自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件 作:とんこつラーメン
これもまた一ヶ月ぐらい放置してたんですよね……。
学年別トーナメントまで、あと二日にまで迫った日。
私は今日もトレーニングルームにて、せっせと体を鍛えていた。
というのも、鞘製作には雪片本体が必要不可欠なので、ISの練習をしたくても出来ないんだよね。
だから。必然的にこうして筋トレをするしかなくなってる訳なのです。
「ちゅ~……」
で、今はスポドリを飲みながら絶賛休憩中。
全身汗だくでタンクトップがベタついて気持ち悪いけど、思いっきり体を動かしてから地味にスッキリはしてる。
「ほれ。汗が拭けないからジッとしてろ」
「綺麗な髪も汗でベタベタになってるッスよ」
そして、なんでかダリル先輩とフォルテ先輩が私の体と髪の汗をタオルで拭いてくれている。
凄く良い笑顔をしながらタオルを動かしてて、なんだかホワホワした気分になってきた。
あぁ~…至福だニャ~……♡
(まるで猫みたいに、気持ちよさそうに目を細めて……)
(いつ見ても、緒理香ちゃんは可愛いッス! こんな妹が欲しかったっスね……)
気持ち良すぎて、なんだか眠くなってきたかも……。
でも、ここで寝落ちする訳にはいかないから、なんとか耐えた。
「ん?」
荷物の中にある私のスマホが震えてる?
誰かから着信でも来たのかな?
「おや」
来ていたのは着信じゃなくてメールの方だった。
メールの送り主は虚さん。その内容は……。
「にゃんと」
遂に『鞘』が完成したんだ!
確かに、クラス対抗戦には間に合うとは言ってたけど、まさかここまでベストタイミングで完成するとは思わなかった!
「どうしたんだ?」
「誰かからメールっスか?」
「虚先輩からです」
「お前、あいつと知り合いだったのか…って、そういや何気に生徒会所属だったな……」
「ダリル先輩って、虚さんとお知り合いなんですか?」
「知り合いって言うか、クラスメイトだな。割と話す方だとは思う」
そうだったのか。
というか、それは普通に友達なのでは?
「可能であれば、今から整備室に来てほしいって言ってますね」
「なら、とっとと行ってやんな。待たせる訳にもいかないだろ」
「ですね。それじゃ、軽くシャワーを浴びてから行ってきます」
ベンチから降りて、まずはトレーニングルームに設置してあるシャワーに向かう。
汗臭いままじゃ、虚さんに失礼だしね。
私自身も一刻も早く、汗のベタベタから解放されたい。
「シャワー室なら、今は誰も使って無い筈だ。遠慮なく行ってこい」
「はーい!」
シャワー室目掛けて、とっとこ走るよ緒理香ちゃん。
ちゃんとバスタオルとかは忘れずにね!
「……これが『萌え』か」
「萌えっすね……」
お二方、一体何を言ってるんですか?
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
シャワー室で汗を流してから、私は制服に着替えて整備室へと向かう事に。
まだ完全に髪が乾ききってないから、ツインテールには結ばずに、そのまま流してるけどね。
でも、そのせいなのか、格納庫まで行く道中に皆からいつも以上に注目された。
「か…髪を下している緒理香ちゃんっ!?」
「これはこれでまた違った魅力があって……凄く良い!!」
「ストレートにしている緒理香ちゃん……可愛い…♡」
「間違いなく永久保存版ね! このシャッターチャンスを逃してたまるものですか!」
…別に私がどんな髪型にしていても構わないでしょうがよ。
どんだけ暇なんだチミたちは。
IS学園に来てから集団に注目される事に耐性がついてはきてるけど、それでもキャーキャーと騒がれるのは苦手だ。
早く整備室まで向かわないと。
きっと、虚さんだけじゃなくて、簪や本音も待ってくれているに違いないし。
流石に廊下を走るわけにはいかないので、早歩きで歩行速度を上げる事に。
「着いた……」
暫くして、ようやく念願の整備室へと到着。
これで視線のレーザーマシンガンからは解放されるよ~。
てなわけで、扉を開けますよ~っと。
「お待たせしました~」
「緒理香さん。よく来てくれまし……たっ!?」
え? な…なに? どうかしたですか?
