自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件   作:とんこつラーメン

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12月は更新できなかったので、今年は頑張っていきたい所存。

無理せず、のんびりまったり行きましょうか。













初めて教師って職業を尊敬しました

 本格的に実習が始まる前に凄く疲れたけど、とっととウチの班も始めないとね。

 千冬さんのお蔭で少しだけ時間も短縮できたし、なんとか間に合うでしょ。

 

「えっと…それじゃ、出席番号の順にISの装着から起動までをして、それから歩行…でいいんだよね?」

「うむ。まずはそれぐらいでいいだろう。では、非常に残念だが私は戻らなくてはいけない。緒理香、何か困ったことがあればいつでも言うと良い。光の速さで駆けつけてやる」

「さいですか」

 

 リヴァイヴを運んでくれた千冬さんは、なんだかいい汗を掻いたって感じの顔で山田先生の元まで戻っていった。

 しれっと去り際に私の頭を撫でる事も忘れずに。

 

「…担任のお墨付きも貰ったし、さっき言った感じでやろうか。となると、一番最初は……」

「はいはいーい! 出席番号順なら最初は私だよ!」

「えっと…相川さん…だったよね?」

「そう! っていうか、ちゃんと私の名前を覚えててくれてたんだ! 普通に感激~!」

「クラスメイトだしね。それぐらいは……」

「緒理香ちゃん……めっちゃ良い子……!」

 

 えっと…名前を憶えてるだけで、其処まで感動するような場面かな?

 割と普通の事だと思うんだけど……。

 

「うんうん。緒理香ならば当然だな」

「おりりんだしね~」

 

 何が?

 

「あ…相川さんって授業とかでISに乗った事はあるよね?」

「一応ね。本当に数えるぐらいしか乗ってないけど」

「それでも十分だよ。一通りの手順は知ってるって事なんだから。じゃあ、目の時の事を思い出しながら装着と起動をやってみようか。ミスりそうになったら、ちゃんとアドバイスするから」

「緒理香ちゃんがそう言ってくれるなら百人力だよ! ありがとね!」

「どういたしまして」

「よ~し! やるぞ~!」

 

 気合が入るのは結構だけど、入れすぎて空回りしないようにね。

 あと、相川さんもしれっとリヴァイヴに乗る直後に私の頭を撫でて行きよりましたがな。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 私が特に何かを言う事も無く、相川さんは見事に装着と起動をこなし、歩行までやり遂げた。

 後は降りて、次の人にバトンタッチするだけ……だったんだけど……。

 

「あ……ヤバ。やっちった……」

「はにゃ~…」

 

 にゃんと、相川さんはリヴァイヴを立たせたまま操縦席からジャンプで飛び降りてしまったのだ。

 普段から訓練機に触れる機会が少ないからすっかり忘れてしまっていたけど、今回みたいに訓練機を使用する場合、装着を解除する際に必ずISを膝立ちに刺せないといけない。

 じゃないと、次に使う人がISに乗る事が出来ないから。

 

「こんな時は……」

 

 他の班の様子を見て、似たような状況に陥っていないか確かめてみる。

 もしかしたら、何か打開策を見つけられるかもしれないから。

 そうしてふと視界に入ったのは、シャルロット達の班だった。

 

「ほら見てよ! ここの関節部のアクチュエーターなんてかなりの衝撃にも耐えられるように設計されてるんだよッ!?  本当に凄いよね! どんな武装を使用しても問題無いようにされてるなんて…素晴らしい……」

「あの~…さっきから説明ばっかでちっとも進んでないんですけど…聞いてる?」

 

 ……あれは世界で一番の悪い例の一つだ。

 私は何も見ていない。私は何も見ていない。よし。

 

「莱鞭さん。どうしました?」

 

 ここで私の嫁であり救世主の山田先生の御光臨だ~!

 この人ならきっと来てくれると信じていました~!

