自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件 作:とんこつラーメン
片方はスパイをする理由が根本から消滅しているので、最初から女の子としてやって来ますが。
果たして、彼女達は緒理香を見て、どんな反応をするのか?
「ふにゃぁ~……」
欠伸を噛み殺しながら、私は毎度御馴染みの面々と一緒に教室へを向かっている。
別に睡眠不足って訳じゃない。
誰だって、朝は欠伸が出るもんでしょ?
(朝から緒理香が可愛くて今日も元気100倍だな!)
(本当に緒理香さんは天使ですわ……♡)
(にゃって言った。おりりんがにゃって言ったよぉ~♡)
もう完全に慣れたけどさ、一緒に歩いている三人から変な目で見られてない?
因みに、違うクラスである鈴と簪はもう自分達のクラスの教室に入っている。
「やっぱり、私はハヅキ社のがいいかなぁ~」
「マジ? あそこのってなんかデザインだけって気がするんだけど」
「それがいいんじゃない!」
「でも~、私的にはミューレイの方が良い気がするんだよね~。性能的な意味で。特にスムーズモデルなら文句なし」
「あそこね~。確かに性能はいいけど、その代わりにメッチャ高いじゃん」
「それを言っちゃおしまいよ……」
なんだ? 今日は妙に教室が盛り上がってるけど、何の話をしてるのかしらん?
ハヅキとかミューレイとか言ってるけど、何の呪文?
「なにやら、カタログ片手に何かを話しているな」
「内容的に、どうやらISスーツの話をしているようですけど……」
ISスーツとな。
これまたなんとも、人の黒歴史を抉るような事を話してるのね。
「あっ! おはよう皆!」
「「おはよ~」」
「おはよう」
「おはようございます」
私達が教室に入ってきたことに気が付いた一人が朝の挨拶をしてくる。
うんうん。これでこそ学生の朝って感じだよね。
「そういえば、莱鞭さんの着てるISスーツって、どこの会社の物なの? 見た目的には市販の物っぽいけど……」
「あぁ~…やっぱり、それを聞いちゃうのね……」
なんとなく『聞かれるんじゃないかな~』とは思ってたけど、かなりストレートに聞いてくるんだね……。
仕方がない。ここで下手に無視してクラスの空気を悪くするのもアレだし、ここはこの緒理香ちゃんが犠牲になってあげようじゃないの。
「話してもいいけど、これは聞くも涙、話すも涙、綴るも涙の大感動超大作だからね? 最低でもハンカチ三枚は必須だから」
「え? なにそれ……」
人の黒歴史を無遠慮に暴こうとするんだ。
それなら、それ相応の覚悟をして貰わないと。
そう簡単に、私のマウンテンサイクルは発掘できないんだじぇ?
「自分で言うのもアレだけど、私って皆と比べても体が小さいじゃない?」
「うん。小さくて可愛くて最高だよね」
「誰もそこまで言えとは言ってない」
一々の発言が大げさすぎなんじゃない?
そして、他の皆も堂々と頷かない。
「んで、デザイン自体は学園から支給されている物と一緒にして貰ったんだけど、問題はサイズだったんだ」
「確か、一番小さいのはSSサイズだったよね?」
「うん。山田先生も、私に合うようにって気を使ってくれて、SSサイズのISスーツを私にくれようとしたんだけど……」
あぁ……ヤヴァい(誤字に非ず)。
あの時の事を思い出すと涙が込み上げてくる。
「それでも……大きかったんだよね……」
「え?」
「一番小さい筈のSSでも、私にはブカブカだったの!」
「「「「「えぇぇ―――――――――――――っ!?」」」」」
驚くよね。無理ないよね。
だって、SSサイズって言えば、小学生3~4年生ぐらいの子が着るサイズだし。
それでも私の体に合わないなんて……最近の小学生はとても大きいんだね……。
「だから、私の為だけに特別に、もうワンサイズ小さいSSSサイズのISスーツをメーカーさんに作って貰ったんだ……」
もうさ…なによSSSサイズって……。
そんなの、スパロボでも見た事無いよ。
人間がユニットになってもSSサイズ扱いなのに、私ってばそれ以下なの?
どんだけ小さいの? ありんこ? ノミ? ミジンコかな? ははは……(泣)
「えっと……ごめん」
「気にしないで……もう過ぎた話だから……」
そうだよ。どれだけ辛くても、過去なんてのは乗り越えてナンボなんだから。
「うぅぅ……緒理香……私達が知らない所で、そんな悲劇を体験していたとは……」
「この話を基にハリウッドで実写化すれば…大ヒットは間違いないですわ……」
「興行収入第一位は確実だね……」
んで、其処の三人は何を言ってんの?
