アズールレーンPhilein   作:瀧本さん

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人って、大体4000文字くらいが一番集中して読める文字数らしいですよ。
私はそれ以上書きますけどね。


5話「到着と捕縛」

「ねぇ、レン。」

「やめろ。言いたいことはわかるから口にだすな。」

走り続けてどれくらい経つだろう。ハンドルを握ってどれくらいだろう。

休憩も取った。ピュリファイアーも俺も、身体に疲労こそあれど、負荷はそれほどかかってないはずだ。

嬉しいことに良い天気が続いている。夕焼けも見え、気温は下がってきているが風邪を引く、という心配をするほどの気温ではない。

だから、ピュリファイアーが言おうとしているのはそのことではないのだ。

「これあれだよね、チキンレースってやつ?」

「...ちょっと違うんじゃあないか?」

燃料が尽きるのが先か、英一指揮官の母港へ辿りつくのが先か。まぁそういうことが言いたいのだろう。手持ちの金が無いわけじゃないが、まともな燃料補給も望めないだろう。燃料を足す事は出来ないワケだ。

「あと少しで着くはずなんだ...!!」

「ホントか...?」

いつ燃料が切れるかわかったものではない。が、心配していても、燃料が増えるわけじゃない。着くと信じてアクセルを回すしかない。

アスファルトの坂を上ってゆく。

「ねぇ、英一指揮官の母港には誰がいるの?」

「う~む。」

後ろから、また好奇心のみの声が聞こえる。

周りの木々を横目に、その問いに答える。

「結構、カンレキの長いKANSENがいるらしい。俺も会ったことはないんでわからないがな。」

「え?会ったこと無い?もしかしてエイイチ指揮官に会ったことも...?」

「無いな。でも"みんな"これだけは知ってる。」

「これだけ?何さ。」

「軍神サマがいるんだよ、あの母港にはな。」

「軍神サマ...?」

「そう。」

上り坂の頂上あたりでトンネルに差し掛かる。視界がオレンジのトンネル灯色になる。

「軍神様こと、重桜艦隊旗艦・前弩級戦艦、三笠だよ。」

「へぇ~、ミカサ。」

なるほどね~、と納得したようなトーンで感想を漏らす彼女。

暗い視界の中を進む。

軍神三笠、先のセイレーンとの大戦において、戦闘において大きな功績を上げ、他国との艦とも協力し、セイレーンを打ち破り、その活躍を称し、「軍神」と今なお、空母の時代に移り変わった今でも崇め奉られている。

実際に会ったことは無いが...その活躍と存在はどの母港にいても聞くことができるだろう。

きっと、話すことになるだろう。楽しみ4割、捕らわれて三笠様に処刑されるのかも知れないという恐怖6割を持って、時速60kmを維持して前へ進む。

視界の向こう側が明るい。光が見える。トンネルの終わりだ。

光が飛びぬけて、風がまた飛び込んでくる。

ばたばたばた、とピュリファイアーのエプロンがなびく。

「...見えたぜ!」

見えた。視界の向こうに、立派な母港が。そして海が。あれが英一指揮官のいる母港だ。

「後は下り坂だ!ガソリンが無くたって最悪辿りつけるぜ!」

「いやっほおおう!!やったじゃんレン!!飛ばせ飛ばせ~!!」

「ガソリンがねェつってんだろ!使いきったら使いきったで面倒なんだよ!」

ハンドルから手を離すわけにもいかないのでこの野郎、とピュリファイアーを小突くこともできない。

が、実はこうやってピュリファイアーと話している間は、存外楽しかったりする。なんだか、友人が出来たような気分だ。...とは言っても、コイツは人じゃあないが。

「...着いてすぐに捕らえられなきゃいいけどな。」

「そうなったら、そうなったときに考える、みたいなこと言ってたのはレンじゃなかったっけなぁ。」

「...。」

そうだった。言った気がする。

言ったは言ったが...そうはなってほしくないものだ。

 

 

 

「はっはっはっ、賭けは私の勝ちだな、英一。」

「賭けてないと言うとるじゃろ全く...」

ふうっ、と吐き出した男の息は、やはり白い。それもそのはず、タバコを吸っているだからだ。部屋にタールの匂いが充満している。むしろ、この執務室でタバコの匂いをかがない日の方が珍しい。

