想いは彼方へ   作:水甲

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11 看病

ある日の事、家でのんびりと過ごしていると、遥ちゃんから電話がかかってきた。

 

「どうかしたの?」

 

『あっ、お兄ちゃん。今大丈夫ですか?』

 

いや、そのお兄ちゃん呼びはやめてほしいのだけど…………

 

この間の一件で何故かそう呼ばれることになった。何と言うか、それが原因で勘違いされたりしているのだけど…………

 

「それで何か用?」

 

『実はお姉ちゃんが風邪を引いて…………看病お願いできませんか?』

 

いや、何でだよ…………

 

「俺じゃないとダメなの?と言うか遥ちゃんが…………」

 

『すみません。私は外せない用事があって、お願いします』

 

断る理由もないし、行くとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

彼方さんの家に行くと、遥ちゃんが出迎えてくれた。

 

「待ってました。お願いします。お兄ちゃん」

 

「その呼び方はやめろ」

 

「良いじゃないですか。将来的にはそうなるんですから」

 

将来的には…………か。

遥ちゃんの案内された部屋に行くと、彼方さんが寝ていた。

寝ているのは良いとして、色々とはだけてるんだけど…………

 

「それじゃお願いしますね」

 

遥ちゃんはそう言って出掛けていった。さて看病しろと言われても、何をすれば良いのやら…………

 

「ん、んん~あれ~遥ちゃんが詩音くんになってる~何で~?」

 

「遥ちゃんに頼まれたんですよ。ほら、寝ていてください」

 

「ん~でもお客さんにお茶を~」

 

「いいですから、寝ていてください」

 

風邪を引いてるのに、変に気を使って…………

俺は濡らしたタオルを彼方さんの額にのせた。

 

「冷たい~」

 

「遥ちゃんが帰ってくるまで、ここにいますから何かあったら言ってください」

 

俺はベッドにもたれかかり、持ってきた本を読み始める。すると彼方さんは…………

 

「詩音くん~」

 

「何ですか?」

 

「背中拭いて~」

 

何をとんでもないことを言い出すんだよ。この人は…………

俺は彼方さんの方を見ると、すでにパジャマの上を脱いで、背中を見せていた。

 

「あの…………」

 

「早く~」

 

ここは覚悟をして、俺は彼方さんの背中を拭いた。あまり背中を見ないように、目線を下にしてだ。

 

「気持ち~」

 

「こ、これぐらいでいいですか?」

 

「前も~」

 

「前は自分で拭いて下さい」

 

「えへへ~冗談だよ~」

 

お願いだからそう言う冗談はやめてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

彼方さんが体を拭き終え、着替えも済ました後は、他愛のない話をしていた。

気がつくと彼方さんは眠っていた。

 

「彼方さん、お休み」

 

俺はそっとキスをし、彼方さんの側で眠りにつくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

数日後

 

「けほっ、けほっ」

 

「移しちゃったね~今日は私が看病するね~」

 

まさか移るとは思ってなかった。まぁ移った理由は分かってるけど…………

 

「ダメだよ~風邪引いてる人にキスしちゃ~」

 

バレてたのか…………

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