想いは彼方へ   作:水甲

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01 眠れる少女との出逢い

響side

 

生徒会室で作業をしていると、誰かが入ってきた。最初は姉さんかしずくが呼びに来たかと思ったけど、違った。

 

「久しぶりだな。詩音」

 

「うん、久しぶり」

 

神北詩音。僕と同じ試験生で、生徒会では僕と同じ雑用+選挙管理職についている。

 

「何だか色々とあったみたいだけど、スクールアイドル同好会に入ったんだって?」

 

「そうだけど、あぁ、彼方さんと仲良かったよね」

 

「うん、まぁ…………」

 

何だか歯切れが悪そうだな。もしかして…………

 

「付き合ってるの?」

 

「い、いや、付き合ってると言うか…………とりあえず今日は顔出しに来ただけだから、帰るよ」

 

詩音は生徒会室から出ていった。あの様子は…………

 

「まぁ、いいか。そう言えば勧誘しておくかな」

 

 

 

 

 

 

詩音side

 

俺と彼方さんは彼氏彼女の関係じゃない。ただ仲の良い友人として…………

 

「友達で良いのかな…………」

 

考えるのは後でもいいか。今は…彼方さんを探さないと…………

 

多分寝ていると思って、思い当たる場所を探していると、中庭の芝生の所に彼方さんが寝ていた。

 

「彼方さん、起きて」

 

彼方さんに声をかけるが、起きる様子がない。なんと言うか最初に会ったときの事を思い出すな

 

 

 

 

 

試験生として、虹ヶ咲学園に入学したけど、流石に女子が多いから片身が狭い。もう一人の試験生は慣れてるのかなんなのか、特に気にしてない感じに思えるのは気のせいか?

いや、気にしてるから基本的に生徒会室にいるのだろうけど…………

 

変なこと気にせず、今は人目のない場所でお昼でも食べないと…………

 

偶々見つけた芝生に座ると…………

 

「むにゃ…………」

 

変な声が聞こえ、辺りを見渡すと誰かの足が見えた。近づいてみるとそこには一人の女生徒が寝ていた。

 

ブロンドの髪に、可愛らしい見た目の女生徒。何でこんなところで寝ているのか疑問だけど、とりあえずスカートから見える太股が目のやり場に困る

 

「あ、あの、すみません。こんなところで寝ていたら風邪ひきますよ」

 

「ん~あれ~?貴方誰~?」

 

「通りすがりの人です。何でこんなところで寝てるんですか?」

 

「暖かくって、ここ絶好のお昼寝スポットなの~所で君は男の子なのに何でここに~?もしかして」

 

彼女はスマホを取り出して、何処かに電話を使用としていた。いや、不審者扱いはやめてほしい

 

「試験生です。お願いですから、通報はしないでください」

 

「試験生…………そう言えばそんな話を聞いたことがある~」

 

危うく通報されるところだった。とりあえず今はお昼を食べないと……

 

「お昼ご飯~?」

 

「あげませんよ」

 

「大丈夫。ねぇ、みんなと食べないの?」

 

「女子に囲まれて食べられるほど、肝は座ってないので」

 

「おぉ~男の子だもんね~恥ずかしいよね~」

 

彼女は立ちあがり、何処かに行くのであった。なんと言うか変わった人だな…………

 

「そうだった~」

 

戻ってきた彼女。何だ?どうしたんだ?

 

「私、近江彼方。貴方は?」

 

「俺は神北詩音です」

 

「詩音くんだね。よろしくね~」

 

これが彼方さんと俺との出会いだった。


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