想いは彼方へ   作:水甲

10 / 14
10 彼方さんと遥ちゃん

「はぁ~」

 

さっきから彼方さんがため息をついている。どうかしたのかな?もしかして悩み事でもあるのかな?

 

「あの、彼方さん。どうかしたんですか?さっきからため息をついて」

 

「詩音く~ん~あのね~実は~遥ちゃんが…………」

 

遥ちゃん?もしかして…………

 

「喧嘩でもしました?」

 

「ううん、いつも仲良しだよ~なのに…………今朝」

 

「今朝?」

 

「お弁当受け取ってくれなかったの~」

 

…………普通ならそんなことでと思うところなのだけど、彼方さんと遥ちゃんの仲の良さを…………特に彼方さんの遥ちゃんラブを知っていれば、この案件はかなり重大だ。

 

「機嫌が悪かったとか?」

 

「ううん、昨日の夜は普通だったよ~今朝も変わった様子もなかったし…………遥ちゃんに嫌われたら私、生きていけない~」

 

落ち込む彼方さん。どうしたものか…………

 

「あの俺の方で話を聞いてみるよ」

 

「でも詩音くん、忙しいんじゃ…………」

 

「彼方さんが死んだりしたら、俺が今度生きていけなくなりますから」

 

生徒会の仕事もきっと響が何とかしてくれるから大丈夫だ。

 

「ありがとう~詩音くん~大好き~」

 

 

 

 

 

 

 

放課後、遥ちゃんを呼び出し、話を聞いてみた。

 

「えっ?お弁当の事ですか?」

 

「うん、彼方さん、凄く落ち込んでいて、嫌われちゃたかなって」

 

「嫌いになんかなってませんよ。ただ」

 

「ただ?」

 

「この間のイベントのお姉ちゃん、凄く輝いていて、元気いっぱいもらったんです。それで思ったんです。私、お姉ちゃんに甘えていて、お姉ちゃんがしたいこと我慢してるんじゃないかって…………」

 

そんな事はないと思う。付き合って分かったことがある。それは彼方さんのしたいことは…………

 

「そんなことないよ。彼方さんは遥ちゃんのためになることが、一番やりたいことだから」

 

「詩音さん…………」

 

「ちゃんと話してあげて」

 

「はい」

 

とりあえず二人の事は何とかなりそうかな?

 

「それにしても詩音さん、お姉ちゃんのためなら頑張れますね」

 

「いや、恋人だし…………」

 

「いいな~お姉ちゃん、素敵な恋人がいて、あれ?でも結婚したら、詩音さんがお兄ちゃんに…………詩音さん!」

 

「な、何?」

 

「早く結婚してください」

 

「何でそうなるの!?」

 

「お姉ちゃんと結婚したくないんですか‼」

 

「俺はまだ16だよ」

 

「なら、18になったら…………いえ、もう私たちの家に住んでください‼」

 

何か暴走している遥ちゃん。俺はそんな遥ちゃんを落ち着かせるのに苦労するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

「詩音くん~ありがとうね~遥ちゃんと話してお弁当受け取ってもらったよ~」

 

朝の登校時に彼方さんからそんな話が出た。本当に良かった

 

「それでね~遥ちゃんが言ってたんだけど、詩音くん~うちに住むの~?」

 

「何でそんな話になるんだよ…………と言うか遥ちゃんは伝えなくていいことを…………」

 

「私はいつでもいいよ~お母さんとお父さんにも紹介を…………」

 

「彼方さん、少し話し合いましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

何とか説得したけど、生徒会室では

 

「同棲するって聞いたけど…………」

 

「学生でそう言うことはいけないかと」

 

響と三船さんにそんなことを言われるのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。