面目躍如であろう。あまつさえリキシオンは己の錬金術とニンジャ洞察力を以て妖精郷の者が追われずとも済むよう対策を立ててくれてさえ居た。

 

だからこそティンクルピクシーは彼の助力を請うため、並み居るヒーロー・ヴィランの追跡を逃れてリキシオンの庵を訪ねてここまでやって来たのだ。何よりこの周辺では二人の強力な蒼色の流星(ヒーロー)緋色の凶星(ヴィラン)が鎬を削っており、彼らと争いたくない他のヒーロー・ヴィランは決して近寄ろうとはしない。そして件のヒーローもヴィランも今のところはティンクルパウダーに全く興味を示していないため、彼女にとっては比較的安全な場所なのである。

 

(あーヤバい、安心したら眠くなってきた……もうちょっと休んでもいいかな)

 

昨晩からの寝ずの逃走による消耗、そしてハーブによる疲労回復とトリップによって緊張の糸が切れたティンクルピクシーは、手近な樹の幹に背中を預けてウトウトと舟をこいでしまう。何しろリキシオンが庵を構えるような山中である、静謐な空気が流れ、聞こえるのは遠くヘリコプターが飛んでいるらしきバラバラという音だけ……

 

それを油断と言うのは酷であろうが、ティンクルピクシーは忘れていた。かの緋色の凶星(ヴィラン)は別段興味が無いから彼女を追っていなかっただけであり、逆に故あらば老若男女関係無く襲い掛かるからこそヴィランと呼ばれているのだということを。

 

「……なまこ」

 

「ぎゃああああ!?」

 

寝入りかけていたところにドスの効いた低音で声を掛けられ、ティンクルピクシーはあまりの驚きに文字通り()()()()()()驚く。なにせ彼女は妖精の名の通り数秒間は空中浮遊が可能なのである。そうして空中にて己の体をかき抱くようにして声の主を見れば

 

「おおう、リアクションいいな。セリフは思いつかなかったから今日の朝食だったんだが、てかなまこって何だよなまこって」

 

理不尽に逆ギレする鎧を纏った大男。

両腰に二振りずつ、合計で四口も刷いた刃はおそらくヘリのプロペラ。のみならず両足部にはタイヤも見られることから、バイクか自動車か、何か車両とのキメラ吸収を行ったのであろう、体の各所で歪に歪んだ異形の鎧は大出力のエンジン駆動音も相まって威圧的なアトモスフィアを撒き散らしていた。間違い無い、この男は

 

「ぎゃあぁぁぁあぁあ!!カースドプリズン!?怖い(ヤバ)(キモ)い!!」

 

「おいコラ今最後なんつった?……まあいい、おいガンギマリ妖精(ティンクルピクシー)、俺様の質問に答えろ。お前らの妖精郷ってのは、ギャラクセウスに創られたのか?」

 

「え?いや、違うと思う…けど……」

 

ようやく混乱から落ち着きつつあったティンクルピクシーは、突然のカースドプリズンからの問いかけを、誤魔化すことすら思いつかなかったため素直に答える。それを聞いたカースドプリズンは、何故か上機嫌にこう続ける。

 

「いいねいいね。最高にいい。せっかくだから選ばせてやる」

 

「え、何?」

 

「手持ちのガンギマリパウダー全部、素直に渡すか、俺様にボコられてから渡すか。好きな方を選びな」

 

「実質一択じゃん?!どっちもやだよ!てかガンギマリ言うな!」

 

寝起きのテンションも相まって、ティンクルピクシーはツッコミを入れつつ目の前のヴィランを倒さなければならないと決意してティンクル☆ワンドを構える。

一方、ソレを冷静に眺めるカースドプリズンは首をかしげる。

 

(やっぱ思考操作って弱体化(デバフ)じゃねーか……何かこうチグハグだよなあ)

 

