自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件   作:とんこつラーメン

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前回は言い忘れたけど、私の姿に関しては『鬼瓦まお』で検索すれば想像しやすいぞ!

声は『悠木碧』さんの素敵ボイスで再生だ!

さぁ、私のギャップに萌えろ!






すき焼きの主役は牛肉、ヒロインはうどん

 楽しい楽しいお夕飯の時間帯。

 それは私達も例外ではなく、私とクロエと束の三人で食卓を囲んでいる。

 今日の夕食は日本人なら誰もが愛する『すき焼き』だ。

 クロエも大好きで、前に一回作ってやってから、すっかり虜になっていた。

 え? 前回は『ビーフ・ストロガノンドロフ』だと言っていた?

 いやいやいや。あんなの単なる冗談に決まってるでしょうに。

 失敗する確率が高そうな料理に手を出す程、私は愚かじゃないよ?

 あんなのはもう少し上達してから挑戦すればいいんだよ。

 

「ねぇ、おーちゃん。ちょっといいかな?」

 

 何気ないタイミングで話しかけてきた束だが、私にはその意図がすぐに分かった。

 

「クロエ! 束が我等の牛肉を狙っているぞ! 急いで野菜による絶対防衛線を築くのだ!」

「了解です!」

「え~っ!? なんで普通に話しかけただけでそうなるのっ!?」

「何を言う……すき焼きとは一種の闘争……! 少しでも油断した者から至高の牛肉を食べる機会を失い、悲しみに暮れながら野菜やキノコ類を食べる羽目となるのだ……!」

「例え束さまでも、こればかりは絶対に譲れません……!」

「クーちゃんも、段々とおーちゃんに染まってきてるよね……」

「最高の褒め言葉です」

 

 モキュモキュモキュ……何を話してるんだ二人して。

 けどまぁ、この肉だって束の金で買った物なんだし、少しは食べさせてもいいかな?

 

「ほれ」

「え? いいの…お肉」

「どんなに変人でも、一応は私達の保護者な訳だしね……。私達ばかりで独占するのはよくないだろ」

「遂におーちゃんが私にデレたっ!?」

「デ…デレてなんかないし!? 私は単純に(肉体年齢が)年上の人には敬意を払うべきだと思っただけだ! 別に束の事を心配してしたわけじゃないんだからね!」

「まるで教科書に書いてあるかのようなツンデレだー!」

 

 うぐ……! 何も考えずに言ってしまった結果、無自覚の内に私にツンデレ属性が追加されてしまった……! 一生の不覚……!

 

「わ…私にもデレてください~! 緒理香さぁ~ん!」

「クーちゃんにはいつもデレてるでしょ……」

 

 ワイワイしながらも鍋の中身は着実に減っていき、十数分後には殆ど空っぽに。

 

「ふぃ~…食べたね~」

「そうですね~」

「ククク……! 何を終わった気でいるんだ? 二人共……」

「「え?」」

「まだ『シメ』が残っているじゃないか……!」

 

 私が冷蔵庫から取り出してきた物、それは……。

 

「冷凍……」

「うどん……!」

「その通り。すき焼きの締めはうどんと相場が決まってるんだよ!」

 

 まだ残っている汁の中にうどんを三玉投入。

 一人一玉の計算で、そのままガスコンロの火を着ける。

 

「「ゴ…ゴクリ……」」

 

 グツグツと煮込まれていくうどん。

 野菜の出汁がたっぷりと染み込んだすき焼きの残り汁と見事に絡み合い、美味しそうな匂いが私達の鼻孔を刺激する。

 焦げ付かないように菜箸で回して……っと。

 うどんを煮込み始めてから数分後。

 

「「「おぉ~♡」」」

 

 締めのすき焼きうどんが完成!

 やばい……見てるだけで涎が零れ落ちそうだ……!

 

「「「いただきます!!」」」

 

 各々にうどんを取って、新しく出した卵の中へと入れる。

 軽く混ぜてからパクリ!

