憶測通りのマンションに連れてこられた俺こと、枝折すみか。
例の三角形テーブルのところに座るように言われ、大人しく座って数分待つ。
数分後、美味しそうな紅茶と、いちごの乗った白いショートケーキを持ったマミさんが現れた。
「紅茶でよかったかしら」
「大丈夫……です」
今、思い出した。
……俺、ミルクティーしか飲めないんだよな……。
でも、男に二言はない!!今の俺、女だけど。
まず、紅茶より先にケーキを一口。
「美味しい……」
甘いのにあっさりしててしつこくなくて……手作りとは思えない……。
「どこのケーキなんですか……」
「それ、手作りなの。気に入ってもらえてよかった」
お嫁になりやがれください。
紅茶の方は……。
ゴクッ
コクがあって喉越しいい……。(この際語彙力の喪失は気にしない)
「それで、魔法少女についてだけど……」
マミさんは、ソウルジェムをこちらに見せる。
「綺麗……」
「これがソウルジェム。キュゥべえに選ばれた女の子に、契約で生み出す宝石よ」
「魔力の源であり、魔法少女であることの証でもあるの」
「契約?」
「僕は君の願い事を何でも
「なんだって構わない。どんな奇跡だって、起こしてあげられるよ」
「ねがい、ご……と」
いざ自分の番となると、案外思いつかないものなんだな……願い事って。
「でも、それと引き換えに出来上がるのが、ソウルジェム」
「この石を手にしたものは、魔女と戦う使命を課されるんだ」
キュゥべえは前脚でマミさんのソウルジェムを指してみせる。
「魔女……」
「願いから生まれるのが魔法少女だとすれば、魔女は呪いから生まれた存在なんだ。魔法少女が希望を振りまくように、魔女は絶望を蒔き散らす」
「しかもその姿は普通の人間には見えない」
「不安や嫉妬のような、災いの種を世界中にもたらしているんだ」
「そんなのが……存在するの?」
「実際、君も体験したじゃないか」
QBごもっとも……。
でも、見てないんだ……。
「理由のはっきりしない自殺や殺人事件は、高確率で魔女の呪いが原因なのよ」
「もしかして、最近ニュースでやってるアレも……」
「そうなるでしょうね……」
講義は夕暮れまで続いた。
魔女の結界についてや、魔女の探し方とか。
「さぁ、僕と契約して魔法少女に……」
「だが断る」
「どうしてなんだい?君にとって不都合があるとでもいうのかい?」
「ある、ある、超ある。第一に俺は戦う技術なんて持ってない」
「命がけで戦うなんてまっぴらごめんだし」
「……」
その後、マミさんと向かい合って互いに自己紹介をした。さっきふと出てしまった男口調について聞かれたが、「なんでもない」と誤魔化した。
「今日はありがとうございます」
「いいのよ。魔女に襲われて命を落とす人を増やさないために、魔法少女は存在しているんだから」
「ケーキ、美味しかったです!また食べたいくらいに」
「来てくれたら出すわよ?」
「えへへ……マミさん、お邪魔しましたー」
マミさんが扉を閉めてから、ケータイで時間を確認する。……17:38……。
母親は海外勤務(アメリカ)、父親は出張中でどちらも家にいないから、門限の面では大丈夫だが……。
晩飯……タイムセール……過ぎた……。
買い溜めとかしてないから冷蔵庫は牛乳しかない……。
……あっ、食パンあるんだった……ホットミルクとトーストでいいか……。
続く
思考が所帯染みたすみかさん……
一人暮らしになってから10日ぐらいでこれとか、原作始まるくらい(半年後)には学校でもこんなこと考えるんじゃ……?