自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件   作:とんこつラーメン

5 / 39
今年最後の更新!

今回は時事ネタは全く投入しませんでしたね。






あいえすのほうそくがみだれる!

 束のラボ。

 モニターの前で緒理香の様子を窺っていた束は、パリパリと煎餅を齧りながら静かに笑っていた。

 

「あ~…成る程ね~。おーちゃんは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 クロエは台所にて茶を淹れている為、この場にはいない。

 だからこそ、彼女は普段ならば決して言えない事を言える。

 

「おーちゃん。それは大きな『()()()』だよ。そもそもね、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()? だって……」

 

 椅子に体を預けながら、ゴクリと煎餅を飲み込む。

 

「『()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「は……へ?」

 

 一瞬、本気で思考が停止した。

 千冬さんの言っている事が分からなかった。

 

「別に女尊男卑を助長する訳ではないが、ISを動かせるのは女だけというのは揺るがせない事実だぞ?」

「そ…れは…そうだけど……」

 

 でも、一夏だけは『特別』なんでしょ?

 一夏は織斑計画の被験体の一人で、千冬さんの『弟』だからISを動かせて……え?

 

「といっても、それに近い事はしようとしたみたいだがな」

「え?」

「一夏は藍越学園を受験して、見事に合格はしたんだがな……」

「なんかあったんですか?」

「あいつめ、道に迷って受験会場を間違えたんだ。併設していたIS学園の試験会場に迷い込んで、そこに運び込まれていた受験用のISに興味本位で触れてしまったらしい」

「それじゃあ……」

「だが、当然のように動かせるわけも無く、そのままISの装甲に自分の指紋だけを残して係に見つかって、怒られながらも元の会場に戻っていったらしい」

「ウソ……」

 

 一夏は……ISを動かさなかったんじゃなくて、()()()()()()()……!?

 

「それにしても……」

「ん?」

 

 なんか千冬さんの様子がおかしい?

 顔を押えてフラフラしてるけど……。

 

「よもや……この期に及んで緒理香に『ドジっ子属性』が付加されようとは……! お前はどこまで私を萌えさせれば気が済むんだ……?」

「アナタは何を言ってるの……?」

 

 私と同じように、他の皆も本気で困惑してるんですけど。

 特に山田先生とかめっちゃオロオロしてますよ?

 

「兎に角、まずは自己紹介とかしたらどうですかね?」

「うむ…そうだな。緒理香にそう言われたら、しない訳にはいかないな」

 

 急にまたキリっ! とした表情に戻る千冬さんだけど、原作みたいにキャーキャー言われる事は無かった。

 多分、教室に入って開口一番にあんな事を言い出したんだから、高嶺の花的な存在じゃ無くなったんだろうね。

 それでも、過去の栄光とかの影響でまだ尊敬はされてるんだろうね。

 

 ここからは原作通りの展開になったけど、この教室中に大きな悲鳴があがる事は無く、なんとも大人しいものだった。

 念の為に密かに持ち込んだイヤホンを耳に着けて最大音量で声を誤魔化す作戦を考えていたけど、その必要は無かったみたいだね。

 

 入学初日から激しく疲れながら、最初のSHRは終了した。

 その内容は説明する必要はないよね?

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 一時間目の授業が終了し、皆はそれぞれに好きな場所で話し込んでいる。

 男子である一夏がいない為、物珍しさで一組の教室まで見に来る連中はいない筈……だったけど……。

 

「あの子が噂の幼女ちゃん?」

「可愛い~♡ まるでアニメから飛び出してきたような美幼女じゃな~い!」

「まるでお姫様みたい……」

 

 一体、どこから私の噂が流れたんですかね?