 

「「「美味しい~♡」」」

 

 すき焼きとうどんの組み合わせ……本気で最強だわ……♡

 最近は鍋の締めに色んな物を入れる事が多くなってるらしいが、やっぱりうどんこそが最強の締めだよな……♡

 

「お腹一杯だと思ってたけど……」

「まだまだ全然いけます!」

「私も!」

 

 結局、三玉あったうどんは、あっという間に私達の胃袋の中へと消えていったのでした。

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「「「ぷは~♡」」」

 

 食後のお茶を味わいながら、私達はホッと一息。

 鍋料理って、体だけじゃなくて心も温めてくれるんだなぁ~……。

 

「さっきの話の続きなんだけどさ」

「さっきの?」

「そう。すき焼き食べてる時に私が話しかけたじゃん」

「……そんな事あったっけ?」

「お肉に夢中で覚えてません」

「私の話ってお肉以下なのっ!?」

 

 すき焼きの牛肉に勝るものなんてこの世にあるわけないだろ。何言ってんだ。

 

「結構、重要な話なんだけどなぁ~」

「あっそ。で、なんなのよ」

「うぅ……おーちゃんのデレ期が早くも終わった……」

 

 こいつは真面目に話をする気があるのか無いのか、どっちなんだい!

 

「まぁいいや……いつもの事だし。それよりもさ……」

「ん~?」

「………IS学園に…行ってみない?」

 

 あ~…はいはい。そーゆーことね。

 なんか遠慮がちに言ってるけど、要は『原作介入』しろってことね。

 転生(仮)をしたって事は、私も一応は『オリ主』になるわけだし? 原作介入はある意味でお約束なイベントといいますか。

 

「別にいいよ」

「そうだよね~。やっぱ駄目だよね~……って、いいのっ!? 本当にっ!?」

「うん。どうせ、仮にここで断っても、何らかの方法で強制的にIS学園に連行されそうな予感はしてるし」

「ソ…ソンナコトハナイヨ?」

「目を逸らすな」

 

 冷や汗を掻きながら視線を逸らした時点で『そうです』って言ってるようなものじゃないか。

 ほんと、変なところでポンコツだよな。

 

「ってことは、受験とかしなくちゃいけないのか」

「いや、そんな事はしなくてもいいよ」

「なんで?」

「私からの推薦って事にしてあるから♡」

「「うわぁ……」」

 

 自分の権力フル活用じゃないですかヤダー。

 ISの生みの親からの推薦ともなれば、絶対に断るわけにはいかないでしょうに。

 お偉方は今頃、腹を抱えて胃を痛くしてるんじゃないのか?

 実際、私の隣にいるクロエもドン引きしてる。

 

「クーちゃんはどうする? 一緒に行く?」

「そうですね……本当は緒理香さんと一緒に行きたいですが、もしも束さまを一人にしたら何を仕出かすか分からないので、ブレーキ役としてここに残ります」

「それがいいかもね」

「え? 私ってばそんなにも危ないキャラだと思われてる?」

「「それ以外に何があるの?」」

「シンクロして言われたっ!?」

 

 こればかりは全く擁護出来ないぞ……。

 原作でも暴れっぷりを知っている身としては、クロエが傍でブレーキになってくれているだけで安心する。

 

「そういや、中学の時の進路相談の時も適当に誤魔化してたっけ……」

「どんな風に?」

「冗談半分で『高校には行かずに、そのまま東大受験します』って言ったら、真面目な顔をされて本気で応援された。なんで?」

「さ…さぁ……?」

 

 また目を逸らす。なんなんだってんだよ。

 

(おーちゃんは自分がどれだけハイスペックなのか全く自覚してないからなぁ~……)

 

 でも、高校受験は出来ないのか。なんか残念。

 前世の知恵を活かして、全力全開の受験をしてIS学園の受験の歴史にとんでもない記録でも残してやろうと思ってたのに。

 

「教科書とかはどうすればいいんだろ?」

「その辺は向こうに行けば普通に用意して貰えるでしょ?」

「それもそっか。んじゃ制服とかは……」

「もうあるよ!」

「なんでっ!?」

 

 テーブルの下から束がいきなりSSサイズと思われるIS学園の制服を取り出した。

 どうしてあるの的なツッコみはするだけ無駄だからしない。

 

(ここまでして私をIS学園に向かわせたいって事は、もうそろそろ一夏の奴がISを動かすのか……? いや、それもあるだろうけど、箒の事も心配なのか……)

 

 なんだかんだ言っても、妹想いな姉である事には違いないんだよな。

 その気持ちが伝わる日は非常に遠いけど。

 

(ん? ちょっと待てよ? IS学園って確か『あの人』がいたよな……? それはちょっと拙いのでは? 地味に貞操の危機なのでは?)

