私、ギネヴィア・セレナはセレナ家第5代当主の魔術師だ。
5代続いたとなれば、
が、しかしだ。私のご先祖であるアメンバ・セレナが魔術を習得から無駄に5代続いたと言っても過言ではない。
そもそも私はこの〝ギネヴィア〟という名前自体好きではない。なぜ、英国の〝不貞の姫〟と同じ名を与えられなければならないのか。
今は亡き祖母がつけてくれたそうだが、謎だ。祖母は英国の生まれでもなければ、私の血族に英国出身の者など一人もいない。少なくとも母方、父方双方5代前まではいない。
さて、私の身の上話などは置いといて、話は変わるが教えて欲しい。私の目の前に立つ、この大男は誰なのだ。
いや、この場にいるのは私一人なのだから私以外にこの男を視認できる者はいないのだけれども。しかしこの男、年老いた風貌でありながら老いを感じさせず、威厳もある。そのような老人に私は生まれてこのかた出会ったこともなければ、見たこともない。
困惑している私をよそに男は口を開く。
「魔術師か?」
「は?」
「其方は魔術師か、そう問いておる」
この男、何言ってんだ?
魔術協会総本部であるロンドン・時計塔から遠く離れたこの地で根源なんて目指す手段も方法もない私たちの家系は魔術を隠匿するのではなく、それを利用し、金を稼いできた。そう……私たちセレナ家は魔術師なんて者ではなく、魔術使い。
魔術師たちから忌み嫌われる生業の者なのだ。魔術師ではなく、魔術使いとして5代続いたわけだ。これが先ほど私が無駄に5代続いていると言った理由だ。
「娘、聞いておるのだろう、娘」
娘を連呼するな、男。私は魔術師ではなく魔術使いだ、男。
しかしまぁ、5代も続けば魔術回路の数もそれなりな物になるものでメインは30やそこら。ついでにサブも20と割とある方。だからこの大男には言ってやった。見栄と自虐を込めて。
「ええ、そうよ?アタシは魔術師よ」
「ならば、ワシと契約せよ」
「は?」
「魔術師ならば、知っておるだろう?
ワシはサーヴァント、ルーラー。ペトロなり」
サーヴァント……。聞いたことがある。確か聖杯戦争だっけ?そこに呼ばれる使い魔のようなものらしいけど……。
「なんでアタシがあんた……サーヴァント?と契約しなきゃならないのよ」
「ワシは聖杯に呼ばれ顕現した。……したのだが、どうやら聖杯からの魔力供給がない。
魔力供給がなければ、ワシは消えるのみ。それはよろしくない」
あれ?サーヴァントって聖杯に呼ばれて、マスターが召喚して、そのマスターに魔力供給受けるんじゃなかった?私もよく知らないけどさ。
「娘、はよせい。……娘」
まずいな。この男、私と契約するつもりだ。でも聖杯戦争に参加すればセレナ家も魔術使いとして、名が広がれば仕事も増えるだろう。それに勝利すればなんでも願いが叶うらしいし?
魔術使いから魔術師になることだって可能かもしれない。そうすれば、私は魔術師が目指す〝根源〟——〝根源の渦〟「 」とも呼ばれていたかしら?——に至ることができる……。そこに至ればどうなるのかよくわからないけど。
ちょっと待って、いいことづくしじゃない!ま、いいんじゃない!?契約でもなんでもしてやるわよ。この男の気が変わらぬうちにさっさと契約とやらをしてしまいましょう。
「オーケー。いいわ、契約しましょう」
大男は……いや、私のサーヴァントは私に契約の詠唱呪文を教えると満足に笑った。
「———告げる。汝の身は我が下に、我が命運は剣に。
聖杯のよるべに従い、この意、この理に従うならば———
我に従え、ならばその命運、汝が〝杖〟に預けよう!」
「ルーラーの名に懸け誓いを受けよう……
其方を我が主と認めよう、ギネヴィア・セレナ……!」
タンスにぶつけたような痛みとともに私の右手に赤い痣のようなものが浮かび上がる。これが令呪か……。
なっちゃたかー。私もついにマスターになっちゃったかー。仕方ないなー、聖杯戦争参加しちゃうか〜。そして勝利もぎ取っちゃう!?
なんて能天気なことを考えていた数時間後、私は
「本当に最悪なんだけど!?!?!?
なんの説明もなしに契約させやがって!!どこの英霊だよ!!!あんのクソオヤジ!!!!!」
私は寒風そよぐ丘で高く広がる空に思い切り叫んでやった。
「ワシはルーラー、ペトロ」
「うっさい!黙れ!!」
はぁ……。アタs……私の聖杯戦争どうなっちゃうんだろう。
クラス:ルーラー
真名:ペトラ
筋力:???
耐久:???
敏捷:???
魔力:???
幸運:???
宝具:???
クラススキル:???
保有スキル:???