 ほんと、女子高生の情報収集能力ってハンパないわ。

 

 因みに、授業自体は難無く受けられたよ。

 伊達に束と長い間ずっと暮らしてた訳じゃないからね。

 これでも、アイツからISに関する知識は徹底的に叩き込まれてるんだよ。

 ぶっちゃけ、卒業までは割とマジで座学関連は余裕だと思う。

 

「はぁ……」

 

 今、なんとなく原作での一夏の気持ちが理解できた気がする……。

 この注目度は辛いわ……。

 もう二度と、私は一夏アンチなんてしないわ……。

 

「あ~…少しいいか?」

「ふぇ?」

 

 ストレスで胃をキリキリさせていると、私の机の前に一人の女子生徒が立っていた。

 それが誰なのかはもう分かっている。

 姉である束とは違う、僅かに吊り上った目と黒い髪のポニーテール。

 原作におけるメインヒロインとも言える『篠ノ之箒』だ。

 

「ひ…久し振りだね」

「そうだな……」

 

 それだけ。

 昔から口数が多い方じゃなかったけど、たったこんだけで会話が途切れてたっけ。

 

「ここでいいの?」

「何がだ?」

「いや…なんでもない」

 

 女同士だし、別に廊下とかじゃなくてもいいのか。

 

「全く変わってないんだな」

「まぁね……箒の方は……」

 

 私とは違って、見事なグラマラスボディに成長なさって……グスン。

 こんな所だけは姉妹そっくりになりやがって……。

 いいもんいいもん。私はいつか、ロリコンで金持ちな奴を捕まえて玉の輿に乗るんだもん。

 

「どうした?」

「にゃんでもにゃい……」

 

 こんなロリボディでこれからやっていけるのかな……私……。

 

「お…緒理香。久し振りに頭を撫でてもいいだろうか?」

「お好きにどーぞ」

「な…なら遠慮無く……」

「ふみゅ……」

 

 箒の手が優しく私の頭を撫でていく。

 心なしか、周りの皆がそれを羨ましそうに見ている気がする。

 

(相変わらず、可愛すぎるぞ緒理香……! 本気で姉さんに嫉妬してしまうぞ……! 私も緒理香と一緒に暮らせていれば、あるいは……)

 

 な…なんか急に背筋がゾクってしたのは気のせいか?

 まさかとは思うが、第二の千冬さんが誕生したりしないよね?

 

「ふぅ……堪能した……」

「何を?」

 

 詳しく聞きたいけど、怖いから聞けません。

 

「転校していってからも、箒は頑張ってたみたいだね」

「ま…まぁな」

「剣道の全国大会に優勝したの、知ってるよ。凄いじゃん」

「な…なんでそれを知って……」

「束の奴がめっちゃ嬉しそうに話してたし、その記事が書かれた新聞をスクラップしてた上に、ニュースが流れた時は速攻で録画してたから」

「姉さん……!」

 

 箒が凄く痛そうに頭を抱えて苦虫を噛んだような顔をしている。

 うんうん。気持ちは分かるよ。私やクロエも何度も似たような目に遭ってるからね。

 アイツ、私が小学校や中学を卒業した時にはバカみたいにお祝いするし。

 嬉しくは……あったんだけどね。

 

「お互いに苦労するな……」

「だね……」

 

 ほんと、妙な所で共感するよね…私達って……。

 これも束に関わった者の宿命なのかしら。

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 二時間目の授業もかなり余裕だった。

 教壇に立っている山田先生の言っていることは全部理解出来るし、ノートだってちゃんと書いている。

 当たり前だけど、私は参考書を電話帳と間違えて捨てたりとかはしてないよ?

 そもそも、捨てる暇とか無いし。

 

「ん?」

 

 授業中、なんだか横から変な視線を感じた私は、なんとなく視線の方に向く。

 すると、隣に座っていた女子が恥ずかしそうにしながら前を向いた。

 

(なんだ……?)

 

 特に気にする程でもないか。

 今は授業に集中集中!

 

(背伸びをしながらノートを書いてるの……すっごい可愛かった……♡)

 

 でも、なんだか座りにくいな~。

 もう少しでいいから椅子の高さを調整出来ないもんかしらん?

