Fate/Different   作:倉敷 紡

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Prologue
序章・槍兵


 私は見つけた。私が見つけた。私の見つけた場所。簡易的魔術工房。

はるばる日本からやって来た甲斐があった。この為にお爺様の遺産を持ってきた。

 

 私は確信していた。ここなら大丈夫だ。これなら大丈夫だ。彼なら大丈夫だ。

 私は準備する。触媒を準備する。魔方陣を準備する。

 水銀で描く。消去の中に退去、退去の陣を四つ刻んで召喚の陣で囲む。触媒となる聖遺物を祭壇に置く。

 そうして完璧で最高の準備の元、未熟者の私は唱えた。

 

 

「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。

祖には我が大師■■■■■■■——

降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する

————告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ

誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷く者。

汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ———!」

 

 

 

 魔方陣は眩く光り、辺りは煙に包まれる。目が開けられるほどに光は落ち着き、煙が晴れる。身の丈は2m近くあろう大柄の人影が私の目の前に現れ

 

「サーヴァント、ランサー。お主が我が(あるじ)か」

 

 そう名乗った。ランサーと名乗るその大男は甲冑に身を包み、私の顔を見つめた。

その顔は険しく、武張り、柔らかさというものがなかったが、私にはとても美しく映った。

美しかったその顔を見るのが辛くなり、顔を逸らす。

が、その顔に引き込まれ、再び彼の顔を見る。見てしまう。

 

「—————。いや、何も言うまい。

 して、(マスター)よ。己が聖杯にかける望みはなんだ?」

 

「—————」

 

 ランサーが聞いてくるが何も答えない。応えない。応えられない。

 しかし、ランサーの目はじっと見つめてくる。

やめろ。見るな。見てくるな。見つめるな。ランサーの瞳の中には私が写っている。

 

「ほう、よいだろう……。で、あるならば!!我が槍は(マスター)の願いを叶えるため振るうのみ!!」

 

 自らの身長の何倍もあろう長槍を振り構え、私に忠義を誓う。私は自分の右手の甲に刻みつけられた〝令呪〟をさする。

 

「……ランサー。

 あなたのその槍を誰のためでもなく……この私、美作(みまさか)琴音(ことね)のために……振るいなさい……!」

 

 ランサーの言葉を借り私は彼に頼み、命じ、願う。彼はニッと笑うと私に顔を近づけ

 

「当たり前であろう!そなたは我の(マスター)なのだから!!」

 

 そう言い放った。顔が赤くなる。いや、なるものか。耐える。歯を食いしばり背けたくなる。

 よし。(ランサー)がそう言ったから、私は決める。勝つと決める。負けないと決める。聖杯を手にすると決めた。




クラス:ランサー
真名:???
筋力:???
耐久:???
敏捷:???
魔力:???
幸運:???
宝具:???
クラススキル:???
保有スキル:???
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