※8月29日に内容を変更したため再度読む方はご注意ください。
あの日から俺はちょくちょく休み時間になると園子のクラスに赴くようにしていた。
「よっす! 園子」
右手を上げ軽く挨拶をする。
「ゆーさん、よっす?」
戸惑いながらも俺と同じ挨拶に乗ってくれる。園子って意外とノリが良いんだよな。他の友達は挨拶しか返してくれない場合が多いから少し寂しく感じる。
まだ友情度が足りないってことか?
「昨日、久しぶりにポ◯モンの映画を見返したんだけど───」
「面白そうだね〜」
特に目立ったことはなく、身近で起きた事や面白かった出来事などのごく普通な会話。
園子はお嬢様だから、最初はこんな話しでいいのかなって思ってたけど案外楽しそうに聞いてくれているから良かった。
俺のトーク術が高いってことかな?
でも一つだけ思ったことがある。
「………」
突然話しを切り上げた俺をどうしたのというようなきょとんとした目で見る園子。
このまま俺が話していてもいいのだが、ちょっと前から気になっていた事を園子に聞いてみたかった。
「このところ俺ばっかり話しちゃってる気がするけど……園子も何でも話していいんだぞ?」
「ううん、ゆーさんのお話を聞くのとっても楽しいよ?」
だから【大丈夫】とでも言いたげな顔を浮かべる園子。
そう思ってくれてるのなら嬉しいのだが……何だろう、納得できない自分がいる。
上手く言えないのだが、対等じゃない気がする。
「じゃあ次からかわりばんこで話題出し合おうぜ!」
うん、それがいい気がする。俺だけ話すのはフェア?ってやつじゃないし。
「私の話じゃ、ゆーさんつまらないかもしれないし……」
「雑談なんて大体そんなもんじゃないの?」
つまらない上等、なんでもかかってこいだぜ。親指を立てグッドマークを作る。友達同士で言いたいことを我慢する必要なんてないのだから。もっと楽にしてくれていいと思う。
「……つまらないとは思ってるんだね」
「え? ……あ、いや、さっきのはそういう意味で言ったんじゃなくてだな!?」
あれ、フォロー出来てなかった?
やばい下向いちゃった。ど、どうすればいいんだこれ?
助け、もしくは何かないかと辺りを見回す。しかし誰とも目が合わない。さっきまでみんなこっちの方を見てた気がするんだけど……
これが自意識過剰ってやつか?
とりあえず園子に目線を戻す。
「……なーんてね。ゆーさんは引っかかりやすいんよ〜」
してやったりと、どうやら俺の反応を楽しんでいたらしい。
この子もしかしてなかなか図太いのかしら?
「……てい!」
「あぅ、何するの〜」
しかし、騙されたことに少しむかっときたので園子のおでこに軽くデコピンをお見舞いしてやる。
今のデコピンは通常の威力の4分の1くらいに抑えたから、そんなに痛くはないはずである。でもぶつかったりすると痛くないのに痛いって何となく言っちゃう時あるよな。
「でも、うん。今みたいな感じで行こうぜ」
そう言うと園子は「え?」というような困惑顔を浮かべる。
「なんとなくだけど、俺に気を使って接してたでしょ?」
一歩も二歩も下がった場所にいるような気がするんだよな。話しをしている時も相槌とかが多く、ほとんど聞き手に回られているし。
「そんなこと考えなくていいんだぞ? 俺と園子は友達なんだから」
勘違いだったらすごい恥ずかしいけど……どこか遠慮をしてるのは確かだと思う。
「……うん、ごめ────」
「はい、謝るのもなし!」
園子の言葉を上からストップと被せるようにし、言わせないようにする。だって謝るのは違うと思ったから。
「こういう時は
もちろん悪いことをした時とかはきちんと謝罪をすべきだと思う。でも俺は謝られるのが昔から苦手だった。
俺が普段から先生とかに謝ってばかりだからなのかな? それはそれで思うところがあるのだけれど、まあとりあえず今はいいや。
「あり、がとう?」
「もっとハッキリ!」
「ありがとう」
「もう少し元気良く!」
「ありがとう!」
「よっし、おっけー!」
園子に数回リピートさせた後、顔を見合わせるとどちらからともなく笑い合う。うん、やっぱこっちの方が良いと思う。
何のしがらみもなく、今のように笑っている園子を見ていたいから。
「今の感覚、忘れずにいこうぜ!」
「うん、頑張るよぉ〜!」
両手を握り気合を入れるように宣言する園子。
一緒に頑張っていけたらいいなって思う。何をなのか?……まあ、挑戦できることとか色々だ。
とにかくだ! 今みたいに園子と仲良くしていけたらいいなって思う。
今度は外とかで何かするのもいいかもな。
……今更ですけど、にちじょう編のサブタイトルって必要ですかね?