自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件   作:とんこつラーメン

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文字通り、なんか増えました。

誰が、とは言いません。







なんか増えました

「フンフンフ~ン♪」

 

 虚さんから整備の事を教えて貰った次の日。

 私が超ご機嫌な状態で朝ご飯を食べていた。

 

「今日の緒理香さんはとても上機嫌ですわね」

「そうなんだ。昨日、帰って来てからずっとこの調子でな。話を聞こうにも、緒理香の笑顔が可愛過ぎて見惚れてしまって聞けなかった」

「その気持ちはよ~く分かるわ……」

 

 なんか箒とセシリアと鈴が言ってますけど、今の私は寛大な心で軽~く受け流しちゃいますよ~。

 

「おりり~ん!」

「おはよう」

「あ! 本音に簪~!」

 

 朝ご飯をパクパクしていた私達の所に、本音と簪がやって来た。

 因みに、なんで私が簪の事を名前で呼んでいるのかと言うと、昨日の帰り際に本人から直接『名前で呼んでほしい』と頼まれたから。

 やっぱ、名字で呼ばれるのには抵抗があるのかな?

 

「ここ、いいかな?」

「別にいいよ。皆もいいよね?」

「いや……いいとかダメとか以前に……」

「「誰?」」

 

 そうでした。

 この時点じゃ、まだ三人は簪の事を知らないんでした。

 

「えっと、この子は更識簪っていって、四組のクラス代表で……」

「日本の代表候補生をしてるんだよ~」

「ちょ…本音……」

 

 本音に一番大事な部分を取られました。

 

「「「に…日本の代表候補生っ!?」」」

 

 うぉ……すっごい驚いてるな……。

 見事に三人揃ってハモってるし。

 

「そういや、クラスの子が言ってたわ。代表候補生がいるのは一組と二組だけじゃなくて、四組にもいるって」

「全く存じませんでしたわ……」

「しかも、日本の候補生とはな……」

 

 三人が戦慄している間に、私は本音と簪に空いた席に座るように促した。

 このままだと、いつまで経っても座れそうにないしね。

 

「えっと…緒理香さん? そこにいらっしゃる更識さんとはどのような御関係なんですの?」

「初めて会ったのは昨日なんだけど……」

 

 ここで、今必殺の……かくかくしかじか! かくかくうまうま!

 

「…ってなわけなんだよ」

「ISの整備の勉強を三年生の先輩に教わっていたら、そこに彼女がやって来て……」

「そのままの流れで仲良くなったと……」

「流石はあたしの緒理香ね……。再会してまだ少ししか経ってないのに、もう他の子を虜にしちゃうだなんて……」

 

 何が『流石』なの?

 そこのところ、詳しく聞きたいな~?

 

「そうだ。昨日行ってた『鞘』の件なんだけど……」

「どんな感じ?」

「一応、簡単なデザインは出来上がったから、放課後にでも一度確認して貰えないかな?」

「勿論! 今から楽しみだよ~!」

 

 簡単なデザインって、ラフ画的なやつかな?

 だとしたら普通に凄くない?

 だって、頼んだのは昨日の放課後だよ?

 もしかして、部屋に帰ってからすぐに作業に取り掛かったのかな?

 

「お…緒理香! 『鞘』とは一体何の話だっ!?」

「おっと。箒達にはまだ話してなかったっけ。そうだなぁ~……」

 

 一応、クラス対抗戦で戦う予定の鈴にはまだ話したくないんだよな~。

 本番まで隠しておいて、試合の時に驚かせたいからね。

 

「教室に着いたら教えるよ。多分、千冬さんや山田先生にも話しておかないといけないと思うし」

「わ…分かった。緒理香がそういうのならば、大人しく今は我慢するとしよう」

「そうですわね。我慢する事もまた淑女の嗜みですわ」

 

 それは普通に初めて聞いた。

 

「ちょっと。あたしには内緒な訳?」

「ごめんね。でも、試合本番になれば嫌でも分かるから、その時まで待ってて。ね?」

 

 両手を合わせながらのウィンク。

 これでどうにか誤魔化せないだろうか?

