「はぁ~」
さっきから彼方さんがため息をついている。どうかしたのかな?もしかして悩み事でもあるのかな?
「あの、彼方さん。どうかしたんですか?さっきからため息をついて」
「詩音く~ん~あのね~実は~遥ちゃんが…………」
遥ちゃん?もしかして…………
「喧嘩でもしました?」
「ううん、いつも仲良しだよ~なのに…………今朝」
「今朝?」
「お弁当受け取ってくれなかったの~」
…………普通ならそんなことでと思うところなのだけど、彼方さんと遥ちゃんの仲の良さを…………特に彼方さんの遥ちゃんラブを知っていれば、この案件はかなり重大だ。
「機嫌が悪かったとか?」
「ううん、昨日の夜は普通だったよ~今朝も変わった様子もなかったし…………遥ちゃんに嫌われたら私、生きていけない~」
落ち込む彼方さん。どうしたものか…………
「あの俺の方で話を聞いてみるよ」
「でも詩音くん、忙しいんじゃ…………」
「彼方さんが死んだりしたら、俺が今度生きていけなくなりますから」
生徒会の仕事もきっと響が何とかしてくれるから大丈夫だ。
「ありがとう~詩音くん~大好き~」
放課後、遥ちゃんを呼び出し、話を聞いてみた。
「えっ?お弁当の事ですか?」
「うん、彼方さん、凄く落ち込んでいて、嫌われちゃたかなって」
「嫌いになんかなってませんよ。ただ」
「ただ?」
「この間のイベントのお姉ちゃん、凄く輝いていて、元気いっぱいもらったんです。それで思ったんです。私、お姉ちゃんに甘えていて、お姉ちゃんがしたいこと我慢してるんじゃないかって…………」
そんな事はないと思う。付き合って分かったことがある。それは彼方さんのしたいことは…………
「そんなことないよ。彼方さんは遥ちゃんのためになることが、一番やりたいことだから」
「詩音さん…………」
「ちゃんと話してあげて」
「はい」
とりあえず二人の事は何とかなりそうかな?
「それにしても詩音さん、お姉ちゃんのためなら頑張れますね」
「いや、恋人だし…………」
「いいな~お姉ちゃん、素敵な恋人がいて、あれ?でも結婚したら、詩音さんがお兄ちゃんに…………詩音さん!」
「な、何?」
「早く結婚してください」
「何でそうなるの!?」
「お姉ちゃんと結婚したくないんですか‼」
「俺はまだ16だよ」
「なら、18になったら…………いえ、もう私たちの家に住んでください‼」
何か暴走している遥ちゃん。俺はそんな遥ちゃんを落ち着かせるのに苦労するのであった。
次の日
「詩音くん~ありがとうね~遥ちゃんと話してお弁当受け取ってもらったよ~」
朝の登校時に彼方さんからそんな話が出た。本当に良かった
「それでね~遥ちゃんが言ってたんだけど、詩音くん~うちに住むの~?」
「何でそんな話になるんだよ…………と言うか遥ちゃんは伝えなくていいことを…………」
「私はいつでもいいよ~お母さんとお父さんにも紹介を…………」
「彼方さん、少し話し合いましょう」
何とか説得したけど、生徒会室では
「同棲するって聞いたけど…………」
「学生でそう言うことはいけないかと」
響と三船さんにそんなことを言われるのであった。