自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件   作:とんこつラーメン

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私も絶賛、筋肉痛になってます。

普通にキツいです。





どんな体になっても筋肉痛は地獄である

「あ~…う~…」

「ほ…本当に大丈夫なのか?」

「だいじょ~ぶ~…」

 

 ども、只今、白式の試運転でテンションを上げ過ぎて無茶をしてしまった結果、見事に次の日に全身が筋肉痛となってしまった、お馬鹿さんな緒理香ちゃんです。

 軋む体を頑張って起こした後、箒に手伝って貰う形で歯磨きや着替えをして貰った。

 うぅ……我ながら、なんて情けない醜態を晒しているんだ……。

 

「いつ触っても、緒理香の髪はサラサラとしているな」

「そぉ~?」

「あぁ。こうして櫛で梳いても、全く引っかからない。凄く結びやすいぞ」

「ふ~ん……」

 

 束もよく、私の髪を結んでくれる時に同じようなことを言っていたな。

 やっぱり姉妹なんだな……って、なんか箒の手が止まってませんかね?

 

「な…なぁ……緒理香? 一つ提案があるんだが……」

「なに?」

「た…偶には違う髪型にしてみるのはどうだろうか? いい気分転換にもなるぞ?」

「違う髪型ねぇ~……」

 

 つっても、私はどんな髪型があるのかよく知らないしな~。

 私が知ってるのはアニメとかでよく見る髪型しか知らない。

 ツインテールの他には、箒がよくしてるポニーテールにサイドテール、三つ編みに~…ツーサイドアップなんてのもあったよな?

 

「よかったら…なんだが、私とお揃いのポニーt「んじゃ、ツーサイドアップでお願い」……分かった……」

 

 え? 今、なんか言いかけてなかった? 私の気のせいかな……。

 

(お揃いの髪型にするのは叶わなかったか……。でもまぁ、緒理香の髪を思う存分に触れただけでも十分だ!)

 

 落ち込んでいるかと思いきや、また急に元気になりよったぜよ。

 女子高生はコロコロと表情がよく変わるけど、箒も例外じゃなかったって事か。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「世話を掛けるねぇ~…」

「それは言いっこなしだぞ。緒理香」

「そうだね……」

 

 食堂で朝食を食べ終えた私たちは、いつものように自分達の教室へと向かっていた。

 と言っても、実際に歩いているのは箒だけで、肝心な私はというと、彼女の背中におんぶされてます。

 いつもならば絶対にしないことだが、今回ばかりは背に腹は代えられない。

 全身筋肉痛のお蔭で、まともに歩く事すらままならない私は、仕方なく箒の『おんぶをしてやろうか?』という提案を受け入れた。

 自室を出て食堂に向かうまでの道中もおんぶをして貰って、めっちゃ恥ずかしい思いをしました。

 

「こりゃ、この筋肉痛が完全に治るまでの間は、箒のお世話になりそうだな~。いや、マジで申し訳ない……」

「気にするな。私たちは幼馴染でルームメイトじゃないか。困った時はお互い様だ」

「箒……」

 

 あぁ……ヤバいな……。

 箒の優しさが本気で身に染みる……。

 こりゃ、一夏には勿体無いわ。ISのメインヒロイン(?)は伊達じゃないって事か。

 

 そう……ここまではいいんだ。ここまではな。

 私の筋肉痛に関しては、箒とかにフォローをして貰えれば、なんとかなる。

 それとは別の問題が、今の私に降り注いでいる。

 

「あっ! 莱鞭さんの髪型が変わってる!」

「ツーサイドアップ……可愛いなぁ~…♡」

「なんかおんぶされてるけど、どうしたのかな?」

「どこか痛むとか? どうしよう……」

 

 さっきからずっと、他の生徒達が一様に私に注目してくるのはなんでだろう?

 もしかして、昨日の白式試運転(笑)を見られたせいか?

 自分でも驚くような動きをした自覚はあるけど、そこまで騒ぎたてるような事か?

 

「緒理香さん! 箒さん、おはようございます!」

 

 後ろから、妙にテンションが高いセシリアがやってきて挨拶をした。

 この子って、こんなにも元気一杯なキャラだったか?

