自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件 作:とんこつラーメン
台風やら自分のメンタルやらの問題で色々とありましたが、辛うじてまだ息は有りますので、なんとかして頑張っていきたい所存です。
そんな今回は、遂に『彼』が登場するッ!?
本当ならば最も影が濃い存在なのに、この作品では真逆の位置にいる彼。
果たして、これからも出番はあるのか?
それとも、ここで終わってしまうのか?
6月初頭の日曜日。
例の無人機事件での疲れ&傷が完全に癒えた私は、特に何もすることが無く学生寮の自室にて完全に暇を持て余していた。
「暇だね~……」
「暇だな……」
私はベッドの上で、箒は椅子に座って、お互いにボケ~っとしながらテレビを眺めている。
画面の中では、ニコニコ笑顔で美人キャスターさんがニュースを読んでいる。
特にこれといった事件は無く、街中で起きた些細な出来事を特集していた。
「休みの日だから、当然のように生徒会は無いし……」
「部活だって無い……」
本音はクラスの子達と何処かに遊びに行ってて不在だし、彼女のお姉さんである虚さんは楯無さんと一緒に実家に帰っているとの事。
簪もそれに着いていっているで、当然のように学園にはいない。
セシリアも代表候補生としての仕事とかで、実は前日の夜から祖国であるイギリスに一時帰国をしていた。
それは、ダリル先輩やフォルテ先輩達も同じで、基本的に学園内にいる代表候補生は誰もいないと思っていた方が良いだろう。
「そういえば、こんな時に真っ先に突撃してきそうな千冬さんの姿を見ないな」
「あの人なら、今頃は山田先生が抑え込んでるんじゃないかな。『仕事』という名の鎖で」
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「織斑先生。まだまだありますからね」
「なんだとっ!? これでは今日中に終わるかさえも怪しいかじゃないか!」
「この間の乱入事件で物凄く増えてるんです! 早くしないと、いつまで経っても終わりませんよ!」
「緒理香~!! 私に力を貸してくれ~! 一刻も早く終わり、お前に会いに行くからな~!!」
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「少なくとも、今日一日は大丈夫なんじゃないかな」
じゃないと困るというか、幾ら身体能力チートな千冬さんでも、デスクワークでは最強じゃないと信じたい今日この頃。
「今時の女子高生ならば、このような日には何処かへと遊びに行ったりするんだろうがな……」
「私達、揃いも揃ってその手の場所を全く知らないからね~…」
ゲームショップやプラモ屋とかなら喜んで行くんだけど、そこに箒を連れて行くのもな~。
なんかもう、動くのもだるくなってきたし。
「なんつーか…都合よく誰かが私達を誘いに来てくれないかな~」
「いや、流石にそう都合よく誰かが来るなんて……」
なんて言ってたら、いきなり部屋の扉が開いた。
「緒理香! 遊びに行くわよ!!」
私服を着た鈴が腰に手を当てながらそこに立ってた。
相変わらず服のセンスがいいな~。普通にめっちゃ可愛いや。
「本当に来たね……」
「本当に来たな……」
もしかして、さっきの会話がフラグになった?
見事にフラグ回収しちゃった感じ?
「遊びに行くって、どこに?」
「弾の家よ。久々に日本に戻ってきたんだから、アイツの顔でも見に行こうと思って」
「成る程……」
そう言えば、私もIS学園に通うようになってから、まだ一度も弾と連絡とかしてなかった。
色々な意味で忙しかったから、完全に頭から抜けてたわ。
う~む…緒理香ちゃん、一生の不覚。
「どうせなら箒も一緒に来る?」
「私もか?」
「うん。多分、一夏もいるだろうし。アンタもあいつとは腐れ縁なんでしょ?」
「まぁな。だが、どうして今から行く場所に一夏がいると分かるんだ?」
「中学の時から、よく一夏は弾の家に遊びに行ってたからよ。今日みたいな休みの日は、ほぼ確実にいるんじゃないかしら」
そういやそうでしたにゃ~。
寧ろ、一夏は自分の家よりも弾の家にいる時間の方が多いんじゃないかって錯覚するレベルで頻繁に行ってたもんね。
「だから、一緒に行きましょうよ。同じ志を持つ『同志』として、親交を深めましょう?」
「そう…だな。鈴がそこまで言うのならば、私も一緒に行くとするか。どうせ、ここにいても暇なだけだしな」
「はい決まり! なら…30秒で支度しなさい!」
「「それは無理」」
鈴…ネタに走りたいのは分かるけど、それは普通に無理です。
せめて20分は待っててくださいな。
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「着いたわよ!」
「「早い」」
省いちゃったよ。
準備から移動までのくだりを全部省いちゃったよ。
割と重要な部分だったりしないの?
こんなにもさっくりと行って大丈夫なの?
