努力しても報われ無いってこんなにも辛いのですね
ですが、これから頑張って行きたいと思います。
藤丸に縛られた、コヤンスカヤの体を鞭で叩く音が拷問部屋から鳴り響いた。
そして、一人の鬼が彼女に対して叫ぶ。
「マスターに盛ろうとした毒は…なんだぁ!?」
「そう簡単に…話すわけには!」
鎖で繋がれた狐は、足元から少しずつ毒で満たされた鍋へと入れ込まれようとしており、
頭上からは鋭い歯から赤い涎を垂らす棺桶があった。
そうしていると、灯りを背に黒ずくめの男が現れた。
「待たせたね。」
サーヴァントたちのマスター・藤丸立香だ。
「遅い…!だが、我が考えたよりかは早い身支度だ。許そう。」
彼に「許そう」と言ったのは、中華帝国の帝王の一人・武則天だ。
「ほら、マスター。鞭を使いな。」
「土方さん。お借りします。」
「けれど、坊やが拷問だなんて……この女に恨みでもあるわけ?」
「ありますとも。とっても深いのがね」
藤丸の拷問行為に驚いた黒いドレスの女は、あの女吸血鬼で知られるカーミラだ。
「さて、始めましょうか。」
カーミラの合図とともに、拷問が再開された。
拷問が再開されてから、8時間が経過していた。
「スルトが強力な兵器扱いだったのは分かった。さて、そろそろ吐いてくれると助かるな……。毒は何処で仕入れた?」
最早数えれないほど繰り返した質問に、狐はやっと答えた。
「ゴフッ……!薬は…!ゴホッ!LostBelt No.3人智統和帝国・SINに!!」
それを聞いた藤丸は満足したかのように、拷問を取り止めるジェスチャーを三人のサーヴァントに送る。そして、獲物を見据える蛇のような眼差しでコヤンスカヤを見る。
「てめえはゴルドルフ所長の毒が治ってから、紅く染めて干してやるよ。」
「ゴルドルフ所長に盛られた毒の薬は、ロストベルトNo.3にある模様。コヤンスカヤの懐には一つもそれは見当たりませんでした。そして、そこにいるクリプターとそのサーヴァント、さらには異聞帯の王の真名までも聞き出すことに成功しました。」
「初めての『尋問』にしては、中々良いじゃないか。話してごらん。」
藤丸は皆に分かりやすく、第三のロストベルトを攻略するための情報を「ある程度」整理した。
「結論から言わせて貰う。コヤンスカヤをこのロストベルトに連れていき、薬のところへ案内させてくれればゴルドルフ所長の一命を取り留めることが出来るわけだ。」
「君は気付いていたんだね?ゴルドルフの生命が危ないことに。だから、拷問する前にキャプテンのところへ運んだのだね?」
「正解です、ホームズ。しかし、ホームズが聞きたいのはここでは無い…ですね?」
「そうだとも、ワトソン君。私からの質問は二つ。ゴルドルフの毒の正体は何か?そしてもう一つは、『コヤンスカヤはどうやってここに来たのか』だ。」
「毒の正体は……この世に存在するもの…ということでは無いということしか分からない。2019年までに発見された全ての毒と型が合わない。おっと、私はメイガスモードの力でこの毒を完全に解毒したのだがね。」
「なるほど…そして、コヤンスカヤの出現の原因は?」
「それは全く分からない……。ホームズに言われるまで疑問に思わなかったが、何故コヤンスカヤはここへの入り方を知っていたのだ?」
藤丸たちが唸りを挙げて首を傾げていると、ベッドに横たわりながらこの話を聞いていたゴルドルフが突然立ち上がり何かを思い出したかのように叫んだ。
「アーーーッッッ!!」
「なんだよ、オッサン!ビビらせるなって!」
「思い出した…ッ!コヤンスカヤ君と知り合ったばかりのことだ!!このリップをヤツは儂に寄越したんだぁ!Oh my God!!!」
「…やれやれだぜ」
過去の自分の行いが、自分の首を締めるような結果に繋がってしまったのだと知ったゴルドルフは懺悔の言葉を述べながら、だだっ子のように机を叩いた。
それを見た藤丸は呆れ顔を隠せないでいた。
「つまり、単独顕現スキルをリップを触媒とし発動させる。そうすることで、こちらに侵入出来た…というわけか。」
「出力・視力・測定器オールグリーン!これより、虚数潜航を開始する」
「シャドーボーダー・発進!!!」
彷徨海にあるシャドーボーダー発射口のアナウンスを聞いて、発進の号令をダヴィンチがかけた。
「……ここがロストベルトNo.3『人智統和帝国・SIN』か」
To be continued
前書きで不穏なこと書きましたが、大分気分は良くはなりました。少し悪いところもありますが、あまり気にしすぎないように気を付けます。