壮年の男は、窓から差し込む夕日を、鬱陶しそうに避けながら、ゆっくりとイスにもたれかかる。

「タバコをやめるのを賭けの報酬にしようと思ったが...」

「賭けてないモンはあげらんないね。」

「ああ。そう言い張られては仕方ない。...タバコは身体のために止めた方が良いと思うがね。」

そう言って、三笠はその指揮官の吸っているタバコの箱を見て、それをまたもとの場所に置く。

「そうだな...ワシに孫が出来たらやめるかな。」

「おや、英一指揮官に意中の相手が?」

「...いや、お前の発言に対しては色々つっこみたいところだがな...もう50後半いくつのおっさんだ、小さい孫がいれば良いくらいの年だ。」

「うむ、そうだな。指揮官。だがな、指揮官。私も現代の若者の情報に疎いわけではない。近年ではな、若者の間で年の差婚というのが流行っているらしく...」

「ドアホ!!そりゃワシよりもっと若いのがやるもんだろう、ったく!!」

一旦は怒鳴るものの、英一は、三笠のきょとんとした顔を見て「ああ、このおばあ様には一切悪気は無かったんだな。」と確認すると、感情を引っ込めた。

「それより、だ。もっと確認すべきことがあるだろう。」

と英一が三笠に問いただすと、彼女は、そうであったそうであった、と口を開く。

「日向から連絡があったのだ。バイクでこの母港へ向かってきている二人組みがしっかり確認できた、とな。」

「ったく...それがわかったんだからお前が賭けだのどうのこうの言ってきたんだろうが...」

口にあてがったタバコを一旦、灰皿に置く。それから、ゆっくりと息を吐く。

「命運、どう転ぶかはわかったものではない、と言う訳か。」

「そうだろう?」

「えばるな。」

「いいじゃないか、来るか来ないかの賭けに勝っ」

「だから、まず賭けてねぇってんだろう。」

どこからどこまでが冗談かわからない三笠の言葉をかわす英一。話の起動を修正する。

「ふむ...その二人をどうするかは、ひとまず捕縛してから考えるかね、事情も聞いておくか。」

「承知した。日向と伊勢にには、その二人を捕らえるように指示を出しておこう。」

「ああ、頼んだぞ。」

まかせておけ、と親指を立て、オレンジ色に染まっている執務室から出てゆく三笠。

パタリ、と扉が閉まってから、灰皿にタバコを置いていたことを忘れていたことに気がついた。

しかし、それをもう一度手にとって吸う気にはならない英一だった。灰皿の中で燻る火を見ていた。

「年の差、ねぇ...」

しばらくは、何も言わなかった。

 

 

 

 

 

「ねぇ、レン。」

不意に、後ろに乗るピュリファイアーが話しかける。

「何だ、ガソリンはもつだろ。」

「レーダーに急に二人映った。」

「...KANSENってことか。」

「うん。」

そう言われて、少し不安になる。だが、視ることによって安心は得られるはずだ。先に視ることによって居ての姿を知るということは案外な安心に変わる。そして、俺の目ならそんな距離はたやすく見ることが出来る。

...母港の入り口に、二人見える。あの髪と顔、そして何よりも特徴的な武装には記憶がある。

「あれは、戦艦、日向と伊勢だな。」

「おぉっ、見えるか。さすがの眼だね。」

ピュリファイアーも見えないことはないだろうに、俺に視ることは任せたといわんばかりの感想だ。

「褒めても何も出ねェよ。重桜の人間がそれぞれこういう特殊体質を持ってるのは説明したろう。」

「そうだけどさ~、便利だねぇその眼は。イセとヒュウガは会ったことあるんだね?」

と、伊勢と日向について尋ねてくるが...

