自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件 作:とんこつラーメン
モテモテだけど苦労人。
はて、こんなキャラがどこかにいたような?
はい。千冬さんの脅しという名の強迫から始まりました。
授業前のデモンストレーションとして鈴&セシリアVS山田先生の変則マッチ。
青い顔をしながら上空に昇っていった二人だけど、本当に大丈夫かな……。
「この勝負…絶対に負けられないわよ! 分かってるわねセシリア!」
「当たり前ですわ! あんな顔をされながら言われたら、悪魔だって裸足で逃げ出しますわ!」
自分達を鼓舞する為に言ってるんだろうけど、完全に聞こえてますからね~。
「それじゃあ、行きますよ! 二人とも!」
「「どんとこい!!」」
大凡、女子高生が言うセリフじゃないよね……。
「では、あいつ等が試合をしている間に、誰かにラファールの説明でもして貰おうか。えっと……」
千冬さんが周囲をキョロキョロと見渡しながら、誰にしようかと模索していると、そこにめっちゃキラキラした視線を送るシャルロットが。
あれは私でも分かっちゃうよ。
『是非とも、僕に説明をさせてください!!』って目で訴えてる。
千冬さんもそれを一瞬で察したのか、すぐに彼女から目を逸らした。
「では…そうだな。緒理香、頼めるか?」
「いいですよ~」
「え――――――――――――――っ!?」
何が『えー』か。何が。
原作ならばいざ知らず、私の目の前にいる彼女に説明を任せたら、それだけで授業が終了するのは目に見えている。
ほら、周りの皆も『よく言った!』って顔をしてるし。
「莱鞭さん」
「ふえ?」
なんて説明しようか考えていると、いきなり横からシャルロットが参考書顔負けのめっちゃ分厚い本を持ってきた。
「……なにこれ?」
「台本だよ。この中にラファールに関する全てが記載されているから、思う存分に参考にしてね!」
「あ…ありがと……」
なんか断れそうにないから仕方なく受取ると、持った瞬間に体が地面に沈むような感覚が襲ってきた。
つーか重っ!? 重すぎぃぃぃっ!? これ本当に本なんですかッ!?
明らかに参考書の数倍の重さはあるんですけどッ!?
「緒理香に何を持たせている。このバカ者が」
「うぎゃっ!?」
はい、シャルロットさんに天下無敵の出席簿が振り下ろされました~。
これも通過儀礼だと思って諦めて頂戴な。
「緒理香。これは私が預かっておこう」
「ありがとうございます……」
私の手から千冬さんに本が渡り、軽々と片手で持ち上げてみせた。
やっぱり、千冬さんって力持ちなんだなぁ~。
「……なんだこれは。本の形をしたダンベルか?」
やっぱ、そんな感想が出るよね。うん、超分かる。
「では、改めて頼む」
「は~い」
ここから、私は空の上で必死に戦っている三人を見上げながらラファール・リヴァイヴの説明をすることに。
え? どんな説明をしたかだって? 原作と殆ど同じだよ。
そんなに知りたかったら、自分で調べなさい!
緒理香ちゃんとの約束だぞ!
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
私がラファールの説明をし終えても、まだ三人の試合は続いていた。
「セシリア! 一気に突っ込むから援護頼むわよ!」
「了解ですわ! 背中は任せてくださいまし!」
うん。原作みたいに喧嘩しながら…って感じじゃないみたい。
即席の割には、かなりいい動きをしている。
流石に阿吽の呼吸とは言い難いけど、ちゃんと逐一、声を掛け合って動きを確認し合っているから、少なくともお互いにぶつかってって事は無いみたい。
でも、今回ばかりは相手が悪かったと言わざる負えなかったみたいで……。
「やりますね…流石は現役の代表候補生です! でも!」
鈴の突貫&セシリアのビット攻撃を、両手に持ったアサルトライフルの一斉掃射でまさかの完封。
仮に接近戦に持ち込まれても、即座にハンドガンに持ち替えて応戦してるし。
「あ」
セシリアのビットが山田先生のショットガンに全部撃墜されちった。
「そこです!!」
「グ…グレネードランチャーっ!? きゃぁぁぁっ!?」
「セシリアッ!? ……げ」
一瞬の隙を突かれたセシリアが、山田先生の撃ったグレネードランチャーの餌食になって脱落。
それに動揺して、思わず鈴が後ろを振り向いた瞬間に、後頭部にアサルトライフルの銃口を突き付けられた。
「はい。チェックメイトです♡」
「ま…参りまじだ……(泣)」
握っていた双天牙月を収納し、両手を挙げての降参のポーズ。
結局、勝ったのは山田先生でしたとさ。
(あの二人のコンビは見事に1+1を10にも20にも底上げしたけど、地の力が100以上もある山田先生の前じゃ勝ち目は無かったか……)
実際、二人揃って山田先生には一度も攻撃を当てられてないからね。
こりゃ、マジで凄すぎだわ。
いや~…惚れ直すってのはこういう事を言うんだろうね。
「うぅぅ……緒理香にカッコ悪い所を見せちゃった……」
「情けないですわ……」
「あはは……」
完全に意気消沈して降りてきた代表候補生コンビと、勝者であるにも拘らず素直に喜べずに苦笑いを浮かべている山田先生。
もっと誇ってもいいと思うんですけど?