 

「あ…あぁ、おはようセシリア」

「おはよ~…」

「緒理香さん? どうしたんですの? なにやらお元気が無いように見受けられますが……。もしや、箒さんにおんぶされていることと関係が?」

「まぁな。別にそこまで深刻な話じゃないんだ。単に昨日の一件せいで筋肉痛になってしまっただけさ」

「まぁっ! 筋肉痛ですのっ!?」

「うん……なんか恥ずかしい姿を見せちゃってるね……あはは……」

「そんな事はありませんわ」

「セシリア?」

 

 また急に真剣なお顔になっちゃった。

 

「あれだけの激しい動きをすれば、どれだけ体を鍛えていても多少の筋肉痛になるのは当たり前。特に、緒理香さんのように小柄な人は全身に掛かる負担も大きいでしょうから、私達以上に様々な部位が筋肉痛になっても不思議じゃありませんわ」

「「おぉ~…」」」

 

 なんかセシリアから説明をされてしまった。

 流石は学年主席で代表候補生なだけはあるな~。

 一瞬だけ、本気でセシリアを尊敬したよ。

 

「私と箒さんは、お互いにクラス代表補佐。私も緒理香さんの筋肉痛が完治するまでは喜んで生活の補助をしますわ。いいですわよね?」

「あ…あぁ……」

「では、緒理香さんの鞄は私が持ちます」

「ありがとね~」

 

 ……セシリアって、こうもグイグイとくる女の子だったか?

 昨日までとは別の意味で積極的になった気がする。

 

(セシリアの奴……何かが変わった? こいつもまた、私と同様に昨日の緒理香を見てなんらかの心境の変化でも起きたんだろうか……)

 

 んで、箒もまたセシリアを見ながら考え込んでるし。

 今日はなんだか皆して変だぞ~?

 

 そんな事を考えてる間に、いつの間にか教室に到着。

 ここまでくる間も、すっごい注目されてました。

 確実に入学式の日の数倍は注目されてたよね。

 

 ガラガラガラ~っと教室の中へと入ると、またもや視線のマシンガンが。

 

「「「「「莱鞭さん!!!」」」」」

「うぉっ!?」

 

 きゅ…急に教室内にいた皆が押し寄せてきたぁっ!?

 

「昨日のアリーナでのやつ、マジで凄かったよ!!」

「小さな体に無敵のパワー……最高だね!」

「人は見た目に寄らないってよく言うけど、莱鞭さんの場合は寄らなさすぎでしょ!」

「莱鞭さんをクラス代表にして大正解だったね!」

「うんうん! これなら今度のクラス対抗戦も大丈夫だよ!」

「やっぱり、美幼女は最高だぜ!」

 

 すっごい……すっごい来てるよ……。

 この無駄な熱狂ぶりはなんなんだ……?

 何が君たちをそこまで熱くさせる?

 

「お前達! 緒理香は今、筋肉痛で苦しんでいるんだ! 少しは大人しくしろ!」

「そうですわ! 皆さんの言いたい事は解りますけど、こんな風に一斉に押し寄せたりしたら、緒理香さんにご迷惑ですわよ!」

 

 クラス代表補佐ぁ~!

 いいタイミングでいい事を言うじゃないかぁ~!

 もしもこれが恋愛ゲームなら、今の私の中で二人に対する好感度がグーンと上昇したぞ!

 

「え? 筋肉痛?」

「そっかぁ……そうだよね」

「あれだけ動けば無理もないかぁ~…」

「りょーかい。私たちのせいで莱鞭さんを嫌な目に遭わせるのはダメだよね」

「何か困ったことがあったら、なんでも私たちに言ってよね!」

「いつでも力になるからさ!」

 

 おぉ~!!!

 なんて良い奴等なんだ…皆…。

 皆の優しさに私が泣いた。

 

「おはよ~! って、どうしたの?」

 

 おっと。ここで私の嫁候補の一人である本音のご登場ですか。

 今日も『のほほ~ん』ってしてますね~。

 

「おりりん? なんでしののんにおんぶされてるの?」

「まぁ……話せば短いんだけど……」

「短いんだ」

 

 カクカクシカジカ。

 カクカクウマウマ。

 

「えっ!? 筋肉痛っ!?」

「にゃはは……情けない姿を見せておりますです…ハイ」

「だ…大丈夫なのっ!?」

「一応はね。病気とかじゃないから、私の頑張り次第でどうとでもなるよ」

「……無茶とかしちゃダメだからね?」

「うん。それはちゃんと分かってる。ありがと」

 

 今、本音が『可愛い』から『美人』に変わった気がする……。

 はは……もしかしたら、私が本音を攻略するんじゃなくて、本音に私が攻略されるかもしれない……。

 

(これはもしや……)

(とてつもなく強大なライバルの出現ですのっ!?)