 

「えっとですね、実は……」

 

 かくかくしかじか。かくかくうまうま。

 

「…という訳なんです。どうしたらいいんですかね?」

「成る程……初心者の子が良くやる失敗の一つですね。私も昔はよくしてました」

 

 にゃんですと。

 今の発言で一気に私の中で山田先生に対して親近感が湧いた。

 

「では、莱鞭さんがISを使って……」

「その必要はなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!」

「「「「「「えっ!?」」」」」」

 

 担任の叫び声が聞こえてきたと思って上を見上げると、そこには大きく右腕を振り上げて特大ジャンプをしている千冬さんの姿があった。

 

「お…織斑先生ッ!? 一体何をッ!?」

「こうするんだ!! チェストォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!

 

 ズガンッ!!!!!

 

 千冬さんの渾身の手刀がリヴァイヴに直撃し、そのパワーで機体は強制的に座らせられることに。

 ここで倒れたりしないのが普通に凄い。

 地味にどんだけのパワー調整をしてるんだよ。

 

「これでよし!」

「「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」」」」」」

 

 本当にそれでいいのか担任教師。

 

「偶には担任らしいこともせねばな! ふん!」

 

 自覚はあるんだ…というか、これは決して『担任らしいこと』じゃない気がする。

 完全にやってることがアメコミのヒーローのソレだし。

 

(今のは絶対に……)

(他の女の子とおりりんを接近させない為…だよねぇ……)

 

 なんか箒と本音が納得した顔で頷いてるし。

 今のどこに共感する部分があったの?

 

「お前達、次からは気を付けろよ。二度目は無いと思え。それから……」

 

 お? なんだ? 先生らしくお説教でもするのかな?

 

「私の愛する緒理香を困らせる事は、例え神が許してもこの私が絶対に許さん……!」

 

 この人、普通に自分の生徒を脅してるんですけど――――――――っ!?

 さっきのセシリアと鈴の時といい、本当に教師としての自覚があるのかっ!?

 

「山田先生、戻るぞ」

「は…はい……」

 

 あぁ~…千冬さんの後ろを歩く山田先生が猫背になってる…。

 普通に不憫な人だな……。

 

「じゃあ……続き…しようか?」

「「「「「うん……」」」」」

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 二番目の子も無事に終了し、三番目は箒になった。

 前回の失敗を活かして、ちゃんとしゃがんだ状態で降りてくれた。

 また千冬さんのジャンピングチョップが来るのは普通に怖いしね……。

 

「いつも放課後の訓練で打鉄は乗っているが、リヴァイヴの方は初めてだな……」

「防御重視の打鉄とは違って、リヴァイヴは超汎用型って感じだからね。特徴が無いのが特徴って言えばそれまでだけど」

「その分、他の機体よりも操縦者の技量が試されるISという事なんだろう。よし、では行くか」

 

 他の皆よりはIS操縦の経験があるお蔭で、箒はかなりスムーズに進んだ。

 あっという間に装着をしてから起動まで終わり、難なく歩き始めている。

 

「む? 気のせいか…リヴァイヴの方が打鉄よりも軽いような気が……」

「あっちはデフォで分厚い装甲を持ってるから重量があるんだよ。でも、リヴァイヴは装甲も標準値にしてあるし、固定装備とかも無いから……」

「成る程。装甲と装備の差か……」

 

 あっちゅうーまに箒も終了。

 この調子なら、すぐに全員が終わるね。

 

「四番目は誰?」

「私だよ~」

 

 お次は本音か。

 この子は整備士としての印象が強いから、あんましISに乗っている姿は想像出来ないな~。

 でも、整備をするって事は同時にISの構造とかも詳しく熟知してけなきゃいけない訳で。

 となると、思ってるよりは動けたりするのかな?

 

「アドバイスとかはいる?」

「だいじょーぶだよー。よいしょっと」

 

 言うが早いか、本音は軽々とリヴァイヴに乗り込んでちゃちゃっと装着と起動を同時にやってのけた。

 

「これでよし…と。んじゃ、歩くから少しどいててね~」

 

 流石に歩行スピードや歩く際の姿勢なんかは箒と比べて劣っているが、それでも十分過ぎるほどに上手だった。

 これにはウチの班の皆もお口あんぐり。

 

「えぇ~…本音ってこんなにも上手だったの~……」

「人は見かけによらなさすぎでしょ……」

「本音め…想像以上にやるな……」

 

 結局、一分と掛からずに本音は私達の所に戻ってきて、これまた慣れた感じで機体を座らせてから装着解除。

 いや…本気で見直したわ……うん。

 

「ちゃくち~。どうだった?」

「うん…見事だよ……」

「やった~! おりりん、ありがとね~!」

「わぷ」

 

 私は何にもしてないのに『ありがとう』はおかしくない?

