強者の界   作:聖成 家康

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六界〜十界
六界 『勇猛の戦火』


晴哉は再び、クエスト選択画面に立っていた。

実は寝不足。結局、ジキルとハイドの部屋に泊まらされ、真夜中まで研究とやらに付き合わされた。

 

「次が…『勇猛の戦火(ゆうもうのせんか)』?」

 

次の界は六界『勇猛の戦火(ゆうもうのせんか)』。

ギミックはダメージウォールのみ。そして、受けたダメージに応じて攻撃力アップ。

 

(これはアンチダメージウォール持ちを連れて行ったら積む奴か…)

 

この“受けたダメージに応じて攻撃力アップ”というのは轟絶 ヴィーラと同じ仕様だ。

轟絶と同じ仕様ということは、中々の高難度なのだろう。

その選択画面の右上に書いてる文字がそう示している。

 

『難易度 轟絶級』

 

……と。

こんなにも丁寧に書いてくれているのだから、難しいのは当たり前だ。

 

「んんん〜。難しいな。ダメージウォールのみってのがありがたいか…天草四郎、ジェラルド、適当に運枠のニライカナイ、後はミロクかな。」

 

そう呟くと、言った通りのモンスター達が現れた。

天草四郎もジェラルドもミロクも全員見事獣神化を果たした優れた者達、火属性キラーの火力には期待できる。

 

「お願いします。主人様。」

 

「お前を俺が守ってやる!」

 

「希望も悪くない。私は皆を希望で救済しよう。」

 

皆晴哉に挨拶をしたがニライカナイだけは、絶対に挨拶をしようとしない。それもそうだ、あの見た目、言っちゃ悪いが相手にしてはいけないタイプだ。

 

「さぁ、行こうか。」

 

晴哉はため息混じりにそう言うと、クエストを選択した。

 

 

 

クエスト開始、連れて来られたのは異様な場所だった。

崩壊した街、しかも辺り一帯全て燃えている。

 

周りをじっくり見ている間もなく、第一ステージ。

火属性の魔道士が左右に2体、中心にはビットン。そして奥にはフェンリルXが唸り声を上げて威嚇していた。そして、ハートパネルが二つ敷かれてある。

フェンリルX、魔道士には8という大きな数字がある。

恐らく…いや必ず即死攻撃だ、注意して挑みたい。

 

ニライカナイは1ターン目、ダメージウォールがないから何もできない。

とにかく有利な位置から動きたいため、フェンリルXの右斜め前に放ち、フェンリルXの真横に停止した。

 

敵の攻撃、ビットンが左右の建物にダメージウォールを展開、そして魔道士は波動弾で攻撃。焼けるような痛みが晴哉に走る。

 

(この痛みも、……ぐぅッ…もうなんともねぇな。)

 

晴哉は痛みをぐっと飲み込み、天草を放つ。

ジェラルドはダメージウォールに触れながら、回復もしつつ魔道士を2体同士に倒す。

魔道士は2体とも案外簡単に倒れた、残るはフェンリルXのみ。

 

ジェラルドを放つ。ジェラルドはダメージウォールに触れながらフェンリルXを剣で斬りまくる。

無事にフェンリルXを倒し、ステージを突破。

 

第二ステージ、中心にビットン、魔道士が4体平行四辺形型に並べられ、後ろと前の方には火属性のヨルムンガンドと進化の火属性トールがいる。

 

(なんでトールが…?わざわざ出す必要あるかぁ?)

 

晴哉はそんな事を思いながらも、ミロクを放つ。

当然、敵には傷一つ付けられないが、ヨルムンガンドに最接近することができた。

敵の攻撃、ビットンが後ろと前にダメージウォールを展開した。そして魔道士の波動弾攻撃が4連続で来る。ヨルムンガンドはレーザーをトールの方へ放つ。

 

(トールとヨルムンガンドの間には、入らない方がいいな。)

 

そして晴哉はニライカナイを放つ。ダメージウォールに触れながら、回復しつつヨルムンガンドの体力を半分削り、魔道士を4体一気に倒す。

また敵の攻撃、次はトールがヨルムンガンドに向かって短距離拡散弾を放つ。奇跡的に当たらなかったが、当たればかなりの被ダメとなる、注意したい。

 

「天草!頼むぜ。」

 