「これが学園教員の実力だ。これからは、もっと敬意を持って接するように」
本当はそれが言いたかったんだろうけど、皆は揃って『お前が言うな』って顔になってるからね? ちゃんと気が付いてる?
「それから、其処の二人……」
「「は…はい!」」
「今日の放課後を楽しみに待っていろ……!」
「「は…はい……」」
ご愁傷様としか言えない。
こればっかりは、私じゃどうしようもないからね。
それよりも……。
「山田先生……めちゃんこカッコ良かった……♡」
「ありがとうございます」
これからはもう、何か困ったことがあればすぐに山田先生に相談するようにしよう。
絶対にそうしよう。うん、もう決定。確定。
「ちっ!」
そこの担任教師。デカい舌打ちをしない。
「はぁ……まぁいい。これから先、幾らでも挽回のチャンスはあるのだからな」
一体どこから、その自信は出てくるんですか?
「あの二人も決して動きは悪くは無かったが、今回の場合はいかんせん相手が悪すぎたな。流石は教官が副官として認めただけはあるという事か。あの着地の時から、ある程度の実力はあると思ってはいたが、まさかあれ程とは……。私でも勝てるかどうか怪しいな……」
にゃんと。あの『他人を見下すマン』であるラウラは素直に山田先生の事を褒めているっ!?
明日は雨か、それとも嵐かっ!?
「では、これよりISを使用する形式の実習を始める。今いる専用機持ちは…オルコットに凰、デュノアにボーデヴィッヒ。それから緒理香の五人か……」
ですよね。やっぱ私も頭数に入ってますよね。
ちゃんと教えることが出来るかな~?
「ならば、それぞれ八人ずつのグループに分かれてから実習をすることにする。各グループのリーダーは専用機持ちが勤めること。分かったな? では、早速分かれろ」
原作じゃ、男の一夏がいた事でめっちゃグループが偏って大変な事になったんだよね。
けれど、今回はそんな事が無いから、ちゃんと均等に分かれてくれる筈。
「まぁ…仮にも代表候補生だしね。オルコットさんなら大丈夫だよね?」
「なんで疑問形なんですの?」
さっきの試合を見たからじゃない?
「凰さんなら平気かな? 緒理香ちゃんとの試合の時は凄かったし」
「そ…そう? まぁ、あたしと緒理香のコンビは最強って言うか……」
話逸れてますよ~。
「大丈夫! 僕がラファールの素晴らしさを徹底的に教えてあげるから!」
「う…うん…よろしく」
案の定、彼女の班の子達はドン引きしてます。
「少し厳しい言い方をするかもしれんが…隣よりはマシだろう」
「だよね……うん。私達もなんか、ボーデヴィッヒさんか、莱鞭さんの班が一番マシだと思えてきた……」
なんだろう……この凄く嬉しい違和感は。
まるで猛獣が懐いてくれたかのような嬉しさと同時に、一番の問題児だったラウラが一番マシになっているという違和感……。
そして、私の班はと言うと……。
「緒理香にはいつも勉強を教えて貰っているが、まさかISの事まで教わる日が来るとはな。今日はよろしく頼むぞ」
「おりりん。よろしくね~」
箒と本音はある意味で予想通り。
それ以外にも、ちゃんと私の班に来てくれた子がいたことが素直に嬉しい。
「緒理香!!」
「来たよ……」
想定していたと言いますか、やっぱり千冬さんが血相を変えて走ってきた。
「自分で言っておいてアレだが、本当に大丈夫かっ!? 困ったことがあれば、すぐにお姉ちゃんを呼ぶんだぞっ! いいな?」
「大丈夫ですよ。ちゃんと何かあれば(山田先生を)呼びますから。それと、誰がお姉ちゃんか」
しれっと私の事を妹認定しないでくださいな。
本当に油断も隙もあったもんじゃない……。
「そうだ! このルナ・チタニウム合金製の出席簿でも貸そうか? いざという時はこれを盾にして……」
「いや、何から身を守るんですか。っていうか、今なんて言いました? ルナ・チタニウム合金っ!?」
この出席簿って、そんな凄い素材で出来てたのっ!? マジでッ!?
