自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件   作:とんこつラーメン

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久々の更新です。

コロナに猛暑と、確実にモチベーションを削ってきてますけど、めげずに頑張ります。

そんな矢先、愛用の扇風機がお亡くなりに……。
割と素で呆然としました。

次の日に即座に新しいのを購入したんですけどね。
普通に死活問題ですから。








 いきなり、無人機から突撃され、その大質量から放たれる一撃に完全に押され、壁と挟まれるような形で身動きが取れなくなってしまった緒理香。

 白式が各部から火花と悲鳴を上げる中、彼女は歯を食い縛りながら必死に耐えていた。

 

「なんつー馬鹿力だよ……こなくそ~…!」

 

 全身から汗が噴き出る。

 相手からは人の意志を全く感じないのに、その全身から放たれる謎のプレッシャー。

 そもそも、剣で戦うことを前提としている白式は、お世辞にもパワータイプとは言い難い。

 寧ろ、無駄なパワーは省き、流麗な動きで相手を圧倒するのが本来の戦闘スタイルなのだ。

 鈴の甲龍や、目の前にいる無人機『ゴーレム』のような典型的なパワータイプとは致命的に相性が悪かった。

 

「こ…このままじゃ……!」

 

 白式の腕部装甲に罅が入り、段々と壁の中へと押し込まれていく。

 万事休すか。

 緒理香がそう思った瞬間、横から見覚えのある姿が飛び込んできた。

 

「あたしの緒理香に何してんのよ! このクソ野郎!!」

「り…鈴っ!?」

 

 双天牙月を両手に持ち、鈴が緒理香とゴーレムの間に割り込むようにして斬撃を繰り出した。

 それに反応して、すぐさまゴーレムはその場から退避をして後方に下がる。

 相手にダメージは与えられなかったが、そのお蔭で緒理香はゴーレムの拘束から抜け出す事が出来た。

 

「大丈夫、緒理香っ!?」

「う…うん。なんとか……」

 

 鈴に手を引かれながら立ち上がると、観客席から歓声のようなものが上がっているのが聞こえた。

 

「え? こ…これって……」

「嘘でしょ…? なんで逃げてないのよ……」

 

 本来ならば、ここは一目散に逃げるのが正しい判断だ。

 それなのに、実際には全く逃げる素振りを見せずに、その場にて大声を上げて緒理香たちの事を必死に応援していた。

 

『がんばれー!! 莱鞭さ~ん!!』

『そんな奴なんかに負けないで~!!』

『いっけ~! そこだ~!! やっつけろ~!!』

 

 誰も彼もが好き放題に言ってはいるが、その言葉の一つ一つが不思議と緒理香と鈴に立ち上がる勇気をくれた。

 

「ねぇ…あそこ見てよ」

「あそこ? あ……」

 

 鈴が指さす方向には、いつの間にか自身のISを展開したセシリアが、箒と本音を守るようにして立っていた。

 

「セシリア…箒…本音……」

「あいつ等もまだ残ってたのね……」

 

 ここからでもよく分かる。

 必死に恐怖に耐えながらも、二人の事を応援している姿が。

 

 更にここで二人に向けてプライベート・チャンネルが入る。

 

『緒理香! 凰! 聞こえるかっ!?』

「ち…千冬さんッ!?」

 

 ここでちょっと『先生』と呼ばなかった事を思い出してヤバいと感じたが、流石に緊急時なので、そんな細かい事は全く気にする様子が無かった。

 実際には、普段でも割と普通に気にしなさそうだが。

 

『お前達が相手をしている『ソイツ』の仕業なのかはわからんが、ステージへと繋がる道だけが綺麗に封鎖されてしまった! こちらからは増援が全く出せない状況だ!』

(やっぱり……)

 

 その展開は予想出来ていた。

 原作でも、ゴーレムはアリーナのシステムをハックして、アリーナ内の隔壁を閉じて身動きを取れないようにしていたから。

 

『悔しいが……今はお前達に頼るしかない。済まん……!』

 