箒はともかく、後の二人はもう何にも関係ない話をしてるよね?
「あ…あの~……皆さ~ん…?」
あれ? いつの間にか山田先生が近くまで来てた。
もしかして、原作通りにISスーツの説明でもしてたのかな?
だとしたら、なんだか悪い事をしちゃったかも。
めっちゃ涙目になってるし。
「私の話~…聞いてましたぁ~…?」
ごめんなさい。多分、誰も聞いてませんでした。
後で詫びとして、山田先生の抱き枕になってあげよう。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
その後、なんやかんやあって山田先生は泣き止んで、その直後に千冬さんが教室にやって来た。
ここまではいいんだよな~…ここまでは。
問題は、この先なんだよね。
「諸君。おはよう」
「「「「おはようございます」」」」
最初の挨拶は問題無し…と思いきや、話ながらしれっと私の頭を撫でとりますがな。
「うむ。今日も緒理香の髪はサラサラとして触り心地最高だな。そして……」
私の頭を触った手を嗅ごうとしない。っていうか嗅ぐな。止めれ。
「いい香りだ。今日も健康そのものだな」
なんで髪の匂いで私の健康状態が分かるんだよッ!?
冗談抜きでめっちゃ怖いわ!!
ほら~! 山田先生が青い顔をして後ずさりしてるし~!
「こほん。あ~…本日から、本格的な実戦訓練を始めていく。学園に配備してある訓練機ではあるが、お前達にとっては初めてのISを使った授業になるので各々、今まで以上に気を引き締めて取り組むように」
そうだよね。
離れた場所から見ていると分り難いけど、ISは想像以上に危険だから。
扱い方を間違えれば大怪我だけじゃ済まないし。
ここは、専用機を持っている私達が良いお手本にならなくちゃね。
「予め注文をしておいたISスーツが届くまでは、基本的に学園指定のISスーツを使用して貰うので決して忘れないように。万が一にでも忘れてしまった者は……そうだな。学校指定の水着で授業を受けて貰うか。それすらも忘れてしまった阿呆は下着で受けて貰う」
う~わ~。厳し~(棒読み)
ま、私達の場合は忘れる心配自体ないんだけどね。
だって、外での授業の時は下からISスーツを着るように心掛けているから。
その気になれば、スーツ自体をISに収納して、展開と同時に着用する事も出来るし。
「と言う訳だ。緒理香は明日から普通に忘れてもいいぞ。緒理香のスク水姿も、下着姿も私は大歓迎だ! 寧ろ、ISスーツなんて着ないで下着で授業を受けてくれ! というか見せてくれ! 出来れば二人っきりの時に!」
「絶対に嫌ですよ!!」
一瞬で前言撤回しないでください!!
なに皆の前で暴走してるかな~!
つーか、アンタは前に私の裸を見てるだろうが!!
「あの~…織斑先生? そうその辺で~…」
「そうだな。緒理香の可愛さを語るのはまた別の機会にして…山田先生。ホームルームをお願いします」
もしも山田先生が止めなきゃ、延々と語り続けてただろうな……。
「えっとですね。いきなりでアレなんですけど…今日は皆さんに転校生を紹介します。しかも二人……」
「「「「「えぇ~~~~~~~~~~~~っ!?」」」」」
いきなりの衝撃発言に皆は驚いてるけど、発言をした山田先生は凄く疲れた御様子。
多分、『あの二人』が転校してきたことで、また一気に仕事が増えたんだろうな……。
「はぁ……どうして一組に二人も来るのかな……。普通は分散とかさせるんじゃ……」
山田先生が非常に当たり前な事を呟く。
教壇の目の前に私の机があるから、完全に丸聞こえだ。
だけど、それに関しては気にしたら負けですよ。
「それじゃあ…入ってきてください」
「「はい」」
教室の扉が開き、すご~く見覚えのある二人組が入ってきた。
金髪と銀髪。
教室の喧騒は一気に止んで、シーンとなった。
その内の片方…金髪の姿を見て、私は内心『やっぱりか』と思った。
だって、普通に女の子の制服を着てるから。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「初めまして。フランスの方から来た代表候補生の『シャルロット・デュノア』といいます。これから、よろしくお願いします」
まずはシャルロットから挨拶をする。
原作でもそうだったけど、礼儀正しい女の子だから、性別を偽ってなくても皆には好かれそうだ。
現に、クラスの皆から拍手をされているし。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。ドイツから来た代表候補生だ。コンゴトモヨロシク」
えぇっ!? あのラウラが普通に挨拶をしてるっ!?