 

「し…仕方がないわね! 緒理香の可愛さに免じて待っててあげようじゃない!」

 

 効果絶大でした。

 なんか鈴の鼻から赤いものが垂れてるし。

 

「けど、それなら四組の簪はいいわけ? 一応、他のクラスなわけだし……」

「その点は心配無用。今回のトーナメント、四組は優勝を捨てる事にして一組に協力することで満場一致したから」

「「「「嘘ぉっ!?」」」」

 

 何がどうしてそうなったわけぇ!?

 

「昨日の出来事をグループラインでクラスメイトの皆に話したら、いつの間にか一組…というか、緒理香に協力する話になってた」

「よく担任が許可したな……」

「いや、担任の先生が真っ先にその話に持っていった」

 

 ゴンッ!×4

 

「いたた……。思わずテーブルに頭をぶつけちゃったよ……」

「それでいいのか担任……」

「箒さん。それに関しては、一組も余り他のクラスの事は言えませんわよ……」

「そうだった……」

 

 生真面目の皮を被った変態が担任ですからね。

 頑張れ山田先生! と言わせて頂きますわ。

 

「もしかして……二組って割と普通のクラスだったりする?」

 

 普通なのが当たり前なんですけどね。

 一組と四組が異常なだけです。

 

「イベントには参加するけど、緒理香との対戦の時には即座に降参することになってる」

「本当にそれでいいの?」

「大丈夫。一回戦や二回戦を勝ち抜けば、それだけで問題は無いと思う。重要なのは結果じゃなくて、試合の内容だから」

「そんなもんなのか……」

 

 なんつーか、代表候補生ってのも大変なんだね。

 機会があれば、私の知ってる代表候補生の皆を労うような事をしてもいいかもしれない。

 えっと……セシリアに鈴に簪、それからダリル先輩とフォルテ先輩も候補生だったよね?

 それから、楯無先輩に至っては代表だし、もっと大変な筈。

 ……次に生徒会室に行った時は、多少の我儘は許してあげようかな。

 

「そんなわけで、放課後にまた整備室に来てくれる?」

「りょーかいです!」

 

 我ながら情けないと思ってはいるけど、このワクワクは誰にも止められないんだにゃ~!

 うん! 男も女も関係なく、メカのパワーアップはロマンだよね!

 

「鈴! プチパワーアップした私を楽しみに待っててよね!」

「うん……待ってる♡」

 

 こっちは宣戦布告のつもりなのに、なんで慈愛に満ちた微笑みで応えるの?

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

「……というわけなのですよ」

「成る程……雪片に鞘を作り、外付けの装備にして……」

「それで空いた拡張領域に他の装備を入れられるようにする……成る程ですわ」

 

 約束通り、教室に着いてから箒とセシリアに教えてあげた。

 すると、割と普通の反応を見せてくれた。

 

「確かにそれは『プチパワーアップ』だな」

「大幅な強化ではありませんが、間違いなく今の白式には必要不可欠な強化ですわね。流石に剣一本だけいうのは潔すぎますし」

「そうだよね~」

 

 全く。なんで束はこんな『特攻上等!』な武装にしたのやら。

 いや…あいつの事だから、私がこの考えにいずれ到達すると見越して、わざとこんな風な使用にした可能性も……。

 

(……それは無いな)

 

 それは深読みしすぎだわ。

 絶対に面白半分でやったに決まってるな。

 あいつに真面目さなんて求めちゃいけない。

 

「で、そのデザインを簪に任せて……」

「設計と開発を上級生の整備班の先輩方にお願いしている…と」

「そーゆーこと。まさか、昨日の今日でもう簡単なデザインが出来たとは思わなかったけど」

 

 徹夜とかしてないだろうね……?

 夜更かしは美容の大敵なのですよ?

 束とクロエに耳にタコが出来るほどに言われたから、自然と癖になってる。

 

「鞘があれば、あの試運転の時に見せた居合も十全に発揮できるな」

「それだけではありませんわ。鞘があれば緒理香さんの『ブレーキ』になってくれるかもしれません」

「うむ……」

 

 ブレーキ? なにそれ?