 なんて言いたいけど、抱き着いてきた本音の胸に顔が圧迫されて何も言えない。

 く…くりゅしい……。

 

「ほ…本音だけズルいぞ! 私も緒理香をハグする!」

「私達も!」

「勿論するからね!」

 

 えぇぇぇぇっ!? ちょ…ちょっとぉっ!? 皆さ~んっ!?

 

「緒理香~!!」

「「緒理香ちゃ~ん!!」」

「うにゅ……」

 

 ワタシ…ツブレチャウ……ヘルプミー……。

 

「わ~っ!? ら…莱鞭さ~んっ!? 大丈夫ですか~っ!?」

「貴様ら~!! 私も混ぜんか~!!」

「織斑先生っ!?」

 

 あれ…? なんか星が光って見える……彗星かな…? 

 いや…違うよね…彗星はもっとバーって光るもんね……ははは…。

 それよりも、誰かここから私を出してくれませんかねぇ…?

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「もう! 皆さん揃って何をやってるんですか! 危うく莱鞭さんが窒息しそうになったんですよっ!?」

「「「「すみませんでした……」」」」

 

 あの後、皆はグラウンドに正座させられてからの山田先生のお説教を受けている。

 やっと息が吸える……生きてるって素晴らしい……。

 

「全くだぞ。緒理香に何かあったらどうする」

「織斑先生も反省してください!」

「だが断る!」

「断らないでください!!」

 

 この二人が真っ向から言い合ってるのも珍しいな…。

 というか、あそこまで堂々とされると、逆に千冬さんを凄いと思ってしまう不思議。

 

「全く…私は他の班を見てきますから、もうこんな事が無いようにお願いしますよ?」

「「「「は~い…」」」」

「織斑先生、行きますよ」

「いや、私はここに残って……」

「い・き・ま・す・よ?」

「あ…あぁ……分かった……」

 

 遂に山田先生が千冬さんを圧倒した(別の意味で)。

 普段から温厚な人が本気で怒ると怖いって都市伝説…本当だったんだなぁ~。

 

「緒理香…本当に済まなかった……」

「ごめんね~…おりりん~…」

「「ごめんなさい……」」

「だ…大丈夫だよ? 私はこの通りピンピンしてるし、皆に悪気が無かったのは知ってるし…ね?」

「緒理香……お前は女神か?」

 

 なんでやねん。

 普通に皆を許しただけじゃろがい。

 

「だが、このまま何も詫びないのは私自身が許せん。だから……」

 

 ん? 急に箒が顔を近づけてヒソヒソ声で話しかけてきたよ?

 

「お…屋上で一緒に昼食なんてどうだ? 緒理香の為に弁当を作ってあるんだが……」

「ほんと? うんうん、私なら全然いいよ!」

「そうか! それはよかった!」

 

 朝から何かキッチンでしてると思ったら、お弁当を作ってたんだ~。

 何気に箒って料理も出来るしね~。

 …あれ? もしかして箒って、口よりも手が出やすい性格さえ矯正すれば、割と理想の嫁なのでは?

 

 今からお昼の事を考えていた私だが、箒の背後に控えていた本音の目が怪しく光っていた事に全く気が付いていなかった。

 

(ちゃんと聞こえてたからね~…しのの~ん……)

 

 その後、他の班も全て終わったようで、後片付けをしてから午前の授業は終わった。

 帰る時に本音が専用機持ちの皆と話していたのが気になったけど…なんだろね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回も千冬暴走。

そして、別の意味で山田先生が覚醒。

次回は屋上で皆揃ってのお昼ご飯。

私の事だから、またお昼だけで一話使いそうな予感……。
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