「おまかせを。」

 

天草を放つと、ダメージウォールに触れつつ、ヨルムンガンドを倒し、そして偶然にもトールと壁の間には挟まり、トールも倒した。

 

「よくやった!天草!」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

天草四郎は少し照れた様子だった。

 

第三ステージ ビットンが右側の朽ちたビルの上に、中心には進化前のラグナロク。そしてその周りに4体の魔道士。ヨルムンガンドとフェンリルXが左右に配置。

 

「おやぁ?まだ生きてる奴がいるぞ。あたしのこの世界で、破滅以外は許されねぇんだよ!!」

 

ラグナロクは女とは思えない言葉使いで叫ぶ。

 

「破滅…?この世界はお前が滅ぼしたのか?」

 

「あたしの世界だ、どうやろうがあたしの勝手だろ!!」

 

これ以上話しても無駄だと判断した晴哉はすぐにジェラルドを放つ。ダメウォがない今、何もできないが、右側の魔道士のすぐ側に配置できた。

 

「滅びなぁ!!」

 

ラグナロクは地面に拳を突きつけ、そこからクロスレーザーが放たれる。

不幸にもジェラルドに当たってしまう。

そしてビットンが全面にダメウォを展開。

これで攻撃が通る。

 

ハートパネルで回復も狙いながら、ミロクでダメウォに触れてフェンリルX、ヨルムンガンドの間に入り、綺麗に削り切る。

 

「ホォ、やるじゃねぇか。」

 

ラグナロクが呟く。

 

「だがなぁ、私の世界では破滅こそが全てなんだ。生きることは許されねぇ!!」

 

敵の攻撃、ラグナロクのメテオ攻撃。

頭に石で殴られたような痛みと衝撃が響く。

 

「ぐあっ…!」

 

思わず声を出した晴哉は足を踏ん張り、呂布を放つ。

ニライカナイでダメウォに触れながら、ラグナロクと壁の間に挟まり、ラグナロクの体力を削り切る。

 

削り切ると、周りの敵たちは飛んで逃げていった。

 

「ヘェ……面白い奴らだな。なら、本気で相手してやるよ!!」

 

ラグナロクは炎を撒き散らし、奥の交差点らしき所に逃げた。

そこに足を踏み入れると、警報音が鳴り響いた。

 

ボスステージだ。

 

ラグナロクが大きな鹿を連れ、右手の拳を地面に突きつけながら待っていた。

辺りの建物の炎はより一層燃え上がっている。

 

「世界よ!!炎に包まれて滅んじまいなァ!!」

 

ラグナロクがそう叫ぶと、敵が降ってくる。

火属性のオーディンが奥の壁際、フェンリルXが後ろの壁際に。そしてラグナロクを囲むように魔道士が三体。奥の建物の上にはビットンが、そしてハートパネルが敷いてある。

 

天草四郎は何もできないため、すぐに放ってターン終了。

 

ビットンが全面にダメウォ展開、魔道士の波動弾に耐えながら、次のターン。

ジェラルドでダメウォに触れつつ、回復もしながら、魔道士を三体倒し、ラグナロクとオーディンにもダメージを与える。

 

敵の攻撃。ラグナロクのメテオ攻撃と、オーディンのレーザが一気に来る。

込み上げる痛みをぐっとこらえ、晴哉はミロクを放つ。

ミロクはダメージウォールに触れつつ、オーディンを倒し、フェンリルX、ラグナロクにもダメージを与える。

 

(ちまちま削ってたら即死が来る…一気にケリを付けちまおう。)

 

ニライカナイをダメウォに沢山触れさせながら、ラグナロクと壁の間に挟まらせる。

ニライカナイがダメージウォールに焼かれる姿を、晴哉は極力見ないようにした。

何はともあれ、ボス一ステージは突破だ。

 

「見てみな、神々も黄昏時だァ?受け入れな…」

 

ラグナロクはそう言って、街の奥へ逃げていく。

晴哉がふと横を見ると、そこにはフェンリルXがオーディンを喰らう所がはっきりと見えてしまった。

晴哉は見ていないフリをした。

 

ボス第二ステージ。ラグナロクが後ろの壁際に、魔道士が奥の壁に二体。そして左右の壁にはヨルムンガンドとトールが。ビットンは建物の上、ハートパネルもきちんと敷かれてある。

