自分がツインテールの可愛い女の子だと妄想して日々の出来事を日記に書いていたら、転生して本当にツインテールの可愛い女の子になってしまった件   作:とんこつラーメン

7 / 39
新年に入っても、やってる事は変わりがありません。

今はFGOの種火周回をやりまくってます。

まずはGETした楊貴妃のレベルをMAXまで上げないと……。






胃薬とフレンズにだけにはなりたくない!

 入学最初の授業が終わり、私は精も根も尽き果てた状態で机に突っ伏していた。

 

「あぁ~…うぅ~……」

「だ…大丈夫か?」

「だいじょばないぃ~……」

 

 私の事を心配してくれたのか、箒が机の傍まで来てくれた。

 でも、今の私には顔を見上げるだけの力は残されてはいないのだよ……。

 

「緒理香さん……なんて御労しい……」

 

 箒に便乗してセシリアも来たけど、お前も原因の一端は担ってるんだぞ? 自覚ある?

 

「入学初日で疲れる気持ちは分かるが、だからと言っていつまでもここにいる訳にはいかないだろ?」

「そうだけどさ~……」

 

 せめて、何か甘味が欲しい。

 皆~…私に甘味を分けてくれ~……。

 

「おりり~ん。だいじょ~ぶ~?」

「ふぇ?」

 

 この、妙に間延びした特徴的な声は……?

 なんとか頭だけを動かして声の主を確かめると、そこには箒やセシリアとは別にもう一人、袖がダボダボな制服を着た、ニコニコ笑顔の女の子がいた。

 

「………『おりりん』って私の事?」

「そ~だよ~。可愛いでしょ~? あ、お菓子食べる~?」

「なに……?」

 

 彼女が机の上に置いたのは、丁寧にティッシュに包まれたチョコクッキー三枚。

 今の私にとっては、それは砂漠で迷った末に見つけたオアシスの水に等しかった。

 

「いただきます」

「ど~ぞ~」

 

 遠慮なんてしない。

 私にくれた以上、このクッキーはもう私の所有物だから。

 

「モキュモキュモキュ……ん~…♡」

 

 あれ……? クッキーってこんなにも五臓六腑に染み渡るような食べ物だったっけ……?

 クッキーの美味しさ以上に、彼女の優しさに全ての私がスタンディング・オベーションだ。

 今、間違いなく全米が泣いたね。

 

「えっと……君は……」

「布仏本音だよ。よろしくね、おりりん」

 

 そうだそうだ。布仏本音だった。

 割と特徴的なキャラなのに、なんとも微妙な立ち位置にいるから、影が薄いのか濃いのかよく分からないんだよな。

 

「本当にありがとう。お蔭でマジで生き返った気がする」

「えへへ~……」

 

 ……可愛い。

 山田先生と同じぐらいに嫁にしたい。

 今の私は『布仏緒理香』になるのもやぶさかじゃないぞ。

 

「緒理香さんはお菓子が好きなのですね……。これは重要な情報ですわ……!」

「普段は頑張って背伸びしているように見えても、意外と見た目相応なところもあるんだな……」

 

 ん~? それはどういう意味ですかね箒さ~ん?

 

「布仏さん。このお礼はいつか必ずするよ」

「気にしなくてもいいよ~。私的にはモキュモキュしてるおりりんを見れただけで超大満足だから~」

「「同感」」

 

 モキュモキュってなんぞや?

 あと、同意してんじゃないよ、そこの二人。

 

「それと、私の事は『本音』でいいよ?」

「そうなの? じゃあ……本音で」

「うん!」

 

 どうやら、早くもIS学園で新しい友達が出来たようだ。

 え? セシリア? こいつは……どうなんだろう?

