強者の界   作:24代目イエヤス

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四界まで辿り着いた晴哉。クエスト名を見て編成を即決めていたが…


四界 『惨殺の巨兵』

クエスト選択画面に書かれてある文字は

惨殺の巨兵(ざんさつのきょへい)

到底、クエスト名だけではどんなものかは予想できない。

ギミックは地雷のみ…そして木属性。

 

「こりゃマナゲーの予感が…マナ、アグナX、ノンノ、張飛 辺りで攻めるか…」

 

言った通り、マナとアグナムートX、ノンノ、張飛が現れた。

アグナムートXは最近獣神化改が実装されたとの知らせを受け、急いで獣神化させた。

 

「宜しくお願いしますね、ハルさん。」

 

マナは凄く…なんというか…『優しい』っていう雰囲気がする。純愛の天使とも呼ばれているのだから当然だ。

 

 

 

クエスト開始、壁に髑髏が付いている謎の部屋に連れて来られた。不気味だ。

 

第1ステージ 早速中ボスに進化前ヨトゥンが出現。

周りには山姥が2体、通常ドクロマークを付いている。

そして如何にも『挟まれ』といっているような配置で置かれているハンシャインとダ・ヴィンチXコンビが二組組。

ヨトゥンにはマーク付きの1の数字がある。

とりあず、マナを放ち、山姥を一体倒す。

ドクロマーク発動。ヨトゥンの1の数字が3へと変わった。

 

晴哉はなんとなく理解した。あのマーク付きの数字は恐らく即死攻撃。山姥を倒し、ターンを遅らせつつ、ボスを倒すというクエスト。

面倒臭いにも程がある、でもこういうクエストも新鮮で面白い。“スマホでやってたら”の話だが。

 

「アグナックス、頼むぞ。」

 

「任せといて、ご主人様。」

 

アグナックスでヨトゥンの体力を削りつつ、ハンシャインとダ・ヴィンチの間に挟まる。さすがは超スピード型、目にも止まらぬ速さで挟まり、ご自慢の剣で薙ぎ倒してくれる。

敵のターン、ヨトゥンが蘇生を行う。するとさっき倒した山姥がぬるりと出てくる。

あの狂気じみた顔が地面から覗いてくるのは背筋が凍る。臆病な人が見れば失神してしまうほどだろう。

やはり晴哉の推測は正しかったようだ、山姥は何度でも蘇生する。

 

晴哉は即死攻撃に気をつけながら、ノンノ、マナでハンシャインとダ・ヴィンチを処理する。

敵の攻撃、ヨトゥンが気弾を放ちながら地雷をばら撒く。この焼けるような痛みにもなれてしまった。

そしてアグナックスで弱点を攻撃し、ヨトゥンの体力を削る。

ヨトゥンがばら撒いてくれた地雷のおかげか、火力が上がり、かなり削れた。

 

張飛を放ち、地雷で火力を上げ、ヨトゥンを撃破。このステージを突破。

 

第2ステージに進むと、中ボスに進化ダ・ヴィンチXが出現。

ダ・ヴィンチにはマーク付きの1の数字があり、周りには四体の山姥。そしてハンシャインとダ・ヴィンチXのコンビが一組。

山姥を倒しつつ、ハンシャインとダ・ヴィンチXの間にマナを挟まらせる。

山姥は体力が低いため、晴哉のパーティーの攻撃力なら一撃で倒せる。

ドクロマーク発動。ダ・ヴィンチXのマーク付きの1が3へと変わる。

敵の攻撃で山姥の蘇生、レーザやホーミングが放たれる。

HPにはまだ余裕はある。

アグナックスで山姥を倒しつつ、中ボスへダメージを与える。数字は3から6へと変化。

続いてノンノのターン。

 

「よぉ〜し、やっちゃうぞ〜」

 

「おう!頼んだぞ!」

 

