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どーも女サイヤ人に生まれ変わったキューカです。この度あたしは3歳になり、成長促進剤のお陰で5歳児と同じ体格まで成長しました。
道理で成長が速いと思ったよ、話を聞く限りだと生物の成長速度を一時的に速くする代物らしい。なんでも一秒でも早く戦地に出したいとかいう理由で子供の下級戦士に投与されるとかなんとか・・・。
実を言うと両親に捨てられました、はい。どうやらあの二人は夜の行為が激しかった所為で、うっかりあたしが誕生してしまった訳だ。んで、あたしの育児が面倒だと感じた二人はありとあらゆるコネを使い、あたしを下級戦士にランクを下げたのだ。
最低な親であるけれども、前世でちょっとだけ知っていた事だがどうもエリート戦士は中間管理職的な仕事をやらせられるらしく、あたし個人としては誰かの下で働いた方が楽だ。
その上、エリート戦士のなんたるかを教育されるらしく元からこう言うのが苦手なあたしからすればかなり嬉しい。
しかし、まあ、下級戦士となったからには子供でも容赦無く扱き使われる。戦闘力はエリート戦士とは言え、今のあたしは下級戦士だ。ある程度戦える体格まで成長した今、あたしは転生してから僅か数年で手頃な惑星へ飛ばされてしまった。
「ギギギ!ギギギギギ!」
「ギギ?ギギギギ、ギギギギギギ!!」
目の前に居る二匹の昆虫型異星人は何を言っているのかさっぱり判らない。アタックボールから出てきたらこの惑星の住民が様子を見に来たようだ。しかし、ナメック星人やフリーザの一族、サイヤ人とかは地球人と話せるのは一体何故なんだろうか?
そんな疑問は兎に角、この二匹の戦闘力を測ってみるとするか。
「戦闘力は・・・ふっ、二匹ともたったの1か。ゴミめ」
嘘ですごめんなさい、ゴミじゃないです。ただ言ってみたかっただけなんです。ラディッツの名言を言ってみたかったんです!
あたしの戦闘力と比べれば確かにゴミなんだろうけれども、命の重さはあたしと同じだ。だけど生きる為にこの惑星の住民には悪いけど死んで貰う事にする。
何せ簡単な戦闘技術を教わった時に、下級戦士達は惑星の侵略で給料が支払われると聞かされたのだ。それは子供でも同じで、侵略しなければ野垂れ死んでしまう。
何このブラック企業、国家規模でやるから逃げ場が無いんすけど。早く辺境の惑星に逃げたい・・・地球は論外。無印なら兎も角、サイヤ人やフリーザ、セルに魔人ブウが来るから却下一択でしょ。
「あまり殺したく無いけど・・・バイバイ」
何やらあの二匹は生存本能が働いたらしく、一目散に逃げていった。無論、逃すつもりは一切無い。
出撃前にグミ撃ちと溜め撃ちは習得してある。まだグロ耐性がない今、溜め撃ちであの二匹を殺そう。
そう思いながらあたしは逃げる二匹へ手を向けた。
「はぁぁぁぁぁ!!!ハァッ!!」
青白いビームと轟音と共に射線上の地形諸共、昆虫型の異星人は消滅した。
あの威力だと二匹以外にも巻き込まれたかも知れない。贅沢を言ってしまえばあの二匹を消し去る程度の威力まで抑えたかったが、経験不足な現状致し方ないだろう。
「生きる為とは言え、殺すのは気分悪いなあ」
ポリポリと頭を掻きながらあたしは二匹を殺した手を見つめた。
一瞬の出来事だったが、今確かにあたしは命を刈り取ったのだ。この行為を楽しむ奴は少し頭がおかしい奴かもしれない。こういう世界、種族に産まれてしまったのだから受け入れなければならない。
「どれだけ人を殺そうが、あたしは絶対に外道に堕ちたくないなぁ」
あたしは今を生きる人間だ。他の命を奪わないと生きていけない矮小な人間である事を自覚しなければ、あたしはあたしで無くなる。抵抗してくる者には尊敬を、逃げ惑う者には感謝の心を持とう。
「本当にこの世界って、残酷だなぁ・・・」