「まぁ、一度、演習を執り行うにあたって中央母港に来てな、そのときに装備の具合を見たんだ。あっちが覚えてるかは微妙だがな...」

あれは話したことのあるKANSENの中でも中々に記憶に残っているほうだ。何よりはじめて話したときに既に酔っていたからだ。おそらく演習が終わって一杯引っかけた後に艤装の具合を見てもらうためにドックへ足を運んできたのだ。見るからに悪酔いしていた。

と言っても酔っていたのは伊勢だけであり、日向は飲んでいたかどうか不明だが、酔っている様子はなかった。淡々と、伊勢と日向の身体と艤装の調子を診て、仕事をしていると「中々にいい腕だ。」とか「そんなこともできるのか。」とか「はっはっはっ!良かったらウチの母港に来いよ!あたしは歓迎するさね!」とべらぼうにこちらの仕事褒めるものだから、歯がゆい気持ちになった、というエピソードだ。

それきり二人に会うことは無かった。

「ふーん...」

ふーん、なんて呑気な声を出している場合か。KANSENが二人待ち構えているというのが、どういうことになるのかこいつは想像がついてるのだろうか。

「不安そうな顔だね。わかってるよそれくらい。」

と、こちらの心情を察したのか、顔も見てないのにピュリファイアーがそう言う。

「じゃあどうするんだよ、これ捕まるだろ。」

「そうなったらそうなった時に考え」

「言わなきゃ良かったそんなセリフ。」

 

 

 

 

 

 

「しっかし、捕らえろ、だなんてねぇ。」

「命令だ。従うしかない。」

「裏切り者には鎮魂歌を、なんて言うらしいじゃないか、あたしはもったいないと思うけどなぁ。」

伊勢と日向が、母港の門の前で、薙刀を構えながら話している。

夕刻だ、西日に照らされ、薙刀はその鈍色を輝かせる。

普段から門番の役目を遣わされている。いつもはまぁのこのことやって来た猫を追い返したり、酔いつぶれたおっさんを交番に送り届けたり...

つまりは、こんな非常事態は起こらないのだ。

子供のように目を輝かせて、伊勢は薙刀を振り回す。

それはそれは、もう昂ぶって仕方が無いのだ。

まるで台風の日の子供のように。

「...姉さん。」

それを察した日向はため息を吐きながら伊勢を注意する。

もうこれでは、どちらが姉かわからない。

「わあってるっつの~」

「どうだか...あと五分もしないうちに来るからね。構えてなよ。」

「はいはーい。」

 

 

 

 

どるどるどるどる、とエンジンを緩め、バイクを止める。ヘルメットを脱ぎ、二人のKANSENの前に立った。

 

「...。」

何も言わない。俺もピュリファイアーも何も言わない。

代わりに口を開いたのは赤い髪の薙刀の女だ。

「へぇ!!門番の前でちゃんと止まるとは、門番の意味わかってんの?」

「伊勢姉さん、門番の意味わかってるから止まるんだよ。」

続いて、灰色の髪のほうが赤色のほうへ喋りかけた。

「あんたらは...戦艦の、伊勢、日向。」

「いかにも!!伊勢型一番艦、伊勢だ!」

「日向だ。」

伊勢と名乗る赤髪の方は胸を張った。対し、日向と名乗るほうは、名乗るだけでそれきりだった。

「そして、そういうお前らは...アレだな、お尋ね者らだな?」

そして、伊勢は薙刀をこちらに突き出してきた。

「そーとも!!」

「うおっ!?」

もっとも、名乗り返したのはピュリファイアーだったが。

「ワッタシはピュリファイアー!!こっちはカンナレン!!わたしたちはセイレーンの」

「おい!!俺までセイレーンにするんじゃあねェ!」

「え~」

「大体お前ももうセイレーンと名乗れるかどうか怪しい存在だろ!!」

「...確かに。」

「いや、まてまて、カンナ、レンだと?」

と、ピュリファイアーに文句を飛ばしたところを伊勢に止められる。

日向のほうも、少し驚いた表情をしてこちらを見ている。

「お前は、神奈蓮か?あの中央母港の調整士の。」

「そうだ。」

「おおお!お前だったか!今ようやく顔と名前が合致したぞ、お前は確か、演習で中央母港に行ったときにあたしと日向の艤装を診てくれたんだったな、三年前...?だったか。覚えているぞ。」

「おおっ!?」

どうやら、伊勢は自分のことを覚えていたようだ。あんなべろべろに酔っていたのに。

後ろの日向もうなずいている。ということは日向も覚えてくれているのだろう。

「良い腕だったと記憶してるぞ。...だが、それで見逃してやる、とはならないがな。」

が、人見知りであったからと言って見逃してくれる、というわけではないようだ。

そもそも見逃して欲しいなどと微塵も思ってない。

「...で、その中央母港に勤めてたお前が何故そのセイレーンを連れてバイクでここまでやって来たんだ?」

「おいワタシにはピュリファイアーって名前が」

「色々深い事情がある、それを汲み取ってくれそうな指揮官がここの英一指揮官だと踏んでここに来た。」

ピュリファイアーの抗議を遮って伊勢に事実を伝える。

ここまで来た経緯と。ここに具体的に何をしにきたのか。

 

 

 

 

 

 

 

(さっきの話、なんでイセとヒュウガは信じてくれないんだあ~?)