 

天草を放ち、このターンは何もできず終了。

敵の攻撃、魔道士の波動弾はちょっとだけ喰らいダメージウォールが左右に展開され終了。

 

「頼むぜジェラルド!!」

 

「聞き入れた!お前の声に答えよう!」

 

ジェラルドが放たれる。ダメウォに触れながら、魔道士と魔道士の間に挟まり倒す。

そしてターン終了。

 

敵の攻撃、トールとヨルムンガンドの間に二本のレーザが放たれる。

そしてラグナロクのメテオ攻撃で、このターンは終了。

 

「滅べ滅べェ!この世界と共に!!」

 

ラグナロクの叫びが響く。すると、周りの炎はまたより一層燃え上がる。

 

「俺らを導いてくれ!ミロク!」

 

「この世界を救済してみせよう。私のこの導きの光で。」

 

ミロクが放たれる。ミロクはダメージウォールに触れながら、ラグナロクとトール、ヨルムンガンドにそれなりのダメージを与える。

 

敵の攻撃、またトールとヨルムンガンドの間にレーザが放たれ、敵のターンは終了。

ニライカナイのターン。

 

「海だろうが、街だろうが。住処を汚す者は許さない。」

 

ニライカナイはそう言うと、放たれ、ダメージウォールに触れながら、回復もしつつ、ラグナロクの体力をなんとか削り切る。

 

「ほらほらァ!!神も黄昏時だっつてんだろ?いい加減受け入れろ。」

 

ラグナロクは再び街の奥へと逃げていった。

晴哉はまた偶然にも、トールとヨルムンガンドが殺し合う所を見てしまった。

血が吹き出したり、鈍い音も耳に入ってきたが、晴哉はまた聞こえないフリ、見えないフリをした。

 

ボス最終ステージ。ラグナロクを中心に、奥とラグナロクの手前にはスルトが、後ろの壁際には魔道士が三体が三角形で並んでいる。ビットンは建物の上に、ハートパネルもご丁寧に三つも敷かれてある。

 

天草は何もできず、そのままターン終了。

 

敵のターン、スルトが貫通ホーミングを放つ。地味に痛い。魔道士の波動弾も受けながらダメウォも展開され、敵のターンは終了。

 

ジェラルドのターン。ダメウォに触れながら、ラグナロクの体力をゴッソリ削る。運良くクリティカルが発動した。

 

「アハハハハッ!やるなァ!クズ野郎共ォ!!」

 

ラグナロクが地面に拳を突きつける、クロスレーザとメテオが放たれ、晴哉のモンスター達の体力もかなり持っていかれる。

 

(不味いぞ…このままいれば次で確実に……)

 

「心配をするな。」

 

ミロクが晴哉の肩に手を乗せた。

 

「行けるか?ミロク…」

 

ミロクは頷いた。

 

SSはオールアンチのため使っても意味はない、通常のショットで決めるしかない。

 

「信じるぜ!ミロク!!」

 

晴哉はミロクを放った。

ミロクは物凄いスピードで駆け回り、ダメウォにも触れまくった。

晴哉のパーティーの体力は0だが、ミロクは止まる気配が無い。

 

「アハハハハッ!」

 

ラグナロクが殴りかかるが、それも軽々避けながら、ミロクはラグナロクを斬りまくる。

 

「この世界は救済された。後は貴様が死ぬのみだ。」

 

ミロクはラグナロクにトドメの一撃を入れた。

 

 

「あっ………あたしを……倒すか!!…新世界はお前の物だ!!」

 

ラグナロクはミロクを最期まで殺そうとしたが、無残にも消えていった……

 

 

クエストクリアの文字が浮かぶ。今回もなんとか成功だ。

 

「ありがとう!みんな!」

 

「いえ…」

 

「お前の声に答えたまでだ!!」

 

「この世界の救済のために動いた。それだけだ。」

 

皆テンションはそれぞれだが、顔に笑みを浮かべていた。

 

こうして、晴哉はまた、モンスター達と絆が深まったのであった……

 

 

 

 

 

 

 




ラグナロクちゃん好き…(*´Д`)ハァハァ

( ゚д゚)ハッ! 次回は七界『滅霧なる夢弦』です。お楽しみに!!
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