ノンノは壁と中ボスの間に放ち、一気にダメージを与える。

ダ・ヴィンチXがレーザーを放つ。腹に響く痛みが走る。今までとは少し違う痛みだ。属性によって痛みが違うらしい。

 

「張飛の力!見せてやろうぞ!」

 

張飛でダ・ヴィンチXを倒す。

中ボスを倒すと、山姥達はおどおどしながら壁をよじ登って何処かへ逃げていった。

 

 

第3ステージ 中ボスにヨトゥンが出現。当然、マーク付きの1の数字があり、周りには山姥が3体。

そして、ヨトゥンの手前にはケビン緑川の進化が立っていた。

 

「強者よ!我が主人に挑むなら、我の縋を破ってみせよ!」

 

ケビン緑川はそう言った。

 

「いいだろう。受けて立つ。」

 

晴哉はマナを放つ。山姥を倒しつつ、ケビン緑川にダメージを与える。

ケビン緑川にダメージを与える際、マナは「ごめんなさい」と言っていた。

ケビン緑川はその声に反応することなくハンマーを振り上げるも、マナは軽々避けた。ドクロマーク発動でヨトゥンのマーク付きの数字は3へと変わる。

 

続いてアグナックスのターン。猛スピードでケビン緑川とヨトゥンに攻撃する。

ケビン緑川の撃破に成功。

 

「ぐあっ…」

 

そんな声を漏らし、ケビン緑川は煙となり消える。

晴哉は拳を握り締めた。

 

ノンノ、張飛でヨトゥンの体力を削り切り、このステージを突破する。

 

 

ボスステージ。警報音と共に、進化したヨトゥンが降ってくる。

着地した瞬間、地震のような振動がする。晴哉は尻もちを付きそうになってしまったが、ぐっと踏ん張る。

ボスのゲージは水色。山姥が三体。ダ・ヴィンチとハンシャインコンビがニ組の言ったところ。

マナを放ち、山姥を倒しつつハンシャインとダ・ヴィンチコンビを一組倒す。

ドクロマーク発動。ヨトゥンのマーク付きの1の数字が5へと変わる。

敵の攻撃。ヨトゥンがレーザを3本放つ。マナ、アグナックス、ノンノに当たる。一気に3本分の痛みがじんじんと響く。

晴哉は痛みを堪え、進路を考察し、アグナックスを放つ。ダ・ヴィンチとハンシャインのコンビを撃破。

敵の攻撃、ホーミングやレーザを散々喰らい終了。

そして晴哉のターン。ノンノでヨトゥンの体力を削りつつ、山姥を撃破する。5の数字はそれ以上増えない。どう足掻いても、猶予は5ターンだ。

続いて張飛を放ち、ヨトゥンと北の壁の間に挟まりダメージを稼ぐ。

友情で何と削り切り、ボス1ステージ突破。

キュュュュンと耳にキーンと響く音を発しながら壁を破壊し、次のステージへ移動する。

 

ボス第2ステージ ヨトゥンを中心に、山姥が二体。

ケビン緑川が一体手前に立っている。

 

「また会ったな!強者よ。次はあのようにはいかんぞ!」

 

ケビン緑川はハンマーを構える。

晴哉はマナを放つ。山姥を一体倒し、ドクロマーク発動。

そして、ケビン緑川に半分のダメージを与える。

またもやマナはケビン緑川を攻撃する度に、「ごめんなさい、ごめんなさい」と何度も何度も謝っていた。

 

晴哉は罪悪感に押し潰されそうになったが、ぐっと堪え、進路を確認する。

ケビン緑川も倒せて、ヨトゥンにもダメージを与えられるルート…

 

「ここだ。」

 

晴哉がそう言った瞬間、アグナックスが放たれる。

アグナックスはケビン緑川を目にも止まらぬ速さで倒し、ヨトゥンにも友情と掛け合わせ、かなりのダメージを与えた。

 

「よ、よし。私もやるぞ〜!」

 