よく原作の一夏は頭蓋骨陥没とかしなかったな……。
いや、それどころじゃすまされないか。下手しなくても普通に死んでるわ。
「うぅぅ……心配だ……」
「なんで今生の別れみたいな雰囲気を出してるんですか。すぐそこで全体を見てるでしょうが。目と鼻の先に普通にいるでしょうが」
「私にとっては、この距離は三千里にも等しい!!」
「別に私は千冬さんに会いに行くために旅なんてしませんからね」
というか、何もしなくても勝手に向こうから来そうな気がする。
「ほら、千冬さんがいたんじゃ何もできないじゃないですか。とっとと戻った戻った」
「分かった……」
渋々って感じで、千冬さんはこっちを見ながら手を振ってから去っていった。
数メートル先にいる山田先生の元まで。
普通にここからも見えてます。
「んじゃ……やろっか?」
「「「「「「「「うん……」」」」」」」」
なんか、凄く気まずい雰囲気になりながら実習を始める事に。
「え…えーっと…皆さん、いいですか~? これから予め持って来ている訓練機を一班につき一機ずつ取りに来て下さいね~。『リヴァイヴ』が二機で、『打鉄』が三機ですからね~。好きな方を皆で話し合って決めてくださ~い。早い者勝ちですよ~」
早い者勝ち…ね。
個人的には打鉄よりはリヴァイヴの方が良いんだよね。
理由? 普通にカッコいいし、性能もバランスが取れて好きだから。
「私はリヴァイヴがいいと思ってるけど、皆はどうする? 好きな方でいいよ」
「それならば、私は緒理香が決めた方でいいぞ」
「私もそれでいいよ~」
「え? ほ…他の皆は?」
「私達も!」
「緒理香ちゃんの決定に!」
「従います!」
「ぐへへ……間近で見る緒理香たんのISスーツ姿……超可愛くてセクシー…♡」
約一名を除いて、意見が一致しているようでなにより。
それから、こんな幼女体型の奴をそんな目で見ている同性は、それだけで普通にドン引きです。
「じゃあ、リヴァイヴで決定って事で。取って来るね~」
トコトコと小走りで山田先生と千冬さんがいる場所に行ってから、話し合った結果を報告した。
「…てなわけで、私達の班はリヴァイヴでお願いします」
「分かりました。リヴァイヴはあと一機しか無かったのでギリギリでしたね」
「それって、もしかして……」
「はい……デュノアさんの班が即座に取りに来ました……」
「だと思った……」
彼女の事だから、微塵も迷う事も無く取りに来たんだろうな……。
試しにチラっと見てみると、すっごい鼻息を荒くしながらリヴァイヴの事を延々と語っていた。
……あれは変に関わらない方が賢明だな。
「けど、大丈夫ですか? 一応、移動式のハンガーに乗せているので持っていくこと自体は問題無いと思いますけど……」
「前に個人的に知り合った先輩に、この手の操作方法は教えて貰ってるから問題無いです」
「そうだったんですね。では、ハンガーのロックを解除して……あれ?」
「へ?」
リ…リヴァイヴがハンガーごと消えている? ど…どこにいった?
「お…織斑先生ッ!?」
また千冬さんかっ!?
山田先生が指さす方向を急いでみると、そこにはリヴァイヴを両手で持ち上げて全力疾走している千冬さんの姿が。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!! こんな危ない物を私の愛する緒理香に持たせられるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」」
もう発言に関してはツッコまないけど、どんだけ怪力なんですかあなたはっ!?
なんかもう驚いてる間に皆が待ってる場所まで到着しちゃって、ドンッ! ってISを置いた瞬間に軽く地響きが鳴ってるしッ!?
ついでに言うと、皆揃ってほんのちょっとだけ宙に浮いたよねっ!?
「ふん!」
んで、なんで『やったぜ!』的な感じのドヤ顔をしながら、こっちに向かってサムズアップしてるんですかね?
いやもうさ……本気で自重しようよ……。
運んでくれたのは普通に有り難いけど、もう少し静かに出来なかったの?
なんだか急にどっと疲れてきたよ……はぁぁ……。
今日も今日とて千冬さんは暴走してます。
クールなキャラほど、キャラ崩壊させた時が面白いですよね。
そして、ラウラは本当にいい子ちゃんに。
シャルロットは……ノーコメントで。