少年は勇者の味方である   作:ft.優士

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男の子は必殺技が好きだと思います(真顔)


小学四年生 2話

「お、雨止んでるよ銀!」

 

「おー、ほんとだ」

 

今日は天気予報で一日雨が降るという話だったのだが、どうやら外れたらしい。

 

「傘忘れずに持って帰らないとな」

 

傘立てから傘を取り出して外に出てみると、気持ちいいくらいの快晴の空だった。気温も暖かくてちょうどいい。

 

「なんかさ、雨が上がった後ってテンション上がらない?」

 

「あーなんかわかるかも」

 

こういう時は外で何かしたいよな。考えながら歩いていると、水溜りがあるためジャンプして避ける。水溜りに雨ねぇ……

ふと手に持っている傘を見る。そして、今の状況でしか行えない遊びがあることに気づいた。

 

「なぁなぁ銀、雨上がりの帰り道といえば……アレだよな!」

 

「アレ?」

 

忘れてしまったのだろうか、きっと小学生なら誰でも一度はやったことがあるはず。

俺が今から実践しているところを見せれば思い出すだろう。よし、かっこいいのを見せてやるぜ!

 

準備は至って簡単であり、持ち物は傘だけでできるお手軽な遊びである。

 

「まず、自分の近くに人がいないことを確認する」

 

当たったら危ないからな。始める前には周囲を見渡し、こまめに気を配ること。

 

「次に、十分なスペースを取ること」

 

当たったら危ないからな! 大事なことだから二回確認する。もし余裕があれば、常に頭に入れておくといいかもしれない。

 

 

「……もう何したいのか分かったわ」

 

 

どうやら思い出せたらしい。まあ定番といえば定番だからな。

俺は右手の傘を逆手に持ち替える。人によって傘の持ち方は変わってくるからな。

 

「絶対に傘を手放さないようにしっかり握ること」

 

投げるなんて論外だ。この遊びを遊びと思ってはいけない……やる時はいつだって真剣に。

 

 

「後は、自分の好きな技名を叫んで放つ!!」

 

 

想像するのはその技を完璧に使いこなすキャラクター。それを模倣したつもりで思いっきり傘を振る!

 

 

「魔◯剣!!」

 

 

放つ時のコツは右足を踏み出すと共に傘を振り上げると良い。ゲームでは衝撃波を飛ばして相手にダメージを与える技だが、もちろんそんなものは出せない。ヒュっという傘が風を切る音がするだけだが、しかしそんなものは誤差だ……自分が楽しければそれでいいのだ。

 

さて銀の反応は以下に……

 

「うん、まぁ……とりあえずやめよっか」

 

なんか、今日の銀はノリが悪いな。感想ではなく注意をもらってしまった……それでもやっぱり、雨上がりの帰り道にやることと言えば傘を使って技を出すことが最高の遊びだろう。異論は認める。さきほどの銀のように危ないからやめなさいと大人から言われたりする。しかし、やるなと言われるとやりたくなってしまうのが人間の性というものではないだろうか?

 

一年生や二年生の頃はみんな、ギガスラッシュとか牙突とか言って遊んでたのに……だんだん一緒にやる人がいなくなっていったんだよな。先生が怖かったのかな? しかし俺は怒られても続けてきた。だって、俺の心は傘を振れと言っているから! 人に嘘をつくなというように自分にだって嘘をついたらいけないはずだ!

 

「だから銀も遠慮しないで! 銀だってかっこいい技、興味あるでしょ?」

 

お、ちょっとぴくって反応したぞ。絶対昔は俺と同じで傘振り回して怒られてたタイプだ!

 

「や、やらない……」

 

とか否定しつつも、ほんとはやりたいなと思っている銀さんなのであった。

 

「思ってないし、勝手にアタシの解釈つけんな!」

 

「あれ? 口に出してた?」

 

絶対出てなかったと思うのに、なぜ分かったのだろう。……超能力者かなにかなのだろうか。お前の考えは見通している!みたいな?

 

「別に違うし、優士は顔に出やすいからわかりやすい」

 

そういわれ、気になったので顔を触ってみる。特にそんなことないと思うんだけど……

 

「ほら、帰るよ。傘はアタシが途中まで預かります」

 

「待って、もう一回だけやらせて!」

 

お願いします、虎◯破斬撃てたら満足して帰りますから!

 

「だーめ! ほら行くぞ」

 

 

銀は俺の傘を持ったまま歩いていく。さらば俺のロマン。まだ俺は彼らのようなヒーロー(主人公)にはなれないらしい。その場にへたり込む。

 

 

「くそ、俺は自分の傘すら守れないのか……」

 

 

マモレナカッタ。

 

 

そんなことを思っていると、どこからか聞いたことがあるセリフが聞こえてきた。幻聴? いやいやそんな訳……

 

 

マモレナカッタ……

 

再び聞こえる男の人の声。すいません。もう帰りますんで勘弁してください。

素直に帰ることにし、先に歩いて進んでいる銀のところまでダッシュで向かった。

 

 

「どうした? そんな慌てて」

 

「いや、なんでもないです……」

 

 

忘れよう。触れちゃいけないこともあると思うし……俺疲れてんのかな?

少し今週にあったことを思い返してみる。……訓練以外特に思いつかないわ。

今日は早く寝ようかなとか考えていたら、銀から肩をたたかれる。

 

 

「優士! 見てみろ!」

 

銀が何かを見つけたらしく嬉々とした表情を浮かべており、指をさしていたのでその方角を見てみる。

 

「おぉ! すげぇ!」

 

そこには、とてもきれいな虹が空にかかっていた。何回見てもすごくきれいに見えるよなぁ~虹って、それに虹見た後はなんかいいことが起きそうな気がするんだよな。テンションが上がってきたため、どこかで発散したい気分である。

 

 

「よっし、銀! あそこの分かれ道まで競争しようぜ」

 

この場所から50メートルあるかないかくらいの距離だろう。一回銀とはかけっこで勝負してみたかったため丁度いい。

 

「アタシ、傘二本持ってるんだけど?」

 

「ほーう、今から負けた時の言い訳ですか? 俺ならそんなもの気にもならんわ!」

 

それに傘を奪ったのは銀だしな。最後まで責任持って持つがいい。まぁ、俺が傘二本持っていたとしても負ける気はしないけどな。なんなら二回目は俺が傘持って走ってもいいくらいだ。

 

「……上等、その勝負受けてやるよ!」

 

「よーし、じゃあ行くぞ。よーい、ドン!!」

 

全速力で走る。流石に負ける気がしないわ!

 

 

 

 

 

 

……そう思っている時期が僕にもありました。銀の奴早すぎるわ。50メートル走のタイムを聞いたら7秒台と答えたのでマジで?と聞き返してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 




小学四年生の男の子は大体こんな感じだと思うんですが、ちょっと幼すぎでしょうか?
この主人公でシリアスできるのかなと不安になってくる自分がいますが……まぁやる時はやる子なんで大丈夫でしょう。

最近文章を打っていると、どうしても銀ちゃんがツッコミキャラになりつつあるんですよね……早く鷲尾さんを出してあげないと。(ニッコリ)

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