 声だけでも分かる。

 千冬は今、拳を握りしめながら唇を噛み締めているのだろうと。

 普段は色々と鬱陶しい千冬だが、それでも世話になっているのは紛れもない事実なので、ここは少しだけ彼女を安心させてあげることにした。

 

「大丈夫ですよ。千冬さん」

『緒理香……?』

「あんな意味不明な奴なんかに、私達が負ける道理なんてありませんから。必ず勝ってみせますよ。だから、千冬さんは山田先生と一緒に、そこでドンと構えててください」

『緒理香……!』

 

 これでよし。

 後は、あの野郎を二人でぶっ飛ばすだけだ。

 

『これはもしや告白なのではないのか…? だ…ダメだぞっ!? その気持ちは非常に嬉しいが、その手のフラグは大抵の場合は折れずに成立してしまうからなっ!?』

「さっきのセリフのどこをどう取れば、告白に聞こえるんですかねぇッ!? つーか、勝手に人の決意を死亡フラグにしないで貰えませんっ!?」

 

 頼むから、シリアスをシリアルにしないでほしい。

 本気で気が抜けてしまうから。

 

『緒理香っ!? そっちは大丈夫っ!?』

「簪っ!?」

 

 今度は簪からの通信。

 どこからだろうと探すと、箒達がいる場所とは真逆にある観客席にてISを展開し、セシリアと同じように万が一に備えているようだ。

 

『こっちの事は気にしないでいいから! 思い切りやっちゃって!』

「うん! 任せて!!」

 

 これで後顧の憂いは無くなった。

 いや、本当ならば皆が避難をしてくれるのが一番なのだが、彼女達がこの場に残る事を選んだ以上、自分達にはもう何も言えない。

 ならば、一刻も早く奴を倒し、この事態を収拾する事こそが最適解なのでは。

 

 普段は周囲のせいでネガティブな考えになりがちな緒理香が、この時ばかりは珍しく前向きな考えに至った。

 

「あ、そうだ。緒理香、これ」

「雪片……」

 

 ゴーレムに組み付かれた時に吹き飛ばされていた雪片は、どうやら鈴が回収してくれていたようで、傷一つない状態で戻ってきた。

 

「ありがと、鈴」

 

 彼女から雪片を受け取った瞬間、再び緒理香のゾーンが強制発動。

 その目からは真紅の火花が散り、その表情にも鋭さが戻った。

 

「……皆のお蔭で元気が戻ってきた」

「やる気の間違いじゃない?」

「正確にはどっちとも…だよ」

 

 けど、どれだけモチベーションが上がっても、消耗した体力だけはどうにもならない。

 鈴との試合からこっち、云わば二人は碌な休憩もせずに二連戦をしているに等しいのだ。

 実際、二人は全身から汗を流し、呼吸だって早くなっている。

 気力で体を支えている状態に等しいのだ。

 

「そういや、あいつ…こうしてあたし達がのんびりと話しているってのに、全く襲い掛かってくる気配が無いわね……」

 

 鈴が口にした疑問を聞き、緒理香は頭の中にある原作知識と照らし合わせる。

 

(そーゆー所まで忠実に再現してるってか……)

 

 ん? ちょっと待てよ?

 緒理香は自分で自分の言葉に大きな疑問を持った。

 

(再現…? 何を言ってるんだ私は……)

 

 この世界の住人が『原作』の事なんて知っている筈がない。

 存在自体は非常にあやふやだが、それでもアレが自分のよく知っているゴーレムである事には違いない。

 それなのに、どうして自分は『再現』なんて言葉を使用した?

