エイジ・オブ・サイヤン   作:イナゴライター

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再会

ウーリ「おい、なんだこりゃあ?こんなもん見た事ねぇ。」

 

コウライ「見てみろ!中に奴らがいるぞ!!」

 

ホレソ「おらっ!!」

 

ホレソが四つ足の白い謎のオブジェの足を一本ヤクザキックで折った。

 

 

今から3時間ほど前。

 

 

 

 

ホレソ「ここだ。まぁあんまり広くねぇけどよ、そこに寝かせてやれ。」

 

ホレソは普段ヤモシと2人で共同生活している洞穴に2人を案内した。

中にはおびただしい程の骨が散乱している。

家を持たない独身のサダラ人は基本的にはこのような生活スタイルが一般的だ。

 

ウーリはホレソが寝ているであろう場所にコウライを寝かした。

 

ウーリ「おい、コウライ!いつまで伸びてんだよ、コラ!おい、雑魚!」

 

ウーリはそう言いながらコウライの頬をペチペチ叩いているが、未だ白目を剥いたまま起きる気配がない。

ヤモシが腹が減ったから何か取ってくる、と言い出て行き、2人は気まずくなり

ウーリはヤモシの事について質問した。

 

 

ウーリ「あのヤモシって奴、とんでもねぇパワーの持ち主だな。どんな鍛え方したらあんな風になるんだ?」

 

ホレソ「あぁ…。奴はちょっとばかし特殊でな。あのパワーは鍛えて身に付いたもんじゃねんだ。」

 

そう言うとホレソはヤモシの事を話だした。

 

 

ホレソとヤモシは兄弟のような関係で物心ついた時からずっと一緒にいた。

2人は孤児でヤモシは親と死別、ホレソは捨てられた。

サダラ人にとって特段珍しい事ではない。

 

 

 

ホレソは生まれつき狂ったような性格で、サダラ人の中でも強くはなかった親は、あまりの凶悪さに手を焼き5才の息子を谷に突き落とした。

 

深く暗い谷底でたまに上から落ちてくる生き物を食い繋いで2年近く1人で暮らしたらしい。

その為ホレソには肉を焼くという習慣が無く、生肉しか食べない。

 

そしてある日1人の女が落ちてきた。

 

瀕死の状態の彼女はホレソを見て一瞬驚いた様子を見せたが、急に喋り出した。

 

『…アタシのガキが、上で泣いてる。助けてやってくれないか…、あの子は特別な力を持ってる…。きっとアンタの力になってくれるよ…お願いだ…。』

 

 

そう言うと女は息絶えた。

何でテメェのガキの守りをしなきゃならねぇんだよ、とも思ったが

刺激も何も無いこんな場所に居続けるよりは楽しそうだと思い、崖を登り出した。

 

2年近く谷で暮らしたのは、別にこの崖を登れないからじゃなく、上での生活に何の魅力も感じなかったのと、シンプルに面倒だったからだ。

 

スイスイと登っていき、頂上に近付いて来た辺りで

子供の泣き声が聞こえてきた。

 

崖を登りきり、泣き声のする方へと足を運び

茂みの中に子供の後ろ姿を見つけ声をかけた。

 

ホレソ「おい、ガキ。いつまで泣いてんだよ!うるせぇぞ。なぁおい!聞こえてんのかよ!」

 

ホレソは子供にかなり近づくまで気が付かなかったが、裸の状態の少年は全身血だらけで

すぐ横に大人の男が横たわっている。

 

ホレソ「え。お、おい!まさかお前がやった訳じゃないんだろ?何があったんだよ!?」

 

 

 

何を聞いても全く応えないこの子供は、応えないのではなく、応えれないのだった。

唯一喋れるのが自分の名前の『ヤモシ』という言葉のみ。

 

 

ヤモシは脳に異常があり、成長スピードも他のサダラ人と比べるとかなり遅い。

そしてサダラ人の最大の特徴と言える尻尾が生えていない。

 

ヤモシの両親は至って普通のサダラ人だったが、ヤモシは違った。

 

 

 

本来サダラの子は成長がとてつもなく早く

幼児期間がかなり短い。

幼児期間が短い代わりに子供期間が長く、

青年期、成熟期と若い期間が続く。

闘いだけに特化した進化をした。

 

