自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件   作:とんこつラーメン

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なんなんでしょうね、この異常なまでの暑さは……。

辛うじて、夜が少し涼しいのが幸いです。

けど、このままだとコロナよりも先に熱中症で倒れそうです……。







夢だけど夢じゃなかった!

 毎度御馴染みの束の特製の移動式ラボ。

 今回も束は不敵な笑みを浮かべながらモニターを見つめていた。

 

「ふ~ん…成る程ね。『役目(・・)』を終えたら、跡形も無く消えてなくなる…と」

 

 モニターに映っていたのは、先程まで緒理香たちが戦っていた謎の機体。

 それが倒され、消滅していく光景だった。

 

「ふむふむ……こっちのセンサーでも確認できない…と。しかも、全くログが残ってないと来たもんだ。しっかし……」

 

 背凭れに体を預けながら、両手を頭の後ろに回す。

 

「意外と呆気なく倒されるんだね。いや…違うか。そうじゃない。アレは最初から『おーちゃんに倒される為だけに現れた(・・・・・・・・・・・・・・・・・)』んだから、ある意味で『予定通り』なのか。そっかそっか。うんうん」

 

 一人で何を納得しているのか、束はしきりに何度も頷いていた。

 この場にクロエがいれば確実に訝しむところだろうが、生憎と彼女は今、お昼寝タイム中なので夢の中にいる最中だ。

 故に、この場で束の言動に対して何かを言う人物は誰もいない。

 

「けど、ここでやっと『零落白夜』を発動するなんて、おーちゃんも分かってるねぇ~。ある意味、最高に盛り上がるタイミングで発動しちゃってるじゃん。完全に『主人公』の『必殺技』だね、こりゃ」

 

 そう呟く束の視線の先には、白式の稼働状況が表示されたモニターがあった。

 

「現時点で既に最大稼働率が70%オーバー……か。これは流石に異常だね。普通に考えれば…だけど」

 

 またもや含みを帯びたセリフを吐く束。

 彼女が何を考えているのは本当に誰にも分からない。

 

「取り敢えず、おーちゃんは『第一関門』を無事に突破出来たけど、問題はここからなんだよねぇ……」

 

 先程までとは一変して、途端に束が顔面蒼白になっていく。

 

「これ、確実にちーちゃんが『あれは一体何なんだ!』的な事を叫びながら電話掛けてくるんだろうなぁ……なんて言い訳しよ」

 

 自分のスマホを見つめながら、必死に言い訳を考える束。

 いつにもなく彼女の頭はフル回転し、数多くの言葉が何度も何度も束の頭を往復していく。

 

 

               1 時 間 後

 

 

 

「……あれ? なんか、全くちーちゃんから電話が来ないんだけど…あれぇ~?」

 

 当初の予想に反して、全く連絡が来ない。

 もしかしたら、事件の事後処理で忙しくて中々に電話を掛ける暇が無いだけかもしれない。

 そう思って、試しにもう少しだけ待ってみる事に。

 

 

               1 0 分 経 過

 

 

「…いや、マジで掛かってこないんですけど。なんで?」

 

 流石にこれはおかしい。

 千冬の性格上、真っ先に束の事を怪しんで電話を掛けてきそうなものだが、その気配が全く無い。

 何がどうなっているのか気になって、ちょっとだけ学園の様子を探ってみる事に。

 すると突然、驚きの光景が目に飛び込んできた。

 

「なんかいきなり、おーちゃんが貞操に危機になってる――――――――っ!?」

 

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 ……あれ? 私…どうなったんだっけ?

 確か、いきなり私と鈴の試合に乱入してきた無人機野郎を零落白夜でチョンパしてから、それから……。

 

「……つーか、ここはどこよ?」

 

 どこもかしこも真っ白け。

 なんか座っているっぽいから、辛うじて今の自分が浮遊していない事は分かる。

 でも、マジでここは何処?

 

「はぁ…はぁ…はぁ…♡」

 

 ……なんだろう。物凄く近くで小さな女の子っぽい呼吸音が聞こえてきたような気が……。

 これは…後ろからか? なんか怖いけど、試しにそ~っと後ろを向いてみたりして……。

 

「ご主人様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡♡」

「にゃんぱすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!?」

 

 いきなり背後にいた白い紙で白いワンピースを着た幼女が私に覆い被さってきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?

 

「もう我慢なんて出来ません!! ずっと見てましたけど、ご主人様は可愛過ぎです!! 戦闘時の凛々しい感じもギャップがあって超絶素敵ですけど、そのあどけない感じが最高すぎなんですよ!! 貴女はどれだけ私の事を萌えさせれば気が済むんですか!! いつもいつも、ご主人様のプニプニでスベスベなロリボディに触れていると思うだけで、私のコアはオーバーヒートですよ!!」

「は…はぁっ!? っていうか、そもそも君は誰なのさっ!? いきなりそんな事を言われて、本気で意味不明なんですけどぉっ!?」

 

 なんか、この子の姿もどこかで見たことあるような気がするんだけど、パニックで上手く思い出せない!