 

(……ダメだダメだ。余計な事は今は考えるな。それらの事は後で千冬さんや山田先生が探ってくれるだろうし、いざとなれば私から直接、束に聞けばいいだけの話だ)

 

 取り敢えずの結論を出してから、改めて黒い無人機を見据える。

 

「重装甲に高機動…か。無人機である事のメリットを最大限に生かしてる感じか……」

「人が乗っていないって事は、パイロットの安全を考慮しなくてもいい。つまりは、普通では出来ない無茶をし放題って事になるのよね……」

「それもだけど、無人機のメリットはそれだけじゃない」

「へ?」

「あれには操縦者がいない。それはすなわち、その分だけ他にも武装が詰める(・・・・・・・・・)ってことだ」

「ってことは……」

 

 二人がゆっくりとゴーレムの方を向くと、そこには前傾姿勢となって突撃準備をしているゴーレムの姿が。

 

「あ……あたし、なんか分っちゃったかもしんない……」

 

 苦笑いを浮かべながら、鈴が顔を青くする。

 

「操縦者の分だけ空いたスペースに付けているのは武装なんかじゃなくて……」

 

 ゴーレムの火が大きくなり、一気に迫力が増す。

 

「あの重装甲を支える為のPICをもう一個搭載してるんだ!!」

 

 次の瞬間、ゴーレムが凄まじい速度で再びの突貫を敢行してきた!

 それは正しく、黒い隕石。

 鋼鉄の塊が自分達に向かって突撃してくる様は、只管に恐怖しかなかった。

 

「散開!!」

 

 緒理香の叫びで我に返った鈴は、咄嗟に全力で横に飛んで突撃を回避。

 同じように緒理香も反対方向へと飛んで回避をしたはいいが、ゴーレムは壁に激突した直後に即座に立ち上がり、緒理香の方へと向かってビームを放つ。

 

(回避……いやダメだ! 後ろには皆がいる! ここは……)

「斬り裂く!!」

 

 横薙ぎではなくて、縦に斬る形でビームを打ち消す。

 その衝撃は凄かったが、悲鳴なんて挙げている暇は無いので我慢した。

 

「出力は向こうが圧倒的に上…か」

(自分に果たして『原作一夏』のような真似が出来るのか…?)

 

 未だに閉じたままの雪片を見つめ頭を振る。

 

(出来る出来ないじゃなくて……やるんだ!)

 

 地面に転がっている鞘を見て、それに向かって指を曲げると、まるで意志があるかのように緒理香の方へと飛んできて、それをキャッチしてから腰につける。

 鞘の中へと雪片を納めるが、今回は何故かそれでもゾーンが解除される事は無かった。

 まるで、装備などに関係なく、緒理香の精神が極限の集中状態にあるかのように。

 

(鈴)

(分かったわ)

 

 僅か一秒にも満たないアイコンタクト。

 だが、鈴はたったとれだけで緒理香が何を望んでいるのかを察し、行動を開始する。

 

「ほらほらほらぁ!! とろとろしてんじゃないわよ!!」

 

 いきなり、鈴は衝撃砲を連射してゴーレムに攻撃を仕掛ける。

 だが、自慢の機動力のせいで華麗に回避され、全く命中する気配が無い。

 

「やるじゃない…! でも、まだまだここからよ!!」

 

 どれだけ避けられても、鈴は全く攻撃を止めようとはしない。

 それもその筈。彼女の本来の目的は『攻撃を当てる事』ではないのだから。

 鈴が己に課した役目。それは『牽制攻撃を仕掛ける事』と『相手の注意を自分に向けさせて緒理香の攻撃の隙を作る』ことだった。

 

 どれだけゴーレムが緒理香に執着しようとも、別の対象から攻撃をされては対処をしない訳にはいかない。

 実際、ゴーレムのカメラアイは鈴の方だけを向いていた。

 

『今よ!!』

 

 プライベート・チャンネルで緒理香に叫ぶ。

 すると、もうそこには彼女の姿は無く、腰を低くした構えで瞬時加速を掛けていた。

 

「あの構えは!?」

 

 鈴もよく知っている。

 剣に詳しくない人間でも、それが強力であることは一発で分かる構え。

 

 抜刀術。居合之剣。

 

(う…嘘でしょっ!?)

 

 緒理香の接近にいち早く気が付いたゴーレムは、即座にその巨腕を振るっての迎撃行動に移るが、それをなんと、緒理香は居合の体勢から完全に見切って回避してみせたのだ。

 そのまま一気に懐に入り、緒理香の全身に力が漲る。

 

(下から仕掛ける気っ!? けど、その体勢じゃダメよ! そんな体勢じゃ居合は放てない! 強い攻撃は撃てない!!)