だがこのヤモシは、ホレソとあまり歳も変わらないにもかかわらず赤ん坊のように泣いている。

 

 

何があったかと聞いてもひたすら泣き続けるこの子供にどうしたらいいか分からず、だんだんイラついてきたホレソは少し大きめの声で

いい加減にしやがれ!もう知らねぇ!と言い、その場から去ろうと振り返った。

進もうとした時、何かに足を掴まれた。

 

「お、おい…ガキ。俺を置いて行くんじゃねぇ…、このガキはやべぇんだよ…、さっさと俺を助けやがれ…。」

 

今まで倒れていた男が目を覚まし急に何か言ってきたが、

この男がどうなろうと知ったこっちゃない。が、何があったのか気になり

助けてやるかわりに教えろ、と男の髪を掴んだ。

 

 

さっき、この子供と母親がいるところを見て急にムラッときて母親を襲った。

母親が襲われるのを見てこの子供は急にとんでもない化物に変わったと言った。

 

 

「始めはただヤリたかっただけだが、あの女抵抗して来やがったからイラついて半殺しにしたんだ。

 

そしたらこのガキ…白目剥いて襲いかかって来た…。

尻尾もねぇし、変なガキだと思ったがこいつは最悪だ…あんなとてつもない力で殴られたのは初めてだ…、な?わかっただろ?早くここから離れようぜ…!」

 

 

 

この男が焦りながらホレソに説明しているが、ホレソは途中から聞いていない。

さっきまで泣いていたヤモシが泣くのを止め、男の後ろ側でこちらを向いて笑っているのを見た。

初めて肌で危険を感じた程の禍々しい雰囲気が辺りを包みこみ、この男もホレソの様子を見て感じとった。

 

「うははぁぁぁ!!」

 

ヤモシは狂気に満ちた笑い声をあげ男の足を掴み、そのまま持ち上げ鞭を打つように地面に叩きつけた、何度も何度も繰り返し。

 

ブチッ!と音がして男の体から足が千切れ、

原型を留めていない顔面を手に持った足で潰した後

そのまま気を失ったヤモシ。

 

 

しばらく恐怖で動けないでいたホレソだが

あの落ちてきた女の言葉を不意に思い出し、助けないといけないような気になって

ヤモシを誰もいない場所へ運んだ。

 

 

数時間が経ち目を覚ましたヤモシはまたすぐに泣き出したが、今度は興奮させないように静かに優しくなだめ落ち着かせる。 

 

ホレソ「なぁおい、落ち着いたか?俺の言ってる事わかるか?」

 

理解しているのかしていないのかわからないが

とりあえず何が起こったか、母親はどうなったか説明した。

 

 

どこに行く事も出来ない、1人では何もできないヤモシは、自然とホレソに付いて回るようになり

いつの間にか言葉を覚え、いつの間にか15年の月日が流れていた。

 

そして今に至る。

 

 

 

 

 

ホレソ「つー訳なんだよ、エラい長い事喋っちまったな。初対面のお前によぉ。」

 

ウーリ「そういえばあいつ確かに尻尾が無かったな…。どうなってんだよ、そんなガキの頃から化物じみてたのか…。」

 

ホレソ「あいつは大猿にはなれない。尻尾がないからな。おそらく変身出来ない分、大猿の力が通常の姿に凝縮されてるんだろうぜ。」

 

コウライ「…どうりでバカみてぇに強い筈だぜ。イテテ…。殴られた瞬間屁が出ちまったくらいだからな…。」

 

途中から話を聞いていたコウライは

悔しそうな顔をして起き上がり話に参加した。

 

そんなコウライの姿を見てウーリとホレソは息が出来ない程笑っていると、大猪を担いだヤモシが戻って来た。

 

 

 

 

ヤモシ「…山にこの前の奴らがいる。」

 

 

皆が一斉にヤモシの顔を見て

どこで見た!?と迫りヤモシに道案内させた。

 

山の頂上付近まで行き、目の前に現れたのは

謎の四つ足の物体。

 

 

 

ウーリ「おい、なんだこりゃあ?こんなもん見た事ねぇ。」

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