いつの間にか女サイヤ人になっていますた   作:無名戦士

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はい、お久しぶりです。
最近になって漸く、モチベが回復したのと原作開始以前のストーリー構成が纏まったので書いた次第であります。
久し振りに小説を書いたので些か可笑しな点が見受けられると思いますが、楽しんでくれると嬉しいです。
サブタイトルに第四話となっておりますが、前回投稿したものを削除して一から書き直しました。ですので、この話が正式な回となります。
一応、バックアップは取ってありますが・・・。


第四話

 

 帰路の途中、あたしは目を覚ました。

 アタックボールの中は薄暗く、娯楽のような物は一切ない。特に眠気が無いあたしは窓の向こう側に広がる景色を眺めることにした。

 凄まじい速度で近隣の惑星を追い抜く光景は、正に幻想的であった。前世における地球とは隔絶した技術を目の当たりにした時、あたしは別世界に来たと改めて実感したものだ。

 だが、いくら幻想的で美しくともあたしの胸中はもやもやとした複雑な感情が渦巻いていた。

 

「本当にあたしは・・・サイヤ人になったんだな・・・」

 

 ポツリと自分でも聞き取れるかどうか分からない声音で呟いた。侵略途中はフワッとした記憶で思い出してもまるで、夢を見ていたと思えばしっくりくるんだが、時間が経つにつれようやくあたしは事の重大さに気が付いた。

 

「殺し、たんだ・・・」

 

 微かに震える手を見た。小さく可愛らしい手だが、あたしは一体どれだけの生命を奪った?

 気合いで、気弾で、エネルギー波で、拳で、平手で・・・。容易く消えるその生命を見てあたしは何を感じた?

 爽快感だ。無双ゲームをプレイした時と同じ感覚、人殺しをゲーム感覚で楽しんでいた。

 

「あああ、あたしは・・・」

 

 相手を尊敬して殺そうと誓った。罪なき人を殺した事を忘れないように誓った。

 だが、結局は──────

 

「薄っぺらい自己満足だって言うのか・・・」

 

 殺す事を楽しんでいた自分に、絶望した。

 心の何処かであたしは他のサイヤ人達を見下していたのかもしれない。あたしはあいつらとは違う、あたしは特別だと無意識に見下し、それを隠す為に高説を垂らしていたのだ。

 

「ああ、あぁ・・・!!」

 

 怖い。あたしが、自分自身が怖くて堪らない。

 頼れる人間が居ない、不安を全て吐き出せる人間が居ない。自分には味方がいない・・・!

 怖くて怖くて怖くてコワクテコワクテコワクテコワクテッ!!

───モウイッソノ事、楽シメバ?

 

「!?!?!?!?!?」

 

 その瞬間、背筋に冷たいナニが冷たい流れたような感じがした。

 突如として脳内に響いた甘美でとても魅力的な囁きに、あたしは思わず身を任せそうになった。

 

「な・・・に・・・今、のは?」

 

 頭の中に誰かの声が響いたような気がした。あたしの弱みに付け込むかのように、まるで恐怖に押し潰れそうな所を待っていたかのようなタイミングであの囁きが聞こえた。

 あれが、なんなのかは勿論判らない。だから対策のしようもないが、少なくともあの声はあたしを別の方向へ向かわせようとしていたと思う。

 

「もう、考えるのは辞めよう」

 

 だが、今のあたしにどうする事もできない。解決策など幾ら考えても見つからず、どうしようもできないからこれ以上考えても時間の無駄だろう。

 今あたしが出来ることはただ一つ。耐えて、耐えて、耐え続けるだけでいい。それが、あたし自身を守る事が出来る最善だと思いたかった。

 

ブー

 

 そう言えばあと少しで到着するとか言っていたな・・・。

 最悪だ、こんな気分が悪いタイミングで惑星ベジータに着いてしまうとか今日は最悪の日だ。

 

「はあ、着いたらどうなるんだろ」

 

 出来れば出迎えが居ない方が助かるけれども、他の連中より明らかに早い帰還だからそこそこ野次馬が居るかもしれない。流石にそれは有り得ないと思いたいけど、彼らの性格じゃあありえるかな。

 

「めんどくさいなぁ」

 

 彼女は心底面倒臭そうな表情で呟き、ガラス越しに見える惑星ベジータを見ていた。

 

 

 

 

 アタックボールのハッチが開き切ったのと同時に外に、ゆっくりと出て行く。

 久し振りに踏んだ大地を堪能しながら辺りを見渡すした。そして案の定、あたしが予想していた通り、着地場に野次馬が群がって来ていた。

 数は約40人程、どれも連中の戦闘力は平均して100ちょっととあたしより格下ばかりだった。

 

「あのガキが半年で惑星を征服したのかよ」

 

「チビの癖に戦闘力が800もありやがる、誰の子なんだ?」

 

 ハッキリ言って居心地が悪すぎる。

 そもそもあたしが住む区画の平均戦闘力は100前後に対し、今の戦闘力は823もある。所詮、最下級戦士用の区画を割り当てられた割にあたしの戦闘力が高過ぎるのだ。

 

「・・・チッ」

 

 ハッキリ言ってあたしには関わらないで欲しい。途中までは友人の一人を欲していたのだが、サイヤ人を改めて見るとその願望は無くなった。

 好奇な目で見られ、その目には僅かな嫉妬と敵意が見え隠れしていた。幾ら何でもわかり易すぎる。

 通路を塞ぐ形で群がる奴等に軽く殺気を送らせて見れば、まるでモーゼの海割りの様に道が開いた。

 

「ガキの癖に・・・」

 

「全員で襲えば行けるか?」

 

「馬鹿、死にたいのか」

 

「生意気なガキだな」

 

 彼らの顔は屈辱による怒りで今にも襲いかかりそうな雰囲気を漂わせていた。それでも尚、彼らが凶行に走らないのはキューカと彼らとの戦闘力の差があまりにも開き過ぎている事に起因する。負けると分かっていて態々戦いを挑む程、彼らは愚かではない。

 対するキューカは、澄ました顔で歩いて行った。幼いながらも強者である事を利用し内面を悟られない様、細心の注意を払いながら寝床へと歩いて行った。

 そして人の気配が感じられなくなった場所まで来た時、彼女は盛大な溜め息を吐いた

 

「アイツらと関わり合うと絶対碌な事にならないよな」

 

 あくまであたしの勘ではあるけどあながち間違ってはないと思う。なんせさっきの連中、戦意を隠しているつもりだったと思うが素人のあたしですら敵意を感じる事ができたし。

 はあ、出発前の気楽だったあたしをぶん殴りたい気分だ。まあ、兎に角何事も無かったからそれで儲けもんだと考えた方が良いか・・・。

 

「一週間後にまた出発せないかんし本当、サイヤ人って面倒臭いなぁ・・・」

 

 再び溜め息を吐いた彼女は帰還途中の一件もあり、食欲が湧かず、一粒飲むだけで一食分の栄養を賄える錠剤で食事を摂る事にしたのであった。

 




この話に到達する前に感想を頂きましたが、返信せずに放置するのは不味いと感じたため、返信する事にします。

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