目の前のティンクルピクシーは、平時ならば妖精郷の仲間を助ける以外では積極的にヴィランと戦おうとしないハズなのだ。ここまでだってティンクルパウダー目当てで自分を追いかけまわすヒーロー・ヴィランと戦うのではなく逃げ回って来たのだ。カースドプリズンなど無視して一目散の逃走を選ぶべきところ、思考操作のせいで一目散の闘争を選んでしまう。先程のクロックファイアだって、本来はもっと()()()立ち回りが売りのハズだったのに、真っ向勝負を挑んできたせいで敗けたのだ。

その方がカースドプリズンにとっては目当ての物を確実に入手できるので都合はいいのだが、これでは自分を倒すという目的に対してはむしろ悪手と言っていい。最前手は周辺のヒーロー・ヴィランを集めた後で一斉にカースドプリズンを襲わせる事だ。実際、そうされていたらカースドプリズンは詰みだっただろう。ソレをしないということは、ギャラクセウスは思考操作を精密には行えないのか、それとも

 

(そもそもあの神気取り(ギャラクセウス)とは()()()()が思考操作をしているか、だな。少なくともリアルタイムでモニターは出来てないのは確定。つまり……)

 

遠いと思っていた崖の向こう側に、攻略法という名のロープが繋がっていく感覚。突貫工事の一夜漬けによる攻略チャートが着実に埋まっていく事にカースドプリズンが兜の下で口角を釣り上げるのと、ティンクルピクシーが技を繰り出すのとは同時だった。

 

「ティンキー☆」

 

掛け声と共にカースドプリズンへ向かって撒き散らされるティンクルパウダー。これを喰らってしまえば指一本まともに動かせず、一方的にティンクルピクシーにタコ殴りにされるだろう。そう、妖精らしい可憐な見た目とは裏腹に、ティンクルピクシーは超至近距離戦闘特化戦士(インファイター)なのだ。

 

妖精がこの世界(ユニバース)に迷い込んでしまうことは過去より度々起こっており、その度に妖精たちは妖精郷の力を利用しようとする悪しき者の手で苦境に立たされてきた。故に妖精達は累代に渡って研究を続けてきたのだ、俘虜の身となったとしても己の身ひとつで敵に対抗できる格闘術を。その名も妖精格闘術(ティンクル・クォーター・コンバット)。二千年に渡って代々伝承されてきたソレは妖精郷の戦いの歴史の中で進化し続け、ついにティンクルピクシーにて結実した。人呼んで妖精神拳、ひとたび接近を許したが最後、どんな敵をも葬り去るこの拳こそ、ヴィランはおろかヒーローからすら狙われながらティンクルピクシーを守りつづけた所以である。

 

しかしカースドプリズンは迫るティンクルパウダーに動じることなく、腰から両手に刀を抜き放つ。

 

「読めてんだよガンギマリ妖精!」

 

「人聞きの悪いこと言うな!ティンクルパウダーは合法だ!」

 

「人体改造する粉のどこが合法だぁぁあ!」

 

ツッコミを入れつつ、カースドプリズンは抜いた刀を左手に接続された円盤型の機械に二つとも直角に装着、続いて腰に残った二刀も抜き放つと、円盤をぐるりと180度回転させて既に接続した刀を含めて十字になるよう四刀すべてを装着した。よくよく見るとそれらの刀は円盤に対して平行でなくそれぞれ傾斜がつけられていて……

 

「まさか!」

 

「まさかもトサカもあるかぁ!」

 

瞠目するティンクルピクシーの目前、カースドプリズンの左手の円盤は高速回転を始め、生み出された強風はカースドプリズンへと迫ったティンクルパウダーを押し戻してしまう。そう、カースドプリズンは吸収したヘリのローターを左腕に装着して、扇風機のごとく使うことでティンクルパウダーを防いだのである。

 

「何ソレずっるぅ!」

 

「ふふふ、ふはははは……斯様な方法を見出す我様こそ天才……!」

 

何やら最終的に物語終盤で崩落するラボで瓦礫に潰されて死ぬ系のマッドサイエンティストのような口調で高笑いするカースドプリズンだが、この方法は極めて有効なのは確かだ。