「五反田食堂。その弾とかいうヤツの家は食事処なのか」
「そうよ。厳さんっていうお爺さんがいるんだけど、その人が切り盛りしてるの。料理も絶品なんだから」
「それは楽しみだな」
いつの間にか話題から一夏が消えて、厳さんの料理に移行しちゃってるし。
ま、私も厳さんの造る料理は大好きだけどね!
「それじゃ、とっとと入りましょうか。失礼しま~す」
完全に我が家と同じ感覚で戸を開けて中に入る鈴。
そんな所も全く変わってないのね。
「「お邪魔します」」
そんな鈴に私達も後ろから続いた。
店内は、なんともシックな感じだけど、其処が却って良かったりする。
割と常連やリピーターも多くて、実は近所の隠れた名店としてマニアの中では密かに有名だったりする。
「いらっしゃ…って、その声はもしかして鈴か?」
「そうよ厳さん。お久し振りです」
「おう! いつの間に帰って来てたんだ?」
「ついこの間ね。色々と忙しくて連絡出来なかったんだけど、それならいっそのこと休みの日に遊びに来ればいいと思って」
「そうかそうか! んで、その後ろにいるちっこいのは緒理香か?」
「ちっこいは余計ですよ、厳さん」
「はっはっはっ! 悪い悪い!」
鍛えられた体に浅黒い肌。
『お願いマッチョ』している、このおじいちゃんこそが弾の祖父である『五反田厳』さんだ。
御年80オーバーの凄い人。
頻繁にこの家に来ていた私や鈴のことは、まるで自分の孫のように可愛がってくれるいい人でもある。
「で、緒理香と一緒にいるのが同級生の……」
「篠ノ之箒と申します。初めまして」
「これはこれはご丁寧に。ウチの弾もこれぐらい礼儀正しければなぁ……」
しれっと孫の事をディスりましたよ、この人。
「弾は上ですか?」
「あぁ。今は一夏の奴も遊びに来てるぞ」
「「やっぱり」」
もう行動が単純だよね。簡単に予想できる。
「あれ? 蓮さんはいないの?」
「あいつなら、今は買い出しに出かけてる。暫くすれば帰ってくるだろうよ」
あの人もあの人で凄いよね。
何気に娘を差し置いて、未だに自分の事を『看板娘』なんて言うんだから。
それだけ魅力的な人だってことは否定しないけどさ。
「なら、アイツの部屋に行きましょうか」
「い…いいのか? まずは挨拶とかしなくても……」
「いいのいいの。あたし達にとっちゃ、いつもの事だし。ね、緒理香?」
「そうだね。なんつーか、弾の部屋って殆ど私達の占領下にあるもんね」
「せ…占領下……」
ぶっちゃけ、私はあいつが隠しているエロ本の場所も全て把握しております。
弾の弱みは完全に握っているも同然なのだよ! にゃっはっはっ~!
「そんな訳だから、行くわよ~。お邪魔しま~す」
「しま~す」
「お…お邪魔します」
「おうおう! 遠慮なく上がっていきな!」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
弾の部屋は二階にあるんだけど、そこまで広くは無いからすぐに到着する。
目の前には、これといって何も無いドアが一つ。
「んじゃ、ノックしてもしも~し」
私達が何かを言う前に鈴がドアをノックする。
すると、部屋の中から誰かがやってくる気配がした。
「蘭か? 何の用だ…よ……?」
「やっほー。久し振り」
「り…鈴っ!? なんでお前がここにいるんだよッ!?」
「失礼ね。日本に戻ってきたからに決まってるじゃない」
「そ…そっか。そうだよな」
いや、弾の反応は当然だと思うよ?
全く連絡無しでいきなり家に来てるんだから、弾じゃなくても驚くでしょ。
「しかも、来たのはあたしだけじゃなかったりして。ほら」
「おい~っす。おひさ~」
「緒理香っ!? お前も来てたのかっ!?」
鈴か横にずれると、私と箒を前に出す。
いやはや、なんとも懐かしい御顔ですな。
「お…お前も久し振りだな」
「そだね~。元気そうで何よりだよ」
「ま…まぁな」
なんか緊張してません?
