自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件 作:とんこつラーメン
もうサブタイトルで分かると思います。
基本的に彼女は好きな部類なので、緒理香とも良好な関係を築いてあげたいですね。
もう完全に恒例となっている、私の生徒会室訪問。
いや、今の私は立派な生徒会役員なのだから、生徒会室にやってくるのは当たり前の事なんだけど。
「まさか、中国から来た転入生の子が緒理香ちゃんのお友達だったなんてね」
「世間とは、我々が思っている以上に狭いのかもしれませんね」
そう言われると、確かにって思ってしまう。
前世でもよく、高校以来全く会ってない友人と意外過ぎる場所で会ったりしてたからね。
例えば、バイト先で客と店員としてとか。
「私と鈴は、小学校と中学校が一緒だったんですよ」
「へ? あの子って前に日本にいたことがあるの?」
「ですです。あれは確か…私が小5の頃だったかな? それからずっと日本にいて、家庭の事情で中学2年の後半辺りにまた中国に戻っていくまでは、ずっとこっちにいましたよ」
なんとも懐かしいね~。
あの頃はよく、一夏や弾と一緒に色んな場所を遊び回ってたもんだよ。
で、バカをする男子二人を見て笑ってたりしてた。
「ということは、彼女にとっては日本に来たと言うよりは『日本に戻ってきた』という感じなのでしょうか?」
「かもですね。鈴も実際、『やっと戻って来れた~!』って言ってましたし」
「それだけ、日本に楽しい思い出が詰まってるって事でしょうね」
そうだろうね。
滅多な事が無い限りは、鈴は自分から中国の話題を出そうとはしないから。
「中学時代に別れた友人が、再会した時には代表候補生になっていた…ね。今更だけど、緒理香ちゃんの交友関係って凄いわよね」
あ。それを言っちゃいますか。
自分でも自覚はしてます。
「だからこそ、ちょっと考えてることがあるんですよね~…」
「考えてること?」
「あ~…あれだね~」
「本音ちゃんは知ってるの?」
「うん。さっき、ここに来る途中で今度ある『クラス対抗戦』のトーナメント表が張り出されてたんだよ~」
「あら。珍しく今回は仕事が早いわね」
「どんな風の吹き回しでしょうか?」
おっふ……二人が学園上層部に対して辛辣だった件。
ま、私からしてもあんまし、いい印象はないけどね。
「で、そのトーナメントがどうかしたの?」
「実は……」
「おりりんの一回戦の相手が、二組のクラス代表であるリンリンだったんだよ~」
「しかもそれが、トーナメントの第一試合だったりするんですよね……」
「「はぁ……」」
あらら。でっかい溜息。
「一体何を考えてるのかしら……」
「よりにもよって、専用機持ち同士の試合を一番最初に持ってくるなんて……」
「感心した私がバカだったわ……」
やっぱり、学園上層部はバカだった件?
私からしても『アホじゃね』って思ったけどさ。
「それで思ったんですよ。体を鍛えるだけじゃなくて、ISの方の整備もしないといけないんじゃないかって」
「成る程ね。それで悩んでいる風だったのね」
「そーなんです。一応、ISの知識は全て頭の中に叩き込んでいるんで大丈夫ではあるんですけど、整備とかってまだ一度もやった事が無いんですよ」
束に聞けば一番早いんだろうけど、そうすれば確実にあいつに借りを作ることになり、休みの日とかに戻った時に何を要求されるか分かったもんじゃない。
「それなら、本音ちゃんや虚ちゃんが教えてあげればいいんじゃない?」
「ほぇ?」
この姉妹が? にゃんで?
「虚ちゃんはISの操縦よりも整備とかを学んでいる『整備班』で、本音ちゃんも整備班希望なのよ」
「そうだったんだ……」
マッタクシランカッター。
「だから、整備の事を勉強したいなら、二人と一緒に整備室に行って実際に手取り足取り教えて貰えばいいわ。虚ちゃん」
「はい。私でよければ喜んでお教えしますよ?」
「マジですか! それは本当に願ったり叶ったりです!」
やった! これで白式の整備方法を勉強しつつ、束に変に借りを作らないで済む!
やっぱり、頼れるものは優しい先輩と可愛い友人だね!
「では、今から行きますか? 時間的にも、まだ整備室は開いている筈ですから」
「お願いします! 善は急げ、思い立ったが吉日ですから!」
「いいことを言いますね。では……本音」
「は~い。おりりん、がんばろ~ね?」
「うん!」
これは普通にモチベーション上がりますよ~!
頑張るぞ~! お~!