 

「フハハハハ!お次はこっちから行くぞオラァ!」

 

ティンクルパウダーが吹き散らされた後を、ギャリギャリと脚部に接続されたタイヤを回転させてカースドプリズンが突っ込んでいく。その圧倒的威圧感。想像していただきたい。まっすぐ来る、と分かっていても狂乱した象が木々をなぎ倒しながら突進してきたとしたら、冷静に対処することは難しいだろう。

ただし、それは常人であればの話だ。突進を受けるティンクルピクシーに先程までのような動揺は一切無い。

 

「三枚おろしにしてやるよ!」

 

刀の間合いに入った瞬間、カースドプリズンは右手で左腕に装着された四刀のうち一刀を抜き打つ。ローターの回転をも加えて居合気味にティンクルピクシーへと放たれた斬撃はしかし、一切の手ごたえを残さず空を切る。のみならず目の前にいたハズのティンクルピクシーの姿が掻き消えている。まさか、先のカースドプリズンが光学迷彩で消えたがごとく透明化を?

……否、振り切った右手に僅かな、本当に微かな重さを感じた瞬間、何が起きたのかを悟ってカースドプリズンは右の刀の先を見る。果たしてそこには、刀の先端を足場として直立するティンクルピクシーの姿があった。斬撃の瞬間、ティンクルピクシーは己の脚力のみならず浮遊能力を使って刀と等速になるように飛び上がったのだ。浮遊能力で自重を打ち消してしまえば、ただでさえ軽いティンクルピクシーの体重はまさに羽のごとく軽い。どのような名刀とて、刀と近い速度で舞う羽を捉えることは叶わない。

 

「いい判断だ……が、そんなよくある方法が、今の時代に通じるか!」

 

しかしカースドプリズンもまた万日を戦場で過ごした修羅、一瞬で状況判断し右の刀を手放すと、再び左手のローターから抜刀術の二刀目をティンクルピクシー目がけて横凪ぎに放つ。それに遅れて左手はたった今、右手が放したばかりの一刀を下から掴みにいって、右の斬撃に遅れる形で下からの切り上げを放つ。刀を足場にしていた以上、ティンクルピクシーは下へ逃げることは出来ず、横凪ぎの斬撃を避けるのは上以外にない。それを見越しての左による時間差十字斬撃。必殺の状況で、しかし再び三度(みたび)、両の刀は一切の手ごたえなく空を切る。ではティンクルピクシーは何処へ?

 

「へぁろー」

 

「っ!!」

 

頭上からの声。見上げるカースドプリズンの視界に、()()()()()()()()刀の間合いより外、更なる上空へ立つティンクルピクシーの姿が飛び込んできた。違う、空中ではない。よくよく見るとティンクルピクシーが足場にしているのは、ごく小さな木の破片、それが不思議な粉を纏って空中に固定されている。

 

「さっき俺様が吹き散らしたガンギマリパウダーか……!」

 

「せいかーい!」

 

そう、ティンクルピクシーもまた、最初の居合斬撃を躱した時点で、そこからさらに上へと逃げざるを得ない展開を読んでいたのだ。だから一刀目を足場にして振りぬかれた瞬間、上空へと散っていたティンクルパウダーのまとまった場所へと木片を投擲したのだ。一定以上の運動量を与えられた木片はティンクルパウダーに接触した瞬間に空中にて動きを止めて足場となり、ティンクルピクシーはそこに乗ることで左の切り上げが届かない上空へと退避したのだ。そして、頭上の有利を確保した時点で、次なる行動は決まっている。

 

「正解者にはプレゼントだよ!妖精神拳奥義・四星転身(ティンクル☆ファントム)!」

 

「プレゼント(物理)なんだよなァ?!」

 

