響side
生徒会室で作業をしていると、誰かが入ってきた。最初は姉さんかしずくが呼びに来たかと思ったけど、違った。
「久しぶりだな。詩音」
「うん、久しぶり」
神北詩音。僕と同じ試験生で、生徒会では僕と同じ雑用+選挙管理職についている。
「何だか色々とあったみたいだけど、スクールアイドル同好会に入ったんだって?」
「そうだけど、あぁ、彼方さんと仲良かったよね」
「うん、まぁ…………」
何だか歯切れが悪そうだな。もしかして…………
「付き合ってるの?」
「い、いや、付き合ってると言うか…………とりあえず今日は顔出しに来ただけだから、帰るよ」
詩音は生徒会室から出ていった。あの様子は…………
「まぁ、いいか。そう言えば勧誘しておくかな」
詩音side
俺と彼方さんは彼氏彼女の関係じゃない。ただ仲の良い友人として…………
「友達で良いのかな…………」
考えるのは後でもいいか。今は…彼方さんを探さないと…………
多分寝ていると思って、思い当たる場所を探していると、中庭の芝生の所に彼方さんが寝ていた。
「彼方さん、起きて」
彼方さんに声をかけるが、起きる様子がない。なんと言うか最初に会ったときの事を思い出すな
試験生として、虹ヶ咲学園に入学したけど、流石に女子が多いから片身が狭い。もう一人の試験生は慣れてるのかなんなのか、特に気にしてない感じに思えるのは気のせいか?
いや、気にしてるから基本的に生徒会室にいるのだろうけど…………
変なこと気にせず、今は人目のない場所でお昼でも食べないと…………
偶々見つけた芝生に座ると…………
「むにゃ…………」
変な声が聞こえ、辺りを見渡すと誰かの足が見えた。近づいてみるとそこには一人の女生徒が寝ていた。
ブロンドの髪に、可愛らしい見た目の女生徒。何でこんなところで寝ているのか疑問だけど、とりあえずスカートから見える太股が目のやり場に困る
「あ、あの、すみません。こんなところで寝ていたら風邪ひきますよ」
「ん~あれ~?貴方誰~?」
「通りすがりの人です。何でこんなところで寝てるんですか?」
「暖かくって、ここ絶好のお昼寝スポットなの~所で君は男の子なのに何でここに~?もしかして」
彼女はスマホを取り出して、何処かに電話を使用としていた。いや、不審者扱いはやめてほしい
「試験生です。お願いですから、通報はしないでください」
「試験生…………そう言えばそんな話を聞いたことがある~」
危うく通報されるところだった。とりあえず今はお昼を食べないと……
「お昼ご飯~?」
「あげませんよ」
「大丈夫。ねぇ、みんなと食べないの?」
「女子に囲まれて食べられるほど、肝は座ってないので」
「おぉ~男の子だもんね~恥ずかしいよね~」
彼女は立ちあがり、何処かに行くのであった。なんと言うか変わった人だな…………
「そうだった~」
戻ってきた彼女。何だ?どうしたんだ?
「私、近江彼方。貴方は?」
「俺は神北詩音です」
「詩音くんだね。よろしくね~」
これが彼方さんと俺との出会いだった。