原作じゃ、千冬さんに促されて初めて自己紹介してたのにっ!?
それと、最後の方に言ったフレーズ…どこかで聞いたことがあるような気がするのは私だけ?
「それじゃあ、お二人には空いた席に座って貰って……どうしました?」
「「…………」」
ん? なんか二人が私に注目してる? なんで?
「な…なんで…こんなに小さい子がここに? 飛び級?」
「違うからね。確かに見た目は小さいけど、私は立派な高校一年生。年齢も君と一緒だよ」
「そうなのっ!?」
分かっていたけど、やっぱり初見さんには私って小学生にしか見えないのかな……。
早く大人になりた~い!
「ご…ごめんね。けど……可愛い…♡」
……もう何も言わないよ。
好きなだけ悶絶していればいいさ。
私もなんか疲れてきたし。
「けど…こんなに可愛い子なら……」
んん~? 急に黙って真剣な顔で考え事をし始めましたよ?
(可愛い美幼女=マスコットガールに最適=量産機に乗って貰って魅力倍増=皆が量産機の魅力に取り憑かれる=完全勝利!!)
おかしいな~? シャルロットからカシャカシャカシャーンって計算するような音が聞こえたぞ~? なんだろな~?
「君!!」
「ひゃ…ひゃいっ!?」
「これをあげる!!」
大声を挙げながら手渡されたのは、デュノア社の商品カタログ。
これを貰って私にどうしろと?
「君の魅力を爆上げする商品がギッシリ詰まってるから是非とも買ってね! 今後ともデュノア社をよろしく!!」
「う…うん?」
シャ…シャルロットって、こんなにも商魂逞しい女の子だったかしらん?
ヒロイン達の中では比較的ノーマルな女の子だった印象しかないんだけど……。
「大丈夫! 本社の方はフランスにあるけど、日本にも幾つか支社があるから、商品はすぐに届くと思うよ!」
「さ…さいですか……」
言ってることが完全に深夜の通販番組の司会者になってるよ……。
デュノア社って通販もやってるの?
「ふっ……早くも転校生を、その可愛さの虜にしてしまったか。流石は私の嫁である緒理香……流石だな」
そこの担任は、少しは彼女の事を止めようとはしないんですかね。
またもや山田先生がオロオロしちゃってるし。
なんかもう、今回は全くいいところがないじゃない。
「緒理香…? もしや、貴様が『莱鞭緒理香』か?」
「そ…そうだけど?」
今度はラウラですか……。
まさか、原作みたいにバチコ~ン! ってされるんじゃ……。
歯を食い縛って耐えてやる! どんとこい超常現象!!
「お前が教官の……」
まだか? まだなのか? 覚悟はいいか? 私は出来てる!
覚悟とは! 暗闇の荒野に進むべき道を切り開くことだ!(混乱)
「……………」
あ…あの……なんでさっきから、私の顔をめっちゃ凝視してるの?
ビンタしないの? 気持ちの良い一撃をお見舞いしないの?
「ふみゅっ!?」
なんか突然、ラウラにほっぺたプニプニされてるんですけどッ!?
ビンタちゃうんかいっ!?
「これはまたなんとも……」
「みゅ~……」
全く痛みは無くて、それどころかちょっと気持ちがいい。
けど、どうして私はラウラにほっぺを揉まれてるんだろう?
「あにょ……」
「はっ!? す…すまない。柔らかそうだと思っていたら、無意識の内に手が動いて……」
なんじゃそりゃ。
割と本気で意味不明だわ。
この子もこの子でキャラがぶっ壊れてるなぁ~。
天然具合が倍増してない?
「そ…そうだ! 莱鞭緒理香!」
「は…はい?」
「えっと…その……貴様は…教官の…だから……んと……」
言ってることが支離滅裂ですよ。
ちゃんと整理してから言おうね。
「ま…負けんからな!」
「へ?」
言うだけ言ってから、ラウラは自分の席へと向かっていった。
顔がメッチャ赤くなってたけど。
「では、これでHRを終了する」
「「「「「今までのやり取りを全部スルーっ!?」」」」」
千冬さん、絶対に収集するのが面倒くさくなって、強制的に終わらせようとしたな。
気持ちは分かるけど、何か一言ぐらい言おうよ……。
「各々はすぐに着替えてから第二グラウンドに集合するように。今日は二組との合同授業を行う事になる。以上!」
本当に終わりやがった……。
なんか、今まで以上にカオスが増したような気がする……。
胃薬…また保健室に貰いに行こうかな……。
シャルロットは完全崩壊し、ラウラも地味に緒理香の魅力に憑りつかれつつある?
緒理香の明日はどっち~?