ノンノを放つ。マナの友情は相変わらずの火力だ。

ボスの体力はいつの間にか半分を切っていた。

あまりの火力に山姥を二体とも倒してしまった。

 

(まぁ、いい。このターンで突破すればいい話だ。)

 

そう思った晴哉の顔は一瞬で青ざめる。ヨトゥンの数字はもう“1”だった

1が0へと切り替わる。

 

その瞬間、目の前が急に真っ白に包まれると、体全身に焼かれたような痛みが走る。

 

晴哉はその場に膝を付いた。幸いなことに、HPはなんとか持ちこたえた。

呼吸を整え、状況を確認する。 

大きな赤のハートが右側の壁に立派に成っている。

あれをとりつつもこのターンで終わらせなければマズイ。

 

晴哉は張飛を放つ。ハートを取ってようやく焼けるような痛みが引いた。

そして、友情と共にヨトゥンのゲージを削り切る。

 

ヨトゥンはまた耳に響く音を発しながら壁を無茶苦茶に破壊して次のステージに行く。

 

「ハルさん。しっかり。」

 

マナが手を差し伸べてくれた。

晴哉はその手を使ってなんとか立ち上がる。

 

「ごめん…」

 

晴哉は小声でそう言った。

マナはちらっと後ろを見たが、気にしなかった。ーー気づかないフリをしたのだ。

 

ボス最終ステージ ヨトゥンを中心にケビン緑川が

手前に立っており、ダ・ヴィンチとハンシャインコンビが一組、山姥が二体。

 

あんな痛みはもう経験したくない晴哉は一瞬でルートを確認し、マナを放つ。

山姥を一体倒しつつ、ダ・ヴィンチ ハンシャインコンビに挟まる。

 

そして、ヨトゥンが今までとは比じゃないくらい地雷を撒いた。

それと同時にアビリティロックも行ってきた。

幸い、マナとノンノは掛らなかったが、アグナックスと張飛には鎖がへばりついていた。

 

「くぅ…はっ…」

 

苦しそうにもがくアグナックスを申し訳なさそうに横に放つ。

意地でも地雷を踏まぬように、尚かつマナの友情で削れるように放った。

マナの友情で多少は削れた。

続いてノンノでヨトゥンの体力を削る。

張飛は横に放つ。

 

こうなれば賭けだ。

晴哉はマナのストライクショットを放つ。

 

「ストライクショット!!」

 

晴哉がそう叫ぶと、マナが放たれた。

マナは全員の撃種を変更し、味方を率いて敵に撃ち込むストライクショット。

 

マナ達はヨトゥンを次々斬る。

 

トドメの一撃。

 

その一瞬、マナが剣を刺そうとしたその一瞬…

マナはヨトゥンを優しく撫でる。

 

「ごめんなさい。」

 

マナはそう言うとトドメの剣を刺す。

ヨトゥンは爆発しながら煙となり消えてしまった。

 

上の方にクエストクリアの文字が浮かぶ。

今日も終わった。

 

マナが近づいてくる。

 

「謝らなくてもいいんですよ。」

 

マナは晴哉の手をぎゅっと握る。

その手はまるで太陽かのように暖かかった。

 

「私はいつも一緒にいます。悲しい時も嬉しい時も…」

 

マナは晴哉に向かって微笑んだ。その微笑みはどこか懐かしさを感じるような気がした。

 

「やりましたねご主人。」

 

アグナックスが肩に手を置く。

 

「いぇ〜い!クリアクリア〜!」

 

ノンノも飛び跳ねて喜んでいる。

 

「張飛の力を甘く見たな。ハッハッハ!」

 

張飛は一人で高笑いしていた。

 

(まぁ、無事に終わって良かったよ。)

 

晴哉はその事を口に出さず。一緒に笑った。

 

 

ーーーー続く

 

 

 




遅くなってすいません。

次回は五界『創造の劔』です。
次回はなんと作者のオリジナルモンスターが…?

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