 少なくとも、私の中での好感度はまだプラスマイナスゼロなんだけど。

 

「あれ? まだ教室にいたんですか?」

 

 四人で話していると、教室の入り口付近に書類を持った山田先生と千冬さんが並んで立っていた。

 原作だと、ここで一夏の部屋の話をしてたけど、私の場合は既に部屋は割り振られてるから、シンプルに立ち寄っただけなんだろうな。

 

「少しだけ休んでまして」

「そうですか。今日は入学初日ですものね。疲れますよね」

「よし。ならばこの私が担任として身を以て緒理香の体を癒して……」

「いや、結構です」

「なんとっ!?」

 

 こーゆーのは早めに断っておくのが吉。

 下手に渋ったり長引かせると、確実に自分にいい方向に解釈してくるからな。

 

「あ、そうだ。忘れかけてたけど、実は先生達に頼みたい事があったんだ」

「何ぃっ!? 緒理香が私に頼み事だと……! 明日は結婚式か……!」

「……話、続けてもいいですかね?」

「……どうぞ」

 

 割と真面目な話をするんだから、そっちも真面目になって欲しい。

 

「これを調べて貰えませんか?」

「ん? これは……」

 

 私は、ずっと右腕に着けていた白いガントレット擬きを外してから、山田先生に手渡した。

 

「そういえば、昨日からずっと着けていたな。なんなんだ?」

「それが、私にも分からないんですよ。恐らく、私を学園に送る際に束が取り付けた物だと思うんですけど。その正体が分からなくて怖いんですよね」

「アイツから何か説明とかは無かったのか?」

「何にも。メモとかも無かったですし」

「そうか……」

 

 この時、またもや千冬さんは教師の顔になった。

 なんでこの人はこの状態を一時間でさえ維持出来ないんだろうか?

 

「了解した。この腕輪は私達で一時的に預かり分析しておこう」

「ありがとうございます」

「なに、これぐらいは教師として、将来の緒理香の伴侶として当然だ」

「どーして、最後まで締まらないんですかね……」

 

 一夏はマジで泣いていいんじゃないんだろうか?

 改めて言わせて貰うよ。お前も苦労してるんだな……。

 

「それじゃ、私達はこれから会議があるので失礼しますね?」

「早ければ明日には分析結果が出る事だろう」

「分かりました。では、また明日」

「はい。また明日」

 

 職員室へと向かって行く二人を見送ってから、私は皆の元まで戻ろうとした……のだけれど、途中で聞き逃せない一言が聞こえてきた。

 

「こ…これがずっと緒理香の腕に着いていたのか……ゴクリ」

「織斑先生?」

「べ…別に私はこれについている残り香を嗅ごうだなんて微塵も思ってはいないからな!?」

「ハァ……」

 

 渡したのは失敗だったかな……?

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 箒、セシリア、本音と一緒に寮へと向かう途中、私は安定の注目を受けていた。

 

「え? 何あの子? 小学生?」

「違うよ。一組にいる莱鞭さんっていって、ああ見えても私達と同い年らしいよ?」

「ウソでしょっ!?」

「これがIS学園……! 美少女の巣窟とは聞いてたけど、まさか美幼女もいるとは思わなかったわ……」

 

 一刻も早く、この環境にも慣れないと、私の方が先に参ってしまいそうだ。

 慣れたら慣れたで、ある意味で終わりな気がするけど。

 

「皆さんの噂の的になってますわね、緒理香さんは」

「だろうな。背の低い生徒ならば他にもいるかもしれないが、緒理香の場合は『背が低い』だけではないからな」

「可愛いもんね~♡」

「注目されても困るだけなんだけどな……」

 

 目立つのは昔から嫌いだし、注目されるなんて以ての外だ。

 まさか、束の奴は困っている私を見て楽しむ為にIS学園に入学させたんじゃ……。

 普通なら『有り得ないだろ』と一蹴されるかもしれないが、束の場合はその『有り得ない』をマジでするのがヤバいんだよな。

 

「ところで、緒理香の部屋はどこなんだ?」

「えっと……」

 

 どこかで見たことがあるような部屋番号だったような気がするんだよな。

 何番だったっけかな?

 

「思い出した。確か『1025番』だったと思う」

「なに?」

 

 箒が何か気にしてるみたいだけど、別に今聞くことじゃないでしょ。

 

「どうかしましたの?」

「いや……なんでもない。気にするな」

 

 いや、明らかに何かを隠してない?