 

 だがここで、緒理香はこの場にいる誰もが全く予想すらしていなかった行動をした。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

 

 瞬間、鞘を握っていた左手が離れ、ゴーレムの顔面に向けてアッパーを繰り出したのだ!

 

「うそ…でしょ……?」

 

 信じられなかった。

 まさか、あの体勢から拳を繰り出すとは思わない。

 だが、その一撃でゴーレムの体勢は、ほんの一瞬だけではあるが完全に崩れた。

 

『!!!?』

 

 例え、その中に人が入っていないとしても、それが人の形をしている場合、大抵は頭部に重要な部品が入っていたりすることが多い。

 ゴーレムもその例に漏れなかったようで、緒理香のまさかの拳での一撃により、数秒間だけではあるが完全に全機能が麻痺してしまった。

 そして、その事が表す事実はただ一つ。

 

 緒理香の次の攻撃は何があっても絶対に避けられない!

 

(間違いない…! 今のアッパーは我武者羅にした攻撃じゃない! 自分の最大の一撃を確実に当てる為に計算されたコンボだ!)

 

 緒理香が鞘から雪片を引き抜く。

 すると、そこから現れたのは先程までの鋼鉄の刃ではない。

 白く光り輝く消滅の光。

 嘗て、世界中の人間が目撃した、とある女を世界最強にまで押し上げた絶対にして必滅の刃!!

 

 

            零   落   白   夜

 

 

 

 

 

「き…斬った! 初めて直撃した!!」

 

 それはまさに神速の居合。

 いかに相手が無慈悲な機械であろうとも、この一撃だけは絶対に避けられない(・・・・・・・・・)

 

 緒理香の斬撃はゴーレムを文字通り真っ二つにし、上半身と下半身を永遠に別れさせた。

 空中で体内から備品をばら撒きながら吹き飛び、そのまま重々しい音を出しながら地面に落下。

 その切断部からは油が流れ、周囲に漏れていた。

 

「はぁ…はぁ…はぁ……」

 

 今の一撃で全ての体力を使い果たしたのか。

 緒理香は剣を振り抜いた状態で固まっており、ゆっくりと雪片の刀身が閉じていき、元の形状へと戻った。

 その瞬間、雪片が地面に落ち、それと同時に白式が強制解除。

 力尽きた緒理香がその場に倒れそうになる。

 

「緒理香!!」

 

 鈴が急いで緒理香の元まで行き、彼女の体を支える。

 まだ意識はあるようで、にっこりと弱々しく微笑みながらピースをしていた。

 

「やった…よ…ブイ……!」

「うん…うん!」

 

 本当は、今すぐにでも眠りたい。

 けど、最後の力を振り絞って、もう少しだけ意識を保っていた。

 何故か知らないが、そうしないといけない気がしたから。

 

 ふと、自分が斬ったゴーレムの方を見る。

 バチバチと火花を散らしてはいるが、完全に沈黙しているようで全く動く気配が無い。

 

 だが、そこで全員が驚愕する現象が起きた。

 

「「えっ!?」」

 

 突如として、ゴーレムの残骸が幻影のように薄くなっていき、数秒ほどでその場から完全に消滅してしまった。

 その場に垂れ流した油ごと、まるで最初から存在なんてしていなかったかのように。

 

 勝利の喜びを示す歓声は起きずに、不気味な静寂だけが場を支配していた。

 

「あいつは……一体……」

 

 眠気の限界に達した緒理香が夢の世界に旅立つ前に呟いた一言が、この場にいる全員の気持ちを代弁していた。

 

 こうして、クラス対抗戦は何とも言えない空気のまま粛々と終了し、中止となった。

 

 

 

 

 

 

 




ようやく必殺技(零落白夜)を発動。

やっとかいって感じですね。

普通は、これぐらい出し惜しみするぐらいが丁度いいと思うんですよね。
 
威力が威力ですし。おすし。
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