自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件 作:とんこつラーメン
今回のサブタイは、そんな願いを込めてみました。
目的の相手は全く当てらないのに、なんでかそれ以外は入れ食いなんですよね。
マルタ(4枚目)に茨木童子×2、カーミラにヘシアン・ロボ。
鬼の幼女に吸血美人、トドメはみんな大好きなモフモフワンコですよ。
貴重なアヴェンジャー枠なので重宝はすると思うのですが、完全に予想外でした。
まだまだ諦めるつもりはないので、それまではロボのモフモフに萌えながら頑張ろうと思います。
緒理香と本音と虚の様子を物陰から観察している簪。
その様子は、見る人間が見れば完全に変質者である。
矢張り、血は争えないという事か。
「まずは、この端末を持ってください」
「これですか?」
緒理香が備え付けの専用端末を虚から渡される。
だが、彼女の小さな手では整備用の端末は少し大きいようで、なんとか両手で持っている状態だ。
「結構デカいんですね~。これ、片手で持つのは難しいかも」
「あらら。一応、普通サイズなのですが……」
「おりりんは、自分のスマホも思い切り手を広げて持ってるもんね~」
そこで、簪は緒理香が必死にスマホを操作している様子を思い浮かべる。
使い慣れない道具を頑張って使おうとしている様子は、見ているだけで普通に微笑ましい。
(妄想だけでも十分に尊い……。実際に見たらどうなるんだろう……)
多分、他の者達と同様に鼻から『愛』を噴き出すだろう。
緒理香に萌えた人間達の大半が辿る末路である。
「では、私が持っててあげますから、緒理香さんはこちらの指示に従って指だけを動かしてください」
「分かりました」
虚に端末を渡してから、改めて画面を端から端まで見渡す。
そこには、現在の白式の姿がデータとなって、事細かに表示されていた。
「最初にここを見てください。この数値はですね……」
本格的に虚の整備講座が始まった。
緒理香は勿論の事、流石の本音もこの時ばかりは珍しく真剣な顔で説明を聞いていた。
(本音もあんな顔が出来るんだ……)
幼馴染の始めて見る顔。
だが、それで寂しさを感じる事などは無く、寧ろ、素直に見直した。
(もしかして、いつものアレは、私達の事を安心させようとしてやってるのかな……)
だとしたら、自分はこれまでに何度、本音の優しさに救われてきただろう。
今度からは、もうちょっとこっちからも優しく接してみようと思う簪。
そう決意を固めると同時に、目ではちゃんと緒理香の事を追っていた。
「そうです。そして、ここをタップすると……」
「えい」
指定された場所を緒理香の小さな指が触れる。
すると、ハンガーにある整備用アームが動きだし、白式のボディを弄り始めた。
「おぉ~!」
「基本的に、このようにしてISは整備をするのです」
「すっご~い……まるで、ロボットアニメみたいだ……」
その大きな目をキラキラさせながら、動くアームを見続ける。
宛ら、憧れのヒーローに出会って興奮する子供のように。
その感情がかなり昂ったのか、左右のツインテールがまるで尻尾のようにピコピコと動いた。
(またツインテールが動いた! もう……本気で可愛過ぎ……!)
勿論、その様子を緒理香の近くにいる二人が見逃す筈も無く、虚はもう毎度のように真面目な顔をしながらの『愛』を噴出。
本音は間髪入れずにスマホでの写真撮影。
「う…虚さんっ!? なんか鼻血出てますよっ!?」
「これは失礼しました。またもや、緒理香さんの可愛さに萌えてしまったようです」
「え? 今なんて……?」
普段の虚からは絶対に考えられない発言に、緒理香は素で目を丸くする。
それは、物陰から除いている簪も同じだった。
(なんか今……虚さんの隠されている一面を垣間見た気がする……)
本音の姉という事もあり、虚ともかなり長い付き合いになる簪。
そんな彼女でも、虚のあのような姿を見るの初めてだった。
(そして、本音……後でその撮影した写真を譲ってね。1000円までなら出すよ)
この少女、思い切り買う気満々である。
「お姉ちゃん。はい」
「ありがとう、本音」
ここでさりげなくポケットから出したティッシュを姉に渡す本音。
流石は従者の家系の少女。
他者のフォローならばお手の物である。
「う~ん……」
「どうしました?」
「えっとですね。こうして白式の事を見て改めて思ったことがあって」
「思った事…ですか?」
「はい。もう知ってるかもですけど、白式って基本的に武装はあの近接ブレードの『雪片弐型』しかないわけじゃないですか」
「そうですね」
あの時の模擬訓練は誰の目にも鮮烈で衝撃的だった。
同時に、殆どの生徒達の白式の基本スペックや武装などについても知られてしまったわけで。
「雪片用の『鞘』が欲しいな~って思って」
「鞘…ですか」
「ですです。もう武器が知られているのに、態々拡張領域に収納して隠す必要はどこにもないんじゃないかって」
「一理ありますね。それに、予め外付けで装備していれば、武装の展開も早くなる」
「でしょ? しかも、空いた雪片の分を別の武装を拡張領域に入れる事が出来るんじゃないかな~…なんて」
「成る程~。おりりん、頭いいね~!」
ここで簪は、白式に鞘が装着された姿を頭の中で想像してみる。
その姿は正しく、白き武者。
(それ……めっちゃアリだ。というか、普通にカッコいい……)
今度は別の意味で興奮する。
『萌え』と『燃え』が共存している今の簪は、自分自身でもワケ分らないことになっていた。
(出来れば私にデザインさせてほしい! いや、私に造らせて~!)
