いつの間にか女サイヤ人になっていますた   作:無名戦士

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そろそろ原作キャラを出したいこの頃、主人公だけでストーリーを進めるのは中々ハードルが高過ぎて執筆のカロリーがゴリゴリと削られてヤバいです。
もしかしたら二話続いた後に原作キャラ(?)を登場させるかもしれません。


第五話

「これは、思った以上に酷いな・・・」

 

 数分前まで都市があった場所を歩きながらあたしは呟いた。

 見渡す限り全て荒野、文明の痕跡は僅かに残った瓦礫しか残っていない。これをあたし一人でやったのだから、ドラゴンボールの世界がどれだけヤバいのか再確認する事ができた。

 同じことを既に五回はやっているが、やはり今は殺しをしたと言う実感は湧かない。だが、以前の様な高揚感は一切感じなかった事を見ると、少しは成長しているのだろう。

 

「しっかし、これだけやっても売る時の影響が少ないのは驚いたな」

 

 どうやら買い手は惑星さえ手に入ればどうでも良いのか、よほどな事が無い限り安値にはならないらしい。むしろ逆に高く売れるのが多いとか。

 まあ、あたしにとって関係のない話だが。

 

「もしこの惑星に来たのがあたし以外のサイヤ人なら、これ以上に酷くなりそうだ」

 

 あいつら一人一人殺すのが楽しいらしい、食堂でそんな話を嫌と言うほど聞いたからもうウンザリだ。戦闘と殺戮ばかりを好むからフリーザに滅ぼされたんだ。いい加減学んで欲しいよまったく。

 今のところフリーザはサイヤ人を滅ぼすような気配は一切感じられない。逆にサイヤ人達をこき使うのに夢中でならない節も感じられた。

 

「まずどうやって逃げ出すかだよなっと───おー、結構飛んだな」

 

 足元にあった石を拾い上げ、何気なく投げた。投げられた石は瞬時に音速の10倍以上の速度に達し、空の彼方へと消えていく。それを見ながら彼女は思案する。果たしてどうすれば脱出出来るのかと。

 アタックボールを盗んで逃げ出す手もあった。しかしそれをフリーザ軍は見逃すはずがなく、すぐに追手を送るだろう。

 バーダックの反乱に乗じて逃げる手もある。だが、その手を使うためにはバーダックの行動を把握してなくてはならない為、実現は極めて難しい。

 

「八方塞がりだなこry───ん?」

 

 視界の端で何かが動いたような気がした。

 スカウターで計測すると、そこには戦闘力0.1という数値が表示されていた。それを意味するのは生存者が居る事、キューカの都市を荒野に変えた攻撃の中、奇跡的に生き残った人間が居た事に彼女は少し驚いた。

 

「こいつは、子供か?何故生き残ったんだ?」

 

 疑問は残るが唯一の生存者である子供は酷く衰弱しており、今にも死にそうだ。性別は女の子かもしれない、彼女は焦げた人形を手にしており、瀕死で死にそうになりながらも人形だけは離さないという意思を感じる事ができた。

 

「悪いけど、これは生きる為なんだ。あの世であたしを恨みな」

 

 キューカの指から放たれた光線が少女の頭を貫き、即死した。

 苦しませて死なす必要は無い。苦しまず殺す事がキューカにとって唯一の謝罪でもあった。

 

 この人形はきっと親から貰ったんだろうな。それだけ大事にしてたんだ、こいつの親はとんだ幸せ者だ。

 せめて、埋めてやらんと・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少女の墓の前でキューカは手を合わせて静かに座って居た。

 何故自分がサイヤ人として生まれたのか、何故自分は他のサイヤ人のように凶暴な性格を持たないのかと考える。

 答えは出ない、しかしキューカにとってそれはどうでも良かった。何となくだが判らない方がいいと感じたからだ。

 

ピピッ

 

 スカウターから高い戦闘力を持つ生物が接近する警報が鳴った。

 数は一、戦闘力は540だ。

 

「戦闘力540、こんな奴がこの星に居たとは・・・」

 

 彼女の背中に冷たい汗が流れる。戦闘力そのものは彼女より低いものではあるが、キューカにとってこれが初めての本格的な戦闘となるのだ。

 ここは一旦逃げる手もあるが、その考えはすぐに消え失せた。

 