(理解するより先に拘束を選んだだけだろ、どうせ後で聞かれらあ。むしろとりあえず話させてくれるだけで儲けモノだろォがよ)

蓮とピュリファイアーが伊勢と日向に自らの身の上を話した後、縄で、麻縄で原始的に伊勢に縛られ、二人の監視の下、英一指揮官の執務室までの母港内の道を歩かされていた。

歩かされる前から蓮は遠目でその建物を見て不思議に思っていた。この母港、中々イビツな形をしているのだ。と。もっと簡単に表現するなら、

「なんか使いづらそうな母港だな~。」

「セイレーンにも言われる日が来るとはね...しかもエプロンを身につけた輪をかけて変なやつに。」

ピュリファイアーが伊勢に言った通りの評価だ。

増設に増設を積み重ね...そんなに部屋が必要だったのだろうか。しかしいくつか空き部屋もある。匠にリフォームさせたら確実にいくつかぶち抜かれるだろう。

驚くべきことに、宿舎と本館がくっついているのだ。この様子だと軍事研究室とか会議室とか全部まとめて一個の建物に集約されてるだろう、と考えられるくらいには様々な人々と、KANSENとすれ違う。

中央の、蓮が元居た母港ではこんな光景は広がっていなかったろう。

「不思議だろう、この母港の構造。」

日向が蓮に話しかける。

「この母港はな、見てわかる通り増築をなんども何度も繰り返している。元が小さかったんだ、仕方ないことだ。この母港は大分前に作られたんだ、先の大戦前だとな、だが...」

と、話が良いところで一同は足を止めた。

「まあ、この話は指揮官たちとの話が終わってからだな。...まぁ、"軍神様"もいきなりお前らを取って食ったりなんんかしないさ。」

「そうでないと困るわ。」

「...よし。おしゃべりは済んだな?指揮官、件の者たちを捕らえた。入るぞ。」

伊勢がノックもせずに執務室のドアを開ける。

がちゃりと開いたドアの先に居たのは、指揮官の正装をしたタバコを咥えた男と、黒い軍服の女性。

「うむ、ご苦労だ。二人とも。」

そう言って二人をねぎらったのは女性のほうだった。

(多分、あの座ってるほうは、英一指揮官だ。だから、あの軍服のほうが...)

「ようこそ、この母港へ。我は三笠。元重桜艦隊旗艦の三笠だ。」

そう、軍神の三笠であった。

三笠は蓮たちに「もう少しこちらへ来るんだ」と催促され、もう三歩、蓮たちは執務室に入る。

三歩で大きく景色が変わった。蓮たちの視界に入ってなかった部分が見えるようになった。いくつかの色あせた写真、賞状、etc...色々なものが蓮とピュリファイアーの目に入る。

「『いかにもこの母港をまとめている』みたいな挨拶を先に三笠にされてしまったが」

遅れて口を開いたのは男のほうだ。

「ワシがこの母港の指揮官、英一だ。」

と、咥えていたタバコを灰皿に置きながら手短に自己紹介をした。

「君らは...」

「重桜第一中央母港所属の艤装調整士、並び、艤装設計、開発部に所属している。神奈 蓮です。」

「ワタシはピュリファイアー、レンについてきた。」

蓮は立場に基づいた、上司に対する挨拶を。ピュリファイアーはお構いなしの挨拶を返す。

じりじり、と英一指揮官はたばこの火を灰皿へ押し当て、消した。

「中央母港から全ての母港へ向け、君らを捕らえるように指示が出ている。よってその命令に従い、この母港に来た君らをこうして捕らえたわけだが...」

英一指揮官は、三笠に目配せをする。すると、その目線を受け取った三笠は、軍刀をゆらり、と抜き放った。

「え!?斬られる!?ワタシ斬られる...!?」

蓮とピュリファイアーは、とっさに縛られたまま身構えるが、英一は優しい口調で言う。

「捕まえた捕虜をすぐに斬り殺す指揮官がおるか、阿呆者よ。捕らえた者は丁重に扱わねば価値を失うわ。」

三笠が蓮たちの後ろまでやってきて、その軍刀で蓮たちを拘束している麻縄を断ち切った。

「え......?」

「とりあえず、お前たちの話を聞かせてくれ。ワケも無くセイレーンと一緒にいるということは無かろう。」

英一指揮官は、自由の身になった俺たちに一呼吸おいて、こう言った。

 