上空から「スペシャルなパウダー」がカースドプリズンへと降り注ぐ。上空から放たれたパウダーは前後左右では回避できず、もはや刀を左腕のローターに戻す猶予も無い。粉を喰らったカースドプリズンは、もはやサンドバッグも同然。さらに奥義たるティンクル☆ファントムはティンクルピクシーの分身を三体生み出し、四人にて一斉攻撃をしかける技。さしものカースドプリズンも、これを喰らえば戦闘不能に陥らざるを得ない。

 

「「「「身体の輪郭が歪むまでティンキー☆してやる!」」」」

 

殺到する四人のティンクルピクシーに対して、取り得る手段は一つ。カースドプリズンは視線を下に、今まさにティンクルピクシーが殴り掛からんとしている己の鎧、その歪に膨らんだ箇所へと()()()()左眼の視線を向ける。

 

刹那、

 

KABOOM!

 

「「「「ぐはっ!」」」」

 

「ぐぅ…!」

 

内側からカースドプリズンの鎧が()()()。爆発は鎧の中で起こったため、火薬の燃焼による爆風は「スペシャルなパウダー」に止められることなく発生し、四人のティンクルピクシーを吹き飛ばす。

鎧の爆発は、脱獄(プリズンブレイク)ではない。ティンクルピクシーの超必殺(ウルト)の効果でもない。それをもたらしたのは、カースドプリズンがヘリコプターと車両と共に吸収していた()()()()()()()()()()()が生み出した爆弾によるものだった。

 

「テメエのガンギマリパウダーは運動量(ベクトル)は封じても視線(スカラー)は防げない、ってワケだな」

 

そう、最初からカースドプリズンは通常戦闘でティンクルピクシーを仕留めきれず、ティンクルパウダーを喰らう想定をしていた。だからこそ対抗手段を手に入れるため、先にクロックファイアを倒して来たのだ。指一本動かせない状況でも可能となる攻撃手段の確保のために。

そもそもティンクルピクシーが高い攻撃力と高性能の拘束技を持ちながら逃げ回っていた理由の際たるものは、彼女自身の耐久力が全ヒーロー・ヴィランの中でも一・二を争うほど()()からだ。そんなティンクルピクシー相手ならば、逆に全ヒーロー・ヴィランの中でも高い耐久力を誇るカースドプリズンが自爆戦法に巻き込めた時点で勝敗は決していたのだ。

 

「そこまでだオヌシら……双方とも、この場はワシの顔に免じて、矛を収めてくれんか」

 

声の主は、爆音を聞いて駆けつけたリキシオンであった。

 

「俺様は()()()()()()さえ手に入れば、ドラッグ妖精はどうでもいい。好きにしなヨコヅナ……あ、手当は俺様がこの場を離れてからにしてくれよ。思考誘導のせいで治ったそばから突っかかられても面倒だ」

 

「ドーモ。そうしよう」

 

「ぐっ……」

 

肩を竦めて首肯するカースドプリズンにオジギして、リキシオンはダメージを受けて倒れ伏すティンクルピクシーを抱え上げる。これから庵へと連れ帰って保護するのだろう。

 

「あ、後コレは渡しておく」

 

思い出したようにカースドプリズンは兜の左眼部に融合していたクロックファイアの義眼を抉り出すと、リキシオンへと渡す。

 

「フム……これはオヌシの()()()()に組み込んでおけばいいのだな?ああ、先に用意できた3つは渡しておこう」

 

「おお、助かる。よろしく頼むわ」

 

「しかし良いのか?この後まだ相手取らねばならぬヒーローは三人……この義眼があった方が確実なのでは?」

 

「いんや、ソレは最後にとっておかないとな。おそらく次の相手は脱獄(プリズンブレイク)がカギになる。そこで義眼が失われちまったら、せっかく立てたチャートがパァだ」

 

「……厳しい戦いとなろうが、オヌシがオヌシの連れ合いを助けられることを祈っておこう。オタッシャデー」

 

「ヨコヅナもな」

 

リキシオンが去ると、カースドプリズンは渡されたアイテムを検めた後、うち一つに細工をすると次なる()()()()()()()の元へと向かって行った。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。