「面白い・・・!」

 

 初となる強敵の出現により、彼女の中に眠るサイヤ人の血が大いに震えた。楽しみで楽しみで仕方がない、早く来てくれと言わんばかりにソイツが来る方向を睨む。

 

「来た」

 

 凄まじい速さでソイツは飛んで来た。

 地面スレスレの状態で土煙を巻き上げて飛ぶソイツを見た時、キューカは口元に狐を描いた。

 彼女はここで理解した。サイヤ人としての己が戦闘を求めている事に、強敵との邂逅を求めている事に。

 

「随分と派手な登場だな」

 

「まさかだとは思うが、これをやったのは貴様か?」

 

「だとしたらあんたは、どうするんだい?」

 

 キューカの挑発めいた口調に奴は青筋を立て、静かに構えた。それを見た彼女もまた構える。

 

「我が名はキドゥ。貴様の名は?」

 

「これからあたしとあんたは殺し合う中だ。互いの名前を知ってどうする?」

 

「ほざけっ!」

 

 先に攻撃を仕掛けたのはキドゥの方からだった。

 彼は強く地面を蹴り、キューカに肉薄する。しかし当の彼女は微動だにせずただじっと立って居るだけだった。

───好機っ!

 手先を鋭くナイフの様にし、キューカの心臓目掛けて突いた。

 

「何っ!?」

 

 しかし彼の突きは虚しく空を斬る。キドゥにとって意表を突いた一撃が、いとも簡単に躱された事実に驚き、彼に僅かな隙が生まれた。

 それを見逃す程彼女は優しくはない。キドゥの脇腹に彼女の拳が迫る。

 

「グハァッ!」

 

 彼は気付いて居たものの時既に遅く、回避する間も無くキューカのボディーブローをモロに受け、勢いよく飛ばされた。

 キューカは間髪容れず肉薄し、右手にエネルギーを溜めた。

 

「舐めるなよ餓鬼!」

 

 キドゥはエネルギーを溜めて居た彼女の右腕を掴み、地面へと叩き付ける。

彼女の周囲に小さなクレーターが作られ、そこへ更に攻撃が加わった。

 顔面に五発、腹部に三発、胸に六発と殴られ、彼女は半ば意識を失いそうになる。

 

「ハァッッッッ!」

 

 気合いだと言わんばかりに体からエネルギーを放出し、キドゥを弾き飛ばした。

 ゆらゆらと片手で頭を抱えながら彼女は立ち上がり、キドゥを見るとニヤリと笑った。

 

「ハハっ、あたしもどんなに良い子ぶっても結局サイヤ人なんだな」

 

 認めてやろうじゃないか、あたしもサイヤ人の端くれだと言う事に。憧れとかカッコいいとかじゃあない、楽しいから強くなる。楽しいから戦う。

 だから、もっと上を目指したい。ベジータ王を超えて、フリーザを超えて、セルを超えて、破壊神を超えて、孫悟空を超えて・・・。あたしは更に上に居る連中と戦いたい!

 

「だから、手始めにアンタを超える」

 

 さっきの戦いで分かった。キドゥとか言う奴は戦闘力だとあたしの敵ではないが、それを補える分だけの技術を持っている。

 だから奴はあたしと互角かそれ以上だと考えて戦えば良い、奴程度を超えなければ破壊神を超えるのは夢のまた夢だ。

 

「さあ、こっからまた始めようか!」

 

 彼女の声を皮切りに、二人の間で凄まじい攻防が展開されるようになった。

 攻撃、攻撃、防御、回避、攻撃、回避・・・・・・。

 これまでキューカが経験したことがないスピードで繰り広げる戦闘を、彼女は楽しんでいた。だがそれと同時に、彼女は己の戦闘技術の未熟さを思い知らされた。純粋なパワーとスピードで勝っていても技術の差で劣勢に立たされ、ダメージが少しずつ蓄積されてゆく。

 

「フハハハハ、それが貴様の限界か!」

 

「・・・・・・」

 

