界王神達が惑星バチを離れてから
3000年程の時が流れた。
惑星バチの大猿達はだんだんと知性を身につけていた。
しかし、彼らの文明はまだ原始的な狩猟民族の枠を少し越えた程度に過ぎない。
言葉や文字等発生してはいるが
3000年という時間をかけてこの程度にしか進化出来なかったのは
戦いや、狩りにほとんどの時間を費やしていたからである。
そして致命的なのが、繁殖力。
元々生態系の頂点に立っていた彼らは数が少ない
その上、女であれど戦いに赴く傾向が強い為
早くに命を落とす若者が後をたたない。
このような悪循環の環境下で生きている彼らは
みるみる数を減らしていき、ついには絶滅が危惧されるまでになっていた。
しかし、そんな環境に終わりを告げる時が来たのは
そう遠くない先の事であった。
エギーラ星人に故郷であるツーボ星を侵略され、
宇宙を彷徨い新たな宿木となる星を求めていたイカパス星人達の訪問。
イカパス人A「美しい星だ…ツーボ星に良く似ている。資源も豊富そうだし着陸してみよう。」
イカパス人B「あぁ、だがこれだけ緑と水が豊富な星だ、知的生命体がいてもおかしくはない。少し探索機を飛ばして様子を見てみる。」
高度な文明を持つイカパス星人は、何百機もある探索機を一斉に飛ばした。
しばらくして探索機は母艦に戻ってきて、イカパス星人は情報を収集した。
イカパス人B「んー、生物は中々の数はいるが知的と呼べる程の生命体は存在しないな。この猿のような生物が少し気にはなるが問題無いだろう。」
イカパス人A「よし、なら着陸する。みんな!我々の長い旅も今日で終わりを迎える!今日からは忙しくなるぞ!」
和気あいあいと盛り上がっているイカパス星人達はまもなくしてこの惑星バチに着陸した。
子供イカパス「ねぇねぇ!見て!あそこにサダラがいるよ!」
母イカパス「あらっ、ホントね!サダラそっくりだわっ!」
イカパスB「サダラ?とはなんですか?」
子供イカパス「おじさんサダラ知らないの?metuberのヤミキンのペットの猿だよ!」
イカパスA「あー、聞いた事あるぞ!」
イカパスB「なら彼らはサダラ人とでも呼ぼうか、ふふ」
イカパスA「よし、なら早速コンタクトをとってみるか。あのサダラ人に」
イカパスB「待て、急に脅かして襲われでもしたらたまったもんじゃない。それに言葉が通じるかもわからない。一応護衛にクラァとケーンの兄弟を連れて行け。」
後ろから現れた大柄の男達。
彼らはイカパス人最強の兄弟。
クラァ「いえ、我々が2人であの猿の所に行きます。A殿はそこで待っていてください。」
イカパスA「そうか?それなら万が一を取って君たちに任せる。何かされても困るしな。」
ケーン「何かされたら殺っちまってもいいかぁ?」
クラァ「我々は客だ。無礼な真似はよせ。では行くぞ。」
兄弟はサダラ人の目の前まで歩み寄った。
近くに来てわかったが、このサダラ人、
姿こそ原始的ではあるが、体から滲み出る殺気と威圧感でクラァとケーンは一瞬身構えた。
クラァ「やぁ、君。言葉はわかるかい?私はクラァ、こいつは弟のケーン。この星の外から来た、いわゆる宇宙人てやつだ。君はこの辺りに住んでるのかい?名前は?」
サダラ人「……」
ケーン「ダメだアニキ、こいつてんでわかってねぇ。ただの原始人だ。」
クラァ「やめろ、ケーン。無礼な真似はするなと言った筈だ。すまないなサダラ人。」
サダラ人「…サダラ…人…?」
サダラ「獲物…見つけた。」