いつものようにハンガーの前で待っていてくれた虚さんと、彼女と一緒にいる本音や簪、それから他にも見たことのない先輩方の動きがいきなり停止した。
「お…緒理香さん…? その髪型は一体……」
「ここに来る前にシャワーを浴びてきたんですよ。ついさっきまでトレーニングルームで体を動かしてたもんですから。汗を掻いたままで来るわけにはいかないと思って……」
「「「汗……」」」
ちょ…ちょっと? 本当に大丈夫ですかー?
何がどうして、そんなジョジョ風の顔になってるんですか?
(お…緒理香さんの汗……)
(舐めたい…嗅ぎたい…自分の体に塗りつけたい!!)
(おりりんが汗を掻いてる姿……絶対にエロかったんだろうなぁ~…)
えぇぇぇっ!? なんか本音以外の皆の鼻から血が流れてるんですけどっ!?
「けど…それ以上に……」
「はい……」
なんだろう……凄く嫌な予感が……。
「「「「「髪を下した緒理香(さん)が可愛過ぎる!!!」」」」」
急に顔を両手で覆いながらのブリッジっ!?
今、確実に総鉄製の床に頭を打ちましたよねっ!?
「おりりん」
「ほ…本音?」
「写真を撮ってもいい?」
「い…いいけど……」
「ありがとう」
本音って、なんでか私の写真を撮る時だけ素の口調と表情になるよね……。
これ……本当に大丈夫かな……。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「お恥ずかしい姿をお見せしました」
少ししてから元に戻った虚さん達は、いつもの顔になる…が、鼻に詰めたティッシュがシュールすぎて、表情と全く合ってないんですけど。
「虚、この子がそうなのよね?」
「はい。噂の一年生の莱鞭緒理香さんです」
「そっか~…この子が~……」
「お…おう?」
今度は見知らぬ先輩方がにじり寄ってきましたよ?
な…なんだ? やるのかコノヤロー!
「「「「「可愛い~♡」」」」」
「ふにゃ~っ!?」
そこら中から手が伸びて私の頭を撫でてくる~!?
く…くすぐったいからやめて~!
「肌がプニプニでスベスベ……」
「この髪もサラサラしてて……」
「これぞ、正真正銘の美幼女!」
「この可愛さは異次元だわ……」
「今…分かったわ。宇宙の萌えとは、緒理香ちゃんの事だったのね」
もうどこからツッコミをいれたらいいのか分らないんですけどっ!?
誰でもいいから、何とかして~!
「はいはい! 緒理香さんが可愛いのは理解できますが、今日ここに集まったのは彼女を愛でる為だけじゃないでしょう?」
「そうでした」
おや~? 私の気のせいかな~?
虚さんの口から、鞘以外にも私を愛でる事もまた目的の一部みたいな言葉が聞こえて気がしたぞ~?
「緒理香さん。メールで知らせた通り、遂に雪片の鞘が完成しました」
「おぉ~!」
「こっちだよ」
「うん!」
簪に手を引かれて、ハンガーの近くまで案内される。
やっぱ、私の手って他の皆と比べても小さいんだな~。
(自然な流れで緒理香たんの手を握ることに成功した! 流石は私!)
なんか変な気を感じたような……。
「これは……!」
目の前のハンガーには、既に雪片の刀身が収納された状態の、デザイン画通りの姿をした、幾何学的な鞘が立っていた。
鞘の装甲に私の顔が反射して、自分の顔が見える。
それ程までにこの鞘は美しく輝いていた。
「どうですか? お気に召しましたか?」
「虚さん……」
感動の余り、私は傍にいた虚さんの体にムギュっと抱き着いた。
「最高です! 本当にありがとうございました!」
「ど…どういたまして……」
なんか呂律がおかしくなってませんか?
