先月のバレンタイン、今日はホワイトデー……ちゃんとお返しをしないといけないと考えていたけど…………
「すぅ~」
彼方さんの家で彼方さんに抱き枕にされていた。
何でこんなことになっているかと言うと、彼方さんにプレゼントを渡しにきたら、何故か部屋に連れられ、そのまま抱き枕に…………
「どうしよう…………」
このまま過ごすのも悪くはないけど…………プレゼントを渡さないと……でも前に聞いた遥ちゃんの話を思い出した。彼方さんがしてもらって嬉しいことをするのがいいと言うことをだ。
それがこの抱き枕になることなのか…………
「いや、違うか…………彼方さん、起きてください」
彼方さんを起こすと、彼方さんは眠い目を擦りながら……
「なに~?」
「これ、お返しです」
お返しのマカロンを渡した。遥ちゃんいわくお返しはマカロンの方がいいと言われていたけど、彼方さんの好きなものなのかな?
「ありがとう~後で食べるね~それじゃ~」
また抱きつこうとして来た彼方さん。僕はそれを止め…………
「あの、抱き枕になるのがしてもらって嬉しいことなんですか?」
「違うよ~ただ詩音くんとイチャイチャしたいだけ~でもエッチなのはダメだよ~」
イチャイチャしたいだけって…………
「さぁ~イチャイチャしよう~」
彼方さんは両手を広げていた。僕はそんな彼方さんを抱き締めた。
「詩音くんにぎゅとされるの嬉しいな~暖かくって~」
「寝ないでくださいね……」
僕は彼方さんの髪を優しく触れていく。柔らかい髪に仄かに香るシャンプーの匂い…………更に耳を愛撫した。
「んん、エッチなのはダメだよ~」
「耳、触ってるだけですよ」
「触り方がえっちだよ~」
ちょっと怒った顔をしているけど、気にせず耳を触った
「んん、ダメ……」
耳を触り終わると、今度はキスをした。最初は軽く…………何度もしていき、長めにキスをしていく。
「彼方さん…………」
「もっと……キスして……それに……ぎゅとして……」
それからはキスをしたり、抱き締めあったりと、甘い時間を過ごすのであった。
気がつくとお互い眠っていた。彼方さんの方を見ると、服が乱れていたけど…………してないよな
「ん~あれ?服が~詩音くん?」
「してないです‼」
「知ってるよ~ただ寝ぼけて乱れちゃったみたいだね~」
それならいいけど…………そろそろ帰らないといけない時間だと思い、帰ろうとすると…………
「ねぇ~今日は遥ちゃん、お泊まりだから~一緒にいて~」
「でも……」
「ねぇ~」
上目遣いでそんな風に頼まれると、断れないですよ…………彼方さん。
それから夕食をご馳走してもらうと、何故か彼方さんに海パンを渡されて、これでお風呂に入ってと頼まれた。
湯船に入っていると…………
「湯加減どう~?」
水着姿の彼方さんがお風呂に入ってきた。
「か、彼方さん……!?」
「詩音くん的には裸の方が良かった~?でも今日はダメだから~水着~」
あの水着の方がかなりいいですけど…………彼方さんは湯船に入り、僕にもたれ掛かった。
「えへへ~」
「あの……彼方さん」
「詩音くんとお風呂~」
凄く嬉しそうにしている。これはこれで良かったのかもしれない。
それからはお互いの体を洗いっこし、彼方さんの部屋でまたキスをしていく。
「彼方さん……正直言うと…………」
「…………もういいかな?」
彼方さんはある場所を見た。僕も見てみると時計が0時を過ぎていた。
「ホワイトデー、終わっちゃったね~だから~」
「彼方さん……」