 

「どうして、セイレーンと一緒に行動しているんだ?神奈蓮。ワケを聞かせておくれ。」

 

 

 

 

 

 

 

また一行らが執務室で話している頃。

港では一人の少女が沈む夕焼けを見ながら、海から吹く風に当たっていた。

「...」

金の美しい髪が、風に遊ばれ、なびく。その髪を抑えることも無く、ずっとオレンジの海面を眺め、俯き続けていた。

「...今日はアイツ、来ないわね。」

ぼそり、とつぶやくように言うが、それもまた海からの風に流され消えてしまう。

と、そのとき少女は「こつり、こつり、」と、うしろから近づいてくる足音を聞いた。

「あっ、エイイチ...」

振り返る。少女はぱっ、と少し明るい表情になりながら。

「あの、え~...夕食の時間なので、呼びに来たんです。アドミラル・ヒッパー。」

アドミラル・ヒッパーと呼ばれた少女は固まったまましばらく動かない。

...動かないが表情だけは、一瞬明るくなった表情はどんどん凍ってゆくのは確かだ。

「ちょ、ば、バカ!!何でもないわよ!」

ぶんぶんぶん、と頭を振って固まりかけてた表情と空気を変える。

「すぐ行くわ、ニーミ。心配しないでちょうだい。」

「...はい、わかりました。宿舎で待ってますね。」

ニーミと呼ばれた方は、少し心配そうな顔をして、しかしその表情をすぐにひっこめてヒッパーに背を向けて去って行った。

ざざん、ざざん、と船着場のコンクリに波が当たるだけ。

「あいつ、今日は来ないわね。バカ...」

夕日はだんだんと沈んでゆく、海からオレンジ色が脱色されてゆく。

沈んでゆく夕日をその緑色の眼に写すだけだ。

その瞳が、夕日が沈むのを見届けたあとも、ヒッパーはその場所を動くことは無かった。




神奈 蓮:話合って行き当たりばったりで行動して何故か今のところどうにかなっている。もう既に何回首が飛んでいたかわかりません。幸運な奴です。ちなみに艤装の手入れはする方の立場。
ピュリファイアー:自らの立ち居地的に確かにセイレーンとは程遠いと認めてしまった。さて、彼女は今どういう存在なのでしょうか。ちなみに艤装の手入れはしなくても自動メンテナンスされるタイプ。
伊勢:神奈蓮と知り合ってなかったらワンチャン首をはねていた可能性がある。戦いとお酒が大好き。ちなみに艤装の手入れは全くしないタイプ(英一母港の技師に泣かれた)。
日向:伊勢のストッパー。あまり喋らない。喋るようになってきたということはその人と友好関係になりつつあるということです。ちなみに艤装の手入れはキチンとするタイプ。
三笠:軍神様。今は一線からは退いているが、戦闘の腕が鈍ることは一切無い。友好な者以外への一人称は「我」。ちなみに艤装の手入れはきちんとするタイプ。
上城 英一:指揮官。壮年。タバコを長らく吸っている。完全にニコチンに支配されてますねこれは。でも軍人たちはタバコをやめない。それは何故って?明日死ぬかもしれないのに目の前の趣味を「健康に悪いから」なんて理由でやめるのはバカらしいから。戦争のほうがよっぽど身体に悪いさ。
Z23:最後にちょこっとヒッパーを晩御飯に呼ぶために出てきた。なんでここにいるかは次回に説明されます。ちなみに艤装の手入れはまあまあ上手な方。
アドミラル・ヒッパー:とっても悲しそうな顔をしていますね。一体何があったんでしょう。ちなみに艤装の手入れはめちゃくちゃ上手い。天才か?
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