「……朝か」
「おはよう。いつもこの時間に起きるのかい?」
「……はぁ!?なんでここにいるんだよお前!!」
「君の魔法少女の素質は過去最大レベルなんだ」
「僕でも計り知れないくらい。分かるのは、並みの魔法少女5人程度……ってところかな」
「ショボくね?」
とりあえず着替えて家出ないと遅刻する……。まずベッドから出よう。
「あ、見るなよ?」
睨んだら普通にどこかに消えてった……。
タートルネックにも似た襟を持つ白いシャツ。黒白チェックのボックスプリーツ。クリーム色のプルオーバー。大きな赤いリボン。
仕上げには黒いニーソ。
てか、顔洗うの忘れてた……。
「行ってきます」
さほど大きな声を出したわけじゃないのに、やけに響く……。誰もいないからか?
《キュゥべえ?ついてくるのはいいけど、校内では姿を現さないでね》
《どうして?》
《特に、鹿目まどかと美樹さやかの前では》
キュゥべえに釘を刺しておく。まだこの時間軸のまどかは契約してないし、『魔法少女』の存在も知らないからな。
今日はまどか達とは別の道から登校することにした。今俺の肩に乗っている
「おはよー!すみかちゃん!」
「……あ、まどか。おはよう」
「今日は別の道から来たの?何かあった?」
「いや、ちょっとね……あはっ」
作り笑いを浮かべながら、まどかの視線を追う。……はぁ、大丈夫、見えてないようだ……。
「……?」
まどかと、話を聞いていたらしいさやかと仁美が不思議そうな顔で見つめてくる。
そんな目で見ないで……!
《君は、同級生と話したりしないのかい?ほら、そっちでもあっちでも楽しそうな雑談が繰り広げられているよ》
はぁ……。コイツ感情ないんじゃなかったのか?……精神疾患かも。
なぜか俺は、まどか・さやか・仁美以外に友達と呼べる人がいない。疎外されているというか……。でも、100人の知人より1人の親友の方が大事な俺的には平気だが……。
その友達であるまどか・さやか・仁美は今どこかに行ってしまっている。早く来たおかげで朝休み長いとはいえ、そんな遠くに行ってる暇なんてあるか……?
「枝折さんってさー、なんか変わってるよね……」
「あー、わかるわかる。なんか鹿目さん達と一緒にいるイメージしかない」
「鹿目さん以外に友達いないんじゃない?あの子優しいしwww」
「……」
静かに立ち上がって教室を出た。……転校当初は、俺を囲んで質問責めにした奴らなのに……。
急いで教室を離れる。保健室か図書室に逃げ込めたらいいのだが、建物が違う……。
「……」
時計は7:57を指している。見滝原中の始業時間は8:00。
「……って、あれ?キュゥべえは?」
《マミのところにいるよ》
いつの間に!?2年の教室から3年の教室は人間の脚でも結構距離あるのに……。
「あれ?すみか、どこ行ってたの?」
「ちょっ、ちょっとそこまで……」
「ふーん……」
2限の後の休み時間。
屋上に出てゆっくりすることにした。あわよくば、そのまま授業サボってしまうのも……。
キーンコーンカーンコーン……。
……めんどくさい……。
《授業はちゃんと受けなきゃダメよ?》
《……!?って、マミさんか……》
《今授業中じゃないんです?そんな余裕あるんですか?》
《このクラス、まだ担任が来てないの……クラスの生徒も半分くらいしかいなくて……》
《……まさか》
《まさかね……》
魔女……!?学校にも出現するのか……!?学校で自殺や殺人事件が起こるような場所……って、屋上じゃね!?でも、フラフラとした歩き方の人はまだ来ていないから……。
理科室……実験で使うものが自殺に使われたり……!?学校にそんな危険なものないと信じたいが……。
家庭科室……火がある、食中毒も起こせる……。包丁もある……。
体育館は魔女の結界を張るのに最適なスポット……ロープとかもあるし……。
《今、委員長に『保健室に行く』って言って教室を出たわ。家庭科室から魔力の反応がある》
《頑張ってくださいね……私は室内に戻ったら怒られると思うので……》
《えぇ、頑張ってくるわ!》
テレパシーが切れた。家庭科室の予想が当たってしまった……。
はぁ……俺、マミさんみたいな正義の魔法少女向いてるのかな……。
続く
※この物語はフィクションです。