 

 朝っぱらから青春群像劇を繰り広げていると、教室の扉が開かれて先生たちが入ってきた。

 まだ予冷は鳴ってない筈だから、時間よりも早く来ただけかな?

 

「おはようございます、皆さん」

「おはよう……緒理香? なんで篠ノ之におんぶされている?」

 

 もうこれ何回目だよ……。

 今のところ、全員が聞いてきてないか?

 

「これはですね~」

 

 もう面倒くさいので、一気に省略。カクウマ。

 

「筋肉痛ですか~。IS操縦者ならば誰もが一度は必ず経験することですね。特に初心者とかは」

「私も、訓練生時代にはよく筋肉痛になってましたわ。だから、緒理香さんのお気持ちはよく理解出来ますの」

 

 ソーナノカー。

 幾ら、IS側にパワーアシスト機能があるからと言って、あんなデカい機械の塊を身に付けて体を動かすんだから、体にはかなりクるよな~。

 

「織斑先生…? いきなりスマホを出して、どうしたんですか?」

「そんなの決まってるだろ……今すぐに119に繋いで、緒理香を病院に入院&手術をさせるんだ!!」

「えぇぇぇぇ――――――!?」

 

 いきなり何を言い出すんだ、この人は―――――――っ!?

 

「そんな事をしなくても、暫く安静にしていれば大丈夫ですよ!」

「何の根拠があってそんな事を言っている! 私の可愛い緒理香に万が一のことがあったらどうする気だっ!?」

「筋肉痛で起きる万が一の事ってなんなんですかっ!?」

 

 だな。私も詳しく聞きたいわ。

 

「まだ実技系の授業は有りませんし、座学なら問題なく授業を受けれます…よね?」

「はい。それぐらいなら全然大丈夫です」

 

 それぐらいの事は流石に…ねぇ?

 全身が筋肉痛だからって、勉強が出来ない程に酷いって訳じゃないし。

 

「ほ…本当か? 本当に大丈夫なのか?」

「そう言ってるじゃないですか。少なくとも、実技の授業が始まるまでには絶対に完治させますよ」

「うぅぅ……なんて健気なんだ……。私の事を心配させまいとして強気に振る舞って……矢張り、緒理香こそが私の嫁であり女神だ……」

 

 この人もこの人で、朝っぱらから何言ってんだ?

 酒の飲み過ぎで遂に頭がイカれちまったのか?

 

「「「「「あ」」」」」

 

 予鈴が鳴った。

 もうそろそろ席に着かないと。

 

「そっと椅子に降ろすからな」

「お願い」

 

 気遣いMAXな箒のお蔭で、私は殆ど痛みを感じないまま椅子に座れた。

 いつの日か絶対にこのお礼はしないとな。

 勿論、セシリアにもね。

 

「織斑先生。そろそろ朝のSHRを始めてください」

「ん? もうそんな時間か? 私が緒理香の可愛さに耽っている間に時間が過ぎてしまっていたんだな」

 

 素面でそんな台詞を普通に言えるって、別の意味で凄いわ。

 そういや、いつもとは違う私の髪型に対して、誰も何も言ってこなかったな。

 そこまで気にすることじゃないって事か?

 

(さっきからずっと我慢をしてスルーしてきましたけど……)

(ツーサイドアップにしたおりりん……)

(悪魔的に可愛いぞ!! 一体どこまで私の事を魅了すれば気が済むんだ!)

 

 ん? 気のせいか、千冬さんと本音とセシリアの顔が赤くね?

 今日ってそんなにも暑い日だったか?

 

 

 

 

  




また、いつもの空気に逆戻り。

緒理香は筋肉痛で悶絶中。

でも、凄いですよね。

なんせ、筋肉痛『程度』で済んでるんですから。
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