明らかに鈴の時とは反応違うし。
「あれ? 緒理香の隣にいる子は誰だ?」
「えっとね。この子は……」
「篠ノ之箒だ。初めまして」
「は…初めまして」
おうおう。愛い反応ですな~。
そうだよね~。箒は美人だもんね~。
スタイルも抜群だし、弾みたいな男の子は緊張しちゃうよね~。
「ここに一夏の奴が遊びに来ていると聞いて、私も一緒に来たんだ」
「え? 君って一夏の知り合いなのか?」
「知り合いというよりは、幼馴染だな。小学四年生までは一夏や緒理香と同じ小学校に通っていた」
「小4ってことは、鈴と入れ替わりで転校していったって事か。成る程な」
わお。一発で事情を把握しおったで。
弾って何気に勘がいいから話しやすいんだよね。
「一夏なら、中でゲームしてるよ。ほれ」
「「「お邪魔しま~す」」」
弾がドアを大きく開いて、私達三人が揃って中に入る。
目の前には、非常に見慣れた男の子が胡坐を掻いて、テレビを見ながらコントローラーを握っていた。
「さっきからなんか話してたけど、一体誰だったんだ…んだ…よ……?」
「「おっす」」
「久し振りだな。一夏」
原作主人公にして、我等が鈍感王。
本当ならばIS学園に入学してハーレムを作っている男。
千冬さんの弟である『織斑一夏』その人が、そこにはいた。
けど、なんかこっちを見てアストロン掛けられたみたいに硬直してる。
「り…鈴っ!? いつの間に日本に帰って来てたんだっ!? しかも、緒理香まで一緒にいるし! その隣にいるのは……もしかして箒…なのか?」
「そうだ。小学四年の時に引っ越していった篠ノ之箒だ」
「あ…ははは……なんじゃこりゃ……」
一夏にとっては、いなくなっていた幼馴染が三人一緒に現れた事になるもんね。
見ていて面白いぐらいに滅茶苦茶驚いてるわ。
「一夏。俺は今から下にお茶取りに行ってくるから、お前は三人と話してろよ」
「わ…分かった」
震える手でゲームのスイッチをオフにしてから、一夏はこっちを向いた。
私達は私達で、好きな場所に適当に座った。
「な…なんで三人が一緒に弾の家に来てるんだよ…?」
「ここに来たのは、日本に戻って来てからまだ一度も弾や一夏に連絡とかしてなかったから、それならいっそのことサプライズで遊びに行こうって思ったから」
「確かにサプライズにはなったな……本気で驚いたわ」
「そして、あたしと緒理香と箒が一緒にいる理由は単純。一緒の学校に通ってるからよ」
「一緒の学校って……」
「IS学園よ」
「マジでッ!?」
ここで、鈴から一夏への説明タイム。
自分が中国の代表候補生になった事。
当然のように『代表候補生って何ぞや?』って言ってきたから、それの説明もした。
私は束からの推薦で半ば無理矢理に入学させられたこと。
箒は政府の事情で入学させられたこと。
これらの適当に端折ってから話した。
「一度に色んな事を教えられて頭がパニックになってきた……」
「無理もないわよ。それと、一夏って千冬さんがIS学園で教師をしてるのを知ってるの?」
「一応な。春先に聞かされたよ。その時もかなり驚いたけどな」
「でしょうね」
ここでの一夏は、ISを動かしてないから千冬さんが先に話してたのか。
流石に、自分の就職先ぐらいは話しておかないといけないよな。
「あれ? ちょっと待てよ?」
「どうした?」
「緒理香がIS学園に入学をして、千冬姉がそこで教師をしてる……」
「ついでに言うと、緒理香と箒の担任でもあるわよ」
「冗談だろ……」
一夏が呆れるのも無理はない。
こいつは知っているから。千冬さんが私に超が付くほどにご執心なことを。
あんな過剰なスキンシップは、別に今に始まった事じゃないんだよ。
「緒理香」
「なに?」
「千冬姉に何かされてないか? 思い切り抱きしめられたり、ベッドにいきなり忍び込んで来たり、お前の着替えの残り香を嗅ごうとしたり……」
「うん。それ全部やってるよ♡」
死んだ目からのサムズアップでキメ。
一夏…見事にビンゴしてるよ……。
「身内がすみませんでした」
「ダイジョーブダヨ。ワタシハキニシテナイカラ」
「緒理香の目がハイライトオフになってるっ!?」
え? そう? あはは……はぁ……。
「一応、私達も気に掛けているんだがな……」
「あたしたちじゃ千冬さんを完全に食い止めるのは不可能だしね……」
「千冬姉…頼むからさ…良い大人なんだからさ…マジで節度を持ってくれよ…」
分かる。その気持ちは超分かる。
いい加減にしないと、その内に山田先生の胃に穴が開くかもしれない。
その時は私が傍で看病してあげよう。
「持ってきたぞー」
ここで弾が帰ってきた…けど、その隣に同じ赤い髪の女の子がいた。
「さっき捕まっちまった……」
「蘭じゃない。あんたも久し振りね」
「お久し振りです。鈴さん」
弾の隣にいる子は、彼の妹の『五反田蘭』といって、今はなんとかって言うお嬢様学校に通ってるんだっけ。
「緒理香さんも本当にお久し振りです! あぁ…いつ見ても超可愛い…♡」
「ひ…久し振り…だね、蘭ちゃん……」
そうなんです。この子も千冬さんに負けず劣らずのロリコンなんです。
最初に会った時から、ずっとこの調子なんだよね……。
まぁ……賑やかで楽しいからいいけどね。
やっと登場の織斑一夏。
ここまで影の薄い一夏がこれまでにいただろうか。
けど仕方がない。だって、この世界の彼はISを動かしてないから。
その時点でモブキャラに降格は確定なんですよね。
その代り、数々のトラブルとは無縁の生活になってますけど。