 

 い…いや、流石のあの人でも、大衆の面前で変な事はしないだろう。

 根は真面目な人だし、弟の前なんだから、きっと大丈夫さ…………多分。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 ベッドの中でクロエと並んで静かに寝息を立てている緒理香を見つめる束。

 密かに二人の寝室へと忍び込み、その寝顔を眺めているのだ。

 

「普段はツンツンしてるけど、寝顔は本当に天使だよね~♡」

 

 いつもはツインテールに結んでいる髪を解いて、ストレートにしている緒理香は、ほんの少しだけ大人びて見える。ほんの少しだけ。

 

「さっきは言いそびれちゃったんだけど……実はIS学園の入学式って明後日なんだよね~。だ~か~ら~……」

 

 束は、ベッドの傍に音も無く自分お手製のニンジンロケットを量子化から解除した。

 

「寝ている間にIS学園まで行ってもらいましょ~。あそこにはちーちゃんもいるし、大丈夫でしょ」

 

 何がどう『大丈夫』なのか詳しく教えて欲しいが、それもまた聞くだけ無駄なので割愛しよう。

 

「う~ん…むにゃむにゃ……」

「あ。起きちゃったかな?」

「束……こっちに来ちゃ駄目だ……危険だから……」

「寝言か~…。でも、夢の中とは言え、私の事を心配してくれるだなんて……♡」

 

 なんて思ったのか?

 

「フフフ……引っかかったな、愚かな女め! どうだ! 私特製の地獄トラップは! うわぁ……臭っ! くっさぁっ! 束菌バーリア! えーんがちょ!」

「夢の中まで酷過ぎないっ!?」

「ふひひひ……そのまま溶けてしまえ……って、なにぃっ!? ジョグレス進化だとぉっ!?」

「一体どんな夢をみてるのっ!? 本気で気になるんですけどぉっ!?」

「もうダメだクロエ……束は完全な化け物に……アイツの意識がある内に、この超強力な地球破壊爆弾で跡形も無く消滅させるんだ!」

「容赦無さ過ぎなんですけどっ!?」

「分かりました、緒理香さん……むにゃむにゃ……」

「クーちゃんまでっ!? 寝言で会話してるっ!?」

 

 まさか、寝言で精神的にダメージを受けるとは思っていなかったのか、さっきよりもなんだかげっそりとしている。

 

「やっぱり、おーちゃんは凄いね…色んな意味で。でも、これなら安心かな」

 

 あれだけハッキリとした寝言を言っていたにも関わらず、未だに爆睡している緒理香をそっと抱きかかえて、制服や携帯などの必需品と一緒に彼女の体をロケットの中へと横たわした。

 

「それと、これもね」

 

 緒理香の右手首に白いガントレットらしき物を着けてから、その頭をそっと撫でた。

 

「おーちゃんの専用機。きっと気に入ると思うよ(・・・・・・・・・・・)

 

 ロケットのハッチを閉じてから、研究所の壁に幾つもある緊急脱出路の一つを開け、それに向かってロケットの先端を向けた。

 

「それじゃあ……行ってらっしゃい。私の大切な……もう一人の妹(・・・・・・)……」

 

 束がポケットに忍ばせておいたスイッチを押すと、ロケットは勢いよく空の彼方へと飛んで行った。

 ロケットが向かった場所はIS学園。

 そこで緒理香を待ち受けているものとは……。

 

 

 

 




次回は原作突入……の直前の話になると思います。

この作品で最もキャラ崩壊している『あの人』が登場します。
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