彼方さんの妹の遥ちゃんに連れられ、近江家にやって来た俺。
遥ちゃんはお茶を出しながら、話し出した。
「実はお姉ちゃんが貴方の話をよくするです」
「そうなの?」
「はい、詩音くんとご飯食べてたら~とか、今日は詩音くんと~など」
彼方さん、どんだけ俺の話をしてるんだよ。
「最初はお姉ちゃんに男友達が出来たと思ったんですが、話を聞いているうちに…………彼氏ではないかと」
変な勘違いをし始めたぞ。この子…………別に彼氏じゃ…………
「いや、彼氏じゃないから。遥ちゃんの勘違いだよ」
「そうなんですか?でもお似合いかと思いますよ。詩音さん、優しそうだし、お姉ちゃんを傷つけたりしなさそうだし…………」
この子は……なんと言うか……別に彼方さんに対して恋愛感情は…………
彼方さんの事を考えていると顔が熱くなってきた。それに胸がドキドキしてきた…………
「どうかしたんですか?」
「い、いや、別に…………」
「もしかして今になって意識したんですか?それなら応援します‼」
何だか遥ちゃんに応援された。
次の日のお昼休み。今日は天気が悪いため、保健室で彼方さんと過ごすことになった
「聞いたよ~昨日家に来たって~」
「遥ちゃんに誘われて…………いい子ですね。遥ちゃん」
「自慢の妹ですから~でも遥ちゃんを傷つけたりしたら怒るよ~」
「そんなことする人に見えます?」
「ううん、見えないよ。でも念のため~もしも詩音くんが遥ちゃんと付き合ったら…………弟になるのか~」
何でそう言う方向にもってきたがるんだよ。
「俺は遥ちゃんと付き合う気はないです」
「むぅ~遥ちゃんに魅了がないの~」
「そう言うわけじゃなくて、俺は彼方さんの…………」
「えっ?」
今、何を言おうとしたんだ?俺は…………彼方さんは顔を赤らめている。このまま伝えていいのか?でも…………
「えっと…………そろそろ授業が始まりますよ。行きましょう」
「う、うん」
何とか誤魔化すことに成功したけど、ちゃんと自分の気持ちに向き合わないといけないよな
放課後になり、自分の気持ちを考えた。俺は彼方さんの事は好きでいいのか?
ただ偶然知り合って、そう日が経ってないのに?
「こういう事は本当に分からないな…………」
ため息をつきつつ、歩き出すと、何かの音が聞こえた。
「えっ?」
まさか自転車に引かれるなんて…………命に別状はなかったけど、体を強く打って、暫く入院することになった。
そして現在、彼方さんに声をかけ続けて
「んあ、あれ~詩音くん、久しぶり~」
目を擦り、俺の姿を見て、抱きついてきた。人目がないからって、誰かに見られる可能性があるんだけど、それにいろいろ当たってるし
「急に会わなくなったから、嫌われたかと思ったよ~」
「別に嫌いになる理由はないですよ。ただ…………」
「聞いたよ~入院してたんだよね~お見舞いに行けば良かったよ~」
「すみません」
「それじゃ、改めておかえり」
「はい、ただいま」