自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件   作:とんこつラーメン

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今回、とある親子がいい意味でキャラ崩壊します。

もしかしたら、読者の皆さんにも共感する人達がいるかも?

因みに、私は非常に共感できる人です。






量産機は最高だぜ!

 フランス パリ デュノア社ビル 社長室

 

 豪華な絨毯が敷かれているその部屋に、一組の男女がいた。

 一人は腰の後ろ辺りで手を組みながら窓の外を眺めている中年男性。

 もう一人は、ブロンドの髪が眩しい少女だった。

 

「シャルロット……お前の役目は分かっているな?」

「はい。お父さん」

 

 シャルロットと呼ばれた少女の言葉から察するに、どうやらこの二人は親子の関係のようだ。

 

「もうすぐ、お前は日本にあるIS学園へと行くことになっている。そこでお前は……」

 

 ゆっくりと後ろを振り向き、鋭い眼で娘を睨み付け、そして……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「専用機TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!! と思っている連中に量産機の素晴らしさと強さを骨の髄まで思い知らせてやれ!!」

「任せておいて! 父さん!! 僕の手で必ず、量産機の素晴らしさを世界中に知らしめてくるよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シリアスな空気が一瞬で消し炭になった。

 さっきまでの茶番は一体何だったのか。

 

「真昼間から娘を会社に呼び出して、一体何をやってるのよアナタは…」

 

 呆れながら割り込んできたのは、社長夫人でありシャルロットの義理の母でもある『ロゼンダ・デュノア』。

 シャルロットの母親とは無二の親友同士で、彼女が病に倒れた後もシャルロットの事を実の娘のように可愛がり、面倒を見てきた経緯がある。

 

「改めての決意表明だ! こういうのは雰囲気が大事だからな!」

「だからって、わざわざ社長室でやること?」

 

 夫の性格についてはよ~く把握しているつもりだが、だからと言ってそれを許容できるかどうかはまた別問題だ。

 彼の量産機に対する情熱は凄まじく、その情熱のお蔭で、デュノア社はISの量産機シェア世界第三位というところまで上り詰めたのだ。

 しかも、本人は上の段階である第三世代機なんて作る気は全く無く、あくまで第二世代の量産機でとことんまで勝負する気満々なのだ。

 本来ならば無謀と一笑に伏されるところだが、なんでか上手くいっているので始末が悪い。

 

「いい、シャルロット。貴女が本当にやるべき事は、フランスの代表候補生としてIS学園で研鑽を積む事と、デュノア社製の試作武器の数々をテストしたりする事なのよ?」

「分かってるよ義母さん! ちゃんと、量産機の魅力を伝えるついでにやっておくから安心してて!」

「ちょっとぉっ!? なんか順番が逆になってるから!? 最初に言った方が本来の主目的なのよっ!?」

 

 この父にして、この娘あり。

 夫の量産機好きは、見事に娘にまで遺伝してしまったようだ。

 

「そうだ。出来ればで構わないから、日本製第二世代型量産機である『打鉄』の写真を撮ってきてくれないか?」

「任せておいてよ! 最高のアングルと最高の画質で撮影してくるから!」

「頼りにしてるぞ! 我が娘よ!」

「うん!」

「もうイヤ……誰でもいいから、この二人をどうにかして……」

 

 今日も今日とて、量産機大好き親子はテンションを上げて、それを見て妻の胃がキリキリと痛み出すのであった。

 

 

 

 

 

 

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 ドイツ国内 某基地内 隊員寮

 

 その一室にて、銀色の綺麗な髪を持つ少女が、一人でいそいそと外行きの準備をしていた。

 

「ふむ……服などが少ない分、他に色々と詰められそうだな。念には念を入れて、色々と持っていっておくか……」

 

 目の前に置かれた旅行鞄の中には、僅か数着しかない軍服や下着に加え、軍の教本のような物が数冊、他には絶対に空港で没収されるだろと思われる銃器が多数。

 

「これから行く日本は未知の国だからな。どれだけ治安がいいとしても、万が一ということは十分に有り得る。戦いとは、準備の段階から始まっているものなのだ」

 

 用心深いのはいい事だが、それでも限度がある。

 銃刀法違反で捕まらない事を祈ってあげよう。

 

「日本……か」

 

 準備をしている手を止め、胸ポケットの中に入れてある写真を撮り出す。

 そこには、彼女の他に色々な女性が並んで立って写っている。

 その中央には、どこかで見たことがあるような日本人女性が。

 

「織斑教官の生まれ故郷の国……どんな所なのだろうな……」

 

 未だ知らない国ではあるが、自分が尊敬してやまない人物の故郷というわけで、言葉に出来ないワクワクが生まれてくる。

 

「そして、教官が嬉しそうに話していた『ライムチ・オリカ』なる者……私はそいつが教官の隣に立つに相応しいか、この目で見極めなければいけない」

 

 拳をグッと握りしめて決意を形にする。

 遠い空の向こうで憧れの人と、その人が敬愛する人間が待っている。

 

「もしも、奴が教官の伴侶に相応しくない人間だった場合は、私がこの手で…!」

 

 いつも腰に着けているホルダーからコンバット・ナイフを取り出し、その磨かれた刀身に自分の顔を映す。

 そこには、眼帯を付けた自分の顔があった。

 

「ん? なんだ?」

 

 ここで彼女の携帯が震え、着信を知らせてきた。

 何事かと思い電話に出ると、そこからは彼女の部下の声が聞こえてきた。

 

『ボーデヴィッヒ隊長。今、よろしいですか?』

「クラリッサか。私ならば問題無い。なんだ?」

『司令官が隊長に話したいことがあると、先程からお呼びです』

「了解した。司令官にはすぐに向かうと伝えておいてくれ」

『分かりました』

 