 箒は昔から嘘をつくのが下手だったからなぁ~。

 

 そこから、話の流れで他の二人の部屋の場所も聞くことになった。

 遊びに行く機会は少ないだろうが、それでも知っておいて損は無いだろう。

 

「ところで、さっきは先生方と何を話していたんだ?」

「ちょっと調べ物をお願いしたんだよ」

「調べ物?」

「そ。どこぞの天災が私に持たせた謎の物体をね」

「あぁ……成る程な」

 

 どうやら、箒だけは私の一言で全てを理解してくれたようだ。

 流石は『篠ノ之束被害者の会』の副会長だな。

 因みに、会長は私で書記はクロエ。

 

「あ。私はこちらですわ」

「私はこっち~」

 

 寮に入ってから暫く歩いていると、二人がそれぞれに別方向を指差した。

 どうやら、ここで一旦のお別れみたいだ。

 

「緒理香さんと離れなければいけないだなんて……悲しいですわ……」

「また明日になれば会えるだろ……」

「おりりん、しののん、セッシー。またね~」

 

 箒とセシリアがコントをしている間に、本音は自分の部屋へと向かって行った。

 のんびりしてるように見えて、あの子が一番まともだよな。

 

「しののん……って私か?」

「せっしー……」

 

 いつの間にか二人にも渾名を付けてたのか……。

 抜け目が無いな、本音は。

 だから気に入った。

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

「「………………」」

 

 自分の部屋に辿り着いたはいいのだが、なんでか私の横には箒もいる。

 そこで思い出したのだが、IS学園の寮は二人で一つの部屋を使うようになっている。

 つまり、私にも同じ部屋で過ごすルームメイトがいる訳で。

 

「箒も……ここなのか?」

「あぁ……」

 

 色々と立て込んでたから、すっかり忘れてた。

 けどまぁ……。

 

「箒と一緒なら安心かな」

「え?」

「だって、見知らぬ誰かといきなり同居生活をするよりは、最初から見知っている相手の方が気兼ねなく過ごせるし」

「そ…そうだな! 私も緒理香と一緒でよかったと思うぞ!」

「それはなにより」

 

 部屋の鍵は私が持っているから、ガチャリとな。

 

「かなり広いんだな……」

「だよね。ま、三年間過ごせば嫌でも慣れるだろ?」

「確かにな。荷物は……ちゃんと運び込まれてるようだな。緒理香のはあるのか?」

「私はいきなりだったから、必要最低限のしかない。一応、私は束推薦の特待生って立場らしいから、生活費とかに関しては困らないんだけど……」

「どこかで買い出しには行かないといけないのか……」

「そうなるかな。日曜日とかに外出届を出せば問題無いだろ」

 

 周辺地図によれば、モノレールを乗った先に大型ショッピングモールがあった筈だ。

 あそこならば大抵の物は揃うだろう。

 いざとなれば、皆の味方『100円ショップ』に行けばいいだけの話だしな。

 

(これは、ルームメイトとしての立場を最大限に利用して、緒理香を買い物に誘うべきではないのかっ!? 恥ずかしがって渋り、その結果として誰かに先を越されたら元も子もない! 特に千冬さん辺りには!)

 

 おやおや~? 箒のあの顔は何かを企んでいる時の顔ですな~?

 昔から箒は顔に出やすいから、隠し事には向かないんだよな。

 

「それに関しては追々、考えていくことにして。今は……」

 

 私は箒に向かって手を差出す。

 

「これから三年間…よろしく。さっきは言えなかったけど、こうして再会出来て本当に嬉しいよ、箒」

「私もだ。また会えて嬉しかったぞ、緒理香。改めてよろしく頼む」

 

 箒と一緒なら、ここに馴染んでいくのも早いかもしれない。

 未来の事を考えて悩むよりは、今この瞬間を楽しむ事に全力を尽くした方がずっとマシだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……久しぶりに会った記念に、今日は一緒のベッドで寝てもいいか?」

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




緒理香のルームメイトは箒でした。

実はこれもまた……?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。