興奮の余り、油断をして無意識の内に足を前に動かしていた。
それがいけなかった。
なんでか、簪の足元に誰かが直し忘れたスパナが落ちていたから。
カランカラン……
「あ」
「「「え?」」」
この状況でいきなり金属音が聞こえてくれば、誰だって嫌でもソッチの方を向く。
緒理香と虚と本音が音のした方を向き、其処にいた簪とバッチリ目が合ってしまう。
(なんでこんな場所にスパナがあるの――――――――っ!?)
知りません。
「簪……お嬢様?」
「え? ええ?」
「あ~! かんちゃんだ~!」
「ど…どうも……」
本音以外の間には、何とも言えない気まずい空気が流れてしまった。
特に、緒理香は本気で状況が理解出来ずに目が点になっている。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
い…今、起こった事をありのままに話すのぜ。
虚さんと本音と一緒に整備室に来て、白式を使っての整備の練習をやっていたら、なんでか原作ヒロインの一人である更識簪が背後からジ~っとこっちを見ていたんだのぜ。
ストーカーとか尾行とか、そんなちゃちなもんじゃない。
もっと恐ろしいものの片鱗を感じちゃったのぜありますですことよ……。
「簪様がここにいらっしゃるという事は、機体の整備ですか」
「あ……はい」
ん? 機体の整備?
確か原作じゃ、白式の開発にスタッフの殆どを取られちゃって、その結果として彼女の専用機は中途半端な状態で開発を放置されてたんだよね?
で、彼女はお姉さんである楯無先輩に対抗する意味も込めて、自分一人で機体を完成させようと躍起になってて……あれ?
(それじゃあ、『整備』じゃなくて『製作』って言うべきなんじゃないの?)
まさか、ここでも原作解離が発生してる?
チャンスがあれば確かめてみたいけど……。
「簪さま。この子は……」
「知ってます。一年一組の莱鞭緒理香さん…だよね」
「う…うん。私の事ってそんなに知れ渡ってたんだ……」
「有名人だから」
有名人……。
普通なら甘美な響きの言葉なんだろうけど、今の私にとっては普通に嫌な単語だ。
私は決して目立つことなく、穏やかな学園生活を満喫したかったのでござる。
束の手で特待生にされた段階から、その理想は完全崩壊してるけどね……。
「緒理香さん。この方は『更識簪』さまと仰りまして、楯無お嬢様の妹君であり、日本の代表候補生でもあるのです」
「そして、私の幼馴染でもあるんだよ~! ね~! かんちゃ~ん!」
「一応ね」
原作通りの淡泊な感じだな~。
けど、根っこの部分は優しい子なんだよね。
緒理香ちゃんはなんでも知っているのだよ。
「更識簪です。一年四組のクラス代表をやってます」
「ら…莱鞭緒理香です。一年一組のクラス代表やってます」
う~ん…なんともぎこちない挨拶。
私個人としては、ヒロインの中じゃかなり真面な部類に入ると思うから、仲良くしたいとは思ってるんだけど……今はまだ難しいかな。
(あ――――!!! なに無愛想な挨拶なんかやってるの私は――――!!! こんなんじゃ緒理香ちゃんを不必要に怖がらせちゃうよ―――――――!!!)
き…気のせいかな? さっき以上に表情が硬くなったような……。
「あ…あの~……」
「なに?」
「整備って事は、機体は完成して……?」
「うん。専用機なんだから、ちゃんと完成した状態で渡されてるけど、それがどうかしたの?」
「う…ううん。それならいいんだ。うん。大丈夫、なんでもない」
やっぱり、簪の専用機である『打鉄弐式』はちゃんと倉持技研で完成されたんだ。
ってことは、この白式は束が最初から全部一人で製作したってことなの?