 通話を切り、携帯をポケットに仕舞ってから立ち上がる。

 ずっと座っていたので体が硬くなっていたのか、無意識の内に体を伸ばしていた。

 

「んん~…! さて、行くとするか。余り司令官をお待たせする訳にはいかないからな」

 

 少女は自室のドアから外に出て、司令室へと向かう事に。

 果たして、彼女の未来には何が待ち受けているのだろうか。

 

 

 

 

 

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・・・・

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・・

 

 

 

 

 

 IS学園の食堂で、箒や鈴やセシリア、本音や簪たちと一緒に夕食を食べていると、いきなり背中に言い知れない悪寒が走った。

 

「な…なに…?」

 

 なんだろう……猛烈に嫌な予感がしてきた気がする……。

 これは、千冬さんが興奮して襲ってくる前によく似ている。

 

「おりりん、どうかしたの?」

「う…ううん。なんでもないよ、本音」

 

 そうさ、きっと気のせいに違いないよ。

 確かに、今までに色んな事が起きたけど、これから先も同じような事が起きる訳が……。

 

「あ」

「今度はどうした? まるで、何か重要な事を思い出したかのような顔をしているぞ?」

「そ…そうかな…あはは……」

 

 お…緒理香ちゃん…一生の不覚パート2…!

 例の無人機騒動が終わったら、今度はフランスとドイツから『あの子達』がやって来る番じゃないか~!!

 あれから、すっかり穏やかな生活に逆戻りしてたから、完全に忘却の彼方に行ってたわ……。

 

(でも…この世界じゃ一夏がISを動かしてないから、スパイをする動機が全く無いんだよね……もしかして、原作改変されて、このまま来なかったりとか? それも十分に有り得るかも……)

 

 それならそれで一向に構わないんだけどね。

 非情かと思われるかもしれないけど、全く見知らぬ家族の事情にまで首を突っ込むほど、私はお人好しじゃないからね。

 

(ドイツの方はどうなるんだろう? やっぱ、出会い頭にビンタとかされちゃうのかな? だとしたらヤダな~。私、盛大にぶっ飛ぶ自信があるよ~)

 

 別に私は誘拐なんてされてないし、ビンタされる理由は無い筈…だよね?

 ドイツで千冬さんが余計な事を言っていない事を祈るだけだ。

 けど、あの人の事だから、絶対に碌な事を言ってないんだよな~…。

 

「今度は顔色が悪くなりましたわ。緒理香さん、どこか具合でも悪いのですか?」

「そんな事は無いよ? ただ、ちょっと季節の変わり目でキツいだけ」

「成る程。確かに、日本はもうすぐ暑い季節に入りますものね。体温調節は重要ですわ」

 

 なんとか誤魔化せた……。

 セシリアの心配は嬉しいし、言ってることも大事なんだけどね。

 

(けど…これで遂に第一期のヒロインが全員集合しちゃうのか~…。賑やかになるのか、それとも今まで以上にカオスな事になるのか)

 

 最初の段階から非常に大きな原作解離が起きてるから、先の事が全く予測できない。

 現時点で、私が持っている原作知識は微塵も役に立たないと思っておいた方が良いだろうね。

 

「あぁ~…デザートは何にしようかにゃ~…」

「もうデザートの事を考えてるの?」

「うふふ……。緒理香さんは小さな体に似合わず、沢山食べますからね」

「成長期なんだよ~」

 

 食べた分の栄養がどこに行くのかは本気で謎なんだけど。

 どうして私の体は全く成長しないのかしら……。

 

「私的にはモナカがオススメ。緑茶との組み合わせは最強の一言」

「え~? やっぱり、チョコレートパフェだよ~」

「何を言う。食後のデザートと言えば、矢張りバニラアイスだろう」

「いいえ。ここはレーズンパイなどが良いかと。紅茶と一緒に食べれば最高ですわ」

「アタシ的にはプリンがいいけどね~」

 

 モナカにパフェにアイスにパイにプリンか~…。

 どれも甲乙つけがたい…!

 女の子として、これは本気で迷いますな……。

 

「いっそのこと…全部食べるか…?」

「「「「「え?」」」」」

 

 いや、流石にそれはないか。

 そんなに食べたら、私のお腹がパンクしちゃうわ。

 

 結局、この日のデザートはバニラアイスを食べましたとさ。

 

 

 

 

 

・・・・・

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「ふ~ん…」

 

 暗闇の中で、モニターの出す光だけを浴びながら、束は静かに笑みを浮かべる。

 

「ドイツも随分とクソな連中がいたもんだね。これもある意味の『予定調和(・・・・)』か」

 

 後頭部で手を組んで、楽しそうにする束の後ろで、クロエがジト目で立っていた。

 

「ま~た何を企んでいるのやら」

「人聞きが悪いよ~クーちゃ~ん。私自身は何処までも『傍観者』に過ぎないってば~」

「束様の場合は、傍観者と言うよりはストーカーと呼称した方が良いのでは?」

「酷っ!?」

「緒理香さんのプライベートを覗きまくって何を言っているのやら」

「クーちゃんだって一緒になって覗いてたじゃん」

「私はいいんです。私は」

「なんでっ!?」

「私だからです」

「うぅ…クーちゃんが反抗期になった……」

「反抗期じゃありません。緒理香さんが大好きなだけです」

「おーちゃんが好きなのは私もなんだけどな~…」

 

 こうして、二人は今日も緒理香の事を観察し続けましたとさ。

 

 

 

 

 




今回は繋ぎの話。

次回から本格的に原作二巻に突入します。
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