強者の界   作:聖成 家康

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モンスターストライクの世界に召喚された晴哉はガブリエルから『強者の界』という誰もクリアしたことないステージへの挑戦状を出されたが…




一界 『孤独の頂点』

表示されたクエスト選択画面には

『一界 孤独の頂点』とある。

 

「そうだ、さっそく見てみるか…」

 

その文字をじっと見つめると、ギミックアイコンが浮かび上がってきた。

 

「必須ギミックは…魔法陣…のみか…」

 

アンチ魔法陣のキャラ…ボスの属性はどうやら闇らしい。

 

「ソロモン神化、キルキルリラ、カエサル進化…あとは…適当に運枠にアンチテーゼでも入れていくか…」

 

「そういえば…このコンタクトレンズ、モンスター編成機能ももちろん付いてるよな…」

 

晴哉は念を込めてみた、すると目の前にさっき言ったモンスター達が現れた。

 

「こんにちわ〜ハルくん。会えて嬉しいですよ〜」

 

ソロモンが話しかけてきた。

晴哉はソロモンのあまりの綺麗さに気を失いそうになったが、堪えた。

 

アンチテーゼには絶対話しかけないほうがいい。

キルキルリラは…じっとこっちをみて微笑んでいる。

カエサルは…ニヤニヤニヤニヤしながら一人でブツブツ言っている。話しかけたくないタイプ。

 

そして、晴哉はモンスター達の威圧に耐えながらそのクエスト選択を指で優しくタップした。

 

すると、目の前の視界が黒い空間から薄暗い洞窟になった。

 

そして、モンスターが上から降って地面に着地した。

ホーミング吸収が3体、ハンシャインが2体。

位置からして、ツクヨミのような同時蘇生だろう。

アンチテーゼを薄めの横カンで放ちたい。 そう思った瞬間にアンチテーゼが壁に向かって飛んでいった。

そして、晴哉の予想通り薄めの横カンで全ての敵を倒せた。

しかし、敵を貫く時の音はシャキンというゲーム音ではなく、グシャやバキッといった鈍くやけにリアルな音だ。アンチテーゼは自らの磁石で相手を突き刺して倒していた。

実際に体験とはこういうことなのか…

 

「さぁ、進もうよ。」

 

キルキルリラが話しかけてきた。

晴哉は言われて足を前に動かした。

 

第2ステージ ここから魔法陣が敷かれてある。でも気にする必要はない。

そして中ボスだろう。オリジナルというモンスターだったか。ライオンのような顔から人間の足と、紫色の剣などを持った腕が4本生えている。上には体力ゲージがある。

そして周りにはさっきと同じモンスターが2体ずつ丁寧に配置されてある。

クエストの方式は分かった。ツクヨミに魔法陣が敷かれたような感じか。

ソロモンのターン。弱点も見える、横カンで弱点で削りながら雑魚も殺っていく感じでいこう。

 

「待て!」

 

晴哉は思わず声に出た。はっきり見える。クロスドクロマークが。

2体のハンシャインについている。横に並んでいるため倒しやすいだろう。

これなら友情で削りつつ、クロスドクロの敵も倒していこう。

そして、晴哉はソロモンをアンチテーゼに当たるように放った。

アンチテーゼの友情コンボは爆撃とウェーブ。

どちらも強力な友情コンボだ。

 

爆撃がクロスドクロの敵を焼き払った。その焼き払う音は耳に嫌に残り。焦げた匂いは鼻が曲がるほどの匂いだ。

クロスドクロ発動…ボスの足元に防御ダウンのマークが見える。

 

「なるほど、こんなクエストが禁忌より難しいってか?あくびが出る!」

 

晴哉は余裕な言葉を放ちながら、キスキルリラをゼロに向けて放つ。

アンチテーゼの友情コンボにソロモンの友情コンボが重なり、ボスの体力は一気に減った。

 

第3ステージに進む。

ハンシャインとホミ吸が均等に並べられている。

そして、2体のホミ吸とハンシャインにはクロスドクロ、そして中心には中ボスの進化されたスラッシュがいた。

恐らく…さっきと同様にクロスドクロを倒してから防御ダウンをし、スラッシュを倒す形式だろう。

腕が鳴る。

今までよく見ていなかったが、敵の攻撃ターンも表示されてある。周りの敵には『8』、スラッシュには『11』という大きな数字がある。即死攻撃だ。絶対痛い。これまで攻撃を喰らわず来れたが、多分、敵の攻撃の痛みは経験したことのないような痛みだろう。

 

「ハルと言ったか。」

 

遠くにいるアンチテーゼが叫んできた。

 

「貴様に従う!好きに打つがいい!」

 

見た目からしてかなりヤバさそうな人だがそうでもないようだ。

 

「あっれれ〜?次は僕のターンだからなァ。僕が打ってもらうんだよ〜?」

 