 

 その後、教室にやって来た先生方にも同じような事を話すと、山田先生は素直に感心してくれて、千冬さんはとても複雑な表情をしていた。

 それが何を意味するのか、私には全く分らなかった。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 昨日と同じ整備室に、昨日と同じメンバーが集結する。

 簪の手には彼女の物と思われる端末があって、そこには3Dで描かれた一つの鞘が表示されている。

 

「まずはこんな物でどうかな?」

 

 それは、近未来の刀剣である雪片に合わせた、鋭いブレードのように研ぎ澄まされた、白い装甲に青い線が入っている美しい鞘だった。

 

「白式や雪片のイメージに合わせてみたんだけど……」

「凄い……」

「え?」

「凄いよ! 超凄い! 私、これがいい!!」

 

 まさか、あんな短時間でここまで素晴らしいものをデザインできるなんて、簪って普通に天才じゃね?

 冗談抜きで驚かされたよ! 勿論、いい意味で!

 

「これが雪片の鞘かぁ~……カッコいいなぁ~……」

 

 鞘にここまで惚れ込むことがあるなんて思わなかったよ……。

 これが実際に雪片を収納し、白式に装着される姿を想像すると……。

 

「えへへ……」

 

 笑いが止まりませんにゃ~…♡

 

(妖精ですか)

(天使だよ……)

(なにこの可愛い生き物。本当に私達と同じ人類なの? 本当は女神の生まれ変わりか、もしくは現身とかなんじゃないの? というか、それしか有り得ない程に可愛過ぎるんですけど)

 

 でも、先輩達にばかり頼りっきりと言うのはよくないよね。

 ここはあれだね。自分自身のトレーニングも挟みつつ、時にはこっちの手伝いをしに来た方がいいね。絶対。

 

「簪様のデザインがお気に召したのであれば、改良などはせずにこのままでいきますか?」

「はい!」

「分かりました。では、そのように」

 

 これで、雪片の鞘の開発計画が本格的に始動だね。

 よもや、ここでこんな事になるとは予想だにしなかったけど。

 

「鞘を製作する前に、まずは白式本体の方に鞘を装着する用のアタッチメントを設置しなくてはいけませんね」

「そっか。着ける場所が無いと、幾ら鞘があっても意味ないですもんね」

「その通りです」

 

 本格始動とは言ったはいいけれど、ゴールはかなり遠そうだな。

 たかが鞘だと侮るなかれ。

 これはISの武装用の鞘なのだ。

 そん所そこらの剣や刀の鞘と一緒にしちゃいけない。

 

「では、今回は本音も手伝いなさい。色々と練習などはしているようだけど、ここで少しは本格的な整備の経験をしておいてもいいでしょう」

「うん。いっぱい勉強して、おりりんのISの…白式の専属整備士になりたいから、私…頑張るね」

「その意気よ」

 

 ほ…本音が燃えている……!

 こんなにも真剣な本音を見るのは初めてだ……。

 意外なギャップに、緒理香ちゃんは胸キュンでドキがムネムネしてますよ?

 

「私も手伝います。自分の機体でそれなりにノウハウは掴んでますから」

「承知しました。何かあれば遠慮なく仰って下さい。いつでもフォローしますので」

「そうさせて貰います」

 

 そっか。簪も何気に自分の機体を自分で整備出来るほどの実力を兼ね備えてたんだっけ。

 そう考えると、やっぱし簪って他の代表候補生よりも総合能力的な意味で優れてるのだろう。

 インドア派な見た目に反して、その中身は文武両道な優等生……いいね!

 

 こうして、私の学園生活初めての大きなイベントは、かなりの大掛かりな事になってきた。

 でも、不安材料が何もないわけじゃない。

 クラス対抗戦といえば、アレがやってくる懸念があるから。

 

(無人機ゴーレム……あれはどうなるんだろう? 全く予測が出来ないや……)

 

 この世界では束は無人機なんて物は開発してないし、それを送り込む理由も無い……と信じたいが、あいつの頭の中を読むのはそれこそ神様でもない限り不可能だ。

 だから、一応の警戒ぐらいはしておいた方がいいかもしれない。

 いざって時は、それこそ切り札でり、試運転では結局、使うことが出来なかったあの『零落白夜』の使用を考えなくてはいけない。

 そんな事にならないのが一番なんだけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 




本格的にヒロイン追加。

簪もまた、初期から好感度がMAXに近い状態です。
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