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
IS学園には他の学園には当然のように無い『整備室』なる施設が存在している。
ここは主に『整備班』と呼ばれる生徒達が整備の事を学んだり、整備の授業で使用したりと、思っている以上に様々な用途で使われる事が多い。
そんな整備室に今、一人の少女が自分の専用機の整備をしていた。
「ここは……うん。問題無い」
どこかで見た水色の髪に分析用の眼鏡。
彼女の名前は『更識簪』。
名前で分かる通り、彼女もまた更識家の人間…というか、あの楯無の実の妹なのだ。
更に、日本の代表候補生であったり、彼女が在籍している一年四組のクラス代表だったり、実は薙刀の達人だったりと、大人しい見た目に反して、姉に負けず劣らずのキャラの濃さである。
だが、流石に性格までは似なかったようで、姉とは違って基本的には口数が少なく、引っ込み思案である。
ここで一つ補足をしておくと、『
この世界における『白式』は束が一から製作した『
よって、簪が緒理香の事を恨んでいるなんてことは一切無い。
単純に、クラスが違うから交流が無いだけの話である。
「よし。今度はこっちを……」
よって、本来ならば彼女が整備室に入り浸る理由は皆無に等しいのだが、どうも簪はこまめに打鉄弐式を点検しないと気が済まないようで、こうして放課後にはよく整備室に立ち寄ってから、自分の愛機の状態をチェックしている。
「ん? 誰か来た?」
今日もまた簪が自分の機体の整備に明け暮れていると、整備室の扉が開く音が聞こえてきた。
なんだろうと思って、ふと入口の方に目を向けると、そこには三つの人影が見えた。
しかも、そのうちの二つは彼女もよく知っている人物達だった。
(えっ!? 本音と虚さんっ!? なんでここに……って、虚さんは整備班で、本音も整備班希望者だったから、放課後にここに来てても不思議じゃないか……)
簪と本音は所謂、幼馴染同士であり、虚は本音の姉としてだけではない、自分の姉である楯無の友人としてよく知っている。
特に、本音は簪付きのメイドでもあるのだ。
因みに、楯無付きのメイドは虚である。
(あ…あれ? 二人の間に誰かいる? 小っちゃくてツインテールで……この特徴、どこかで聞いたことがあるような気が……)
なんだか急に気恥ずかしくなったので、急いで専用機を待機形態に戻してから物陰に隠れる簪。
彼女とて仮にも暗部の端くれ。その程度の事は造作も無かった。
「ほぇ~……思ってた以上に本格的なんですね~…」
「そうですよ。ここの設備は一流企業などにも決して劣ってはいません。ここならば十二分に整備が出来ると思いますよ?」
「私も初めて来たよ~。凄いね~」
「「本音……」」
二人の間で揺れる、ピンク色のツインテール。
そこでようやく、簪は前に聞いた噂を思い出した。
(そうか……あの子が噂に聞いてた特待生の子だ! まるで小学生みたいに小さい体に、特徴的なピンク色のツインテール。まるで、少女マンガのヒロインみたいに可愛い美幼女だってクラスの皆が話してたっけ……)
少しだけ顔を覗かせて、簪は緒理香の姿をよく観察してみる。
(大きな目に無邪気な笑顔……。何もかもが私と同い年とは思えないぐらいに小っちゃくて…プニプニしてそうで……)
虚の説明を聞きながら、緒理香が目をキラキラさせて整備室を眺めていく。
その様子はまるで、新しいぬいぐるみを買って貰った幼女のようだ。
「すっご~……まるで、ロボットアニメの世界に迷い込んだみたいだ……」
今は美幼女でも、前世では立派な男。
こんな場所で興奮するのは当然の事だった。
(か…可愛い……♡ これは確かに可愛い……♡)
簪も他の女子達の例に漏れず、可愛い物が大好きな女の子だ。
特に、彼女は二次元にも詳しい為、より一層可愛く見えてしまっている。
(気のせいか、あのツインテールがピコピコと動いてる……。あれってアニメだけじゃなかったんだ……。あれはちょっと反則だよ……♡)
顔を真っ赤にしながら悶絶する簪。
完全に緒理香によって堕とされた証拠である。
(もうちょっと…近くで見てもいいかな……?)
ここで大胆な行動に出た。
いつもならば、決してこのような勇気のいる行動はしない彼女なのだが、『緒理香をもっと近くで見たい』という欲求には抗えなかったようだ。
足音と気配を完全に消し、そそそそそ……っと、三人がいる場所まで近づいていき、別の物陰に隠れる事に成功した。
「まずは機体をハンガーに固定しましょう」
「どうすればいいんですか?」
「訓練機などの場合は、ここに機体を直接運び込んでからアームに固定をするのですが、専用機の場合は少しだけ違ってきます。まずは、ここに専用機の待機形態を設置してください」
「え~っと…こうかナ?」
緒理香が恐る恐る、白式の待機形態であるガントレット(仮)を、ハンガーに設置してある機器に取り付けた。
「そして、ここをこのようにすれば……」
「「おぉ~!」」
虚が機器を操作すると、ハンガーに純白の美しいIS『白式』が展開され、アームに固定された。
「はい。これでOKです」
白式の威容を眼前で見て、別の意味で魅了された。
それはまさに、白き戦乙女の鎧そのものだった。
(凄く……綺麗なIS……)
実は、緒理香が前にアリーナにて白式の試運転をした時、簪もアリーナの観客席にて彼女の事を見ていたのだ。
その時は白式の高い性能と、見た目に反しての凄まじい実力しか見えていなかったが、これから先はそんな事はないだろう。
もう彼女は、緒理香の魅力をその目で知ってしまったのだから。
「こうして改めて見ると、やっぱりとてつもない機体ですね」
「ですね~。白式は私から見ても、凄い機体ですよ」
「すっごく速いもんね~。こう…ビュ~! って感じで」
本音の幼児みたいな表現に、思わずズルっと脱力しそうになる。
(本音…高校生なんだから、もうちょっと理知的な表現をしようよ……)
だが、簪はまだ知らない。
一組にはもう一人、似たような表現を使う剣道少女がいる事を。
今頃は剣道場にてくしゃみをしている頃だろう。
「それでは始めましょうか」
「よろしくお願いします」
「しま~す」
どうやら、今から白式の整備が始まる様子。
簪は密かにここで、三人の…というか、緒理香の整備をする様子を眺める事に決めた。
あの姉にしてこの妹あり……ということか。
(なんとかして、あの子の姿をスマホの写真に収められないかな……)
流石にそれは無謀過ぎるぞ。
そんな訳で、この段階で簪ちゃんの登場です。
この作品の原作キャラは、基本的に皆揃って仲良しなので、当然のように簪とも仲良くなっていきます。
趣味は合うので、他のヒロインズよりは好感度が上がりやすいかも?
次回は今回の続きで、本格的に緒理香と簪が遭遇します。