カエサルがどこぞの名探偵見たいな口調で煽った。

アンチテーゼは苛ついているがその場からは断じて動かない。

 

「さぁさぁハルきゅ〜ん。僕を奴らに放つがいいさ!」

 

こっちのほうが断然ヤバかった。なんだこのどこぞの名探偵がイカれたみたいな奴は。

しかし、放つしかない。

そして、晴哉は友情に任せ、クロスドクロを倒すような感じでカエサルを放つ。

 

「あはははははは!!いぇぇぇぇい!!」

 

カエサルは猛ダッシュで高笑いを上げながら敵を杖で叩きまくった。

もう精神イカれてるんじゃないのかってくらい。

でも案外上手くいった。クロスドクロは友情とカエサルの高笑いアタックですぐに倒れた。スラッシュの右下に防御ダウンのマークが入る。

 

「フフ…貴様ら面白いな…」

 

ずっと黙っていたスラッシュがそう言った。

すぐやられそうな悪役みたいなセリフだな。

 

「アハッ!こんな奴早くやっちゃえよハルきゅ〜ん。」

 

カエサルが言う。

晴哉はアンチテーゼをスラッシュの弱点を貫くように放つ。

アンチテーゼは手の尖った金属でスラッシュを斬る。血が飛び散った。

スラッシュは人に近いモンスターのため血が出るのか。晴哉は気分が悪くなった。

 

スラッシュの攻撃。

 

「我が一撃を受けてみよ!」

 

スラッシュはアンチテーゼに向かって一本の太い紫色のビームを放った。

その時、晴哉の腹に焼かれたような痛みが走る。

 

(くっ…これが痛みの共通か……けど思ったよりの激痛じゃない。)

 

焼かれたような痛みといってもそんな炎に焼かれて皮膚が焼け落ちる…ような痛みではなく、熱いお湯に浸かった鉄が皮膚にくっついたような痛みだ。

けれど…モンスター達はもろに喰らっている。きっとこれとは比べ物にならないくらいの痛さなんだろうな。

そのためにもちょこっと残ったスラッシュの体力を削らなければ。

ソロモンを放ち、スラッシュの体力を完全に削る。

 

「ぐわぁぁ!」

 

スラッシュは声を上げながら倒れ、煙になって消えてしまった。

モンスターを倒しているはずなのに、人を殺しているような感覚だ。

 

第4ステージ。ボスだ。

警告音が鳴り響いたと思うと、上からオリジナルの進化した姿、『ゼロ』が降ってきた。

体全身紫で、下半身は透明。大きなコウモリのような翼。4本の角に3本の腕が特徴的だ。不気味すぎる。

 

「脆弱!脆弱!」

 

そんなことを叫びながら晴哉たちをじっと見つめている。

凄い迫力。ゲーム画面で見る物とは全く違う、実際の威圧だって物凄く感じる。

しかし、晴哉は深呼吸し、落ち着いて状況を確認する。

魔法陣が4つほど敷かれている。

クロスドクロは壁際ギリギリのハンシャインが2体。

後は奥にゼロ、その手前にはスラッシュ。

ドクロマークを倒し、防御ダウンをさせて倒していくという単純な作業。

しかし、気をつけたいのはゼロのマーク付きの5という数字。

即死だろうか、イヤ、即死攻撃が5ターンで放たれたら一溜りもないだろう。

しかし、どちらにせよこちらを不利な状況に陥らせる攻撃に違いない。

イヤ…ゲージは緑。 すぐに終わるのか…

とにかく、ソロモンでクロスドクロを先に倒すしかない。ソロモンでクロスドクロを倒す。

成功。クロスドクロ発動、スラッシュが防御ダウン。あれ…?スラッシュだけ?

今気付いたが、スラッシュにはドクロマークがある。

そういうことか、スラッシュも倒さなければボスにダメージが与えられない…

『孤独の頂点』とはそういうことか。

 

スラッシュに向かってカエサルを放つ。また高笑いを上げながら杖で敵を貫いている。

しかし、一手では終わらない。

半分は削れた。ゼロの5の数字にも気をつけなければ…

ゼロがホーミング、スラッシュがビームを放つ。

小石をぶつけられたような痛みも同時に走る。

これもさほど痛くない。

初めて、自身のパーティーの体力ゲージに目を向けたが、4分の1くらい減っている。

そこまで手痛い被ダメではないようだ。

 

これが禁忌の獄より難しいステージなのだろうか…

アンチテーゼを放ち、スラッシュにトドメを刺す。

 

スラッシュが煙になり消えたあと、ゼロに防御ダウンのマークがついた。

 

(よし、これであとは削るだけーーー)

 

そう思った次の瞬間。ゼロの姿が激変した。

体色は赤紫に変わり、目は赤くなった。

覚醒だ。

マーク付きの5の数字は1に変わった。

 

まずい…

 