うわぁ~…凄いけど、マジで引くわ~……。
(何を聞きたいのか全然分からないけど……小首を傾げている姿が可愛いから全てよし!!)
なんでイイ笑顔で親指を立ててるの?
しかも、なんか眼鏡がキラーンって光ってない?
あれなのか? メガネキャラは何かある度に眼鏡を光らせないといけないルールとかあるのか?
「よろしかったら、簪様もご一緒にご見学しますか?」
「是非ともお願いします!!」
「わ~い! かんちゃんも一緒だ~!」
それはいいけどさ……凄い気合入ってたね……。
やっぱあれなのかね? こんな場所では気合が入るのかな?
(ナイスアシスト虚さん!! 私が言おうとしたことを向こうから言ってくれるなんて! 流石はお姉ちゃんの従者なだけはある!)
……うん。まぁ…なんだ。
本人が嬉しそうにしてるし、今はそれでいいか。
「それで、先程の話の続きですが」
「あ、はい。鞘のことですね」
「えぇ。よろしかったら、私たち整備班で製作しましょうか?」
「い…いいんですかっ!?」
「勿論です。こちらにとっても勉強になりますし、整備班ではISの整備だけではなく、独自に試作武装なんかを開発をしたりもするんですよ」
「マジですかっ!」
それは本気で知らなかった……。
IS学園の2~3年生ともなると、そこまでの技量が求められるんだな~。
純粋に凄いって思うわ。普通に尊敬する。
「特に何かを使用する訳でもないですし、そこまで時間は掛からないと思いますよ? 恐らく、明日からでも始めれば、クラス対抗戦には間に合うかと」
「願っても無いですよ! ありがとうござます!」
もう……マジ感謝! マジ最高すぎ!!
この人は聖女様の生まれ変わりか?
「でも…なんだか申し訳ないですね。そこまでして貰うと」
「気にしないでください。私達もいつも、緒理香さんには『お世話』になってますから」
「そう…なんですか?」
特に何かをした覚えはないんだけど……?
「お姉ちゃん! 私も手伝いたい~!」
「そうね。これぐらいならば本音でも大丈夫でしょう。一緒にやってみる?」
「うん!」
ここで本音の参戦ですか。
増々、完成が楽しみになってくるね。
「では、まずはそこの武装用のハンガーに雪片弐型を出してくれませんか? サイズを図らない事には造り様がないですから」
「は~い」
えっと……これかな? ポチポチっとな。
「あ……出た」
あの時は自覚してなかったけど、意外と雪片弐型って大きかったのね。
そりゃそっか。IS用の剣だしね。
「これをスキャンしてから……」
雪片がサーチライトみたいのでスキャニングされていく。
すると、端末に雪片の情報が映し出される。
「これを参考にしながら鞘を作っていきましょう。何か形状のリクエストなどは有りますか?」
「そうだな~……」
リクエストといえば……一つだけ考えてることはあるんだよね。
それで大丈夫……かな?
「可能であれば……なんですけど、鋭い形状がいいですね」
「「「鋭い形状?」」」
「分り難かったかな……。えっとですね、剣みたいな形で、刀身を収納した状態でも普通に鍔迫り合いも出来るぐらいに丈夫で……」
ずっと前に何かの漫画で見たことがあるような気がするんだよね~。
どんな作品かは完全に忘れたんだけど。
「なんとなくですけど、緒理香さんの言いたいことは理解出来ました。同時に、私の中で大体のイメージも固まりました」
「おぉ~……」
虚さん……すっげ~……。
IS学園三年生の整備班って、よくよく考えたら普通に凄い肩書だよな……。
しかも、この人はあの楯無さんが心から信頼している程の人だもんね。
そりゃ、これぐらい普通に出来て当然か。
「デザインは私が考えます」
「え? でも、簪さまはクラス代表で……」
「わ・た・し・が・か・ん・が・え・ま・す」
「は…はい」
す…スゲー迫力……。
こんな所だけは姉妹揃ってよく似てるわ……。
「期待してて待っててね。絶対にカッコいい鞘のデザインを考えるから!」
「う…うん。お願いね?」
「任せて!!」
クラス対抗戦の準備……いいのかな?
(なんか凄く大事な事を忘れてるような気がするけど、別にいっか!)
急に不安になってきた……。
この選択は正しかったのかな……?
白式、プチ強化フラグ。
ついでに簪の百合ハーレム介入フラグも立ちました。