日常
それはいつもの日常のはずだった。
「あきと〜!」
それはいつものように僕がネットしたりしてダラダラ過ごして行くときだった。
下から姉である絵美の声がして、1階のリビングに降りてみると大きな段ボール箱が置いてあった。
気になったので姉ちゃんに「それはなんなの?」と聞くと、お姉ちゃんはいつもの通りニヤニヤしながら何でもないように「あっそれはSAOよ」と言い放った。
ふーんなんだSAOか・・・ん、待てよSAOってもしかして………
「ね、姉ちゃんもしかしてそれってあのSAOなの!?」
「んー、あの、がどのかわからないけどアンタが思い浮かべているSAOで間違いないわよ。」
………マジすか。SAOと言えば、半年前に発売された次世代型完全ダイブマシンであるナーヴギアでプレイする、世界初のVRMMORPGじゃないか!
確か少し前にベータテストが行われて、1,000人の枠の中に10万人が応募したっていう、あのSAOか………
まぁなんで僕がこんなに詳しく知ってるかっていうと僕の妹がその1,000人の中に入ったからって、顔合わせるたびその話ばっかりするから嫌でも覚えたけどね。
あれ?でも……
「なんでそんなものが家のリビングにあるの?」
確か妹はβ テスター(β テストをした人のことをそう言う)なので優先的に購入できるから、今日買いに行ってるし・・
あれ?確かこの前懸賞に応募したような・・・・
「はあ、なんであんたはそう、予測が当たるかなぁ、何も知らないアンタを驚かせようとして隠していたのに……。」
そうなんだ、僕の予測(僕は推理と呼んでいる)はよく当たる。推理系のテレビ番組でも犯人はほぼ当たるし、学校でものがなくなったときでも、すぐに場所を見つけられる、それほどなんだ。
「ごめんごめん、……で本当に当たったの!?」
「そんなに目をキラキラさせて言わないでよ……そうよ、アンタが送った懸賞が当たったのよ。」
「で、でもだったらナーヴギアは!?あれがないとSAOはプレイできないし……」
そうだ、懸賞はソフトだけだったはず。どんなゲームもそれをプレイする機械がないとできないんだ。
僕がそのことを思い出しシュンとしていると……
「ったくこの私が買っといてあげたわよ。感謝してよね。」
……え?今姉ちゃんはなんて言った……?ナーヴギアがあるって……?
「ほ、本当に!?ありがとー!だから姉ちゃん大好き!」
「大好きっ!?っていうか抱きつくなー!恥ずかしいからやめてー!」
僕はハッとして、姉ちゃんを抱きしめていた手を離す。
「ごめんごめん。でもそうじゃん。優しいし、頼りになるし、本当に良い姉ちゃんを持ったよ!」
「姉ちゃん………うん、そうよね。私たちは兄弟だものね……」
ん?どうしたんだろう?姉ちゃんが目に見えて落ち込んでいるような……?あ、そっか!「大丈夫だよ姉ちゃん!SAOは姉ちゃんにもプレイさせてあげるから!」
「うん……そっか、ありがとね……問題はそこじゃないんだけど(ボソッ)」
あれ?僕なにか変なこと言ったかな……?考えろ、推理しろ!………
そうか!そういうことか!つまり、ナーヴギアを買ったのは姉ちゃんだから先にプレイさせてっていうことか!?だから今、そんなにも落ち込んでいるのか!………どうしよう……と、とりあえず話を変えないと!
「あれ?そういえば亜美はまだ帰って来てないの?」
「……え?ああ、亜美ね、ちょっと待ってね……あ、メールが来てる。えーと、「おにーちゃんに先にログインするように言っといてー!」だって。どうする?今からもうログインしておく?」
う〜〜ん、妹の亜美とは話しておきたいけど、ゲームも早くやりたいしな……
「うん、そうするよ。早くフルダイブを体験してみたいしね。」
そう言って、僕は二階にある自分の部屋に行くと、机の上にナーヴギアがあった。
(サンキュー、姉ちゃん。)
そして、初期設定やキャリブレーション?などを終わらせて、ナーヴギアを見ていると、何か悪い予感がする。
(こういうときの予感って推理能力が発動しているからほぼ当たるんだよなあ)と、思いつつもSAOのログインしようともう一度ナーヴギアをかぶり、お決まりの台詞を叫ぶ。
そう、僕はまだ知らなかったんだ………
「リンク・スタート!」
………ここからあの悪夢のような日々が始まるなんて………
次回は黒のあの人が登場!