 悪意が無い事は分かるけど、それ以上に危ない匂いがプンプンする!

 これはアレだ! 千冬さんと同じタイプの子だ!

 

「あ…あれ? 私の事…分かりません?」

「分かるわけないでしょっ!?」

 

 なんか急に冷静になって彼女がどいてくれた。

 そのお蔭で、彼女の全身を見ることが可能になった。

 

「…………あ」

 

 も…もしかして……この子の正体は…まさか……!

 

「君って…もしかして……白式? いや、性格には白式のコアか……」

「はい! その通りです! 私は、ご主人様が『白式』と呼称する機体のコア意識です!」

「やっぱりか……」

 

 そういや、原作にも超出番は少ないけど、こんな子がいたもんな~。

 影が薄すぎて完全に忘れてたわ。

 っていうか、この子ってこんな性格だったっけ?

 私のうっすらとした記憶が正しければ、かなり大人しい女の子だったような……。

 

「やっと…やっとこうして会えました……。この日をどれだけ待ち侘びた事か……」

「そ…そうなんだ。ごめんね?」

「いいえ、大丈夫です! こうしてご主人様と直に会えた事で全部帳消しです!」

「は…はぁ……」

 

 なんなんだろうか…この超ハイなテンションは……。

 いきなり自分の頭をグリグリしたりしないでしょうね?

 

「けど、白式がいるって事は、今いる場所はISのコア意識の中って事?」

「そうなります。ご主人様は、あの戦いの後に気を失って、そこを私が意識だけを引き上げたって感じですね。こんなチャンス、今後どれだけあるか分からないですから! 私、どんなチャンスも絶対に逃さない質ですので!」

「さ…さいですか」

 

 完全に押されてますわ。

 普通にこの手の子は苦手です。

 

「っていうか、そんなどうでもいい説明よりも、今はやるべき事があるんでした!」

「いや、割と重要な説明だからねっ!?」

 

 しれっと前回のあらすじをどうでもいいこと認定しないで!?

 

「ご主人様。いきなりでなんですが、パワーアップしたくないですか?」

「え? マジでいきなりなんですけど。唐突に何?」

「先ほども言いましたが、こうして私とご主人様が会える機会はそうありません。ですので、これを機に私とご主人様のシンクロ率を上げて、少しでも早く『第二形態移行(セカンド・シフト)』出来るようになればな~っと思いまして」

「第二形態移行……」

 

 操縦者とISが同調した時、機体そのものが変化して強化される形態。

 原作でも、白式は驚異的な速度で進化していったけど、私にもそれをしろと?

 

「そうです! 私が強くなれば、必然的にご主人様もパワーアップ! するわけです!」

「そりゃぁ…そうだけど……」

 

 シンクロ率を上げる…ねぇ……。

 単語が単語なだけに、妙に引っかかるんだよなぁ~…。

 

「因みに、どうやってシンクロ率とやらを上げるの?」

「セックスです」

「…………ハイ?」

 

 えっと……私の聞き間違いかな?

 クラス代表や普段の訓練で疲れちゃってるのかな~? アハハ~。

 

「だから、セックスです。私とご主人様が物理的にくっついて、イチャイチャしてグチョグチョしてネチョネチョするんです。そうすれば、私とご主人様の距離が近づいてババ~ン! と強化されるわけですね」

「いやいやいや! なんでセックスなわけっ!? もっと他にいい方法は無いのッ!?」

「ありません!!」

「断言しないで!?」

「いいじゃないですか~! きっと、画面の向こうでこれを読んでいる読者の皆さんも、私とご主人様のイチャレズセックスを待ってますよッ!?」

「仮に待ってたとしても、そんな事は出来ません! この作品は健全な全年齢向けなの! R-18な描写は不可能です!」

「そんな道理! 私の雪片弐式(意味深)でこじ開ける!!」

「仮にも女の子がそんな事を言っちゃいけません!!」

「えぇ~い! こうなったら力ずくでも!!」

「やめれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」

 

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「はっ!?」

 

 な…なんだろうか……今、とてつもない悪夢を見ていたような気が……。

 具体的に言えば、全身が真っ白な美幼女にレイプされそうになる夢。

 

「いやいやいや……幾ら夢でも、そんなことあるわけが……」

 

 つーか、なんか見た事のあるような無いようなって感じの天井。

 ここはあれですね。IS学園の保健室の天井ですね。分かります。

 これまでに何回か胃薬を貰いにここに来てるからね。

 ってことは、私が今寝てるのは保健室のベッドか。

 あれから、誰かが私の事をここまで運んできてくれたんだね。

 あの時の状況から察するに、鈴辺りかな? 後でちゃんとお礼を言わないとね。

 

「にしても、今日は本当に疲れたな~」

 

 ゴロンと寝返りを打って、もう少しだけ仮眠を取って……。

 

「よく眠れたか? 私の可愛いお姫様♡」

 

 ………あれ? まだ夢の中にいるのかな?