急に抱き着いたりして悪かったかな。
(お…おおおお緒理香さんが私の体に抱き着いててててててててっ!? こ…これは…私からも抱きしめてもよいのでしょうか……)
そろそろ離れた方がいいかな。
そうしないと、なんか離れるタイミングを失うような気がする。
「緒理香。私も頑張って手伝った。だから、ハグして欲しい」
「私も! 私もおりりんにギュ~ってして欲しい~!」
「「「「「私達も頑張って手伝いました!!」」」」」
「あ…はい」
結局、皆にハグする羽目になりましたとさ。
私の善意は混沌しか生まないのか…?
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
一通りハグをし終えてから、ようやく話が先に進んだ。
「では、実際に白式に装着してみましょうか」
「はい!」
皆が少し離れてくれたところで、いつものように白式を展開する。
もうすっかりコレにも慣れちゃってるね~。
「では、まずは手に取ってみてください」
「了解です」
ISを装着したことで延長した腕を伸ばしてから、固定されている雪片を鞘ごと手に取り、予め増設されている腰のハードポイントに装着する。
「どうですか?」
「いい感じです。思っている以上に違和感はないし……」
腰を低くしてから左手を鞘に添えて、右手で雪片の柄を握る。
「普通に抜刀も出来そうです」
「よかった……これで、本当に完成ですね。皆さん、お疲れ様でした」
腰に鞘を装着している白式…か。
これは何気にめっちゃカッコいいのでは?
「これって、鞘を装着したままでも普通に鍔迫り合いとか出来るんですよね?」
「勿論です。緒理香さんが要望し、簪お嬢様がデザインした通り、この鞘自体が刀剣のような攻撃力があります。普通に見れば大きな剣にしか見えませんから、相手の不意を突くにはもってこいかも知れませんね」
不意を突く……それいいかも!
バトル系マンガの主人公みたいでかっぴょいい!
「本当は試しに素振りとかしてみたいけど……」
「残念ながら、この時間帯からではもうアリーナは使えませんからね」
「本番まで取っておくほうがいいかも。どこに偵察の目が潜んでいるか分からないから……」
「そうだね! 隠し玉は隠しておいてこそ意味があるんだもんね!」
「その通り」
簪の言う通り、ここは敢えて我慢をしてトーナメント本番で皆の度肝を抜いてあげよう。
それはそれでまた面白いかもしれない。
・・・・・
・・・・
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束の移動式ラボ。
彼女は今日もモニター越しに緒理香の様子を伺っていた。
「成る程ね~。ゾーン発動時の反動に耐える為に体を鍛えつつ、雪片に『鞘』という『リミッター』を設ける事で、ゾーンを意図的に切り替えられるようにしたんだね」
頬杖をつきながら、束はニヤニヤとした表情でモニターに映っている緒理香の顔を指でなぞる。
「流石は私のおーちゃんだね。まさか、そんな形で『力』を制御しようと考えるなんて。いや、あの様子から察するに、無自覚のままでやってるのかな?」
緒理香がゾーンに入れるのを知っているのは、千冬や箒、セシリアを除けば後は束しかいない。
最大の当事者である緒理香自身も、自分がゾーンに入って超絶的な戦闘力を発揮していることに気が付いていない。
その事が吉と出るのか、それとも凶と出るのかは誰にも分らない。
「でも、これは私から見てもナイス判断だよ、おーちゃん。試合の時は鞘を付けた状態で力を温存して、『その後』に抜刀して『ゾーン』と『零落白夜』を開放して、一気に決着をつける。それぐらいでもしないと『
背凭れに体を預け、意味深な笑みを浮かべる。
「
「
少し思ったのですが、緒理香を原作世界に飛ばしても面白そうな気がします。
原作一夏と緒理香がどんな風に交流するのか、見てみたいですね。