1の数字が0に変わり、ゼロが空に手を掲げると、メテオが降ってくる。

メテオは全員に直撃。ソロモンの悲鳴、アンチテーゼのうめき声も聞こえた。

 

それと同時に晴哉には今まで受けてきた痛みを遥かに超えた激痛が走った。

大きな石で頭を殴られたかのような痛み。

晴哉は思わず膝をついてうずくまった。

ちらっとマーク付きの数字を見てみると、その数字は9に変わっていた。

そして自身の体力ゲージ。4分の1だったものが3分の1くらいまで減っている。

即死というわけではないが、あの痛さ…即死攻撃はどれくらい痛いのだろう。

晴哉は痛みを堪え、キスキルリラを放つ。

ゼロと壁の間に挟まれた。弱点も丁度そこにあったため、かなりのダメージだ。

しかし、まだ削り切れない。

 

(落ち着け…友情で着々と削っていくんだ…)

 

カエサルを友情コンボ狙いで放つ。

さぁ暴れてくれ…

 

「アハッ!アハハハハ!」

 

カエサルはアンチテーゼ、ソロモンの友情コンボを発動させながらそこら中を駆け回る。そして最後の止まりかけの一撃はゼロの体力ゲージを削り切った。

 

「くっ…やりおるわ…」

 

ゼロは洞窟の壁を破壊し、次のステージへと移動した。

 

「アハッ…ボサッとしてないで追いかけるよ。」

 

カエサルが晴哉の手を引いて、次のステージへ足を踏み入れた。

 

次のステージ、ボスの最後のステージだ。

 

壁奥の進化前のスラッシュにクロスドクロが付いており、中心にはゼロが堂々と立っている。

まだ痛みが残っているが、やるしかない。

 

アンチテーゼでスラッシュの体力を削る。

直殴りだけでは終わらなかったが、なんとかソロモンの友情コンボで両方の体力を削り切ることができた。

クロスドクロ発動…何か呼んだ。

 

進化スラッシュだ。

そのスラッシュにもドクロマークがある、恐らくこれがゼロの防御ダウンだろう。

ソロモンをスラッシュに放つ。

ソロモンは笛だったはずの剣でスラッシュに斬りかかる、スラッシュからは血が垂れた。

スラッシュの体力は全然削れなかった。直殴りだけでは削りが悪い…

キルキルリラのターン。

 

「私を放って。お願い。」

 

気づいたら、キルキルリラのSSは溜まっていた。

晴哉はコクリと頷きキルキルリラはSSの体制に入った。

キルキルリラのSSはたしか仲間に触れる度回復。

火力には期待できないが、最終ステージ。

SSは打ったって損はない。

 

キルキルリラが放たれた。眩い光と共に見えないような速さで駆け回っている。そして、あり得ない勢いでスラッシュの体力を削って行った。

 

あれ…こんなストライクショットだったっけ…

たしかにパワーアップはあるが、それでも友情コンボなしでこれ程まで削れるとは…

しかし、これでゼロの防御ダウンが完了した。それと同時に、ゼロが覚醒し、またあの禍々しい紅色に体を染めた。

でも、後は攻めるだけだ。

カエサル、アンチテーゼを放ち、攻撃する。

しかし、どうも体力の削りが悪い。

スズメの涙くらいしか削れない。

最終ステージには何らかの防御補正が入っているのか。

 

「ハルくん。私であの孤独な方に祝福を与えましょうか。」

 

「それは……」

 

「あの方は仲間を失い、怒り狂っている孤独な方です。」

 

仲間を失わせたのは俺らだ。しかし、向こうも殺しにかかってきている。

これが“弱肉強食”という奴か。つまり仕方ないことで済まされてしまう。

そして、微かに画面越しからは伝わらないようなゼロの泣き声も聞こえてくる。

 

でも、ごめんよ。俺だって訳も分からず連れて来られたこの世界から帰りたいんだ。

痛いけど、悲しいけど…ごめんな。

これが弱肉強食なんだ。

 

晴哉はそんなことを思いながらソロモンのストライクショットを放つ。

ソロモンは駆け回って、暴れるゼロの腕を華麗に避けながら攻撃を喰らわせていく。

そして、ゼロの胴体を笛の剣で貫いた。

 

「あなたが孤独と涙の道に進まぬよう願います。」

 

地面にふわっと天使のように着地したソロモンは手を合わせてそう言った。

ゼロは幼き子供のような叫び声を上げながら、煙となって消えた。

 

すると、クエストクリアの文字が浮かび上がった。

なんとか一界をクリアできた。

スマホでやったら楽なんだろうが、実際にモンスターを操り、モンスターを倒すというのはこんなにも疲れるものなのか…

 

ゲームの世界とはこういうものだったんだな。

 

 

 

ーーーーーーーー続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回のボスは『ゼロ』でした。
多分世界一作りやすい運極だと思う。あと世界一使わな(((
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