ある日の事、家でのんびりと過ごしていると、遥ちゃんから電話がかかってきた。
「どうかしたの?」
『あっ、お兄ちゃん。今大丈夫ですか?』
いや、そのお兄ちゃん呼びはやめてほしいのだけど…………
この間の一件で何故かそう呼ばれることになった。何と言うか、それが原因で勘違いされたりしているのだけど…………
「それで何か用?」
『実はお姉ちゃんが風邪を引いて…………看病お願いできませんか?』
いや、何でだよ…………
「俺じゃないとダメなの?と言うか遥ちゃんが…………」
『すみません。私は外せない用事があって、お願いします』
断る理由もないし、行くとしよう。
彼方さんの家に行くと、遥ちゃんが出迎えてくれた。
「待ってました。お願いします。お兄ちゃん」
「その呼び方はやめろ」
「良いじゃないですか。将来的にはそうなるんですから」
将来的には…………か。
遥ちゃんの案内された部屋に行くと、彼方さんが寝ていた。
寝ているのは良いとして、色々とはだけてるんだけど…………
「それじゃお願いしますね」
遥ちゃんはそう言って出掛けていった。さて看病しろと言われても、何をすれば良いのやら…………
「ん、んん~あれ~遥ちゃんが詩音くんになってる~何で~?」
「遥ちゃんに頼まれたんですよ。ほら、寝ていてください」
「ん~でもお客さんにお茶を~」
「いいですから、寝ていてください」
風邪を引いてるのに、変に気を使って…………
俺は濡らしたタオルを彼方さんの額にのせた。
「冷たい~」
「遥ちゃんが帰ってくるまで、ここにいますから何かあったら言ってください」
俺はベッドにもたれかかり、持ってきた本を読み始める。すると彼方さんは…………
「詩音くん~」
「何ですか?」
「背中拭いて~」
何をとんでもないことを言い出すんだよ。この人は…………
俺は彼方さんの方を見ると、すでにパジャマの上を脱いで、背中を見せていた。
「あの…………」
「早く~」
ここは覚悟をして、俺は彼方さんの背中を拭いた。あまり背中を見ないように、目線を下にしてだ。
「気持ち~」
「こ、これぐらいでいいですか?」
「前も~」
「前は自分で拭いて下さい」
「えへへ~冗談だよ~」
お願いだからそう言う冗談はやめてほしい。
彼方さんが体を拭き終え、着替えも済ました後は、他愛のない話をしていた。
気がつくと彼方さんは眠っていた。
「彼方さん、お休み」
俺はそっとキスをし、彼方さんの側で眠りにつくのであった。
数日後
「けほっ、けほっ」
「移しちゃったね~今日は私が看病するね~」
まさか移るとは思ってなかった。まぁ移った理由は分かってるけど…………
「ダメだよ~風邪引いてる人にキスしちゃ~」
バレてたのか…………