 彼女は次第に防戦一方となり、一歩間違えればモロに攻撃を喰らってしまうところまで追い詰められていた。だが、それでも尚、キューカはいつに無く冷静であった。

 キドゥの動きをよく観察し、相手の癖や隙を凄まじい速度で頭に詰め込んでいた。一見して劣勢であるキューカだが、彼女からしてみればまだ始まったばかりである。

 

「そこぉ!!」

 

「グホオォ!?」

 

 一瞬の事であった。キューカの防御が限界を迎える直前、キドゥが止めとばかりに大きく拳を振りかざした直後に彼の動作は中断された。代わりに彼女の拳がキドゥの腹部に食い込んでいたのだ。

 小さくとも重いキューカの一撃は、キドゥに大きなダメージを与えた。この時点で既にキューカの姿はボロボロであったものの、彼女の表情は何一つ変わってはいない。

 

「あ、ががが・・・」

 

 胃液を撒き散らし、腹部を抱え込んだキドゥに対しアッパーを加えた後、力一杯殴る。殴り飛ばされたキドゥは100m以上飛ばされ、最終的に岩に追突してようやく静止した。

 だが、彼女の攻撃は終わらない。腕を伸ばし、手の平で照準を合わせた彼女は叫ぶ。

 

「フル───」

 

 この惑星に送り込まれる一週間の間、彼女は何ものんびりとしていた訳ではない。かめはめ波やギャリック砲をイメージに編み出したキューカ独自の技、今後己の必殺技として使うだろう技を今放とうとしていた。

 赤白いエネルギーの塊が作られ、徐々に大きくなっていく。

 

「───バーストォォ!!!」

 

 半径1m弱のエネルギー波が猛スピードでキドゥに命中し、巨大な爆発が起きた。

 土煙が巻き上がり、キドゥにダメージを与えたのかすら分からない。それでも彼女は立ち登る土煙の中へ突入して行く。煙の中で戦闘の音が荒野中に鳴り響き、太陽の日の光によって二人が激しい殴り合いが影となって現れた。

 やがて煙は晴れ、キドゥの姿は見るの無残な程にボロボロに成り果てていた。身体中の至る所から血が流れ、左腕は骨が剥き出しになる程に折れている有り様だ。

 

 もはや、彼に戦闘を継続できる力は持っていない。対するキューカはかすり傷を負っているだけで、大したダメージを受けていない様に見えた。

 既にこの戦いの勝敗は決したと言っても良いだろう。

 

「まだ戦うかい?」

 

 折れた左腕を押さえながらも、未だ戦意衰えぬ目を見せるキドゥに対し問うた。

 

「無念・・・」

 

 ただ一言言い残し、糸が切れた人形の様に倒れ伏す。

 スカウターに表示される数値は0、即ち死を知らせるものだった。それと同時に彼女も糸が切れたかの様に座り込み、右腕を挙げた。

 

「ハァ、ハァ、なんとか勝てたぁ・・・」

 

 キドゥとか言う奴、強すぎだろ。技術だけであたしと互角とか、凄いにも程がある。

 ピッコロと悟空がラディッツに勝てた理由がなんとなく分かった様な気がする。アニメじゃ一方的にやられている様に見えて、実はラディッツもキツかったのかもしれんな・・・。

 

「やっぱ、戦闘力だけじゃ生き残れないかぁ」

 

 気のコントロールだけじゃない、技術も重要だと言うことを身をもって教えられた戦いだったな。今回の戦いで学ぶ事も多かったし、とても有意義な日になったなぁ・・・。

 

「それと、やっぱり最終目標はスーパーサイヤ人4にしようか」

 

 純粋にあの姿が好きだ。前世だとゴッドやブルー、身勝手の極意とか出てきたらしいけど、やはりスーパーサイヤ人4が一番好きだ。

 やり方は分からないけど尻尾は残して置こう。

 

 彼女はとても満足した表情で横たわる。サイヤ人の特性の一部をあえて受け入れ、己の趣味にしようと心に決めながらその場で眠りについた。

 




一応補足しておきますと、主人公であるキューカが目覚めたのは強くなりたい願望と戦闘欲求だけでその他は変わってません。
あとは徐々に成長する描写を入れたいのですが上手く表現できるかどうか・・・

感想評価待ってます。

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