 千冬さんが私と一緒のベッドに入って添い寝をしているように見えるんだけど……。

 

「アイラブユー。フォーエバー」

「………………」

 

 凄まじく片言な英語で愛を囁く……あぁ…間違いないわ。

 これは現実で、私のすぐ隣には千冬さんがいて……ある意味で絶体絶命の大ピンチなわけで……。

 

「というわけで、今日こそ夫婦の契りを交わすぞ緒理香ぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

 夢だけど夢じゃなかったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?

 こんな形でタイトル回収とかイヤだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!

 

「どうした緒理香っ!?」

「何事なのっ!?」

「緒理香さんっ!?」

「いつの間にか織斑先生がベッドの中に潜んでるっ!?」

「おりりんの貞操のピンチだ~!」

 

 ここでまさかの救助部隊登場!

 一年生専用機集団(一部を除く)がやって来てくれた!

 

「なんだ貴様等! 私と緒理香の逢瀬の邪魔をすることは許さんぞ!!」

「私達はちゃんと『協定』を守っているんですよ! それなのに!」

「一人で抜け駆けとか酷いじゃないですか!」

「そうですわ! 幾ら教師だからといって、やっていい事と悪い事がありますわよ!」

「黙れ! 私が法律だ!!」

「なんかいきなりとんでもない暴言を吐きだしたんですけどッ!?」

「なんなのこの暴君っ!?」

「おりり~んっ!?」

 

 ちょっと聞き捨てならない単語が聞こえてきたんですけどっ!?

『協定』とは一体なんぞやっ!?

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

「……というわけで、結局は何も分からないのが現状だ」

「そ…そうなんですね……」

 

 やって来てくれた皆の奮闘のお蔭で、なんとか私の貞操は守られた。

 これで千冬さんに寝込みを襲われたのって二度目なんですけど……。

 冗談抜きで油断もへったくれもあったもんじゃない。

 

 で、辛うじて冷静さを取り戻してくれた千冬さんによって、例の無人機の事について説明された。

 説明って言っても、実際には『何も分からないのが分った』って事なんだけど。

 

「凰の報告通り、お前達のISのログはおろか、学園の機器のログにも全く記録が残っていなかった。まるで、最初から存在していなかった(・・・・・・・・・・・・・)かのように」

 

 最初から存在していなかった……か。

 そう聞くと、増々オカルト染みてくるな。

 

「け…けど、実際にあたしや緒理香は実際に交戦しましたよ?」

「分かっている。私達だけじゃない、あの場にいた全員がそれを目撃しているんだからな。どれだけ記録が残っていなくても、私達の記憶にはちゃんと残っている」

 

 本当に、あいつはなんだったんだろうな……。

 束のラボでもあんなのは見た事無いし、仮に私が学園に来てから製作したとしても、余りにも完成度が高すぎる。

 幾ら束とはいえ、そんな短期間にあれ程の機体を作れるとは思えない。

 そもそも、束には無人機でここを襲撃する明確な『理由』が無いだろう。

 

「兎に角、引き続き調査は続ける。今回の事は念の為に箝口令を出す事にした。といっても、誰も信じないだろうがな……」

 

 この科学一色の世の中に『いきなり幽霊ロボットに襲われました』なんて言ってら、一笑に伏されるのが目に見えている。

 誰だって、自ら恥を掻きには行きたくないだろう。

 

「お前達も他言無用だぞ。いいな」

「「「「「「はい」」」」」」

 

 これで話は終わりかな。

 んじゃ、改めてもう一眠り……。

 

「では、お前達はもう戻れ……って、なんでジッとこっちを見る?」

「いや……」

「織斑先生が出るのを見届けてから出ようかと思って……」

「ちっ…!」

 

 今の舌打ちは何ッ!?

 皆がいなくなった後に何を企んでたのッ!?

 

「緒理香は一先ず、今日一晩だけは保健室で安静にしているように」

「分かりました」

「ではな。……おのれ…!」

 

 た…助かった……。

 

「それじゃあ、私達も行きましょうか」

「そうね。本当はもっと居たいけど、あたし達がいたんじゃ、緒理香もゆっくりと休めないだろうし」

「だな。では緒理香。また明日な」

「うん…おやすみ」

「おやすみ、緒理香」

「おりりん。おやすみ~」

 

 皆が保健室から退出し、一気に静かになった。

 こんな時は大人しく寝るに限る。限る…けど……。

 

「また、あの子に襲われないだろうな……」

 

 それだけが本当に心配だった。

 

 結局、私の心配は杞憂だったようで、次に見たのはなんでかクロエと遊園地デートをする夢だった。

 

 

 

 

 

 

 

 




まさかの白式参戦。

でも、原作同様に出番は少ないかも。

その代り、シリアスをシリアルに変えてくれる貴重な人材になるかも?



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