摩訶不思議なこの世界は、あたしにとって残酷すぎた。産まれて数年の子供が惑星を侵略の為に送り込まれ、弱者は強者に命を乞うしか方法がないこの世界が・・・。
あたしも強者から身を守る為に強くならなければならない、弱者を喰らいながら・・・。
「強くならないと・・・」
地平線の向こうから現地の軍隊が陣形を組みながら向かって来る。
この世界は、平等では無い。
強くなる為に、戦おう。彼らを尊敬しながら皆殺しにしよう。
それがあたしの、罪の償い方だ。
「安らかに眠って頂戴」
先程の溜め撃ちではなくグミ撃ちの構えをとる。
溜め撃ちと違ってこの攻撃方法は少し難しい、だが体がエリートサイヤ人のお陰ですぐに会得する事ができた。これがあたしの才能なのだろう。
イメージするのは砲兵隊による大規模な面制圧砲撃。
スカウターで計測する限りだと、彼らの規模は相当なものだ。それなりの体力を消費するだろう。
「スー、ハー。くらえぇぇぇ!!!!」
大量のエネルギー弾が弾道を描き、現地軍へと降り注ぐ。この世界の基準ではひ弱な攻撃であるが、彼らからしてみれば凶悪すぎるだろう。
爆発音と異星人の断末魔があたしがいる場所まで聞こえてくる。弱い、が彼らの声は確実にあたしの精神を蝕むだろう。
この声をしっかりと頭に焼き付けなければならない。そうすればあたしは少なくとも外道に成り下がる事はないだろう。
「あたしは、これからこんな仕事をせにゃならんのか・・・」
エネルギー弾で耕された大地を見ながら呟いた。
生きている者は誰一人居ない死の大地。戦車や装甲車の残骸が点在し、原住民の焦げた臭いがあたしの鼻をついた。
彼らの中には恋人や家族がいただろう。守りたい者を守れなかった無念が加害者であるあたしにも痛い程伝わった。
「グロ耐性は無いと思っていたけど案外、大丈夫な方だったか?あたしは」
寧ろ殺生の喜びを感じている様な気がする。多分、これがサイヤ人の本能なのかもしれない。
あたし自身の意思なのか本能なのかは判らないけど良い気分にはなれないなぁ。快楽殺人鬼になるつもりは毛頭無いから余計にやな気分になってしまう。さっさとこのクソみたいな仕事終わらせて早く帰りたい。
「近くの街へ行こうかと思ったけどこれじゃあ、なあ・・・」
最初に殺した二匹の事もそうだったが、惑星の地形を破壊し過ぎたと思う。幾ら出撃前に戦闘の基本を教わっていたとはいえ、この調子では惑星全体がクレーターだらけになってしまうだろうし、威力の調整も必要だろうなあ。
気が進まないけど、あたしが明日を生きる為に必要な仕事だし手加減を覚えないと。0か100のどちらかしか出せない攻撃じゃあ、今後の為にも決して良いとは言えない。
征服が終わるまでの間は、手加減を覚える事があたしの最初の目標にしよう。打撃系の攻撃も併せて手加減を覚えておこう。
「えーっと、ここから生体反応がそこそこある場所は・・・」
ここら南東へ百キロ程に人口が1万人強の反応があるな。よしっ、あそこを最初の標的にしよう。
それにしても、このスカウターは便利な物だ。戦闘力の測定は勿論、惑星の簡単な地図作成に加え、原住民の人口分布やIFFまで搭載されているもんだから前世の地球より圧倒的に技術が進歩しているのが一目でわかる。
確かスカウターって元々ツフル人が作った物なんだっけ?詳しい事は分からないけどそう言う話を聞いた事がある。
「ここ星の原住民には悪いけど、あたしの修行相手になって貰うよ」
キューカは原住民の都市が存在するであろう方向を見ながら呟き、飛んで行った。いつか惑星ベジータを抜け出し、辺境の惑星でのんびり修行しながら生活してやると彼女は決意した。
目的まで辿り着く道のりは血で染められた道かも知れないが、決して命を弄ぶ様な真似はしないと自分が信じる道を彼女は歩むだろう。
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