 

「莱鞭さん。大丈夫ですか?」

「授業なら全部分かってますけど?」

「いや、そうじゃなくてですね。なんだか座りにくそうにしてるように見えて……」

 

 あ、そっちね。

 山田先生はちゃんと私の事を見ててくれてるんだな~……♡

 私、本気で感動してます。

 

「確かに少しだけ辛いかもです」

「そうですか。よかったら、椅子の高さを調整しましょうか?」

「それは有難いですけど、今ここでですか?」

「はい。少しでも生徒に快適に授業を受けて貰えるようにするのも、先生の立派な仕事ですから」

 

 はい。私は山田先生と絶対に結婚します。

 もうこの人以外に有り得ません。

 

「それは、私に任せて貰おうかぁぁぁっ!!」

「織斑先生っ!?」

 

 教室の端で授業を見ていた千冬さんがいきなり駆け付けたっ!?

 なんでタイトスカート着てるのに、そんなにも機敏に動けるのっ!?

 

「ここをこうして……どうだ!」

「わっ……」

 

 あっという間に椅子の高さがいい感じになった。

 これなら凄く快適だけど……。

 

「えっと……ありがとうございます」

「礼には及ばんさ。緒理香の為ならば世界を敵に回しても構わん!」

「いや、別にそこまでしなくてもいいです」

 

 なんだか久しぶりに会ったら、千冬さんって束に似てきてないか?

 似た者同士の親友なんだろうか。

 

「あの……そろそろ授業の続きをしたいんですけど~…」

「おっと、そうだったな。私も後ろに下がってから、緒理香の勉強姿を目に焼き付けなければ」

 

 これから嫌でも毎日、見ることになるんだから、ここでんな事をしなくてもいいでしょうが。

 ほら、千冬さんを尊敬してたっぽい子達の目からハイライトが消えかけてるんですけど?

 

「そ…それでは授業の続きをしますね? もしも分からない事があったら、いつでもなんでも聞いてくださいね!」

 

 私の場合は、分からない事が無くても喜んで行きますよ。

 少しだけ、これからの生活が楽しみになってきたかも。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 二時間目も終わり、私はさっきと同じように箒と話していた。

 今度も箒の方からやって来てくれて、今回は普通に昔話などに華を咲かせていた。

 

「相変わらず、姉さんは家事の類は全くしないのか……」

「そうなんだよ~。だから、仕方なく私やクロエがやってるんだ~」

「ったく……自分が保護した子供に家事をさせるなんて……妹ながら情けない……」

「それは、今度会った時にでも本人に直接言ってやって」

「そうする。その時にはクロエの事も労ってやろう……」

 

 なんだか普通にクロエの話をしてるけど、実は束経由で箒とクロエは既に知り合ってたりする。

 苦労人気質な所が合ったのか、不思議と二人は仲がいい。

 勿論、千冬さんとクロエも知り合いだ。

 

 昔に戻ったような気分で話し込んでいると、またもや急に話しかけられた。

 今度は誰よ~? 言っとくけど、お世辞にもコミュ力が高い方じゃないんだからね?

 

「あの……少しよろしいでしょうか?」

「「ん?」」

 

 話しかけてきたのは、金髪ロールな女の子。

 たったこれだけだけど、もう分かるよね?

 ISヒロインの中でも最もチョロインと言われている、イギリス代表候補生のセシリア・オルコットだ。

 

「あぁ……やっぱり……こうして傍で見ると、なんて可愛らしいのでしょう……♡ まるで、美しい森の中にある静かな湖畔で舞い踊っている妖精のよう……♡」

「…………ハイ?」

 

 と…突然何を言い出すんだ、この子は?

 私の知っているセシリアの初期イメージとは全く異なるんだけど……。

 セシリアって、こんなキャラだったっけか……?

 

 

 

 

 

 

 

 




緒理香の更なる苦労人フラグが立ちました。

箒も似たような感じですが、千冬とかと比べると遥かにマイルドです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。