想いは彼方へ   作:水甲

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03 自分の気持ち

彼方さんの妹の遥ちゃんに連れられ、近江家にやって来た俺。

 

遥ちゃんはお茶を出しながら、話し出した。

 

「実はお姉ちゃんが貴方の話をよくするです」

 

「そうなの?」

 

「はい、詩音くんとご飯食べてたら~とか、今日は詩音くんと~など」

 

彼方さん、どんだけ俺の話をしてるんだよ。

 

「最初はお姉ちゃんに男友達が出来たと思ったんですが、話を聞いているうちに…………彼氏ではないかと」

 

変な勘違いをし始めたぞ。この子…………別に彼氏じゃ…………

 

「いや、彼氏じゃないから。遥ちゃんの勘違いだよ」

 

「そうなんですか?でもお似合いかと思いますよ。詩音さん、優しそうだし、お姉ちゃんを傷つけたりしなさそうだし…………」

 

この子は……なんと言うか……別に彼方さんに対して恋愛感情は…………

 

彼方さんの事を考えていると顔が熱くなってきた。それに胸がドキドキしてきた…………

 

「どうかしたんですか?」

 

「い、いや、別に…………」

 

「もしかして今になって意識したんですか?それなら応援します‼」

 

何だか遥ちゃんに応援された。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日のお昼休み。今日は天気が悪いため、保健室で彼方さんと過ごすことになった

 

「聞いたよ~昨日家に来たって~」

 

「遥ちゃんに誘われて…………いい子ですね。遥ちゃん」

 

「自慢の妹ですから~でも遥ちゃんを傷つけたりしたら怒るよ~」

 

「そんなことする人に見えます?」

 

「ううん、見えないよ。でも念のため~もしも詩音くんが遥ちゃんと付き合ったら…………弟になるのか~」

 

何でそう言う方向にもってきたがるんだよ。

 

「俺は遥ちゃんと付き合う気はないです」

 

「むぅ~遥ちゃんに魅了がないの~」

 

「そう言うわけじゃなくて、俺は彼方さんの…………」

 

「えっ?」

 

今、何を言おうとしたんだ?俺は…………彼方さんは顔を赤らめている。このまま伝えていいのか?でも…………

 

「えっと…………そろそろ授業が始まりますよ。行きましょう」

 

「う、うん」

 

何とか誤魔化すことに成功したけど、ちゃんと自分の気持ちに向き合わないといけないよな

 

 

 

 

 

 

 

放課後になり、自分の気持ちを考えた。俺は彼方さんの事は好きでいいのか?

ただ偶然知り合って、そう日が経ってないのに?

 

「こういう事は本当に分からないな…………」

 

ため息をつきつつ、歩き出すと、何かの音が聞こえた。

 

「えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

まさか自転車に引かれるなんて…………命に別状はなかったけど、体を強く打って、暫く入院することになった。

 

 

そして現在、彼方さんに声をかけ続けて

 

「んあ、あれ~詩音くん、久しぶり~」

 

目を擦り、俺の姿を見て、抱きついてきた。人目がないからって、誰かに見られる可能性があるんだけど、それにいろいろ当たってるし

 

「急に会わなくなったから、嫌われたかと思ったよ~」

 

「別に嫌いになる理由はないですよ。ただ…………」

 

「聞いたよ~入院してたんだよね~お見舞いに行けば良かったよ~」

 

「すみません」

 

「それじゃ、改めておかえり」

 

「はい、ただいま」

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